2015年

1月17日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-01-17 19:57:48 (3276 ヒット)

  1/17-18 品川で炎症再生学会ではなく『炎症再生研究会』(IRG meeting)が行われた。トップバッターのDr.Arjun Debは昨年Nature Articleに報告した[Fibroblast plasticity in heart repair]の話をする。今回初めて聞く内容だったが、非常に興味深い話だった。

Mesenchymal-endothelial transition contributes to cardiac neovascularization. Ubil E,, Deb A et al. Nature. 2014 Oct 30;514(7524):585-90. doi: 10.1038/nature13839.

心筋梗塞モデルにおける酸化(あるいは低酸素)ストレスでp53が誘導されると線維芽細胞が血管内皮細胞にconvertするという衝撃的な内容だった。酸化ストレス?だけで線維芽細胞が血管内皮細胞にre-programされるとしたらすごい。丁度うちでも森田君がETV2遺伝子導入で線維芽細胞を血管内皮細胞に転換できることを報告したばかり。がぜん興味を持った。しかしよくよく聞いてみると疑問点も多く早速質問にたった。森田君の経験でも培養条件を変えるだけでそうそう簡単に線維芽細胞が血管になるはずはない。何よりもfusionの可能性は聞かなければならない。一昔前に骨髄幹細胞が神経だの筋肉だのどんな細胞にもなれるという報告が相次いだ時代があった。今ではそれはほとんどが細胞融合(fusion)で説明されている。線維芽細胞から転換したとされる内皮細胞はかなり大きい。fusionの可能性はないのか?と質問したが『調べていない』のひとことで片付けられてしまった。Nature のArticleである。Reviewerは当然聞いただろう。酸で分化した体細胞が多能性を獲得したといういつかの話とダブって聞こえたのは私だけではないと思う。Nature編集部はどうもなあ。しかしもし本当に外部刺激だけで線維芽細胞を血管内皮細胞に転換できたら虚血性疾患の革命的な治療になるかもしれない。

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