2015年

7月9日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-09 22:29:04 (3166 ヒット)

 7/9 今日から3日間東大伊藤国際学術センター内伊藤謝恩ホールでがん免疫学会/マクロファージ分子細胞生物学国際シンポジウム合同国際シンポジウム(ICCIM2015)が開催される。これからは腫瘍免疫だ!(腸内細菌じゃないんかい?)というわけで私も勇んで参加する。国際シンポジウムなのに行ったらずっと日本語だった。これはすごいコペルニクス的発想の転換ではないか?朝から超満員のはずである。「日本語での国際学会」大会長の松島先生の革命的なアイデアに違いない。と称賛したら一日目は日本がん免疫学会の集会でもともと日本語でやることが決まっていたという。本日最後の特別講演からずっと英語だそうだ。ひどく残念な気がする。それにしても大変な熱気である。朝9時からトイレ休憩もほとんどなく講演が詰まっている。CTLA4抗体、PD1抗体の成功から、第四のがん治療法と言われた腫瘍免疫療法がそのうち第一選択になる日が来るのかもしれない。当教室からは大学院生の近藤君が発表した。注目されたのだろう。質問攻めにあっていた。はやく論文として発表しなければ。
腫瘍免疫は免疫応答のリードアウトとして時々使っていた。特にSOCS1は立派な免疫チェックポイントのひとつで十分創薬標的となりうる。細胞外は競争が激しすぎる。細胞内まで範囲を広げるとまだまだ多くの標的があるように思う。

2日目はやはり英語だったが、腫瘍免疫の大御所と言われる人たちが次々に講演をしたのでこの分野の現状がよくわかった。松島先生はCD4を消すと抗腫瘍効果が極めて強くなりPD1抗体との併用効果も見られるという発表をされた。抗CD4抗体をつくるベンチャーを立ち上げて来年臨床試験をするそうだ。この、教科書とは反対の常識破りの方法がうまくいけば本当の『コペルニクス的発想の転換』だろう。うまくいくことを祈りたい。

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