若林君の論文がJBCにaccept

投稿日時 2011-08-24 15:13:43 | カテゴリ: TOP

 若林君は慶應1回生の大学院生。彼の論文がJBCに掲載されました。

Histone 3 lysine 9 (H3K9) methyltransferase recruitment to the interleukin-2 (IL-2) promoter is a mechanism of suppression of IL-2 transcription by the transforming growth factor-β-Smad pathway.

TGFβの重要な作用のひとつはT細胞からのIL-2の産生抑制である。本論文で若林君はその分子機構に迫りました。まず彼はSmad2もしくはSmad3欠損T細胞を用いてTGFβのIL-2抑制にはSmad2およびSmad3が重複して機能することを示しました。次にIL-2プロモーターを用いてSmad2/3はプロモーター部位に会合して(直接DNAに結合ではない)プロモーター活性を抑えることを示しました。転写の抑制にはヒストンのメチル化が重要であることが知られています。Smad2,Smad3欠損T細胞と野生型T細胞を比較したところ、IL-2プロモーター上のヒストンH3のK9のメチル化がSmad依存的に起きることを見いだしました。そこでヒストンH3K9のメチル化酵素のうち代表的なSedbd1とSuv39h1を調べたところともにSmadと結合してIL-2プロモーターを抑制することがわかりました。しかしT細胞への強制発現ではSuv39h1が強い抑制活性を持っていました。そこでSuv39h1のRNAiを行ったところIL-2の産生が上がりTGFβの効果も減弱していました。よってTGFβはIL-2プロモーター上でSmad-Suv39h1を介してヒストンH3K9のメチル化を誘導してIL-2を抑えるという仕組みがあることがはじめて証明されました。

本研究では大学院生の田宮君がreviseの実験の多くを行い、講師の高田君が助言を行ってくれました。彼らの助け無しには完成しなかったでしょう。しかし話の流れ自体は若林君がが見いだして実験を行ったもので、入学まで臨床経験しかなかった彼が、難しい生化学の仕事をやり遂げたことに賛辞を贈りたい。






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