2022年

6月9日

投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2022-06-09 23:05:56 (1402 ヒット)

 本日6/9,10と日本インターフェロン・サイトカイン学会(JSICR)とMMCBの合同集会が東大で開かれている。終日学会に参加した。「終日(英語での)学会に参加」と言うのは実に2年半ぶりだ。JSICRの会長として、9日最後に英語での講演もいつ以来か忘れるくらい久しぶりである。当然緊張して文法無視の単語の羅列となる。でもスライドがあるし私の話は単純なので皆さんよくわかってくれたと信じたい。何にしろオンサイトの学会はいいものだ。

2ヶ月以上もブログを更新していないで「もうやめたのか?」と心配された。コロナが予言通り収まりつつあり話題が少ないのもあるが、とにかく忙しかった。今日も朝6時から学会の奨励賞の賞状を印刷していた。忘れていた自分のせいなのだが、いろいろなことを同時に考えないといけないことが続くと必ずポカをやる。それはもう人間である以上当然なので許されたい。
ともあれ、上原賞、紫綬褒章、国際サイトカイン学会賞と褒められることが続いたのでその内容を話してほしいと言われると悪い気はしない。講演の後の質問で、「SOCS Spred,NR4αと先生は負の制御因子ばかりうまく発見している。何故なんだ?」と聞かれてはたと困った。もちろんpp130のようにエンジンを探そうとして負けたこともある。ただCISもSOCSも意図せずにクローニングしたものだ。サイエンスの神様の思し召しなのか?いやよくよく考えると答えは簡単で生物には「正のエンジンよりも負のブレーキの方がはるかに多い」ということだと思う。例えば正のJAKは4つだが負のSOCSは8個。おそらく正のキナーゼよりも負の脱リン酸化酵素やユビキン化酵素の方が多いと思う。ロボット工学の先生が、負のフィードバックが多いほど生体のような「なめらか」な動きが実現できると言っていた。モーターは一つでもそれを負に制御するシステムが多いからなめらかで無駄のない動きができるのだ。進化の淘汰を受けた生物も全く同じなのだろう。私のように闇雲にクローニングに挑んだら負の遺伝子に当たることが多いのは実は当然とも言える。だから全体を通してみるとうまくつながって負の制御の分子機構を解き明かしたように見えるのだろう。幸に免疫系は正のエンジンと同程度に負のブレーキが重要なシステムである。この分野を選んだことも幸運だったのだろう。

   でも「いかに幸運でも3つも4つも続けてクローニングできるはずがない。なんかあるのでは?」といわれる。これも昔から言っている通り何の秘密もない。ヒット数=打率X打席数。私のような凡人の打率は人によってそんなに変わらない。ならばヒット数を増やすには打席になるべく多く立つしかない。つまり人の2倍働くしかない。しかしそれは体力勝負だった昔の話。これからの若い人たちは残業で稼ぐ必要はない。もっと違う「アイデア」で大きな付加価値をつければいいのだ。つまり3塁打やホームランを打てばいい。得点=打率X打席数X塁打。これからは打席に立つときにいかに効率よく得点するかを考える時代になるだろう。いやさらにこれから大事なのは複数で取り組むことや共同研究かな。得点=打率X打席数X塁数Xチームプレーか。

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