2019年

12月27日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2019-12-27 16:24:56 (2907 ヒット)

 絶滅危惧種?のエッセーを読まれた生化学の先生から早速クレームが来た。「生化学は生物学の物質的根幹を成すものです。生物学、細胞生物学におけるメカニズムの解明は生化学を抜きにはできない。もっと自信を持って主張してください!」。もちろん生化学の重要性はすたれることはないと思うが、ついいつもの自虐ネタが出た。

私の返事は以下の通り。
メールありがとうございます。「面白く書いてほしい」と頼まれたエッセーですので暴論ご容赦ください。
ただ最近のバイオインフォマティクスの論文を読んでいると(理解がついていく範囲ですが)昔のように何か結論があるわけではなく、全体像を記載して終わっているのが多いですね。それがトップジャーナルに何報も出ているところを見ると今までの価値観では捉えられない、なにかしら新しい潮流があるのではと感じています。
例えばAIが囲碁で達人に勝ったという話がありましたが、AIがどうやって「考えている」か、そのプロセスは人間にはわからないそうです。ブラックボックスですがそれでも結果は出ている。同じようなことが生命科学でもありえるのではないか?もしかしたらコンピュータのなかで生命現象を再現できたら、途中はわからなくてもそれは生命を理解したことになるのかもしれません。もちろん私のような年寄りには理解しがたいことですが、これからの若い人たちはもしかしたらそんな理解の仕方をするのかもしれません。我々の「モノを示せ」と教えられて来た物差しをおしつけて良いのか疑問に思っている次第です。
もちろん私自身は今更変わることもできないので、あと数年しか残っていない研究期間はこれまで同様、新しい因子を探したり、遺伝子の機能を明らかにする仕事を続けようと思っています。
駄文、誠に失礼しました。

なお意図した訳ではないが水野先生の文章は私のと対局になっていることに気がついた。

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