2017年

11月6日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-11-06 00:39:49 (4868 ヒット)

 今日のNHKスペシャル「人体」第2集”脂肪と筋肉が命を守る”。脂肪組織の中をマクロファージが動き回る様子はすごいなと思わせる(大阪大学の石井先生のところで撮影されたものだろう)。免疫とメタボは大きな研究課題のひとつだろう。ただ最後の方に出て来た最新の説は違和感があった。運動するとなぜメタボや動脈硬化によいか?それは運動すると筋肉からIL-6が分泌されて免疫細胞(おそらくマクロファージ)の活性化を抑えるからだ、という。この論文だろうか?うーん、ちょっと納得できないな。IL-6が高いと確かに痩せるかもしれない(カゼをひいたら食欲もなくなり痩せるようなもの)。逆にApoE欠損マウスの動脈硬化はIL-6欠損によってさらにひどくなる。しかしそれは血中LDLレベルが上昇するためであってIL-6が免疫細胞の暴走を抑える(マクロファージの活性化を抑える)というのと違うんじゃないだろうか。抗炎症効果はIL-6よりはIL-10のほうが強い。EJCIの論文でも運動でIL-10が上がるとしている。なぜIL-6が抗炎症の主因と言えるのかはよくわからない。またIL-6阻害剤であるアクテムラを処方されているリウマチ患者さんではLDL値が高くなる傾向はあるものの、心血管障害の上昇は認められていない。しかし代謝は複雑で難しい。ちゃんと調べてみないと迂闊なことは言えない。

運動すればメタボは改善する。一方で60分以上の昼寝の習慣があるとメタボや2型糖尿病になりやすいという疫学調査結果もある。メカニズムは不明ながら〇〇な女房を持つ中年オヤジは皆知ってた?

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