投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-15 22:55:49 (699 ヒット)

 7/14土曜日。この3連休、4つの眼科関係の合同年会が新宿で開催されてる。14,15,16と完全に連休を潰して勉強されている姿勢には頭が下がる。14日は講演に呼ばれてTregの話をする。夕刻7時から懇親会なのだが一度ラボに戻ってから出かけることに。懇親会では来賓代表でスピーチをと依頼されていた。私の一番苦手なやつだ。ところが新宿周辺は渋滞で会場には15分くらい遅れて到着。結局乾杯まで呼び出しがかからなかったので「ああ、自分の出番には間に合わなかったのだ」と妙に安心してワインを遠慮なくいただいていた。そうすると会の最後に「ではここで来賓のご挨拶を」と海外からの招待者と私が呼ばれたのだった。かなり油断していた。でも今こそ「古代ローマのライオンのスピーチ」のネタがぴったりだ、と思ったのだが、すでにほとんどの聴衆は出来上がっている。あまり複雑なことを言っても通じないかもしれない。そこで数日前の山中先生の講演を披露して「iPSの臨床応用は眼科領域が一番乗りである」と持ち上げ、でも「とりあえずは他家移植をめざすそうなので、HLAの問題は避けられない。再生医療には免疫学の知識が欠かせない」と免疫の勉強の重要性を強調した。そのあと「実は山中先生とは旧知のなかで、、、」と続けようと思ったが、「免疫学の勉強は重要」と言ったところで皆しらけたのか聞いていない。最後は前田敦子の「吉村は嫌いになっても免疫学は嫌いにならないで!」で少しの笑いを誘って結んだ。まあ皆さん記憶にも残ってないだろうからいいか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-11 23:56:41 (980 ヒット)

 免疫学分野だけではないだろう。マウスモデルでなくヒトの材料を用いてヒトの生理病理を理解しようという機運が高まっている。当教室でも健常人の末梢血を使った実験を行なっている。もちろん○○委員会の承認を受けている。
懇親会でいい気分になって家に帰ったら突然○○審査からメールがやってきた。3ヶ月くらい前に出した報告書に不備があるらしい。ところが書いているのは
「上記の1)〜 3)については、従来の年次報告書の「実施状況の概要」欄の
㈰〜㈬を適切に記入していただければカバーされます。」

Webシステムにアクセスしても指摘されているところがどこなのか全くわからない。何を「適切に」どう書けばよいのか?一体何が不備なのか一切書いていない。日本語が理解できない。理解できない自分がわるいのだろうがメールは「返信は受け付けない」と書いてあるのに問い合わせ先の電話番号もない。○○審査の申請書と報告書には常に苦しめられ続けて苛立つ。複雑怪奇なWebシステムの不備も大きいと思う。

PC相手にいろいろいじくってもラチがあかないので、事務局にメールして来てもらった。そこはかなり親切だ。するとなんと5分程度で終了。あの1時間はなんだったのか?これからは自分ではやりません、お呼びしますのでどうか来てください、とお願いしたらいつでも来ますとのこと。これはありがたい。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-11 22:57:34 (825 ヒット)

 11日12日と都内で日本炎症再生学会。炎症と再生。炎症と再生の2つの学会が合同になったのが平成12年だそうだ。おそらく融合した当時は相当違和感があったと思うが、今日この2つは切り離せないものと捉えられている。先人の先見の明には感服する。今日の目玉は山中先生の講演。iPSの臨床応用が着実に進んでいることが実感させられた。ところで実は私と山中先生とは旧知の仲である。はるか昔は「山中君、頑張って」と肩を叩いていた。それがもう声もかけられない存在になってしまって久しい。懇親会で「吉村先生は心の師匠です」なんて言われて調子に乗って「先生、それをぜひ次の講演会で披露してくださいよ」とおねだりしてしまった。恥ずかしい。まあ先生は心の広いかたなのでなんとも思っておられないだろう。
子供や学生たちにに自慢したいからとツーショットをお願いした。すると、では自分もと次々と理事の先生方までツーショットをおねだりしていたのがおかしかった。山中先生もアイドル並みか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-09 00:02:58 (1047 ヒット)

 昨年の朝倉の大水害のときもひどかったが今回は広範囲で規模が大きい。被災されたひとたちは本当にお気の毒だと思う。これだけ広範囲だと何処に義援金を送ったらよいのか。広島は4年前にも大規模な土石流で多くのかたが亡くなっている。そういう教訓を活かせる以上の雨量だったのだろうか(砂防ダムつくってるんじゃなかったのか)。数十年に一度の雨と言われるようになってほぼ毎年災害が起きている。この国に住んでいる以上避けられない宿命なのだろうか。いや自分が子供の頃に比べると治水工事の効果で少なくとも筑後川の氾濫は減っている。常に自然と対峙しないといけないのだろう。a

実は久留米の実家でも車が水没するという被害にあった。幸い家と人には被害はない。座席までも水は来ていないのですぐに直ると思ったら修理に70万円かかるという。ネットで調べてもマフラーに水が入るくらいだとそれくらいかかる。しかも一旦水没したものはいつ壊れるかわからない、ということで買い替えを勧められた。中古車しか買える余裕はないがそれでも想定外の相当の出費だ。ところが同じようなひとはたくさんいるらしく在庫がかなり少ないらしい。中古車店に連れて行ってもらったが確かに車がいつもの半分もない。泣く泣く言われるままに購入。。広島や岡山の被災者の方々とは比べものにならないが、やはり痛い。こういうときくらい減税措置してくれるといいのだが。。。

明日が懸案の査読の締め切り。先週も昨日今日も休みなくひたすらひとの申請書を読む。集中力が続かないので1日にそうたくさん読めるわけではない。皆さん懸命に書かれているのでこちらも真剣にならないといけない。。。なんとか今日中に終えることができたがストレスで過食に走っている。それにしても話題の文科省局長の贈収賄事件。大学支援事業のような公募案件は専門家の会議で決めると思う。局長の一言で決まるようなものではないと思うのだが。。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-28 01:10:17 (1751 ヒット)

 先週はアメリカkeystone meeting。土日を挟んで月火講義でそのまま札幌での会議。金曜日神戸。AMEDの締め切りが刻一刻と迫る。それでもワールドカップを見てしまう自分が情けない。韓国ードイツ戦。ドイツ楽勝と思われたが韓国は意地を見せた。そもそも引いて固めた相手をこじ開けるのは難しい。韓国はお手本通りのサッカーをしたのだと思う。明日は日本ーポーランド。立場は日本とドイツ、ポーランドと韓国全く同じ。失うものがない韓国は落ち着いていた。一方のドイツは焦りばかりが目立った。全く同じことが明日起こるだろうと予想するのは私だけではないだろう。GKを変えなと早い時間帯に失点しあとは焦りで自滅するだろう。でもわかっていても決断できないのが人間だ。私の予想はGK変えなければ1-0か2-0でポーランド。GKを変えれば0-0か1-1で引き分け。私の予感はアメリカ大統領選挙をもあてたのだ。西野監督に聞こえるといいが。

言った通りになった。自分には予知能力でもあるのか?日本は最後コロンビア頼みで5分以上ボールをまわすだけ。日本男子なら負けてもいいから最後までゴールを取りにいく気持ちをみせろよ。どのみちこんな試合していたら次は負ける。後味悪い試合だった。

7/3 ベルギー戦。2点先制するも逆転負け。ベルギーをかなり慌てさせた。負けたものの前回の試合の汚名をそそぐいい試合だった。しかしこのあとが難しい。今から寝ると寝過ごしてしまいそうだ。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-17 16:20:58 (1194 ヒット)

 NHK天気予報士の南さん。関西で活躍していたがいつからか全国放送でも見かけるようになった。はじめは関西ノリのオヤジギャグを連発し周囲の温度を5度ほど下げ、女子アナに冷ややかな視線を浴びせられ続けた。オヤジの星、カガミというべき存在だったが、そこで指導が入ったのかすぐに全くおとなしく何の取り柄もないノーギャグ状態に陥った。南さんのユーモアも権力には勝てなかったかと同情していたが、今日は久々の(ごくささやかな)逆襲。さすがに梅雨なので明日から一週間連続して雨。今日が唯一曇り。そこで南さん「センタクの余地がありませんね」。洗濯と選択をかけている。思わずテレビに向かって「ウマイ!」と声をかけた。哀しくもいとおしい「オヤジ」をご理解いただきたい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-14 20:42:11 (1141 ヒット)

 本年度からMCBという膨大なオムニバス講義シリーズの世話係を担当している。「学生が研究の面白さを認識し、同時に研究に参入してくれる契機になるように」というコンセプトで様々な分野の第一人者を呼んで講義してもらうことになっている。その第1発目は京都大学の斎藤通紀教授。生殖細胞の発生研究では世界のトップランナーで、弱冠38歳の若さで京大教授に就任された。特にiPS細胞から始原生殖細胞を誘導することに成功された仕事は高く評価されており、武田学術賞を受賞されている。その時の講演を聞いて大変感銘を受けてぜひにとお願いして来ていただいた。京都からこの講義のためにだけ来てもらって講義が終わるとすぐに東京駅に急がれた。超多忙のところを誠にありがたいことだ。
門外漢なので専門用語にやや戸惑ったが、講義はわかりやすく、普通の細胞から精子と卵子を作ってほぼ試験管内だけで個体ができるような時代がそう遠くない将来に来るのではないか、と思わせるような夢を感じられるものだった。でも体細胞由来のiPSと違って精子や卵子のDNAにはほとんど変異が入っていないらしい。その仕組みはまだよくわかっていないという。もちろん倫理的な問題も提起されてレポート課題にとりあげられた。学生からも結構質問が出ていたのでinspireできたのではないだろうか。
そのあと4限目免疫学の講義をした後ビアガーデンに直行して学生実習の打ち上げ。ここ数年実習があまりにうまくいかないのでアレルギー応答に切り替え結果が明瞭に出るようにした。スタッフは本当にご苦労様で感謝にたえない。このごろ申請書ばかり読んでいてストレスが溜まっているのかつい発散しすぎた。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-12 21:07:13 (1199 ヒット)

うすうす肌で感じていたことだが国がデータで認めるとなると首肯せざるを得ない。ではどうすればいい?

<科学技術白書>「国際的地位は低下」研究力の低迷あらわに

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180612-00000051-mai-sctch


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-08 22:07:17 (1278 ヒット)

 人前でのspeechは大の苦手である。ローマ時代ライオンと人間が戦っていた頃、兵士が「もしお前が勝ったらスピーチしないといけないぞ」とライオンにこそっとつぶやいたらライオンが戦わずして逃げ出したというのは有名な話。今回プログラム委員だからと指名されて終了後の懇親会のspeechを請け負うことになった。もちろん固辞したが「あなたしかいない」と進行役の若い人に泣き落とされた。この忙しいのに一晩寝ずに考えたのが以下のspeech。このまま忘れ去られてしまうのはあまりも勿体無いので転記しておく。

My name is Akihiko Yoshimura from Keio University. On behalf of IMS-JSI- program comitte, I express sinseir thanks to all participants in this joint symposium. Especially I greatly appreciate speakers from overseas for your great contribution to this symposium. Thanks to all of you, I think this symposium was extremely successful. 
By the way, the title of this symposium is "checkpoint in medical science". Does anybody know who is the first to say this word "Immunecheckpoint"? When I heard this word for the first time, I felt weired because checkpoint is usually used for dead or alive situation in cell cycle or in the rearrengement of BCR or TCR genes. However, now this word becomes very familiar and very popular, and sounds very nice. Immunoecheckpoint implys the inhibtory factors or inhibitory molecults that prevent activation of immune cells, especailly T cells. Yes, immunecheckpoint is really imporant for immunological sciences. However, it is also important for immunological researchers and society. You may be able to image so many checkpoints are present in immunology society. I am not talking about particlar person, of course*. In any filed and age, conflicts between generations are always present. However, recently, I am afraid that the power of youner generation in the filed of immunology is weaker than that of older ones, especaiily in Japan. There are checkpoints, anytime and anywhere in your life. I hope young people here will overcome the checkpoint(person)s and make your dream true.

Thank you very much again for your participation.

 

*ここが唯一笑いをとるポイント。まあまあウケたかな。


スピーチ原稿代筆のご用命はメールにて承っております。



投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-05-07 16:13:07 (2661 ヒット)

 日曜劇場の「ブラックペアン」。臨床薬理学会から治験コーディネーターの描き方があんまりだと抗議を受けるも「炎上商売」なのか気にしてないようだ。それよりも慣れ親しんだ「インパクトファクター」が何度も出てくる。一般社会では馴染みが薄いであろうこんな専門用語がテレビでバンバン出てくるのは感無量である。数字で競うのでわかりやすいからだろうか。理事長選挙を争う西崎教授が71で佐伯教授が77だそうだ。やけに低い。「オレなんか500以上はある」と家人に胸を張るが、ふ〜ん、と無視される。

4月休みなしで書いた論文が立て続けに高インパクトファクター(IF)の雑誌に蹴られる。Reviewにすら回らないのでは相当にヘコむ。誰かが「インパクトファクターはサイヤ人の戦闘力みたいなものか」とつぶやいていたが当たらずとも遠からず。確かによく使われるのは教授選とか昇進とか研究費の審査の時である。なので皆、高IFの雑誌に論文を掲載したいと願望し競争も激化する。弊害も多いので「人事等では使わないようにしよう」という運動すらある。そもそも送った論文に最初に目を通す editorなどそこらの若造が多くて(自分の英語がダメなことはおいといて)本当の価値を判断できるとは思えない。ここで凹んでいては研究者はやっていけない。

ある会議室。ある教室の講師の選考会議。普通の昇進の判定だけなのだが推薦した教授が申し訳ななそうに「インパクトファクターの合計が200くらいしかないんですよね」とおっしゃる。「大丈夫ですよ。佐伯教授でも77しかないんですから」(と思わず言いそうになった)。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-04-27 16:48:56 (1587 ヒット)

 金沢大学がん進展制御研究所の田所先生、平尾先生の研究が『Cell Stem Cell』のオンライン版に掲載されている。プレスリリースもされている。SpredはRas-ERK経路の負の制御因子でLegius症候群の原因遺伝子である。私はマウスを供給したくらいで大した貢献はしてないが、「Spred1がメタボによる幹細胞の傷害、がん化を防ぐ機能を持つことの発見」というすばらしいお仕事に少しでも関与できたことは望外の喜びだ。田所先生がこの仕事を始められたのはおそらく5年以上前だと思う。大変丁寧にコツコツデータを蓄積された大作だ。でも一番のキモはやはり高脂肪食でSpred欠損マウスの骨髄幹細胞が腫瘍化することの発見だろう。これは割と最近の発見で、やはり田所さんの粘り強く鋭い観察眼のたまものだろう。メタボが気になる私も、多分SPRED1は正常だろうから少し安心させられるが、いずれにしろ過食はがん化の危険を高めるということだから注意しないといけない。さらにこの研究では腸内細菌との関係にも焦点が当てられている。メタボの影響は腸内細菌叢の変化をもたらし、これが腫瘍化に関係しているらしい。腸内細菌が遠く離れた骨髄にまで影響していることは驚きだが、造血幹細胞の腫瘍化を促進する菌もしくは菌の産物がわかれば予防にもつながるかもしれない。今後の展開が楽しみな優れた研究だと思う。

田所先生、平尾先生による日本語の詳しい解説はこちら。

AMED-CREST/PRIME説明会の動画
配信されている。めちゃめちゃ緊張してソワソワしているし滑舌悪すぎで恥ずかしい。ともかく多くの革新的、魅力的なご提案をお待ちしています。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-04-26 09:15:41 (1500 ヒット)

 SOCS3に続いてSOCS1とJAKの共結晶構造が発表された。オーストラリアのBabon(ウイスキーはbourbon)のグループである。数年前にすでに解いていたというのは聞いていたのでpublishするのに苦労したのだろう。メカニズムとしてはSOCS3の時と同じくkinase-inhibitor-regionが擬基質として作用し基質が入り込むのを妨害するというもの。我々の仮説は証明された。しかし最も驚きだったのはSH2ドメインとリン酸化ペプチドの結合は阻害に必要ないというのも。彼らは様々なリン酸化ペプチドを試してやはりJAKのキナーゼactivation-loopのペプチドが最も強く結合することを確認している。これは20年近く前に安川君が報告した通り。ところが生のJAKのactivation-loopとは立体構造が邪魔になって結合できないらしい。つまりSH2ドメインの本当の相手は分からずじまい。早速BabonにメールしたところSH2ドメインの謎に2年間取り組んだが結局分からなかった、という返事だった。これがこの論文が御三家に載らなかった要因かもしれない。

しかし、試験管内ではSOCS1の抑制効果はJAKのリン酸化に依存しないとしても、細胞レベルではSH2ドメインの変異体は相当に抑制活性が落ちる。謎が残った格好だが、私はやはり相手はactivation-loopだろうと思う。様々なリン酸化ペプチドと比較しても結合の強さが全然違う。Babonも同様に相手はactivation-loopではないかと考えているらしいが証明ができない。実は結晶をつくるの使われているJAKはキナーゼドメインだけである。私はその隣の「調整機能を持つ」とされるpseudo-kinaseドメインがおそらく構造を変化させてJAKとSH2の結合を助けてくれるのではないか、と思っている。いずれにしてもSOCSのJAK阻害活性はサブnMレベルなので人工的なキナーゼ阻害剤と同程度である。リン酸化に依存しないでもこれくらいあるのだからSH2を介してJAKに接近できればもっとすごいのではないかと想像する。リン酸化に依存しないとすると創薬標的としてもやりやすいのではないか?Babonたちも最後にSOCS阻害剤のことを述べていた。残念ながら我々の総説を引用してくれなかったが、機運は高まりつつある。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-04-19 12:55:51 (2192 ヒット)

 4/9に新井賢一先生が逝去された。18日お通夜に参列してきた。2週間ほど前に宮島先生の会でお会いしたばかりなので訃報を聞いたときは耳を疑った。新井先生とはDNAX時代からお世話になってきた。直接研究の指導をしてもらったわけではないが、なにかれと目をかけていただいた。医科研の所長をされていた頃訪ねていったら、海外との提携やベンチャーのことなど壮大な話をしてくださった。スケールの大きさに圧倒されて当時はやや気後れしてしまったが、退官後はいつもやさしく声をかけてくれていいオヤジという感じだった。ご冥福をお祈りしたい。
 

先週から息つく暇がないほど忙しい。通常4月はやや余裕があるのだが報告書書きやAMEDの準備が重なった。研究費の切れ目なので申請書も書かないといけない。それに重要な論文の執筆が重なった。論文を書く作業は強いストレスだが頭を整理する作業でもある。以前データを見せてもらったときは「意味ない」と思って気にも留めていなかったことが「ある仮説」で考えるとそれを支持する重要なデータだったんだ、と再認識することがよくある。書くと何が足りないか、次に何をやるべきかも見えてくる。本当は日々の実験や議論の時に「すっ」と出てくると「さすがだ」と思われるし、大変な時間と労力の節約になるのだろうが、この〇〇チュウ頭ではなかなか難しい。こういうところにAIが常にアドバイスして適切な実験を指示してくれるようになれば教官は随分楽になるだろう。いや私のような半ぼけ教授はそもそも要らなくなるかもしれない。
ともかくどうせロクな意見はもらえない、と思いつつも老教授にデータを見せることは重要だろう。彼の記憶の引き出しに残すことが大事なのだ。実験した本人が忘れていることですら集中していて一瞬だけ神がかった教授には思い出せる(こともある)。そのへんの「ひらめき」の仕組みがわかるともっと楽になれるんだろうが。


例えば新井先生の場合、私のようなサイエンス以外のところで影響を受けた者よりも実際に直接実験指導を受けた人たちはもっと強烈なインパクトを受けたに違いない。研究に限らず出会いは極めて重要でその人の人生すら変えることがある。だからアカデミアをめざす大学院生には留学を勧めている。若い人には密着して指導してくれる人のほうがいいような気がする。でも逆にそれが強すぎると指導者の言うことを聞くだけで自分で考えない人もいるかもしれない。人それぞれなので難しいが自分を変えてくれたと思える指導者に出会えることは本当に幸運なんだろうと思える。自分のようなダメ教授でも反面教師としてそれなりに存在価値があるに違いないと思うことにする。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-04-10 21:09:54 (2386 ヒット)

 今年度よりAMEDの革新的先端研究開発支援事業(CREST, PRIME)の総括を仰せつかった。副総括は順天の横溝先生。日本の研究力が低下していると言われる時代。ぜひ世界に誇れるいい研究成果が出るようにサポートしたい。内容は外傷やストレスによる組織損傷に対して生体が他の臓器由来因子や複数の細胞を介して適応、修復していくプロセスを解明し治療に役立てようというもの。

応募案内はこちら。研究開発領域「生体組織の適応・修復機構の時空間的解析による生命現象の理解と医療技術シーズの創出

具体的な領域についての解説(領域概要)は公募要項のp44にある

たぶん探すのが面倒だろうからここに抜粋します
4月23日に説明会あります。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-04-07 17:33:50 (1317 ヒット)

上野の国立科学博物館で「人体」展をやっている。○NKに苦言を呈した手前一度見ておきたいと思って行って見た。ダビンチとかの解剖学の歴史が面白かった。そのなかにレーベンフックの顕微鏡の実物もあり、その小ささに驚いた。レーベンフックはよほど目が良かったのだろう。ついこの間まで微生物学を講義していたのでレーベンフックのことはある程度知っている。「微生物学の父」とも呼ばれている。ちょうど京都大学人文科学研究所の田中祐里子氏の講演があったので拝聴した。やはり文系の先生の講演は上手だ。丁寧に一般のひとにもうまく興味をつなぐように話される。フェルメールの「天文学者」と「地理学者」のモデルはレーベンフックではないか、と紹介するのはお約束なんだろうが「モデルとは違う」という説もあってあれこれ解説されていたのは面白かった(ウンチクがひとつ増えた)。レーベンフックが「最初に見た」とされる原虫や細菌、赤血球、精子など原図を見せながらいろいろなエピソードを紹介された。予定の60分を過ぎても話し続けられたが聴衆は飽きずに聞いていた。質問の時間になって誰かが「レーベンフックの業績はまとめると一体何ですか?』と問われてこれらを最初に見て報告したこと、と答えられた。しかし「微生物学の父」と言われながら彼は発見した細菌が「何をしているのか?」という疑問には一向に関心がなかったように見える。彼はビールに酵母がいることを見つけて酵母はビールから生まれると考えた。酵母がビールを造っているとは思いもしなかったそうだ。しかしレーベンフックはともかく周囲の自然科学者や医学者たちはこんな小さなものが何をしているのか?ということになぜ興味を持たなかったのだろう?そこで思い切って「なぜ彼の発見は機能に結びつかなかったのか?微生物が発酵や病気の原因であることは200年後のパスツールまで待たなければならなかったのはどうしてでしょうか?」と質問した。その答えは17世紀の医学理論体系がなんとか(よく聞き取れなかったがあとで厚かましくもメールで尋ねたらデカルトの粒子論ということだった)でレーベンフックの発見は医学界には全く波及しなかった、といったものだった。あとで調べると田中氏は「近代西洋医学発展史」の研究者なんだそうで、実は同じ疑問を持たれている。レーベンフックももしかしたら「微生物と病気」の関係に気づいていたかもしれない。しかし、やっぱり見たものから想像するだけでは人々を変えることはできず「実験的検証」(病原微生物の場合はコッホの3原則など)という科学的な方法論が確立されるまで長い時間待たねばならなかったのだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-04-06 12:12:36 (1458 ヒット)

 TGFβの免疫抑制作用はよく知られている。しかし低分子TGFβ阻害剤は確か開発が途中で止まったと聞いてる。がん細胞ではTGFシグナルは増殖を抑制するのでTGFβ阻害はがんの成長を促進させる可能性がある。今日のジャーナルクラブでは、TGFβシグナルが入らなくなった腫瘍モデルを使ってリンパ球でTGFβのシグナルを止めると転移を抑制できること、PD-L1抗体との併用で著しく腫瘍を縮小できることを示した論文が紹介された。以前から概念的には知られていることだったがクリアな系でクリアに証明したところがすごいんだろう。当然TGFβ阻害剤と抗PDL1抗体との併用は期待できそうな気がする。その上をいく発想がPD-L1の抑制抗体とTGFβ受容体(TGFβのトラップ)を一体化したバイオ製剤M7824で当然マウスではすごい効果が報告されているCTLA4版もあるSOCSは第三のチェックポイント分子だと言ってきたが、TGFβは第四のチェックポイントか。うちではSmad2/3の欠損マウスを使っていろいろな研究を行ってきたが最近すっかり忘れていた。もう一度マウスを起して腫瘍免疫の観点で実験してみるか。。いやもう遅いだろうな。

どうでもよいことだが、昨晩夜中に一人で仕事をしていると人の気配がする。皆帰ったあとで実験室は閉まっているはず。廊下に出てみると講師のT君がいる。どうしたんだと聞くと奥さんと喧嘩して追い出されたのだそうだ。酒を出して慰めているとまた廊下を「ぱたぱた」とスリッパで歩くようなかすかな音がした。もう10時をまわっている。誰か来たのだろうと調べるが誰もいない。背筋に寒気が走ったが、T君いわく夜中遅くまでいるとよくこんなことがあるのだそうだ。そういえばこの東校舎は地下に病理解剖の部屋がある。一度夜通しカメラを回したらテレビ局が買ってくれるような映像が撮れるかもしれない。T君はたたみかけて「1階はもっとすごくてトイレの入り口のドアがよくひとりでに閉まりますよ」とか言う。いやトイレのドアは普通自動的に閉まると思うけど。。。


あとで聞くとT君は別に奥さんと喧嘩したわけでも追い出されたわけでもなく、酒も自分のものなのだそうだ。トイレも入り口ではなく内部の使用する個室のドアのことだという。まあ飲むと記憶がなくなるので仕方がない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-04-06 00:26:57 (1332 ヒット)

 コメの消費は減っているというのに精米や炊飯器の開発は熾烈な競争があるようだ。東テレのガイヤやカンブリアでもこれでもかというほどにやっている。私が知っているだけでも「どなべ」「金芽米」「ロウカット玄米」「バルミューダ」「バーミキュラライスポット」。今日はシロカの「かまどさん電気」。実際にかまどさんや金芽米は通販で買ってしまった。普通のコメの倍はする「〇〇の霹靂」も試した。実際に食べて見ると「う〜ん」。確かに美味しいがテレビで食した人が「もう他は食べれない」と言っているほどの衝撃的な差は感じられない。やっぱりご飯の好みは人それぞれ。好きなコメの銘柄を決めて好きな水加減を決めれば普通の炊飯器でもいいのかも。。とくに手入れが面倒などなべとかはおいしさと面倒臭さとの天秤になる。テレ東もこんなにいろいろな企業の紹介を何度もするなら「暮らしの手帳」並みに一度一堂に集めて味だけでなく手入れのことも含めて比較試験をしてくれればいのに。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-25 21:43:53 (1888 ヒット)

 ○HKの「人体」シリーズはビジュアルもよくできていて一般の方々にも興味を喚起すると思われる。最新の医学生物学研究の成果をわかりやすく知らせるには非常に価値があるだろう。でも今回の「臓器間のメッセージ物質」では「そう言い切っていいの?」と思えることが多いように思う。例えば筋肉からIL-6が出るので運動すれば痩せるとか、オステオカルシンで若返るとか、がん細胞のエキソソームが転移を促進させたり免疫を抑制している、とか最新の論文があることは知っているが、つい最近の話でこれらが定説になったという話はまだないんじゃないかと思う。ノーベル賞の山中先生が「そうかもしれない」というとみている人は「そうなんだ」と思うだろう。重要な研究領域であることは確かだろうが、今まさに研究途上の話題ではないか?期待が先行したイリシンの例もある。。筋肉のIL-6の時は意見を聞かれたが、私はまだ時期尚早と言ったのだが。。。余計なことかもしれんが一言言っておきたい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-25 12:29:56 (1499 ヒット)

宮島先生の退任記念会でのスピーチ原稿をupしました。

このスピーチの準備に実は相当の時間を費やした。特に「オチ」を考えるのにかなり苦労した。当初は3年ほどまえの須田先生の会で阪大の金倉教授が言ったオチをそのまま使おうと思った。その時の記憶ではすごくウマイとうならせる印象だったのだが、中身が思い出せない。昔の記録をさんざん調べて調べて、『定年退任された教授はこれからは教育と教養を大事にしていただきたい。つまり「今日いくところ」と「今日よるところ」』というものであることがわかった。こうして書いてみると実に面白くない。そこで自分でいろいろ調べたり、あれこれ考えて「定年退職はちょうどよいカルピスの味に似ている、そのこころは現役(原液)に水をさしすぎないように」ということにした。
しかしいざ話し始めると完全にあがってしまった。早口だったせいかせっかくのオチも皆さんぽかんとして通じていなかったかもしれない。「ねずっちです」と胸をはろうかとすら思っていたのにかなり意気消沈した。ネタは悪くないと思うが、やはり一番重要なのは間の取り方としゃべりかただろう。もっと精進しないと。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-25 11:17:14 (1455 ヒット)

 今月は退任記念のシンポジウムやパーティで飛び回った。まず上旬8,9は東大の松島先生、続いて10,11と別府で九大塩沢先生(病因研究会を兼ねる)、16日は阪大審良先生、そして昨日は鹿児島大学小宮先生と東大宮島先生。同日に記念の会があるとかなり難しい判断を迫られる。しかも東京と鹿児島では距離的にどちらも参加は不可能。しかしどちらも私に取っては大恩人である。そこで24日午前中に小宮先生にお会いして記念品を渡し、午後に東京に戻って宮島先生の会に出席することにした。鹿児島の会ではノーベル賞大村智先生の講演が予定されていた。小宮先生の計らいで30分ほど大村先生とお話することができた。写真もとらせてもらって大感激だった。
別欄に退任記念誌への寄稿文「小宮節郎先生とのご縁」と「宮島先生とDNAX研究所」をupしました。

しかしさすがに疲れた。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-22 21:35:38 (1274 ヒット)

 昨日は祝日で飲んでいい気分で寝床に入った。その直後submitしていた論文の"Decison"メールが届いた。多くの場合非常にdepressされるので就眠時に見るべきではないメールの代表である。そのままうっちゃって朝見直す。Reviewerが四人もついて質問の山ではあるが、思いの外悪くない。驚いたのはひとりの査読者が今まで私が全く気にかけていなかった問題点を突っ込んでいたことだった。この論文ではTregを除去することでいろいろな変化をあーだこーだと言っている。それが全身性の影響なのか局所の影響なのか調べていない。もし全身性なら見ている現象は全く違う機構かもしれないというものだ。指摘されて始めて「なるほど確かにごもっとも」と気がついた。論文の査読は理不尽なことも多く消耗するが、たまにはこういう本人ですら気づかない陥穽を知らしめてくれる優れたコメントがある。私もこういう査読者になりたい、が如何せん普段論文をじっくり読む時間がない。

今晩は卒業生のK歯科大学のY君が訪ねてきてくれた。昔の話や研究の話で大いに盛り上がった。最近使われ出した破骨細胞を抑える抗体製剤やビスホスホネート製剤の副作用で顎の骨が壊死することがあると言う。そのメカニズムを解明して対応策を見つけ出したのだそうだ。これはかなり立派な仕事で講演に呼ばれたりするそうだ。「大学院時代に研究の基本を学んだのでこういう仕事ができました」と泣けるようなことを言ってくれる。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-19 20:59:57 (1227 ヒット)

 今日は午後2時から112回医師国家試験の合格発表。慶應は新卒全員合格だそうで流石だ。私事ながら我が家の不肖の子も受験。が、2時すぎに電話しても出ない。2時20分になっても返事なくこれは地雷(禁忌肢)を踏んだに違いないと覚悟して「来年があるから気にするな」とメールしたら2時半に合格の電話。絶対にわざと遅らせたに違いない。

奇しくも本日は学務委員会。進級判定などを行うが多くの先生は厳格厳密だ。情けは本人のためならず。新年度は私も某大型科目の主任を仰せつかっている。見習わないといけない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-15 14:11:33 (1425 ヒット)

Inhibition of Nr4a receptors enhances anti-tumor immunity by breaking Treg-mediated immune tolerance

Hさんは大学院博士課程4年生でもうすぐ卒業なのだが、論文が間に合ってよかった。ノックアウトマウスの解析にとどまらず阻害剤のスクリーニングと個体レベルでの効果の検証までやった大作だ。よく頑張ったと思う。実際に使われている抗がん剤がNr4aを抑制する活性を持つことを見出した点が秀逸だと思う。学会発表で「吉村研がとうとうこっち(腫瘍免疫)に来たのか」と言われたそうだが、実際は2005年頃からSOCS1欠損マウスで抗腫瘍免疫が増強されていることなどを報告している。なので「また流行に乗って」というわけではない。Nr4a活性化剤は報告が多いが阻害剤は見かけない。もっと選択的な阻害剤ならばPD1抗体との併用も期待できるだろう。製薬企業のかた、いっしょにやりませんか?

 多くのがんにおいて制御性T細胞Tregの増加が予後不良と相関していることが報告されている。そこで新しい腫瘍免疫療法としてTregを抑制したり除去する方法の開発やTregをエフェクター細胞に転換する方法の開発が進められている。本研究ではTregの機能を選択的に阻害しうる標的分子として、Tregの発生及び機能維持に必須の転写因子であるオーファン核内受容体Nr4aファミリー(Nr4a1/a2/a3)に着目し、Nr4aによるTregを介した抗腫瘍免疫応答抑制機構の解明とNr4aをターゲットとした新規がん免疫療法の探索を行った。Treg特異的にNr4a1/a2を欠損したマウスは野生型マウスに比べて顕著な腫瘍増殖の抑制が見られた。さらにNr4a1/a2欠損担癌マウスではTregの減少とCD8陽性細胞傷害性T細胞 (CTL)の増加が確認された。続いて、既存薬のライブラリーを用いてNr4aの転写活性を指標にNr4a阻害剤のスクリーニングを行ったところ、古典的抗癌剤 Camptothecin (CPT11) がNr4aの転写活性阻害剤として作用しうることを見出した。またNr4aはTregにおいてPGE2-PKA- cAMP response element binding protein(CREB)経路によって誘導されることから、Cyclooxygenase-2 (COX-2)阻害剤の投与によってNr4aの発現誘導が抑制されTregの免疫抑制活性も阻害されることがわかった。これらのNr4a阻害剤として同定した2つの薬剤をマウス皮下腫瘍モデルに投与すると両薬剤はTregの機能を阻害し相乗的な抗腫瘍効果を示した。以上のことから、Nr4a受容体は腫瘍内でTregの機能を維持することによって抗腫瘍免疫を抑制していること、逆にNr4aを阻害することでTregを介した抗腫瘍免疫応答の抑制機構が解除され、CD8陽性CTLを中心とする抗腫瘍エフェクターT細胞の強力な活性化を誘導できることが示された。Treg制御因子Nr4aはがん免疫療法の新たな標的分子として期待できる。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-13 06:44:43 (1115 ヒット)

T細胞はCRISPRによるゲノム編集効率が驚くほど高い。相同組み替えによるノックインが容易だ。理由については考えたこともなかったが、大阪大学の黒崎先生と話していたらことなげもなく「B細胞でも同じでしょう。もともとそういう細胞」と言われた。なるほど、T細胞もB細胞も抗原受容体の遺伝子再構成のためにゲノム編集を行っている細胞だ。その名残が残っているのだろう。このアイデアはT細胞療法を説明する時に役立ちそうだ。でもそのうち自分で思いついたかのように話し出すだろうからここに黒崎さんのアイデアであることを記しておく。でも論文とかどこかに書いてあるかもしれない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-03-09 00:02:48 (1155 ヒット)

ようやく風邪が治ったと思ったら今度は花粉症で全身倦怠感に悩まされている。
JR九州は九大時代によく利用していた。九州新幹線が開業した時は特急が減って大いに不満であった。開業当初は乗客も少なく、それみたことかと思っていたが近年は黒字だという。九州新幹線のPRビデオは感涙ものだ。国鉄時代には考えられないことだ。三島(三等にかけている?あるいは本土と差別している?)JRと呼ばれてお荷物だったJR九州の改革を成し遂げたのが現会長の唐池恒二だ。今日見たカンブリア宮殿で取り上げられていた。すごい人だ。感激した。「何が一番苦労したことですか?」と質問されて「苦労した記憶はあまりない。楽しかったことしか覚えていない」。これだと思う。
「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る(井上靖)」
成功する人とそうでない人、と言ってもいいだろう。

研究の世界も同じだ。人はいないし研究費は足りない。ポストもない。しかし不満を言っても何も変わらない。本当に大きなことをやれるひとは困難な状況をむしろ楽しんでいる(ように見える)。自戒をこめて。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-02-17 21:43:39 (1663 ヒット)

 11日日曜日に成田を発ってkeystoneまで17時間ほど。その間意識朦朧としてほとんど寝て過ごした。パスポートコントロールを通る時は入国を止められるのではないかとヒヤヒヤしたが熱は出ていなかったので普通に通過できた。keystoneは海抜3000メートルくらいのところにある。今まで高山病に苦しんだことはなかったのだが今回は頭痛がひどい。ホテルの目の前がゲレンデで皆楽しそうに滑っているが全然羨ましくない。

体調は最悪だったが講演は驚くことの連続で居眠りも出来ない。最も驚いたのはゲノム編集を利用した遺伝子導入が着実に進んでいること。普段我々がT細胞に遺伝子(例えばCAR)を導入するためにはレトロやレンチなどのウイルスベクターを用いることが普通だ。それでも導入効率は5割くらい(他所はもっといい)で遺伝子が大きくなるとすぐに3割以下に落ちる。ところが今回の発表ではエレクトロポレーションでCRISPRを用いたノックインで7,8割遺伝子を置き換えている。2つの遺伝子の同時ノックインでも5割を超える。異次元の世界の話を聞いているようだった。固形がんをめざしたCAR-Tの様々な工夫も紹介された。また制御性T細胞へCARを導入するCAR-Tregも着実に進んでいる。今まで知らないことが多すぎた。免疫学はこれまで「解体して理解する」還元論が主流だった。これからは人工的に創造する免疫学「Synthetic Immunology」あるいは免疫工学の時代になるような予感をさせるシンポジウムだった。特にT細胞は望みの場に移動して、増殖して、機能を発揮し、さらに記憶もできるという究極のマイクロマシンと言えるだろう。


日本に戻る時には治っているだろうと思っていたがまだ喉が痛く咳が出る。成田のクリニックに立ち寄って診てもらった。「喉が赤いですね」。結局咳止めとトローチを出してくれただけだった。「すぐに効くものないですか?」「休むのが一番早道ですよ」。わかってるんですけどね。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-02-10 13:34:40 (1331 ヒット)

 インフルエンザが大流行しているという。中国から戻ってお腹の次は喉がやられた。あまりに痛いので大阪出張の帰りに羽田空港のクリニックに立ち寄った。インフルエンザで他の人に広げると悪い。微熱程度だったが検査してらったところ幸い陰性。すぐに治るかと思ったら翌日の仙台出張で悪化した。食べ物はおろかツバを飲み込むのも痛い。朝発表を済ますと今度は仙台駅のクリニックで診てもらった。マイコプラズマの検査を勧められて陰性。医師は喉はそんなに腫れていないですよという。しょうがないのでトローチと喉の消炎剤をもらって東京に戻った。いや喉のリンパ節はかなり痛い。中国からの新ウイルスか。もともと頭が働かないのに拍車をかけて頭が回らない。明日から米国keystoneなのだが。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-02-05 11:44:32 (1210 ヒット)

 1日から4日まで中国出張。今回は向こうの教授に誘われて西安(昔の長安)を訪れる。当然兵馬俑坑を見に連れていってもらった。始皇帝陵は西安の中心部から車で1時間はかかる。移動手段が限られていた昔によくこんな遠いところに造ったものだ。兵馬俑坑は想像以上にすごかったが、すべて兵馬俑で埋め尽くされているのかと思っていたら、復元されているのは前列の方だけで後ろ3分の2くらいは瓦礫と土に覆われている。とにかく圧倒されるが、むしろ「生きているうちに一度は訪れたい」と切に思っていた場所に来ていることに感激した。西安は地図で見ると中国の奥の方でさびれた町かと思っていたら、とてつもない大都会だった。旧正月が近いこともあってか町中の木々に小型ライトのイルミネーションが施されているし、大きな道の中央に延々と巨大な像が並んでいる。唐の時代の兵士や官吏をイメージした像らしい。そうか兵馬俑だけが特別ではないのだ。中国人はこういうともかく大げさなことが大好きなのだ。始皇帝の血は脈々と受け継がれ、生まれながらにスケールが違うのだと納得する。
中国ではgoogleがブロックされていて地図が出せないので困った。またg-mail系のメールがほとんど使えないことも困った。しかし最も困ったのは検索が全くできなかったこと。googleはおろかyahooでも検索できなかった。会話で日本語を英語に翻訳したり、歴史を話そうとして人名などを確認しようとしても全然動かない。会話が続かない。以前はこんなことはなかったのではないかと思うのだが規制が強化されているのか。最近はスマホに頼りきっていて、何もかも忘れる一方で記憶しようという気が全くなくなっていることを痛感した。
一番最初に中国(上海)に行った時は日本に戻って生まれて初めてというくらいひどくお腹を壊した。最近中国にはよく行くがお腹がやられることはほとんどなくなったので免疫がついたのだろうと思っていたら今回最終日あたりから相当やばくなった。兵馬俑坑で飲んだ石榴(ざくろ)ジュースのせいかもしれない。このあたりはざくろの産地なのだそうだ。日本で100%のざくろジュースなどみたことがない。これは飲まないとと思って5元で買って飲んだ。甘いがタネまで潰してるせいか少し青臭い。連れの教授にも買って持って行ったらfreshかと聞かれて「さあ?」というと「どの店で買った?」と聞かれた。するとその店まで瓶を持って行って搾りたてに取り代えてもらっていた。私は飲んでしまった後なんだけど。。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-01-28 21:45:33 (1343 ヒット)

 土曜日はリウマチ関係の講演会に呼ばれた。自己免疫疾患の専門家が多いのでTregの話をする。いつも同じ話では申し訳ないので後半は脳内Tregの話をする。データてんこ盛りでちょっと理解し難たかったかもしれない。質問は前半に集中し、せっかく入れた後半の組織Tregの話はあまり話題にならなかった。自分の前の某先生が関西のノリで結構笑いをとっていたので、坂口先生のTregの発見のところで「ノーベル賞の時期にになると某国営放送局からいつも居場所を教えるように言われてるんですよね。私がもらうかも、ということではなくて坂口先生が取られたらコメントが欲しいということですが。」といつもの持ちネタを披露する。結構受けたがもう使い回しすぎか。次のネタを考えないと。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-01-20 12:50:55 (1374 ヒット)

 17,18と奈良女子大学で講義。前回は学部学生が対象だったが今回は食物栄養学科の修士の学生さん。食物なので関連あると思ってアレルギーの話をまずやって、次に一般的に興味があるかと思われる腫瘍免疫の話をした。かなり易しく話したつもりだったが「記号がたくさん出てきて混乱した」。うーん確かにILもCDもナンバーなので意味がわからない。こればっかりは私が決めた訳ではないので。。。
いつものビデオを見せて「衛生仮説」の説明をする。このあたりは「なるほど」といった顔をしてくれて「役にたったかな」という気にさせる。あとで先生に『「衛生仮説」は講義で聞いているはずなんですがね。皆初めて聞いたみたいな顔してましたね。』きっと奈良女の学生さんは優しんだろう。
正門をくぐると100年以上前に建てられたという記念館がある。すでに空気が違う気がする。お昼に生協に連れて行ってもらった。当たり前のことであるが若い女性たちで溢れかえっている。普段見ない光景なのでドギマギしてしまう。先生の部屋で出張の書類にサインをするとその下に「ハラスメント防止のガイドライン」という冊子がしっかり挟んであった。見透かされているのか。。。
2日目の講義は午前中で終わったので午後奈良公園内の興福寺と少し遠いが法隆寺まで足を伸ばした。法隆寺は晴天のなか、観光客も少なくひっそりといい感じだった。「天平の甍」の甍ってこんな感じなんだろうか。


  
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