2015年

8月30日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-30 19:02:19 (2537 ヒット)

 免疫学の再試験は『夏休みに勉強してレポート70~150枚にまとめることと、自分の関心のあるテーマについての発表すること』だった。28日にレポートの回収と発表会を行った。書きなぐったような判読不能のレポートで枚数を水増ししたような者、Wikipediaをそのまま発表したような者が多い中(彼らは当然追加レポートを課す)、なかには私が知らないようなことを発表してくれる学生もいた。そのなかでつい最近Natureに掲載された『中枢系リンパ管の発見』の論文を紹介してくれた学生がいた。実にすばらしい。こんな優秀な学生がいるので発表形式も悪くないと思う。それにしてもこの論文を見逃していたとは私も迂闊だった。

中枢神経系は教科書的には免疫特権領域でリンパ球の出入りはないとされて来た。もしあるとすれば多発性硬化症やアルツハイマーなどの病的な状況である。筆者らは脳脊髄へのT細胞の出入りを研究している過程で硬膜静脈洞の内表面(解剖学的なことはよくわからないが、、)にこれまで知られていなかったリンパ管を発見したと言う。脳脊髄液から髄液と免疫細胞の両方を輸送可能だそうだ。病的な状況はもちろんだが実は通常の状況でもT細胞や樹状細胞は脳とリンパ節の間を行き来しているのかもしれない。ひさびさにびっくりする発見だ。 
調べてみると硬膜静脈洞というのはいわゆるクモ膜と頭蓋骨の間にあって脳の深部ではないようだ。なので脳内にリンパ管があるという言い方が適切かどうかわからないが。
 

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