2022年

1月20日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2022-01-20 20:13:33 (4221 ヒット)

 オミクロンではブレークスルー感染が頻発しており、ワクチンはオミクロンに効かないんじゃないか?と疑う向きもある。また抗体価は半年もすると1/10以下になり、私のような年寄りでは検出限界に近くなる。しかしワクチンは感染を止められなくても重症化は確実に抑えている。それはT細胞免疫が効いているのだろうという記事が今週号のNatureのニュースに掲載されている。実はその証明実験を計画しているのだが、論文も投稿されており完全に先を越された。いつもの直訳なので何を言っているのか理解できない方はぜひ原文を見ていただきたい。


マサチューセッツ州ボストンにあるハーバードメディカルスクールのウイルス・ワクチン研究センター長であるダン・バルーシュは言う。「現在明らかになっていることは、(新)亜種は依然としてT細胞反応に非常に敏感であるということです。そして、その中にはオミクロンも含まれています」。
南アフリカのケープタウン大学のバーガース博士は言う。「T細胞は、感染症やワクチン接種後、抗体ほど急速に減少しない傾向があります。また、T細胞は抗体よりもスパイクタンパク質の多くの部位を認識できるため、変異体(オミクロン)を認識する能力も高いのです。多くの変異があるように見えても、T細胞の反応には影響しません」他の研究でもCOVID-19ワクチンを接種した人、あるいは以前の変異型に感染した人から採取したT細胞を分析し、これらのT細胞がオミクロンに反応することが報告されている。オランダのロッテルダムにあるエラスムス医学センターの臨床ウイルス学者であるコリーヌ・ゲルト・ファン・ケッセルは言う。「T細胞応答は全く無傷であり、これは良いニュースです」。
「次のステップは、実際の生活でどのような効果があるかということです。また、T細胞は、より多くの変異型が出現すればするほど、そして世界が感染症の数から病気の重症度へと焦点を移し始めれば、より注目されるようになるかもしれません。」
「感染症に関心がありますか?それなら、抗体の測定がより重要かもしれません。一方、疾患に関心がある場合T細胞がより重要になります」。

要するにざっくり言うと「抗体は感染そのものを抑制する、一方T細胞は重症化を抑制する」と言うこと。ワクチンは抗体と記憶T細胞を作る。抗体は変異株には効きが悪いので感染はする。しかしT細胞は変異株にも十分対応できるのでワクチン打っておけば重篤化しない、ということ。

T細胞研究が「オミクロンは福音」という意識に一役買ってくれるとよいが。にしても都知事も府知事もマンボウとは芸がなさすぎる。日本の不幸はイギリスのような骨のある政治家がいないこと。5類にならないのは単に老人からの支持が落ちるのが怖いからだそうだ。科学や合理性とは無縁の世界で、やはり日本だけ(ゼロコロナの中国もか)が収束しない未来が予見される。

WHO本部はコロナが終わったら仕事がなくなると思っているのか相変わらず恐怖を煽っているが、欧州の支部長は「終わりに近い」と述べている。3/1までに欧州の人口の6割が感染するだろうと言っている。理論上はワクチンを受けて得たメモリーが感染で再活性化されてさらに強い免疫記憶が得られる。インフルエンザがそこまで強毒でないのはオミクロンの様に主に上気道で増えるのと、誰もが何度も感染していて、感染するたびに免疫記憶が蘇るため。おそらくコロナと同様に無症状の人も結構いるのだろう。

政府はついに若年層は医療機関を受診せず自宅療養も容認するという。これって普通の風邪と認めたということ?若年っていくつまで?検査キットが不足しているのに自分で検査って。。さらに判断は自治体に任せる、ということは、もし政府の提言にしたがって死亡者が増えたら自治体のせいで、もし従わず今のままにして大して重傷者が出ないのに経済や医療が崩壊してもそれも自治体のせいにするということ?だろうね。きっとまた首相に訂正されるのではないか。1/25には6万人を超えたということでさすがに濃厚接触者も10日隔離とは言ってられないだろう。いよいよ救急搬送も困難になりつつある。無症状、軽度の風邪症状のために本当に重篤な命が危機に陥ろうとしている。本当に真剣に「オミクロンにどう対応すべきか」を決断すべき時が来ているように思う。高橋先生の言われる通り
こんな中、慶應義塾大学では対面授業を9割復活させると言う。さすが伊藤塾長。このコロナ禍で一番犠牲になっているのは若者、学生、非正規などの弱者。彼らは重症化することはほとんどないのに。そんな中で、学生は少しでも日常を取り戻すべきと考えられたのだろう。もしこのまま生徒や学生が息苦しい生活やリモートを続けたら日本の未来は極めて暗い。それを憂うことのできるリーダーがいることを誇りにしたい。

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