2019年

2月21日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2019-02-21 17:18:06 (1527 ヒット)

アメリカコロラド州のブレッケンリッジ市というところで開催されているキーストンシンポジウムに来ている。この名を冠した会議はあちこちで開催されているが、ここが最も高度が高い開催地で3000メートルはあるのだそうだ。富士山の山頂近くで会議をやっているようなものだ。空気がやたら薄い。気圧のせいかすぐに頭が痛くなる。しかも外は夜はマイナス20度くらいまで下がる。なんで好き好んでこんなところでやっているのかというと昼間は休み時間をつくってあるのでスキーでも楽しんで地元にお金を落としてほしい、ということらしい。昨年はこの近くのkeystoneという場所でこの時期に参加している。あのときは変なウイルスにやられて(インフルエンザではない)食事も喉に通らずスキーどころではなかった
あれからもう1年もたったのだ。やっぱり時間がやたら早く過ぎているような気がする。昨年の会議ではT細胞のゲノム編集や様々ながん細胞療法の工夫に度肝を抜かれたものだった。今年はそれがあたり前のようになっている。これにも時間の早さを感じさせられる。「癌と自己免疫」の会議なのにノーベル賞効果なのか「自己免疫」のほうは少ししかなく肩身が狭い。制御性T細胞(Treg)の大御所の某教授(うちの論文に難癖つけた人か)がTregの話ではなくCD8T細胞の話をしたのがすべてを物語っているような気がする。がんで問題になるT細胞疲弊(exhaustion)の話題も多い。一細胞RNAseqの図が当たり前のように次々に出てきてこれまで認識されていなかった細胞集団も捉えられるようになっている。日本でやったら一体いくらかかるのだろう。講演者のひとりが「T細胞医薬は始まったばかりでこれからどんどん進化する」。我彼の差は激しい。「疲弊」しているのは自分の頭とサイフらしい。

 
本当に脳が疲弊しまくっているのだろう。最終日前夜、食堂にノートPCを忘れた。気がついたときはドアが閉まっていて相当焦った。ホテルの従業員を捕まえて開けてもらって事なきを得たが、ただでさえ空気が薄くて息ができない上に、命の次に大事な商売道具のPCを失くしたかもしれない、と焦りまくっている。汗ばかり出て言葉が出てこない。さらに翌日デンバーの空港で搭乗券を無くした。ゲートでさあ並ぼうかというときに気がついた。もう時間がない。半分あきらめかけたが、運良く?雪で30分ほど出発が遅れることになった。すぐさま来た道やトイレを探しまわった。ひたすら走りまわる。ただでさえ息が苦しいのにもう死ぬかと思った。心臓が口から飛び出しそうというのはこういうことだろうか。しかしこれもなんとか道に落ちていたゴミくずみたいに丸まった券を見つけて助かった。よくゴミとして捨てられなかったものだ。安心したのか一気に汗が吹き出た。が、安心したのもつかの間、雪がどんどん積もっている。もう1時間も出発が遅れている。飛ぶんだろうか。。。キーストンはもうこれが最後だな。

2時間半後、飛行機は雪を溶かすのに巨大なシャワーを浴びてなんとか飛び立った。こんなの初めてみた。

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