2016年

8月18日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2016-08-18 12:11:39 (3077 ヒット)

 Yahooニュースのトップで<がん光治療>転移に効果、免疫機能を活性化、という記事が目を引いた。米国NIHの日本人グループの仕事だ。体外から光をあてると多くの癌が一日で消えたと言う。早速原著をみてみると抗CD25抗体に光感受性の色素IRDye700DXを結合してから投与し、近赤外線で色素を活性化してCD25陽性の制御性T細胞(Treg)を除去するものらしい。Treg除去が移植腫瘍モデルを改善することはよく知られているが、光をあてた部分(つまり腫瘍局所)だけに集まっているTregだけを除くことができ、かつそれによって活性化された腫瘍攻撃性のCD8やNK細胞が全身をまわって転移した癌もやっつけてくれる、ということがミソのようだ。Photobomb(光爆弾)と絶妙な解説タイトルがつけられていた。
光を使うだけに、”がん撲滅に光明がみえたか!”。
(じつはこれが言いたかったのです)


しかし実はまだマウスの実験なのでヒトにすぐにあてはめられるかどうかはさらに検討が必要だろう。CD25は活性化したT細胞にも発現しているのでうまく量を加減しないと味方もなくしてしまうかもしれない。
Tregを利用した治療という点では中国(とオーストラリア)からのTregを増やすことでヒトSLEを治療した、という報告はすごい。マウスではなく実際の患者の治療に使っている。これはごく少量のIL-2が受容体であるCD25を発現しているTregを選択的に増やすことができることを利用している。最近の中国の研究レベルの向上は著しい。特に患者を使ったヒト研究は日本は太刀打ち出来ないんじゃないかと思えてくる。

印刷用ページ このニュースを友達に送る

投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。