卒業生の論文がNature Immunologyに出てました。

投稿日時 2016-09-10 10:58:00 | カテゴリ: TOP

 筆頭著者の知念君は九大の頃の大学院生で卒業後しばらくしてニューヨークのTregの大御所のRudenskyのところに留学した。留学してもう5年以上が過ぎている。NIの論文のタイトルは「An essential role for the IL-2 receptor in Treg cell function』というもので一時NIのHPのトップを飾っていた。内容は実はオーストラリアの国際免疫学会でRudenskyが話したもの。系が複雑でよく理解できなかったが論文を読んでも難しい内容だ。しかし結論は明快だ。これまでTregの抑制機能のひとつは表面に強く発現しているCD25がIL-2を奪うことだ、と言われていたが個体での検証はされていなかった。それはCD25をなくすとTregも無くなってしまうから。そこをTregに活性化型STAT5を強制発現させてTregを生存させつつCD25を欠損させるという大がかりな仕掛けで回避した。その結果TregでCD25をなくすとなんとヘルパーT細胞のほうの抑制はさほど影響をうけなかったがCD8陽性のCTLの抑制がみられなくなった。つまりCTLの抑制にはTregのCD25を介したIL-2消費が重要ということになる。ということはCTLの増殖はIL-2にかなり依存するということで、腫瘍免疫の増強にはTregをなくした上でIL-2の補充が有効ということになる。臨床免疫学会では東大の松島先生からCD4抗体によるヘルパーT細胞の除去が抗腫瘍免疫を増強するという報告があったが、それとあわせて考えると整合性よく理解できるように思える。本人は「Sashaの政治力のおかげ」と謙遜しているが結構立派な仕事ではないか。本当は腸内細菌のほうが本業らしくそちらはまだまとまっていないそうだがぜひ日本で続けて完成させて欲しいものだ。






慶應大学 吉村研究室にて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://new2.immunoreg.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
http://new2.immunoreg.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=264