2018年

11月16日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-11-16 00:18:29 (1311 ヒット)

MCBの最後を飾るのはワシントン大学教授の今井眞一郎先生。老化研究の大家でサーチュインの機能を解明。さらにこの仲間のひとつSIRT1(サーテイワンと呼ぶらしい。どうしてもアイスクリームの31を連想してしまう)を脳だけで過剰に発現させたマウスを作成すると寿命が伸びることを示した。またこの酵素の基質であるNADのもとになるNMNを多く摂取するとやはり寿命が伸びる。「若返り薬」などと騒がれたが「若返るわけではなく、健康寿命が伸びる」のだそうだ。でも動きの鈍い老齢マウスにNMNを投与すると元気に運動し出すので「若返る」とも言えなくもない。
実は今井先生のお話をしっかり聞くのはこれが初めて。慶應義塾大学医学部の出身で私が現在いる東校舎の同じフロアに実験室を構えていたそうで因縁浅からぬ方なのだが。とにかくマイクがいらないんじゃないかと思えるほどに声が大きい。NMNを毎日飲まれているそうで元気の素はそれか?講義は内容もさることながら先生のエネルギーに圧倒される。こんなinspireされる講義はなかなかないんじゃないか?と思ったが、いろいろな研究室からもスタッフが聴講に来ている。質問は学生からではなく彼らがほとんど。うーん、学生さんらももう少し元気出して欲しい。

今井先生の話で気に入ったのは「小太りの人の方が寿命が長い」という話。無理なダイエットはむしろ寿命を縮める。ノーベル賞のオブジーボの効果も痩せている人よりも太っている人のほうが高いらしい。今の所食事制限がほとんどの生物で寿命を伸ばすことが知られている唯一の方法らしいが、それは実験室の話。マウスでも伸びるが免疫力が落ちて感染にやたら弱くなり、病原菌がいると早死にするそうだ。「実生活では勧められない」。食べることしか楽しみのない私のような大食漢にとってはなんだか気持ちが楽なる話ではないか。アルコールももしかしたら寿命を伸ばすかと思ったらこっちはダメらしい

この数日某財団の審査にかかりっきりだった。審査はもう天職なので何も文句はない。むしろ全部で35件程度なのでしっかり見てコメントも改善点も含めてしっかり書けるので働いた充実感がある。科研費の審査に比べると天国だ。科研費は今年大きな改革があった。業績欄がなくなってなぜか欠陥のあるResearch〇〇と結託してる。申請する方は改善になったのだろう。でも審査する側はむしろ煩雑さが増えた。そもそも審査員に意見を聴く機会は設けたのだろうか?少なくとも私の記憶にはない。「これまでの業績ではなく内容で勝負しよう」大いに結構。ならばそれを審査する側にも時間と精神的な余裕を与えるべきだ。具体的に言えば審査件数をひとり50件以下にすること。一件の審査料を2倍にすること。そうでもしてくれないと期待されている審査はできないように思う。こう書くともしかしたら危険分子として私は今年の審査は外されるかも。それはそれで大いに結構なことだ(小心者はJSPSや文◯省の依頼は断れない)。何にしても申請の方だけでなく審査員の改革なくして科研費制度の改革なし。

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