2016年
12月9日
アレルギー体質の乳児が生後6ヶ月から卵を食べると1歳での卵アレルギーを8割減らせるという。国立成育医療センターの研究成果だそうだ。通常食物には免疫は働かないように制御されている。これを経口免疫寛容という。経口減感作療法もこれを応用したものだが、早く始めるぼど効果的ということかもしれない。とすれば将来の花粉症の予防に乳幼児期から花粉を接収しておいたほうがいいのかもしれん。一方で成人はどうなんだろう?なかなか治らないのは経口免疫寛容の仕組みがだいぶくたびれているからかもしれない。
大阪府の知らない方から葉書をいただいた。年齢はわからないがアトピー性皮膚炎で悩まれているという。便移植でアトピーは治るか?という質問だ。うーん、マウスレベルの話ならある種の細菌はTh17やTregを増やしてTh2型のアレルギー(主に食物アレルギーモデル)を抑制することは報告されている。またヒトでも乳酸菌の一種がアトピーや花粉症に効くと宣伝されている。しかし成人の場合は期待薄のような気がする。ある程度効果がありそうなのは皮膚科の教授が推奨するバリア機能強化法だろう。ステロイドなどでまず皮膚の炎症を抑え傷をなくして十分な保湿を行う。また石けんの使用を控え、皮膚をゴシゴシこするような洗浄もやめる。アレルゲンの侵入を極力抑えようというわけだ。少なくとも私には効果があった。
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