2017年
5月4日
今回の学会は臨床系が半分くらいあったせいか勉強にはなったが直接仕事に役立つ情報は少なかった。そのなかでメモリーT細胞に関する話題が2つあった。ひとつはBo Huangさんで彼は若手の新進気鋭の教授でNature Communicationsなどに論文を発表している。最近はやりの代謝の話で、メモリーT細胞はオキサロ酢酸からグリコーゲンができてそれがさらにペントースリン酸経路に入ってNADPHがたくさん作られる。それが活性酸素を消去する働きがあってメモリーが作られる時に必須だと言う。代謝経路は何度聞いても難しい。学生時代に代謝マップを暗記したことは覚えているが今ではすべて忘却の彼方だ。しかし今後はそうも言っていられないようだ。今は覚えなくてもスマホですぐに呼び出せるのだが、その安易さ故にか、なかなか「理解」や「発想」につながらない。
もうひとつはオーストラリアから来たLaura Mackay。若くて美人で写真映りを意識してかHPも会場でも笑顔を絶やさない。どこのポスドクかと思ったらScienceやImmunityを責任著者で出している立派なPIだ。内容はすでに論文になっている遺伝子解析によって皮膚組織に滞在するメモリーが出来るための重要な遺伝子を見つけたという話と組織メモリーT細胞の前期細胞の話。組織メモリー自体ナイーブT細胞に近い遺伝子発現パターンなのだが、その前駆細胞はさらにナイーブに近い。前期細胞のマーカーをいくつか見つけている。最近言われているTscmやTmnpと同じではないか?と質問したら近いだろうという返事だった。中国では食事の席では人々が入れ替わり立ち替わりお酌にやってくる。しかも52度もある危険なヤツだ(白酒というらしい)。このひとそれを物ともせず何度も乾杯していた。容○も酒に強いのも実力のうちか。