2017年

7月20日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-20 12:17:43 (1746 ヒット)

 次は大阪での炎症再生医学会。国際会議場の中はギンギンに冷えているが大阪は暑い。学会もいつになく熱いものだった。普段あまり聴けない「再生医学」の話題がきけるのがいい。特にがん研究センターの落谷先生の話は強烈で新鮮だった。間葉系幹細胞は脳梗塞や心筋梗塞などに臨床応用されようとしているが、その効果の分子論的な基盤はそれほどはっきりしていなかった。落谷先生はそれがエクソソームに担われているのでは?という。これまで細胞外へ放出されるエクソソーム(100ナノメートルくらいの小胞)のことは知っていたが自分は本当に生理的に重要な意味を持つのか(それほどの量があるのか)懐疑的であった。それが幹細胞の作用の多くが幹細胞の放出するエクソソームで代価できるかもしれないとおっしゃる。かなり研究が進んでいるそうで驚きだった。後半は「成熟した肝細胞を部分的にリプログラムして若返らせる」という話で、いくつかの阻害剤の組み合わせだけで分裂しない成熟肝細胞が未分化状態に若返りどんどん増殖するようになって肝障害の治療に使えるかもしれないそうだ。これはすごい。うちも疲弊したT細胞を若返らせて癌治療に使えないか、という研究をしているのでとても参考になった。
もうひとつ勉強になったのはJAK阻害剤が徐々に適応範囲を広げていること。JAKは発見当時からのつきあいなのでどうしても気になる。関節リウマチではもちろん認可されているが、副作用として悪性腫瘍の懸念があった。しかし今回聞いた話では驚くほどの高率というわけではないらしい。さらに炎症性腸疾患、SLE、アレルギー性疾患などにトライされており期待できる成績だそうだ。一時JAK阻害剤は副作用が怖くてどうも、と言われていたが、いやいや実はこれから花が咲くのかもしれない。
それにしても、学会研究会続きでだいぶくたびれてきた。。。

出張の合間に試験の採点をして今日ようやく結果が出揃った。昨年までは強制的に講義に出席させていたので実は出席と成績の関係はあまり明確ではなかった。今年は出席をとらなかったので出席者と非出席者の差は明白だった。本当は試験の成績はどうでもよいのだ。将来医師として必要になることはちゃんと時間をかけて勉強してほしいのだが。

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