2015年

9月16日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-09-16 00:23:36 (2184 ヒット)

札幌で開催の 内藤財団の内藤カンファレンス『エピジェネティクス ヒストンコードから治療戦略へ』に来ている。今日は初日でplenary lecture 2 題。テクニカルタームがわからないのでかなり理解が苦しい。ゲノムワイドのシークエンス図など見慣れているひとにはわかるだろうがほとんど説明がなく素人には全く理解不能。たぶん説明されてもわからないだろうが。きっと初心者が免疫の講演会に来たらこういう苦痛を味うのだろう。『これまでの自分の講演会での聴衆の方々の苦汁はこういうことだったんだ!』と妙に納得する。少なくとも図の文字は遠くからでも読めないとな。。
それでも2番手のDr.Peter Jonesの話は癌のepigeneticsと抗がん剤DNAメチル化阻害剤(5AzaC)の作用点の話でわかりやすかった。すぐにネットで論文を調べたところ『なるほど!』と納得させられた。要するにDNAメチル化は内因性のレトロウイルスの転写を抑えるのに重要なのだ。DNAメチル化を阻害すれば当然ウイルスRNAが増える。すると細胞内ウイルスRNAセンサーのMDA5経路が活性化されてインターフェロンの転写系が活性化される。これが抗腫瘍に働くという話しで極めて美しい。ならば癌はインターフェロンで治るのかよ?!というつっこみは置いといて、実験的にはMDA5のノックダウンなど極めて精密に行われているようだ。DNAメチル化阻害剤の抗がんの性質のすべてを説明するものではないが、おそらく重要なパスウエイなのだろう。言われてみれば当然なのだが、なかなか思いつかない。それがやはりCellに掲載されるだけの価値なのだろう。RIG/MDA5は免疫系でよく出てくるので、こういう話が入るとほっとする。
食事の後は夜遅くまでこの分野の若手、老手と一杯やりながら気楽に話せる機会が用意されていた。セミナーで浮かんだの疑問点を若手にぶつけてみたが彼らも初めて聞く話だと言う。エピゲノムは範囲が広くそうそう全部を理解できるものではないらしい。

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