アトピー性皮膚炎の原因は細菌の異常増殖か?

投稿日時 2015-04-23 00:09:43 | カテゴリ: TOP

 永尾先生(元慶應皮膚科、現米国NIH)の研究成果が大々的に報道されている。Immunityに掲載されたそうだ。アトピー性皮膚炎モデルマウスでは黄色ブドウ球菌やコリネバクテリウムが異常に増殖しているという。これを抗生物質でなくすことで発症を抑えられたそうだ。非常にシンプルでわかりやすい。これまで黄色ブドウ球菌の増殖がアトピー性皮膚炎に関連することは示されてきたが、今回それが直接の原因となりうることが示された点は大きい。

ではどうすれば黄色ブドウ球菌の増殖を抑えられるのか?実はその方策は数年前に我々が報告している。黄色ブドウ球菌の排除に働くヘルパーT細胞はTh17である。Th17はTh1やTh2で抑えられる。Th2病であるアトピー性皮膚炎ではTh17が抑えられるために黄色ブドウ球菌が増えやすくなり症状が悪化することは十分考えられる。そこでJAK阻害剤である。現在のJAK阻害剤はTh1やTh2の抑制に比べてTh17の抑制効果が低い。よって適切な量のJAK阻害剤を投与するとTh2を抑えてTh17はむしろ増強され、その結果アトピー性皮膚炎モデルはかなりよくなる。Th17の出すIL-17やIL-22を投与するだけでもかなりよくなる。これは殺菌効果だけでなくIL-17やIL-22の皮膚細胞の増殖促進効果も加わった結果である。我々の提唱したTh17増強によるアトピー性皮膚炎治療のコンセプトが今回さらにサポートされたのではないかと密かに思っている。






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