2021年
8月13日
7/19にイギリスのジョンソン首相はすべてのコロナ規制を撤廃した。これに対して専門家らは「狂気の沙汰」として連名でLancetという権威ある医学雑誌に再考を求めた。規制の撤廃によって毎日10万人が感染し医療崩壊するするだろうと予言した。しかし実際は19日を境に減少し現在では1日3万人前後で落ち着いており、入院患者も減少傾向で死者数も概ね100名以下である(致死率0.3%)。この状況に今週号のNatureが記事を掲載している。"Surprise dip in UK COVID cases baffles researchers "。インドでの再流行の時もそうだったが、いつものように「なぜ専門家の予想は当たらなかったのか」いろいろと考えられる要因をリストしているが、要するに答えはわからないということ。ロンドン大学衛生・熱帯医学大の疫学者John Edmunds氏は、「何が起こっているのか、誰にもよくわかりません。特に、この急激な傾向が、第3の波のピークが過ぎたことを示しているのか、それとも複雑な社会的要因による一過性のものなのかは、はっきりしていません。」という。これまでのピークはサッカーのユーロ2020のためで単にそれが終わったから、とか学校が夏休みに入ったら、夏で皆戸外にでるから、検査数が減ったから(日本よりずっと多いが)などなど。ブレークスルー感染もあることからワクチンが行き渡ったことによる集団免疫の成立ではないとも言われる。
研究者たちは、9月になると学校に通う生徒や大学生、会社員などが戻ってくることや、第1回目のワクチンによる予防効果が薄れる可能性があることから、再び増加する可能性が高いと考えている。リヒター教授は、「夏はちょっと下火になると思いますが、パンデミックは再びゆっくりと拡大し、秋には事態がエスカレートするでしょう」と語る。「まだ、すべてが終わったわけではありません。」感染が減ったことがまるで気に入らないような言い方だが、今回のことで間違いない事実は「権威ある医学雑誌にまで掲載された専門家の予言は、少なくとも直近では外れた」ということだ。専門家の意見は信じなくてよい、ということではない。気候変動の予測と同じで、専門家であってもそれほど難しいということ(と記事にも書いてある。気象変動のほうが当たっているような気もするが。。)。にしてもイギリスは毎日感染者3万人である。日本は全国で1万8千人ほど。。。死亡数は1/3以下である。何が違うのか?そしてその違いを是正するにはどうしたらよいのか、ぜひ日本の(自称)専門家は解明してほしいものだ。某8割の先生も外した理由を探しておられる。
一方でもっとも成功している国のひとつはスウェーデンだろう。こちらはずっと前からマスクは強制ではなく、強い規制は行なっていない。なのに不思議なことに感染者数も死者数も非常に低く抑えられている。あるスウェーデン在住のかたは「昨日の時点で少なくともワクチンを1回接種した人が80%。ほぼ誰もマスクをしておらず、マスク着用義務の欧州他国と比べて超過死亡率は高くない。現在、規制もほぼ撤廃されて、日常が戻っており、すでに感覚としてはポストコロナです。」と投稿されていた。まださほどデルタ株が入り込んでいないからかもしれないが、ワクチンが最も大きな要因であることは想像に難くない。デルタ株の流行でまた増え出すかもしれない。それはそれでまた対処するだろう。インフルエンザと同じく流行と収束を繰り返すものとの割り切りも必要なのでは。 アイスランドもワクチンのおかげで5月中旬以降死者ゼロで成功しているそうだ。
感染症学会では、自宅療養中に重症化する患者が増えていることからコロナ抗体カクテルを軽症患者にも使用する仕組みが必要であると要望している。抗体カクテルは発症から7日以内の投与が必要だそうだ。なら具体的には市中病院やクリニックでもすぐに打てるように2類から5類に変更することが必要なのではないのだろうか?
この感染力の強い新型コロナが”普通の風邪”になるためには「子供の頃に感染して早期に免疫をつけて、大人になって感染しても軽症で済むようになる」プロセスが必要という考え方がある。もちろん数世代の時間がかかる気の長い話かもしれないが、そうやって人類は多くの病原体と共存を計ってきた。子供なら重症化しない、というのは大きな福音なのだという。おなじみ小児科医の神園先生のコラム「こどもは感染して、そして強くなる」(飛んだ先のサイトの最下段)に詳しく書かれている。私はウイルスが変異して弱毒化するのかと思っていたが、なるほどはしかや水疱瘡のように子供の頃に誰もが感染するか生ワクチンを接種することで抵抗性を獲得する結果としてありふれた感染症になるわけか。『私がこども時代の昭和の時代、大人になってからはしかや水ぼうそうにかかるより、子供のころにかかっていたほうが軽く済む、ということで、どこかで水ぼうそうやはしかが出た、と聞くと、親たちは子供をわざわざ感染させに行っていたくらいでした』。インフルエンザよりも軽い子供にまでヒステリックになって騒いでいると長い目でみると収束を遅らせることになるわけか。そうするとオーストラリアなど超厳格に封じ込めを行なっている国は今はいいかもしれないが、世界が正常に戻ったときに取り残され、外国に行くこともできなくなり、さらには国内で大流行を起こす可能性があるわけだ。同国の絶滅した有袋類にも似ているような気がする。
13日の金曜の厄日だからか東京のPCR陽性数が5000人を超えたという(5773人)。検査数が2万少しなのでこれ以上は増えない可能性は十分あるが重症者数が200名を超えているのが気になる。1年以上前から言われていることだがなんでこの程度の重症者数で医療が逼迫するのだろうか?医師会の会長さんはもっと自粛をしろと言われるが、では医師会は何をしてくれるのだろう?なぜ東京都が借りているホテルは埋まらないのか?なぜ体育館のような収容施設をつくらないのか?なぜ諸外国では成功していない厳しいロックダウンをすれば解決すると確信しているのか?もっと感染者が多いイギリスやアメリカの治療に対する対応は何が違うのだろうか?おそらく2類相当が諸悪の根源のひとつなのだろうが「検討します」というのは1年前にも聞いたがその結果なぜ5類にならなかったのか報道されたことはない。一杯一杯の保険所を介さないと入院手続きもできないままでは。。有効な治療薬が開発されても(少なくとも重症化させない抗体カクテルはすでにある)、近くの病院で処方、処置してもらえなかったらどうするのだろう。。。この先生のおっしゃる通りだと思うのだが、そうはならないらしい。
最後に全くあてにならない自称専門家の予言。東京都の感染者数は5000人を超える日が続いたが、どうやらこのあたりがピークになりそう。なぜなら検査数が圧倒的に少ないのと、他の国々の感染者数の増減をみていると、理由はわからないが、デルタ株の急拡大は比較的急速に減少し一定数のところでくすぶり続ける(本家インドやイギリスで顕著)から。これもチャートからだけの全くの予言なので外れたら削除します。(9/1現在当たっている!)
最凶のラムダ株、ペルーで19万人死亡、恐怖絵図との全くの煽り記事。科学性のかけらもない記事は無視すべきだがあまりにひどい。巧妙に内部には「まだわからないことが多い」などと書かれているが。19万人は昨年からのトータルだし、その最凶株が蔓延しているはずのペルーでは収束しつつありますけど?
こちらのご意見におおむね賛同。ワクチンは必要。しかし実際に抗体価を測ってみると日本人の若い人には量が多すぎる気がするが、数ヶ月審査にかけた割には年齢、性別、および日本人向けに用量が検討されたという話は聞かない。ただ尾身会長もワクチンパスポートの導入には肯定的のようだ。菅総理はちまたでは不評のようだが私は「ワクチン接種が決め手」としてワクチンに注力してここまで接種率をあげてきた点や死者は前回の波より少ない点はもっと評価されていいように思う。不幸だったのは感染者数ばかりをあげつらう反対勢力と病床がなぜか増えない医療体制?のせいだろう(これは政府というより知事の怠慢のせいらしいが)。前回の波に比べれば死亡率は1/10以下。いやもっと低いだろう。そこはもっと胸を張って主張していいと思う。まれに自宅療養で死ぬ方がおられる。少なくともそれを大々的に報道されて非難されてしまうのは与党なのでしかたない面はある。(もちろんこの報道で人々が自粛を強化した可能性はある)私が秘策?を授けよう。体育館で療養させるのが無理なら、ここはPCRとかなんとかいわず発熱した人は数カ所の注射所に集めて全員に抗体カクテル打って帰す。酸素ステーションではなく「抗体」ステーションだ。都内50カ所なら1日200人程度だ。これで重症者は激減するだろう。抗体は高いかもしれないが予備費の使い残しが数兆あるというではないか。。。抗体カクテルの効果は実証されつつある。在宅死をなくすには1日も早く「抗体ステーション」を作るか、一般開業医でも打てる様に(5類にして)手配すべきだろう。
私の秘策が採用されたのか?まさかね。でもちゃんと考えている人はいるんだ。「東京都は2日、新型コロナウイルス患者の重症化を防ぐ抗体カクテル療法の促進に向け、検査で陽性と判明した直後の段階で投与につなげる取り組みを始めると発表した。」抗体カクテルとワクチンでコロナはきっと制圧できると思う。