2015年

6月8日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-06-08 09:15:09 (3229 ヒット)

 Jun 07, 2015
IMMUNITY-D-14-00739R2
Dear Dr. Yoshimura,
We have reviewed your revised manuscript, "Induction of Intestinal Regulatory T Cells is mediated by AP-1 and Smad3 Transcription Factors-Dependent TGF-β1 production from Dendritic Cells"(IMMUNITY-D-14-00739R2), and I am delighted to be able to accept the paper for publication in the next available issue of the journal. 
クロストリジム属菌は消化管でTregを増やすことはよく知られている。ではどうやってTregを増やすのか?菌がつくるブチル酸などの短鎖脂肪酸が大事と言う話はあるが誘導性TregにはTGFβは必須。ではどの細胞がどういう機構でTGFβをつくるのか?は知られていなかった。柏木君らは消化器内科の金井先生のグループと協力してクロストリジウム属菌の一種であるクロストリジウムブチリカムがCD103陽性腸管樹状細胞(LPDC)をTLR2依存的に刺激してTGFβ産生を促すことを見出した。さらにその際にERK-AP1経路がまず働いてTGFβ遺伝子の転写のスイッチをいれること、次にTGFβはオートクリンでさらにTGFβを誘導すること、TGFβ遺伝子の活性化はSmad3がドライブしてSmad2は抑制的に働くことを明らかにした。柏木君はChIPアッセイを駆使してこれらのepigeneticな制御を詳しく調べた。また樹状細胞特異的Smad2欠損マウスは腸管Tregが増えて腸炎に抵抗性を示した。
修士から5年がかりの大作。柏木君が『修正無しでsubmitできるように書きました』と言って持ってきたのが昨年の連休明け。一行目から文法が間違っていて読む気を失ったのが今になってはなつかしい。よくみると英語ばかりか図もミスだらけでsubmitしたのが9月。reviewerの意見も厳しかった。3人のreviewerがついてRevise実験に5ヶ月以上かかった。reviewerのひとりは新規性がない(AP1もオートクリンもがん細胞では知られている)という理由でrejectだと言ってきた。いいがかりとしか思えないがこれを覆すことは不可能に思えた。Reviseを送って一月後に返事が来た。この強硬なreviewerはやはりrejectを指示したがなんとeditorはこれを無視してよいと言って来た。これまでかなりの数の論文を投稿して来たがeditorが一回目のreviseでreviewerを無視してよいと言ったのはこれがはじめての経験だった。そんなreviewerはじめから選ぶなよと言いたいが、ともかくもacceptされてよかった。『新規性』は抽象的なことで文句をつけようと思ったらいくらでもつけられる。このreviewerはではどういう実験をすればよいのかも指示せずにただただダメというばかりだったのでさすがにeditorも同情してくれたのだろう。最初から最後まで波乱の論文だった。

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