投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-11-12 12:24:01 (799 ヒット)

 金沢の疲れを引きずりながらも(齢なのかかなりきている)8-10日と韓国ソウルで開かれた韓国免疫学会の国際シンポジウムに参加する。1000人以上の参加だそうで、会場は若い人たちの熱気に包まれていた。以前も感じたことだが韓国の科学は今すごい勢いで上昇機運に乗っているような気がする。ポスターの採点を依頼されたのだが、なかにはNIとかImmunityに出してもいいような相当のレベルのものが含まれていた。
9日は呼んでくれたDr.Leeの大学( Sogang University。会場の大学はSejong大学で別。よく似ている)で講演を行った。最も驚いたのは学生の礼儀ただしさ。エレベータで乗り合わせた学生は先に降りる時に私と先生に頭を下げてでていく。講演は学部学生や大学院生が50名くらいきていたが多くは免疫以外の学生だそうだ。おそらく単位のために来ている学生も多いだろう。なじみのない話だったと思うが、ひとりも寝る者がいない。私の講演が面白くて、ということではないだろう。やはり儒教の国なのか。目上のひとを大事にする文化なのだろう。うちの学生にも見せたかった。

 11日は慶應医学会シンポジウムで午後出ずっぱり。12日日曜日は免疫学会「きしもと」プロジェクトの評価会。全く休みがない。頭が働かない。それに比べると特に臨床系の先生方はタフだ。海外0泊3日でも平気なように見える。自分は向いていないのかもしれない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-11-06 00:39:49 (967 ヒット)

 今日のNHKスペシャル「人体」第2集”脂肪と筋肉が命を守る”。脂肪組織の中をマクロファージが動き回る様子はすごいなと思わせる(大阪大学の石井先生のところで撮影されたものだろう)。免疫とメタボは大きな研究課題のひとつだろう。ただ最後の方に出て来た最新の説は違和感があった。運動するとなぜメタボや動脈硬化によいか?それは運動すると筋肉からIL-6が分泌されて免疫細胞(おそらくマクロファージ)の活性化を抑えるからだ、という。この論文だろうか?うーん、ちょっと納得できないな。IL-6が高いと確かに痩せるかもしれない(カゼをひいたら食欲もなくなり痩せるようなもの)。逆にApoE欠損マウスの動脈硬化はIL-6欠損によってさらにひどくなる。しかしそれは血中LDLレベルが上昇するためであってIL-6が免疫細胞の暴走を抑える(マクロファージの活性化を抑える)というのと違うんじゃないだろうか。抗炎症効果はIL-6よりはIL-10のほうが強い。EJCIの論文でも運動でIL-10が上がるとしている。なぜIL-6が抗炎症の主因と言えるのかはよくわからない。またIL-6阻害剤であるアクテムラを処方されているリウマチ患者さんではLDL値が高くなる傾向はあるものの、心血管障害の上昇は認められていない。しかし代謝は複雑で難しい。ちゃんと調べてみないと迂闊なことは言えない。

運動すればメタボは改善する。一方で60分以上の昼寝の習慣があるとメタボや2型糖尿病になりやすいという疫学調査結果もある。メカニズムは不明ながら〇〇な女房を持つ中年オヤジは皆知ってた?


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-11-03 00:24:20 (985 ヒット)

 3日目は自分が司会のワークショップ。90分で9人に発表してもらったが、通常遅れ気味で90分で終わることはない。今回も10分程度オーバーした。ところが次のセッションのスタートまで10分の余裕しかない。いくらなんでもこれは短すぎた。いったい誰がこんなスケジュールにしたのだろうと憤慨した。それはお前だろう、というオチですが。

4日目。午前のシンポジウムは最先端の話が聞けて素晴らしかった。特にD. LittmanのIL-17と神経系(自閉症)の話はまだマウスレベレとはいえ今後の方向性を示唆しているように思う。昨日は「代謝」が盛況だった。常在菌と代謝。これはここしばらく外せないトレンドだろう。
バンケットでは素晴らしい演者を選んだとお褒めの言葉をたくさんのかたからいただいた。big  nameを闇雲に集めたという批判はあるかもしれないが、たぶんシンポジウムの講演者を見て参加するかどうかを決めた人も多いと思う。よくこれだけの演者を集めた。そこだけは自分を褒めてあげたいと思う。それにしても今回のコングレ会社(学会運営支援会社)は期待はずれだった。言いたくはないが頭に来たことは多い。初日のregistrationの場所がどこにも表示されていない。ホテルの方に来て迷っている人も多いので私が立って場所を説明した。学会会社に文句をいうと『HPに出しています』。主催者の私でも見つけられないところに掲示して何の役に立つというのだろう?keynoteレクチャーが始まるのにRegistartionにはまだ長蛇の列。Registrationはあとでよいので先に会場に行ってくれと叫んだ。私はもう2度と使うことはないだろうが、もし次回学会を開催される方がおられたらリストからはずすべきコングレ会社はお教えできると思う。気配りの出来る、経験豊富ないい学会運営サポート会社(担当者)に出会えるかどうかで学会を開催する側の負担は相当違う。

5日目。さすがに人が少なくなった。それでも腫瘍免疫のセッションはかなり盛り上がったと思う。Carl JuneのCAR-T療法の話はものすごくパワフルだった。

事務局の不備もあってかなり疲れた。私自身はもう二度と頼まれても学会開催に関与しない。これだけは断言できる。その昔、W先生が会長の時に福岡で副会長として日本X疫学会を開いた。このときの疲労感も今も忘れられない。ただしこのときは現在のX疫学会の参加者数の3倍以上と言う記録に残る人数を集めた。今と違って教室員は総動員だった。終わったあとで慰労会を盛大にやったことはなつかしいが。。。もし日本X疫学会が私を会頭に推したら私は迷わず退会するだろう。要するに気配りに疲れる小心者には向いてないのだ。必ず無理をする。でも無理に寿命を縮めることはないのだ。なので関係者の皆さんは絶対に(次期大会長などを)私に投票しないように。そういう資質は全然ないのです。


4日目のバンケットは夜8:30には終了。welcome receptionのように料理が足りなかったら困ると思って自身はほとんど手をつけなかった。おなかがすいた。ご当地ラーメンがマイブームなので金沢駅付近の「麵屋大河」に行く。夜10時なのに行列ができている。味噌ラーメンの店だ。待てない人間なので行列を見るとすぐに店を変えるたちなのだが、きっとうまいに違いないと待つことにする。20分ほど待たされた。辛めの赤味噌ラーメンを頼む。辛目といっても普段辛口ばかり食べている者にとっては別段驚くべき辛さではない。しかしうわさに違わずうまかった。狭いので待たなければいけないがおすすめです。

小松空港で飛行機を待っていると札幌から来られているT先生をみかけた。こちらは早々にビールや酒を飲んですでにほろ酔い、いや酩酊状態。T先生はパソコンに向かって一心に仕事をされている。飛行機に乗ってこちらは爆睡していたのだが目を覚ましてもT先生はまだ仕事をしていた。全く頭が下がるし自分が恥ずかしくなった(と言ってもすでに出来上がっているのでどうしようもないが。。)。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-10-30 23:07:46 (1002 ヒット)

 10/29-11/2金沢で国際サイトカイン学会が開かれている。私はプログラム委員長として本学会の開催に深く関与して来た。一番の懸念は人が集まらずに大赤字になったらどうしようということだ。赤字は組織委員が背負わなければならないとなっている。だからといって黒字なったらその分をもらえる訳でもない。なんとも割の合わない仕事だが長年この世界にいると回ってくる町内会の役員のようなものだ。幸い700名以上のregistrationがあったので借金を背負う心配はなさそうだ。しかし一日目のopening lectureでは750席用意したのに立ち見が出ているし、welcome receptionでは用意した料理はあっという間に無くなってしまった。逆に予想以上に人が集まってこの先どうなるのか不安になった。ところが一夜明けて午前のシンポジウムでは700席程度の邦楽堂の席が8割くらいしか埋まっていない。まともに全員来たら入りきれない計算だった。が、国際学会の常であろうか、観光にでも行っている人も多いのかもしれないと胸を撫で下ろす。逆に午後のワークショップでは人が少なくて盛り上がりが心配になる。全く気が休まらない。invited speakerも70名くらいいる。これだけいると様々な事情で来れない人も必ず出てくる。台風で遅れたひともいた(琵琶湖付近で電車が止まったり、飛行機が遅れたりしたらしい)。北朝鮮からミサイルが来るかもしれないと言われてキャンセルもされた。そのつど手当をするのが私の仕事だ。今回は朝8時半のシンポジウムから夜7-9時のポスターセッションまでびっしりスケジュールが詰まっている。ちょっと詰め込み過ぎたかもしれない。今日はイブニングセッションがあったが疲れ果てたのでパスしてホテルで休んだ。まだ実質一日目。あと3日もあるのだ。無事東京に帰れることを今から願っている。

午前の会場は邦楽堂。枡席(桟敷席?)や提灯があって日本的で珍しいと好評だったがコーヒーコーナーが遠すぎた。係に言ったら次の日から会場のすぐそばに変えてくれた。やってみないとわからないことも多いがそれでもこのくらいは気を利かせて欲しい。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-10-26 15:08:51 (1119 ヒット)

 血液内科から派遣されていた笠原君の論文が先ほどacceptされた。
Generation of alloantigen-specific induced-Treg stabilized by vitamin C treatment and its application for prevention of acute graft versus host disease model

笠原君はiTregを移入することで骨髄移植の際のGVHDを緩和できないか、という課題に取り組んで来た。あまりに熱心なので1年余計にかかったが、いつものように内容的にはIIにはもったいないと言える。様々な理由でIIがどんどん増えていくのだが、別に雑誌のIFで内容が決まるわけではない(と胸を張りたい)。今回はreviseにかなりの時間とエネルギーを注いでくれた。私ももちろん言い続けたのだが、reviewerから「ヒトのデータは必要」と言われたのでようやっとやってくれたものだ。しかし実際にはrevise実験で得られたヒトT細胞のデータがこの論文で最も価値があるものかもしれない。

 笠原君は安定な抗原特異的iTreg(この場合はアロ抗原)を作るために様々な条件検討を行った。遺伝子導入も行ったが、これまで試験管内でFoxp3を誘導すると言われていた遺伝子でも個体に移入してGVHDを起こさせるとことごとくFoxp3がなくなっていった。しかしビタミンCをiTreg誘導時に加えるとFoxp3の発現が安定化し、個体に戻してもほとんどFoxp3が減らない”真性”Tregができたのだった。この安定化iTregは見事にGVHDを抑制してくれた。抗原特異的iTregでGVHDのような強烈な炎症を抑制できたという報告はかなり少ない。その点では価値はあるが、なにせビタミンC添加によってFoxp3遺伝子のCNS2という領域のDNA脱メチル化が促進されてFoxp3の発現が安定化することはすでに報告されている。これだけでは『ものすごく驚くべきこと』というわけではない。

 しかしヒトではかなり様相が違っている。ヒトT細胞ではFoxp3は割と容易に誘導されて不安定であると言われている。しかしビタミンCを加えるとFoxp3の発現が一段と高い”真性”iTregが出現したのだった。DNA脱メチル化も部分的にではあるが進んでいる。この”真性”iTregを分離するためのマーカーはまだ見つかっていないがビタミンCを活用することできっとそんなマーカーも見つかるだろう。抗原特異的”真性”iTregを分離できれば様々な免疫疾患に応用できるに違いない。また一歩免疫リプログラミングに近づいたような気がする。笠原君はrevise実験を通じて『他人の言うことに耳を傾ける』ことの重要性を認識したことだろう(と思いたい)。ぜひ胸を張って臨床に戻って、この経験を生かしてもらいたいものだ。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-10-22 17:00:28 (919 ヒット)

 この頃年をとったせいか怒りっぽくなった。よくキレる。
もう5年ほど愛用しているMacBookAirの電源がやばい。充電しても2,3時間しか持たない。システムレポートを見ると電源状況は「修理交換」が出ている。このMacBookAirは何処に行くにも一緒で海外にも何度も連れて行ったもので愛着がありまだ買い換えるには惜しい。そこでバッテリーだけを入れ替えることにした。昔のごついMacBookなら何度も開けてHDの交換などはやったことがあるが最近の緻密なBookを開ける勇気が出ない。チャットで表参道店への持ち込みを打診。費用(13000円程度)を聞いて予約を依頼したところ、数日先まで予約がいっぱいだという。そこでもっと近い修理可能な正規代理店を聞いたところ新宿のビックカメラを教えてもらい、自分で予約した。もちろん連絡欄に電池交換と書いて。昨日ビックカメラに行ったところ、電池の取り寄せに1週間くらいかかるうえにMacBookAirはその間預からないといけない(つまり1週間使えない)、さらに代理店なので費用も2万円以上かかると言われた。そんな話全く聞いてない。すごすごと帰ったが無性に腹が立った。なぜアドバイザーはそのことを言わなかったのか?知らなかったとしたらなんたる知識不足。『テクニカルなことだけでなく顧客にとって重要な修理費用や期間のこと、直営店と代理店の違いなど営業的に知っておくべきだろう。こんなひどい対応ははじめて経験した。これまでずっとApple製品を愛用してきたがこのアドバイザーの対応をみるとAppleの落日を見る思いだ』と送られてきたAppleチャットサポートアンケートに書いて送ってやった。iPhone8とiPhoneXを同時に発表するとか最近のAppleのやることは理解できない。いやまあAppleは理解できないことは数多くやってきたような気もするが。。。それでも信者はついてきた。iPhone8は案の定売れていないそうだが当然予想できたはずだ。

というわけで意を決してAmazonでバッテリーを購入(翌日着)し、MacBookAirを開けてバッテリー交換を行なった。やってみればネジ(かなり小さい)がなくならないように注意する以外たいしたことはない。10分とかからずしかも半額以下で済んだ。だいぶ自信がついた。便利屋稼業の請負項目にMacの修理も入れられる気がしてきた。
3時くらいまで市ヶ谷で会議。台風が近づいているので今日は早く帰ることにしよう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-10-20 01:30:27 (1031 ヒット)

 カンブリア宮殿をよく見ている。実は録画までして欠かさず見ている。大手の社長も出て来るが異色と言われる経営者の話はやはり面白い。今日は自然な風の扇風機やスチームトースターで有名なバルミューダ社長の寺尾玄マザーハウスの山口絵里子もすごかったがこちらも負けていない。山口絵里子は中学時代は不良。工業高校に入って女子柔道で全国7位にまで上り詰め、その後大学進学目指して猛勉強。当時早稲田と慶應しか大学名を知らなかったのでこの二つを受けて慶應に進学したのだそうだ。まさにビリギャルを地で行くようなものだ。寺尾玄は高校中退。なんとロックバンドを結成して夢を追っていた。しかし10年で夢破れアルバイト生活に。そこで偶然見た欧州の工業デザインに魅せられて自分でも金属でものを作ってみたくなったのだそうだ。普通思っただけでなかなか実行できないし実行しても誰も協力してくれない。しかし寺尾はそこを情熱で乗り切って協力者を得た。「開拓精神」があると評された。そうか「開拓」か。やっぱり悪魔のささやきでも「開拓」に挑戦すべきなんだと妙に納得した。
寺尾さんの言葉が面白かった。もともと「音楽」をやっていたひとだ。「楽」は「たのしい」という意味だろうが「らく」とも読める。しかし自分のなかでは「らく」と「たのしい」は両立しない。「たのしむ」ためには「苦しいこと」に挑戦して乗り越えないと「楽しさ」は感じられないそうだ。高価になっても細部まで妥協しないし人の真似はしない。どこかスティーブジョブスを彷彿とさせるひとだった。

「バルミューダ」。魔の海域バミューダ・トライアングルから来ているのかと思ったら魚の「バラクーダ」あたりから来ているらしい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-10-18 18:57:59 (947 ヒット)

 今年は挑戦研究と新領域の公募に出そうと張り切って2つ書いていた。昨年から「萌芽研究」は「挑戦研究」という題目に変わって「開拓」と「萌芽」2種類になっている。「開拓」は総額2千万円までとかなりデカイ。新領域も久々の免疫系がある。これも狭き門であるが額が大きい。とにかく額が大きければ力も入る。どちらかひとつでも当たれば十分ありがたい。申請書を一通り書き上げてまず「開拓」のほうのWeb登録を済ませんた。いつも通りで問題はない。ところが2つ目の新領域公募の申請書をアップロードしようとするとエラーで進めない。何度やってもダメなので上のほうをよくみると「重複申請の制限により申請できません」とあるではないか。なんたること!あわてて募集要項を見直すと「萌芽」であれば「新領域公募」に出せるが、「開拓」では出せないことになっている。少しは大目に見て欲しいと愚痴っても無理なものは無理。せっかく書いたしやっぱり「萌芽」にしようか3日くらい迷った。しかし「挑戦研究」なんだから守りに入ってはいかん、果敢に挑戦すべしと『天の声』がしたのでそのまま「開拓」一本に絞ることにした。すごい博打だ。もともとじゃんけんすら弱い自分である。『悪魔のささやき』だったのかもしれない。それにしても科研費説明会でさんざん「重複制限に注意せよ」と声を大きくしていたのに自分が引っかかるとは情けない。昔は紙媒体だったので出した後判明すると審査にも回らなかった。今はWeb申請段階で受け付けてくれないのでこれはこれですごく親切ではある。でも『それさあ。。。早く言ってよ~』


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-10-12 00:06:07 (1199 ヒット)

 10,11日と横浜みなとみらいで某製薬会社が主催の炎症,NASHを中心とした研究会があった。肝臓のことはあまりよく知らないし代謝のことが出て来ると複雑でなかなか難しい。そのなかで金沢大学の篁(たかむら)先生の話は非常に面白かった。セレンは抗酸化反応などに必須元素として知られているが毒性が強いことでも知られる。先生の話ではセレノシステインを含む血中タンパク質セレノプロチンPの欠損マウスに運動させたところ運動能力の上昇やミトコンドリアの増加が認められ、運動トレーニングの効果が増強されるというのだ。少し前にNature Medicineに報告された。最近筋肉由来のミオカインが代謝や炎症、神経症状改善にかかわるといった話が盛ん(確かNHKでもやっていた)だが、これは逆で肝臓からのヘパトカインであるセレノプロテインPが筋肉の能力を制限するということらしい。またインスリン抵抗性も(なくなると)改善するそうだ。なので運動の効果をあげるにはセレノプロテインPの産生を抑えるか、その受容体LRP1を阻害すればいいらしい。セレノプロテインPの血中濃度が高い人は運動しても効果がイマイチなのだそうだ。それは私のことかと一瞬思ったが、もっともほとんど運動していないので何の効果も期待できないか。しかしなぜ我々の体ははわざわざ運動の効果を打ち消すような分子を作っているのだろうか?実はセレノプロテインPの本来の機能は抗酸化作用と言われているがあまりよくわかっていないらしい。それにしても篁先生の苗字は読むことが難しい。最初は全くわからなかった。
10日は科研費のことが気になって大学と横浜を往復した。電車に乗っているだけだがくたびれる。どうも長時間の通勤には向いてないようだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-10-08 17:18:32 (1250 ヒット)

 先週学会などでベルギー(レーベン)とスペイン(バルセロナ)に行ってきた。途中パリに寄ってルーブル美術館に行った。なぜかというと正月にNHKで「2時間でまわるルーブル美術館」というのをやっていて機会があれば挑戦したいと思っていたからだった。20作品ほどをみて回る予定だったが、実際には3時間くらいあったにもかかわらず10個しかみれなかった。やはり広すぎて何処に展示してあるのかさっぱりわからないのだ。準備が足りなかったと言えばそれまでだが。ルーブル自体が出しているアプリもあるのだが作品の説明はしてくれても場所がどこかはよくわからない。そもそも自分が何処にいるのかすらわからないのだ。これは館内の地図上に主要展示品の位置を示してさらにGPSで自分の位置を示すことができるアプリをぜひ誰か開発してほしい(調べるとすでにあるような気がする)。
初めて訪れたサクラダ・ファミリアには圧倒された。しかし最後の日、バルセロナでは独立運動の関連でストライキが行われ空港まで行けるか心配だった。なんとか帰ってこれたもののかなり疲れた。時差ボケがひどくて、夜はしっかり寝れているものの昼間は朦朧としている。要するに一日中寝ている状態。科研費の締め切りが近い。うちは10日が仮提出。「科研費がかけん」といつものつまらないだじゃれを言いながら唸っている。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-23 20:08:13 (1370 ヒット)

 SFCとは慶應の湘南藤沢キャンパス。初めて訪れた。医薬看護の医療系3学部合同の中期教育プログラムのファシリテーターを仰せつかったのだ。学生は講演を聞いてそれに関するテーマで9名程度のグループに別れて議論をし、最後に提言のような「まとめ」を発表する。ファシリテーターはその介助役だ。SFCキャンパスは噂に聞いてはいたが新しくでモダンだ。建物の名前もKをカッパとかIをイオタとか呼んでハイカラである。緑の中にあって(学生には相当不便そうだが)勉強にはいい環境のように思える。しかし朝9時に家を出て着いたのは11時過ぎ。特に湘南台駅から先はバスしかなくこれは授業に出るのに相当の覚悟が要りそうだ。帰りは土曜日なのに渋滞だった。ファシリテーターの役目も初めてだった。どんなものか経験して来年からはスタッフにまかせようと思っていたが、結局ボランティアのようなものなので教員にとって得るものはほとんど無い。学生らも最近の若い人は自己表現がうまいので口を出さなくてもよい。実際には学生らがすべて司会も発表もやるので私はただ見ているだけだった。終わったのが5時ごろでラボに戻ったら7時半。移動だけで疲れた。こんな苦役、もといボランティア活動は(役たたずの)教授(私)にまかせて若いスタッフには実験しててもらったほうがいいような気がする。
課題は「患者中心の医療を実現するために医療チームはどうすればよいか」。講師はTK大の先生で、ご自身の母親を看取られた話をされて議論の糸口を提供された。80歳の母親が末期のすい臓がんと診断された。すぐにネットなどで調べて「よい」と言われるものは「あやしい免疫療法」から温熱療法まで手当たり次第やったそうだ。主治医の若い女医さんは標準治療を行いながらも「なんでもどんどんやってください」というスタンスだったそうだ。自宅で通院しながらの治療だった。しかし最後はさすがに入院せざるを得なくなったが、主治医が代わって入院拒否されたのだと言う。「そんな勝手な治療をさんざんやっておいて今更もとの病院に入院させろというのは虫が良すぎないか?」ということらしい。それでも別の科の医師などが助けてくれて入院できたといった話。余命半年と言われたところを1年3ヶ月くらい生きられた。さすが文化人類学者だ。普通ならなんてことはない話なのにすごい感動的な話に聞こえる。そしてはじめの若い女医さんは立派な医師で次の医師はとんでもない意地悪なやつ、に聞こえる。うちの班の議論ではそのことに問題を絞って議論していた。かなり抽象的でぼんやりした課題だったのに、うまく重要な点を引き出して議論しているな、と感心していたが、いかんせん知識がない。患者と共に歩む(「横並び」と表現していたが、ちょっと意味が違うような気がするが教員は黙っていないといけない)という当たり障りのない結論になってしまった。なんか違うんだけどと思って聞いていたが口は挟まない。あとで別の医師のファシリテーターと話すと一様に「はじめの医師はおかしい。2番目が普通」と言われる。患者が勝手な民間療法やって標準治療の効きが悪くなったり思わぬ副作用が出たらどうするんだ、ということらしい。また最近でも話題になったプラセンタや臍帯血注射など本当に「怪しい」高額医療がまかり通っていることも問題だ。講演自体が「患者の好きにさせる方がいい医者、よい医療チーム」という本来とは違ったメッセージを学生に与えたのではないか、と言われていたが全く同感だった。
この教育、デベート力を鍛えるのにはいいのかもしれないがどの程度学生のためになっているんだろうか。別の教員は「楽しそうにワイワイやってたのでいいんじゃないですか。自分たちの頃にはなかったのでうらやましい」という評価もあったが。。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-21 17:18:24 (1079 ヒット)

 9/20 千里中央のライフサイエンスビルで「千里ライフサイエンス振興財団」主催の講演会に呼ばれる。この講演会、大阪大学医学部の先生がコーディネーターをされているせいか「新適塾」と銘打たれている。適塾は幕末の頃、緒方洪庵が開いた蘭学塾で、大阪大学医学部および慶應義塾大学の源流のひとつとされる。うちの「免疫適塾」と張り合っているわけだ(こちらは知る人以外知らないだろうけど)。100名くらいの参加者でちょっと時間オーバーしてしまった。講演会のあとは1時間程度の懇親会なのだが質問やら挨拶やらで多くの人が列を作っている。なんて熱心なんだ。企業の方が多いせいかもしれないが、こんな懇親会は初めてだった。結局料理には全く手をつけられず。終わったころはかなりヘトヘトになった。
大阪での講演である。途中何か「笑い」をとらないと評価が下がるかもしれへん、ということで坂口先生のTregの説明のところで「私も毎年10月初めはNHKや新聞社に連絡がつく場所にいるようにと念をおされる。もちろん私が受賞するかもしれないというわけではなく、坂口先生が受賞した時にコメントくれということらしい」というとかすかに笑いが漏れた。同じ話題を大学院講義で英語でやったら意味が通じなかったらしく完全に沈没した。どうもネタがよくない。
でも今年の私の大胆予想は「本庶、Allison、坂口」。もしかしたら「石坂、坂口」。どうだろうか。

追記)2017年のノーベル医学生理学賞は「時計遺伝子」に。いつかはもらうだろうと思っていたが。。。私の迷言「記録は破られるためにある。(ノーベル賞の)予想ははずれるためにある」

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-16 14:29:11 (1138 ヒット)

 15日午後から名古屋大学環境医学研究所の先生に大学院講義で呼ばれたので新幹線で名古屋に向かう。忙しくてスライドの準備ができていない。車内でパソコンをパチパチやっていたら完全に車酔いしてしまった。気持ちが悪くて不完全なまま断念。4時に研究室でと約束していたのだが、名古屋駅についたのは3時10分くらい。余裕で4時には着けるだろうと踏んでいた。新幹線を降りてから地下鉄東山線の場所がわからない。かなり歩いてホームに着くと電車を待っているすごい人だかり。適当に空いているところを見つけて飛び乗った。初めは立っていたがまだ気分が悪く席が空いたので座る。落ち着いたらどうも居心地が悪い。何か変だと思って見回すと女性ばかり。そう、名古屋の東山線では終日の女性専用車両があるのだ。またやっちまった。あわてて途中の駅で降りたが次の電車が来るまで待つ羽目に。普通昼間はないだろう。立っている人はいるものの結構スカスカではないか。この差別はひどくないか?聞くと抗議は結構あるという脅迫も男性専用車両をつくれという訴えもあるそうだ。ラッシュ時はともかく昼間に専用車両を設けるのは意味がわからない。名古屋は特殊なのか。。。ともかくそんなこんなで遅れてしまい研究室に着いた時は4時15分を過ぎていた。
特殊といえば名古屋は独特な食文化を持っていると言われる。私もトーストにアンコを乗せた「小倉トースト」に挑戦したが、、、まあ驚くべきものではない(アンパンはすでにある)。講師の方と話していると、ラーメンでは激辛の「台湾ラーメン」が流行っているという。これにも挑戦した(味仙の台湾ラーメン・イタリアン)が、確かに何度もむせるほど辛かった。3年ほどまえにsummers studentで当教室に来た稲垣君を思い出した。彼にはお土産に「北極ラーメン」のカップ麺を持たせたのだが、あのラーメンはどうなったのだろう。台湾ラーメンは北極ラーメンといい勝負かもしれない。完食したが帰りの新幹線ではお腹が。。。
講義の方は無事終了。ASLやアルツハイマーが専門の先生なのでこちらもいろいろと質問して有意義だった。台風18号が近づいているので朝早めに東京に戻ることにした。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-13 23:38:32 (1102 ヒット)

今日(2017.9.13)のドクターGはIgG4関連疾患(お前の情報源はテレビかネットかよ?!原著を読めよ!)。腰が痛い、疲れる、多飲、などから糖尿病、しかもすい臓がんによる糖尿病が疑われた。しかしドクターGは「味覚の変化」「目が乾く」という症状を見逃さず「IgG4関連疾患」と特定した。研修医も全員同じ病名を挙げたのは「IgG4関連疾患」が医師の間では周知されているということだろう。免疫疾患とすい臓がんを間違われたら患者さんはたまらない。実際に1990年代にはすい臓がんと診断されて手術したら癌細胞ではなく形質細胞(B細胞)だったということもあったらしい。もちろん「免疫学」の講義でもIgG4関連疾患は取り上げるが「抗体」のところで「免疫疾患」ではない。代表的な「ミクリッツ病」以外は授業では解説もしない。実は欧米の教科書にはあまり載っていない、というか見たことがない。日本では研究班が作られて熱心に研究されているが海外ではそれほど認識されていないのかもしれない。しかしなるほどドクターGでも取り上げるくらいだから実臨床でも重要なんだと認識した。でもIgG4関連疾患はあまりにも広範囲で多彩なのだ。途中で私もシェーグレンかよと思ったくらい。番組では『IgG4って何なの?』「どうしてこんな病気になるの?」という一番の根元の問題には全く触れていない。よくわかってないからしかたない。治療はいつものステロイド。まあそうなんだけどそれしかないの?やっぱりどうしてこんな自己抗体(かどうかも不明のようだ)ができるのか?という根源的な問題に迫らないと。それこそ「免疫学」の出番なんだろう。

しかし最近疲労感がひどい。9月上旬の職員健康診断のメンタルチェックに「時々死にたくなるか?」なんて質問があったが「毎日だよ」と答えようかと思ったけど「ふざけてるのか?」と言われそうでNoにした。今日も疲労感が抜けなくて早く帰ってドクターGを見れたのだが、多飲多尿もある。いよいよ糖尿病か。それとも。。。「飲み過ぎ」かも。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-12 08:20:57 (1275 ヒット)

 慶應義塾医学部100周年を記念して教室の歴史を書くように仰せつかっている。60周年記念誌には微に入り細に入り人事と研究業績が並べられている。とてもこのような大部の報告書のような「教室史」は書けないがこのネットの時代だ、各教授の業績くらいすぐにわかるだろうと思っていた。調べているうちに確かに近年亡くなったかたは学会などの「追悼文」が出ているので写真と業績が容易に入手できる。ところが1960−2000年くらいの情報がなかなか手に入らない。科研費の報告書のようなものは出てくるが、業績を短い言葉でまとめたものや写真が出てこない。写真は電子カメラの普及前だからだろう。当時はもちろんHPもなかった。この辺はお弟子さんを頼るしかない。戦後の微生物学免疫学教室のなかでひときわ光っているのは渡辺力教授の業績だろう。細菌の「多剤耐性因子」を発見したのだ。教科書に載るようなすごい発見だ。渡辺教授は教授在籍わずか2年で胃がんのために逝去されているのでその悲劇性もあって強い印象を残されたのかもしれない。教室の廊下に記念のパネルがある。不明にも私が赴任した時は誰かラボで実験中になくなったのか、くらいにしか考えていなかったが今回調べて改めてその偉大さが理解できた。
昨日は教授会で「研究委員会」の委員長としての最後の報告を行なった。2年の委員長の期間で様々な問題に取り組んだものの力不足のために時間と労力を使った割には成果は上がらなかった。実際に改善されたのは学振PDが健康診断を受けれるようになったことと「学部内一斉メール」を整備したことくらいだろうか。もともと調整力とかリーダーシップとかは皆無の人間なので「長」のつく仕事には向いてないのだ。自分で抱えて疲れが溜まる。ようやく研究委員長の肩の荷が降りたかと思ったら次はMCB(3年生の基礎教育科目;molecular and celluar biology?)の主任(取りまとめ役)を仰せつかった。自分には「免疫学」の講義があるので固辞していたのだが前任の先生があまりに大変そうなので「研究委員会が終わったら」という約束で引き受けたのだった。これは外部、内部の講師を呼んでオムニバス形式の講義が36コマ延々続くもので主任の役割は要するに時間割をつくったり担当を決めたりという調整役だ。委員も6、7名いるが非常に大変なので基礎各教室から若い人を出してもらってなんとか一人当たりの負担を軽くしようとしている。何処もそれぞれの授業を抱えているので皆さんなかなか大変だろうがお願いしてまわるしかない。こんだけやっても外部の偉い先生を呼んでも熱心に聞いている学生は少ないだろう。これが一番ストレスが溜まる。。。またぼやいてしまった。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-07 09:17:39 (1220 ヒット)

 9/2,3は毎年恒例の免疫適塾(皮膚科や微生物学免疫学教室などの5教室の合宿)。日曜日の午前中の発表の後、ソフトボールをやるのも恒例になっている。台風が心配されたが3日は秋晴れの爽やかな好天に恵まれた。うちは学生が減っていて9人に足りない。そこで特別講師に旧知のK先生を呼んで助っ人になってもらうことにしていた。K先生は高校時代、野球部でなんとプロ野球入団テストも受けたことがあるという筋金入りである。今でも週一はかならずバッティングセンターに通っているというので大リーガー級の助っ人である(と期待された)。一回戦は皮膚科(先行)と。皮膚科は常に優勝候補である。K先生には当然ホームランが期待されたが。。。なんと三振かボテボテの内野ゴロばかり(それでも草ソフトなので一塁セーフになることが多かったが)。どうも草ソフトの超スローで山なりの球はタイミングが全くあわないらしい。結局3回表まで4−0で皮膚科にリードを許す。3回裏敗色濃厚だったが、第一打者の私のヒットを皮切りに当教室は驚異的な粘りをみせて4−4の同点にまでこぎつけた。勝敗の行方は皮膚科教授と当教室代表のジャンケンに委ねられた。私はこういう賭け事には全くツキがない。躊躇したが他に誰も代わろうという者がいなかったので私がやることになった。1回目の勝負で皮膚科教授がパーで私がチョキ。皆優勝したかのように大喜びだった。2回戦は理研チーム。こちらも3回裏で逆転。最後の決勝戦で本田研チームに大差で破れた。このとき私は最初からは投げていない。途中1回戦だったか足に打球が直撃して走れなくなったのだ(なぜか当たったところでないところが内出血している。重力のせいらしい。痛風ではない)。それでもあまりに打たれるので最後は痛みを押して私が投げなんとか後続を断つもの既に10点取られていた。最終回3点とるも逆転とはならず今年の夏は終った。
人が足りないのでK先生は途中本田研チームにも参加していた。私の判断で最後の決勝戦ではうちではなく本田研チームに所属してもらった(理由はわかるよね)。結局K先生のバットからは一度も快音は聞かれなかったが、K先生が入ったチームは全て勝利している。十分助っ人としての役割を果たしたと言えなくもない。

ラボに戻って火曜日のセミナー。長年使ってきたプロジェクターの電源が入らなくなった。学生らは故障だというが、全く電源が入らないときはプラグの接触不良をまず疑うべきだ。テスターで通電状況を調べるとほどなく不良の原因がわかって修理完了。便利屋の面目躍如というところだ。機械は電子部分でなければ修理できることもある。ものごとには必ず原因と結果がある。原因を見つけて直せば結果はついてくる。研究も同じ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-31 11:32:20 (1381 ヒット)

 8/30大阪大学第三内科の教授に呼ばれて講演に伺った。「内輪の会なので気楽に、若手をencouradgeするような話をしてください」というリクエストなので昔のJAKやSOCSの歴史の話をまずして残りを「サマースクール」の時のような「T細胞リプログラミング」の話をする。確かに聴衆は若い人たちが多い。教授の方からは「サイトカインのシグナル伝達機構解明の時代を切り開いたパイオニア」みたいな超過分な紹介を受けたので「いやいや私はJAKの発見競争では一敗地にまみれた。そのあとは遺伝子クローニング、ノックアウトマウスの作成と当時としては常に一歩遅れた全く精彩のないことをやっていた。自慢できるとしたら人よりちょっとだけ余計に働いたことくらい」といつもネガティブ発言で盛り下げてしまった。教授が聴衆に向かって「若い頃、吉村先生のブログを読んで勇気付けられた、君らもぜひ読みなさい」と言われたが「いやいや今はただぼやいているだけでブラックなことは書けません」。もし昔の話を見たいひとはこちらのページを。しかし懇親会では半分儀礼的かもしれないが「面白かった」と言ってもらえて質問がひっきりなしだった(料理があまり食べられなくてお腹が空いてしまった)。こんな熱心な若手がひしめいている阪大はやっぱりすごいと感心する。
夜、ホテルに着いたが疲れていたのか少しの酒でかなり酔ってしまったようだった。メールを調べると一月半前に投稿した某journalのofficeからメールが届いていた。速報誌を標榜しているのに一月も返事がないのはおかしい、どうなっている?とメールを送っていたのだった。返事は「reviewerからのコメントがまだ届いていない」「unacceptableとは思うが我慢してくれ」と書いていある。この雑誌は私自身は何度かreviewerとして奉仕(もちろん無償)したことがある。なんという仕打ちだ。何故か頭に血が昇って「9/5までに返事をもらえないなら取り下げる。2度とおたくの論文のReviewはしない」と送ってしまった。酔っていたのだろうが朝起きたらかなり後悔。やっぱり短気は損気だな。待てない人だから仕方ないか。渋滞に我慢できず抜け道に入ってさらに動けなくなる、そんな痛い目を何度も経験しているのに。。
東京に戻ると雨で気温が21度だった。涼しいというより寒いくらい。もう夏も終わりか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-29 15:02:25 (1096 ヒット)

 今日は免疫学の再試験。半分程度(6題)は中間試験と本試験から出題する(問題解答はWebに掲載済み)、手書きのノート持ち込み可、である。すでに50点は取れたようなものなのであと10点だ。「学生を甘やかせ過ぎているのでは」あるいは「そこまで勉強しないと思うとは学生をばかにしているのでは」とお叱りをうけるのではないかと危惧していた。まあ確実に復習はしてくれるだろうと思ってこんな甘い再試験にした。蓋を開けて見るとさすがにほとんどは再試験合格圏内だ。しかし新作はほとんどが臨床問題(症状から病名を推測してその発症原理を書く)なのでほんの少し応用力が問われる。これらはかなり出来が悪い。来年は「症例から学ぶ免疫学」という枠をヒトコマつくりたい。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-26 16:38:21 (1187 ヒット)

 26日。デスクワークが続いているので気晴らしに浅草の「サンバカーニバル」を見物に行く。13時前に着いたのだが相当の人だかりだ。苦労して人混みをかき分けてかなりスタートに近いところで見ることにした。待つこと20分くらいか。やっと始まったと思ったら延々と小学生の「サンバ隊」が続く。おじさんの見たいのは違うんだがらさっさと行ってくれ、と思ってもなかなか本格的なサンバが始まらない。ようやくコンテストに出てくるような賑やかな踊りが始まったのが14時近く。隊と隊の間が結構長い。この暑さで立っているのがきつい。とても全部は見てられない。あきらめて帰路につく。

不完全燃焼気味なので、「今日はサシミと酒だ」と思い立って新宿御苑の「魚よし」に寄る。ここは80歳過ぎのおじいさんがひとりで切り盛りしている不思議な店だ。表に値段も張っていない。例えば今日はひとりなので1000円位でというとマグロやタイなど適当に混ぜて切ってくれる。とにかく安くて量が多いのだ。先週は千葉のでかいハマグリを10個くらいつけてくれた。それだけでスーパーで買ったら2000円近くしそうだ。とても商売っ気はないが「少しでも多くの人に魚を食べてもらいたい」という信念からか話しながら「あれもうまい、これもうまい」と、どんどん切って入れてくれる。しかし値札もないので近所の奥さん連中はほとんど来ないそうだ。皆クチコミで買いに来るらしい。新宿御苑の「魚よし」、ぜひ宣伝しておきたい。写真は先週二千円で購入した食材。2人でも一晩では食べきれなかった。

それにしても東京は不思議なところだ。日曜日には代々木公園で「よさこい祭り」高円寺で「阿波踊り」、少し前には阿佐ヶ谷で「七夕祭り」をやっていた。多くが商店街の景気づけのために始まったらしく地元出身者が多いからということでもないそうだ。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-18 11:05:57 (1324 ヒット)

 またまたYahooニュースから(論文は読まんのか!)。オーストラリアの研究者らが臨床試験を行い、ピーナッツアレルギーを持つ子供らにピーナッツと「ラクトバチルス・ラムノサス」という乳酸菌の一種を同時に摂取することでピーナッツアレルギーを克服できたという。ニュースでは出典がなかったので調べてみた。原著はこちらLong-term clinical and immunological effects of probiotic and peanut oral immunotherapy after treatment cessation: 4-year follow-up of a randomised, double-blind, placebo-controlled trial(The Lancet Child & Adolescent Health).経口減感作療法をTregを増やす細菌と一緒に摂取すれば効果は加速されるだろう。ラクトバチルス・ラムノサス (Lactobacillus Rhamnosus)jは古くから整腸剤(プロバイオテクス)として使われていて、マウスモデルではTregを誘導したりTh17/Tregバランスを変えたりすることが報告されている。これをヒトで実際に臨床効果を確かめらたのはすごいことだと思う。Treg誘導菌といえばわれらのクロストリジム属菌も強力なはず。そう思って調べてみるとマウスではあるがクロストリジム属がピーナッツアレルギーを抑制するとする報告があった。この場合はTregも増えるがむしろIL-22によるバリア強化の方が重要そうに書いている。いずれにしろ様々な免疫疾に対してプロバイオ+抗原経口摂取というのがトレンドになるかもしれない。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-15 14:51:38 (1128 ヒット)

 田舎では8月13~15日はお盆で親戚一同集まって墓参りに行ったりXX回忌ならお坊さんを呼んで読経してもらうのが普通と考えていた。今年初めて故郷に戻らずに東京でお盆を過ごした。14日,15日はメンバーは少し少ないもののほとんど皆出てきている。思わず「東京にはお盆はないのか?』と聞いた。東京生まれの人は「電車も空いてないしいつもと変わらない」とおっしゃる。確かに私のような地方出身者の多くは自分が田舎にでかけていくのであって向こうから東京に来ることはないのだろう。ただ痛風薬をもらいに病院に行ったら確かに患者さんはいつもよりかなり少ないように思う。
13日日曜日は深川の富岡八幡宮の例大祭を永代通りまで見物に出かけた。3年に一度しかないという。みこしと担ぎ手に威勢良く水をかけるのが習わしらしい。小さい子が水鉄砲で水をかけていた。なかなかの賑わいと迫力だ。しかし50基以上の神輿が練り歩くということだったが、差がわからないので最初の5,6基で帰ることに。次は2020年、オリンピックの最中にやるんだろうか。
帰りに国立西洋美術館に寄って「アルチンボルド」展をみる。野菜や草花で人の形を表現した「寄せ絵」で有名な画家だ。我々サイトカイン関係の研究者仲間ではウィーンのジョセフ・ペニンジャーという大物がいつも講演の時に見せるので馴染みが深い。何が気に入っているのだろう。確かに普通ではない。アルチンボルドは少し前のミケランジェロやダビンチと同じことをやってもかなわないと思ってこういう奇抜なことをやりだしたのだと説明されている。そいういえばジョセフもいつも常人には思いつかない奇抜な説を披露しては我々の度肝を抜いていた。でもアルチンボルドもジョセフもそこまで奇を衒う必要があるのか、直球でも十分勝負できそうだが。。。

写真は絵画展に入る前にCGで客の顔を野菜などで表現してくれるサービス。なんか「荒木飛呂彦」(石仮面?)風ではないか。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-03 13:31:11 (1599 ヒット)

 7/31から8/3まで湘南国際村免疫サマースクールが行われた。私は2日前の発表で1日目から参加したが、8/2に某財団の審査会があるので朝早起きして直接審査会場へ向かった。なので実際には2日間しか参加していない。しかし100名ほどの若いひとたちと交流できてよかった。夜は恒例のフリーディスカッション(飲み会)があるのだが(主催の先生は「いくらでもある」とおしゃっていた)昨年のことがあるので0時には部屋に戻った。XXぐせの悪さのために今年はお呼びはかからないだろうと思っていたらまた呼ばれた。学者と医者と芸者は呼ばれたら行かねばならないらしい。しかし実はサマースクールが段々重荷になってきているのだ。私の前の先生たちは華麗な経歴や趣味(ともちろんすばらしい研究成果)を披露している。冒頭から「私は100キロマラソンも剣道もできないし漫画も描けない。バンドはおろかカラオケもド下手」「自慢できるのは酒に強いことだけだが最近よく記憶を失う」「学生時代、〇〇先生の免疫学の講義は途中でドロップアウトした」と『ヒロシ』並みの自虐ネタのオンパレードで始まった。『こんなとりえのない人間でも努力すれば免疫学の教授になれる』ことを伝えたかったのだが、山下先生から「ネガティブすぎる」とたしなめられた。偉い先生がたを前にすると足が震える。自分の卑小さが身にしみる。聴いている学生たちはinspireされるような話を聞きたいのだろが、人様に模範を示せるような人格者でも自慢できる特技があるわけでもないことは自分が一番よく知っている。だからこの手の会で話すのは苦手なのだ。来年呼んでくれるならイントロダクトリーコースで「免疫劇場」をみせたい。

  2日目の遠足は「横須賀軍港めぐり」だった。軍艦にさほど興味をもっていたわけではなかったがガイドさんの話が面白く興味が湧いてきた(女性にはどうだったか)。思わずおみやげに「軍艦せんべい」(せんべいの上に各軍船が刷られているらしい)を買ってしまった。それにしても遠足まで用意しないといけないとはスタッフのひとたちの苦労は大変なものだろう。参加者のなかから免疫学会に入ってくれるといいのだが。私のところは院生がほとんど入らないので「決してブラックではありません!」と宣伝しておいたのだが。。。
それにしても7月は忙しかった。関西に3回出張し、すこしでも空いた時間があれば他人様の申請書を読んでいた。ようやく完了したと思ったらまだ〇〇学会のもあった。。。

実はにわか「ひよっこ」(NHK朝ドラ)ファンである。ここ1,2週間は最大の山場なのだ。録画やネットで見ている(あまちゃん以来)。 記憶喪失のお父さんを奥さんが連れに来る。昼ドラなら「どろどろ」展開も朝ドラなら「もう一度やり直そう!」という元気の源になれるところが不思議。やっぱり皆がhappyになれる展開が望ましいが。。。お父さん(オヤジ)どうする?


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-20 12:17:43 (1706 ヒット)

 次は大阪での炎症再生医学会。国際会議場の中はギンギンに冷えているが大阪は暑い。学会もいつになく熱いものだった。普段あまり聴けない「再生医学」の話題がきけるのがいい。特にがん研究センターの落谷先生の話は強烈で新鮮だった。間葉系幹細胞は脳梗塞や心筋梗塞などに臨床応用されようとしているが、その効果の分子論的な基盤はそれほどはっきりしていなかった。落谷先生はそれがエクソソームに担われているのでは?という。これまで細胞外へ放出されるエクソソーム(100ナノメートルくらいの小胞)のことは知っていたが自分は本当に生理的に重要な意味を持つのか(それほどの量があるのか)懐疑的であった。それが幹細胞の作用の多くが幹細胞の放出するエクソソームで代価できるかもしれないとおっしゃる。かなり研究が進んでいるそうで驚きだった。後半は「成熟した肝細胞を部分的にリプログラムして若返らせる」という話で、いくつかの阻害剤の組み合わせだけで分裂しない成熟肝細胞が未分化状態に若返りどんどん増殖するようになって肝障害の治療に使えるかもしれないそうだ。これはすごい。うちも疲弊したT細胞を若返らせて癌治療に使えないか、という研究をしているのでとても参考になった。
もうひとつ勉強になったのはJAK阻害剤が徐々に適応範囲を広げていること。JAKは発見当時からのつきあいなのでどうしても気になる。関節リウマチではもちろん認可されているが、副作用として悪性腫瘍の懸念があった。しかし今回聞いた話では驚くほどの高率というわけではないらしい。さらに炎症性腸疾患、SLE、アレルギー性疾患などにトライされており期待できる成績だそうだ。一時JAK阻害剤は副作用が怖くてどうも、と言われていたが、いやいや実はこれから花が咲くのかもしれない。
それにしても、学会研究会続きでだいぶくたびれてきた。。。

出張の合間に試験の採点をして今日ようやく結果が出揃った。昨年までは強制的に講義に出席させていたので実は出席と成績の関係はあまり明確ではなかった。今年は出席をとらなかったので出席者と非出席者の差は明白だった。本当は試験の成績はどうでもよいのだ。将来医師として必要になることはちゃんと時間をかけて勉強してほしいのだが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-16 13:56:59 (1284 ヒット)

 神戸から戻ると翌日は自己免疫疾患研究会。都内だが昼から夜遅くまで結構タフな会だ。明日からは大阪で炎症再生学会。少しでも時間があると試験の採点と助成金の審査。助成金の審査もこの頃はWeb採点でコメントを書き込むようになって適当では済まされない(今まで適当だったわけではありません)。この忙しさは当分続く。それでも研究会で聞いたためになる話をひとつ。来年の講義のネタにしたい。書き留めておかないと必ず忘れる。
埼玉医科大学からの発表で、少し前に(カネ)某化粧品メーカーから美白剤として売り出されたロドデノール。メラニン合成酵素を阻害するので肌が白くなるのだが、それが行きすぎて白斑の副作用がでたというのは記憶に新しい。一般にはロドデノールの代謝物が細胞死を誘導するからと説明されている。しかし埼玉医大の松下教授らは美白剤を塗ってない部分にも白斑ができることから免疫の関与を疑った。松下先生らはロドデノールがチロシナーゼに結合することでチロシナーゼの構造が変わって新しい抗原決定基(エピトープ)が出現すると考えた。一般的に化学物質がタンパク質に結合してその化合物(ハプテン)を含んだ抗原になることは「接触性過敏症」などでよく知られている。ただロドデノールの場合はタンパク質の構造変化によってこれまで抗原として認識されていなかった部分が抗原になる、ということらしい。これを「隠蔽自己抗原(cryptic self)」といって自己免疫性糖尿病におけるインスリンなどで知られていた。松下先生らはチロシナーゼのペプチドからHLA-DR4およびHLA-A2, B44に結合しT細胞を活性化するペプチドを見出した(学生諸君はT細胞の種類が言えるかな?)。なるほど。これなら全身性に白斑が出ることも、人によって症状に差があることも理解できる。先生らのすごいのはこれを逆手にとってロドデノールがメラノーマの癌治療に使えるのではないかと考えたことだ。動物実験ではうまくいったようだ。これまで自己免疫疾患や過敏症起こすような化合物は忌み嫌われていただけだったが発想を転換することで癌治療に使えるかもしれない。なかなか勉強になった。


今年は症例問題の出来が悪かった。もっと実際の症例を基に関連する免疫の話をすれば皆興味を持ってくれるかもしれない。今学んでいることが実際に診断や治療に必要不可欠なんだということを知れば少しは勉強に力が入るか、、、入らんだろうな。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-14 18:09:00 (1257 ヒット)

 13,14日と神戸の田尾寺というところでシンポジウム。ゼロックスの研修所を一般にも公開しているらしい。施設は立派だが駅から遠い。いや徒歩10分程度なのだがお昼の炎天下10分歩くと汗が吹き出して結構つらかった。日頃日中外に出ないのでたまにだと堪える。
そこで田辺三菱製薬のフィンゴリモド開発を担当されて来た方の講演があった。フィンゴリモド(FTY720)は実験でもよく使うし、学生講義でもとりあげたばかり(試験の出来は悪かったが)。多発性硬化症(MS)の治療薬として世界で3000億円/年を売り上げるという。
もともとは京都大学薬学部の藤多哲朗教授(昨年亡くなられたそう)が有名な漢方薬「冬虫夏虫」からいくつもの新規化合物を発見されており、そのうちのひとつ、マイリオシン(ISP-1)がリンパ球増殖抑制活性を持っていたことから台糖や吉富製薬(当時)と共同研究を始めたことがきっかけだそうだ。ところがマイリオシンは不斉炭素が3つと多く、とても合成できない。そこで大胆にその部分を削ってさらにベンゼン環を入れて、開発コードFTY720を合成した。これをマウスに注射したところ、なんと血中のリンパ球が激減したのだった。そこから有名な「スフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体の阻害によりT細胞のリンパ節からの流出を阻害」という作用機序が解明されて来たのだった。ところが最初の冬虫夏虫由来のマイリオシンにはその活性はない。マイリオシンには別の標的酵素があるそうで合成展開していくうちに「たまたま偶然に」優れたターゲット分子を阻害する化合物が得られたのだそうだ。むろん開発には大変な苦労があったそうだが、こんな幸運はそうないだろう。藤多先生は結構なロイヤリティが入って京大に寄付もされていたそうだ。私のような下世話な人間にはそちらのほうが気になってしかたない。いや藤多先生も初めは多発性硬化症の薬になるなど思ってもみられなかったらしい。やはり目先の利益に走らず、倦まず弛まずこつこつ努力するところに幸運は訪れるのだろう。また開発途中では周囲は「そんなの効く訳がない、やめろ」大合唱だったそうだ。これも成功物語ではよく聞く話だが「諦めずに信念を貫けるか」もサイエンスの神様は見ているのだろう。

なおフィンゴリモドは確かにS1P受容体を阻害してT細胞の流出を抑制するのだが、脳脊髄系への影響はそれだけではないらしい。どうもアストロサイトのS1P受容体も重要だそうで、教科書にはまだ書かれていない作用もこれから解明される可能性があるそうだ。



 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-10 18:05:28 (1959 ヒット)

 今日は本試験である。事前に講義と授業支援のWebサイトにおいて、中間試験22問中から同じ問題を2問出すこと、グットパスチャー、免疫寛容、それと免疫不全について一題は出すことを事前に通知していた。それだけでもう半部以上出来たようなものだ。ほぼ想定範囲内の問題で今年は本試験で全員合格かもしれないと思っていた。しかも免疫学は本試験の期間のなかでは最後で、その前に土日がある。ところが蓋を開けてみると、できていない。中間試験の問題解答はWebに掲載している。なので最初の2問は点数かさ上げのつもりだったのに書けてない者がかなりいる。土日どうしたんだ?と聞くと『部活があって、、』。試験期間中に部活を優先するとはいい度胸してるじゃないか。
まあまだレポート点がある。ボーダーの学生も挽回できる可能性はある。

でもなかには講義にも出て来ていないのにほぼ完璧に書けている者がいる。さすが慶應、完全に脱帽です。ますます私は必要ないんじゃないかと思ってしまう。

ちょうどNHKの「プロフェショナル」で小児生体肝臓移植の権威、国立成育の笠原群生先生が特集されていた。『笠原は、前進する努力を、一瞬たりとも怠らない。信念は「やるのではない、やりきる」こと。「いっぱい勉強して、いっぱい経験して、初めてやりきることができる」1ミリでも自分が成長しないと、患者さんを助けることができない」』移植で患者が亡くなるのは免疫抑制剤による感染症が原因であることが多いという。免疫抑制剤の知識や移植拒絶の仕組みを理解することは移植外科医にとっても当然必要なことだ。学生さんには君らが勉強しているのは「試験に合格する」ためなんじゃない、(数年後に出会う)患者さんのためなんだ、と言いたい。(そんな偉らそうなこと言える立場でないことはわかってますが)


20回程度の講義のうちで2回出席をとった。始めに出席点はやらない、と公言したので「詐欺行為」と罵る者もいれば、教育主任の先生に実際に訴えた学生もいたそうだ。情けないことこの上ない。実は「出席と成績の関係」を調査するのが本当の目的。何点加点するとか言った覚えはない。他の学生が真摯に取り組んでいることを妬んでどうする。彼らに「一ミリでも自分が成長しないと患者さんを救えない」という笠原先生の言葉は理解できんだろうな。ここまで採点したところ2回とも出席していたものはよく出来ており特に加点する必要はなさそうだ。

 

と、ぼやいていたら当の3年生と見ず知らずの農学部の教官のかたから「落ち込まずに頑張ってください」と励ましのメールをいただいた。全く稚拙な講義しかできないが、少数でも私のメッセージを受け止めてくれる人がいてくれるならまだやれる。タイトルを「情熱を失う」から「失いかける」に変更することにした。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-09 13:58:51 (966 ヒット)

 今回の集中豪雨に見舞われた福岡県朝倉市は私の故郷の久留米市の隣町である。三連水車とはぜの紅葉で有名な田園が広がる美しいまちだった。まだ雨が降っているそうでこれ以上被害が広がらないことを祈るばかりだが、久留米もいつか筑後川が氾濫する可能性はあるだろう。線状降水帯というのは最近よく聞くようになった。平成26年の広島、平成27年の鬼怒川でも甚大な被害をもたらして「50年に一度」の大雨を降らせた。しかし「50年に一度」がこんなに頻繁に起こるのはおかしい。異常気象のせいなんだろうが「何処かで毎年起きる」くらいのつもりでいなければいけないんだろう。今年の夏は猛暑になりそうだという。
ひとついいニュース。左横で演題募集している金沢「国際サイトカイン学会」の一般演題が500を超えたそうだ。これから口頭発表の選定など作業が続くが、運営委員のひとりとしてひとまず「借金」を背負わないで済みそうでよかった。天変地異がなければだが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-01 11:47:39 (1301 ヒット)

 先週は弘前、札幌と出張が続いてだいぶお疲れモードだが締め切り間近の原稿や審査が山積みで休む暇がない。そんな時に限ってデスクのiMacの調子が悪い。実は一月くらい前から不穏な動きをしていた。とんでもなく遅い。WORDやExcellすら開くのに時間がかかるし頻繁に停止する。ネットに出ているセーフブートとか様々なことを試みたがよくなるのは一時的ですぐにまた遅くなる。まだ購入して3年くらいだろうが、もし仕事の途中でクラッシュしたら想像するだけでも恐ろしいほど被害は甚大である。そこで新しいiMacを購入することに。新iMacが届いた日についに古いiMacのMailが完全に停止した。新iMacに移行するまでにはまだ時間がかかる。しょうがない。Mailを復旧するためにアカウントから設定し直した。すると何ということか今まで亀の歩みのようだった旧iMacがスイスイと動き始めたではないか。まさかお蔵行きになることを察して急に行儀よくなったわけでもあるまい。要するに原因はMailにあったわけだ。以前の設定がおかしかったとしか思えない。といっても同じ設定のはずのMacBookは問題ない。一体何が悪かったのか見当がつかない。まあ旧iMacも十分使えそうなので学生室で共通Macとして使ってもらおうかとも思う。
もしiMacがものすごく遅くなったと感じたら「Mailのアカウントを全部削除して設定し直す」。これはWebにも出ていなさそうなのでMacが遅くなる対策法として記載しておきたい。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-06-26 19:17:27 (1616 ヒット)

 今日の最後の学生講義ではつい最近Nature に出されていたグッドパスチャー病とHLA-DR1、HLA-DR15の関係についての論文を紹介した。グッドパスチャー病はIV型コラーゲンに対する抗体ができて腎臓を攻撃する典型的なII型アレルギー疾患(自己免疫疾患)だ。この疾患に対してHLA-DR15が感受性をあげ、HLA-DR1は逆に下げることが知られていた。ヘテロで両方持つヒトは感受性が低い。つまりHLA-DR1は優性抑制型のアロタイプでそのメカニズムは不明だった。優性抑制型なので当然Tregの関与が疑われる。この論文ではHLA-DR1とHLA-DR15のトランスジェニックマウスを作製し病変を起こし、実際にHLA-DR1ではTregが増えること、Tregが病変を抑えていることを示している。またヒトT細胞のテトラマー解析を使ってヒトにおいてもその仮説があてはまることを見事に証明している。データがものすごく明快で見事な論文なので思わず「学生講義で使いたい」と思ったのだった。HLA、TCR、Treg、Th1/17などこれまで講義で取り上げたことがたくさん出てくる。講義で学んだ知識で最新の論文を理解することが可能であることを知ってくれたらうれしいのだが。。。
ついでにNature最新号にも大変興味深い話が出ていた。パーキンソン病が自己免疫疾患であることを支持する証拠が得られたと言う。パーキンソン病は神経細胞にαシヌクレインが蓄積して神経変性が起きる。この論文ではパーキンソン病の患者さんのT細胞がαシヌクレインのペプチドを認識することを示している。もちろんこのようなT細胞はαシヌクレインが蓄積した結果生じる可能性は否定出来ない。上のグッドパスチャーのようなモデルマウスをつくれば原因か結果か明快にわかるだろう。抗NMDA受容体抗体脳炎のように今まで統合失調症かと思われていた疾患がつい最近、自己免疫疾患として認識された例もある。パーキンソン病も『神経疾患も免疫病』という例のひとつになるかもしれない。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-06-25 19:46:29 (942 ヒット)

 土曜日、弘前大学の先生に呼ばれて研究会で話をした。青森県は生まれて初めて訪れる県だ。まず、飛行機を降りて涼しく乾燥していることに納得した。一応梅雨はあるそうだがほとんどまとまった雨は無いそうだ。空港からタクシーで弘前に向かう。津軽平野は平坦で広い。車は少なく車線も多い。しかしタクシーの運転手さんは決して制限速度を超えようとしない。私のようなせっかちさは微塵も感じられない。これが青森流なのだろうと感心する。講演のあとは弘前市内の店で郷土料理をごちそうになった。どれも美味しい。初青森なので「ねぶた」を見ようと決めていた(もちろん会館で展示しているもの)。弘前は「ねぷた」で青森が「ねぶた」だそうだ。運転者さんに聞くと「ねぷたは扇型でそんなに立体感が無い。ねぶたのほうがいい」と言うので、翌日またゆっくりと青森市まで行きねぶたの家「ワ・ラッセ」に寄った。想像以上に大きくて迫力がある。これは来てよかった。ここで結構時間を費やしてしまった。本当は青森名物「味噌カレー牛乳ラーメン」を食べるつもりだったのに、時間がなくて食せなかったのがかえすがえすも残念。いつか再挑戦したい。
 自分用に今話題の『いちご煮』のレトルトパックを買って来た。いちご煮とはウニとアワビを『ふんだんに』使ったお吸い物。缶詰よりは安かったのでレトルトにしたのだが、これが看板に偽りあり。肝心のウニがしょぼしょぼ。ウニの形をしていない。箸でつまめないレベル。もともと「いちご煮」というのは赤いウニの塊がイチゴのように見えることから名付けられたそうだが。。いくらなんでもこれは。。いやわずかの金をケチった自分のせいか。

 


  
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