2019年

10月19日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2019-10-19 12:55:59 (1350 ヒット)

札幌の臨床免疫学会で印象的だったのはJAK阻害剤の話題が多かったこと。といっても自分がそれを選んで聞きにいっているからかもしれないが。もちろんトファシチニブやバリシチニムは関節リウマチで認可されている。京都大学の橋本先生の話ではJAK阻害剤は早期に「痛み」を軽減するという。JAK阻害剤はアトピー性皮膚炎でも期待されており、日本でもJTと鳥居薬品が『JTE-052軟膏」を承認申請している。こちらもバリア機能強化とともに痒みの軽減が期待されている。JAKを活性化するIL-4やIL-13は「かゆみ」を感知する神経の感受性を高めるらしい。よってJAKを阻害することで痒みを抑えることができる。「痛み」のほうはどういう機序かはこれからだそうだが、サイトカインが痛みや痒みの神経に作用してその閾値を決めているのだろう。CAR-T療法で起こるサイトカインストームはIL-6の阻害が有効であることが知られているがこれもJAK阻害剤で代価できるだろう。JAKの変異が知られている腫瘍分野の先生の話ではがんの縮小効果もだがそれ以上に患者さんに「身体が楽になった」といわれるのだそうだ。そう考えるとJAK阻害剤はステロイドに近いかもしれないがそれ以上にQOLを改善する効果が期待できるのかもしれない。まだまだ使用に慎重な医師は多いらしい関係者の意識が変わり始めている気がする。以前OSheaが来た時に講演で「アメリカではJAK阻害剤がイヌのアトピーで使われてよく効くと評判で、ヤミでヒトに使われているらしい」と言っていた。JAK阻害剤がいつかさらに広く様々な疾患に使われたら、30年前にこの分野の端っこで開拓に関与した者としては嬉しい限りだ。

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