森君の論文がIIにaccept

投稿日時 2011-08-25 21:05:36 | カテゴリ: TOP

森君は整形外科から派遣されて来た大学院生でうちには2年間しか在籍していませんでしたが、短い期間でよく論文をまとめてくれました。執筆の多くは宮本先生(整形、かんりん丸講師)に完全にお願いしてしまいました。宮本先生は 英語がすごい。私は英文校正依頼なしには一行も正しい英語を書けないのに宮本先生は校正なし。やはり英語は才能か。

IL-1β and TNFα-initiated IL-6-STAT3 pathway is critical in mediating inflammatory cytokines and RANKL expression in inflammatory arthritis.

本論文の仕事は次世代関節リウマチの飲める特効薬!として期待されているファイザーPfizer社の tofacitinib (CP690550)の作用機序を明らかにしようと始まったものです。CP690550はJAK阻害剤として知られています。確かにSTAT1やSTAT5をよく抑えSTAT3もやや有効濃度が高いものの十分強く抑制できる。森君はCPがIL-1によるIL-6やRANKLの発現も抑えることに気がつきました。もしかしたらCPはJAKだけでなくNF-kBやMAPKも抑えるのでは?という疑いを持ちました。しかしCPはIL-1のシグナルには全く影響を与えなかった。結局わかったことはIL-1で誘導されたIL-6が間接的にSTAT3を活性化しこれがさらにIL-6やRNAKLの発現を誘導するといういわゆる平野先生らの『IL-6-アンプ』が効いていて,CPはIL-6-STAT3のところを抑えているというものだった。確かに関節炎モデルをCPはよく抑え、そのときSTAT3の活性化も抑制している。2001年に(もう10年も前か!)久留米大学整形外科の庄田君がドミネガSTAT3やSOCS3をアデノウイルスで関節に過剰発現させると関節炎がよくなることを示したが、まさにCPはSOCS3をmimicしていることになる(ともにJAK阻害剤だから当たりまえか。。しかし10年前の私たちの予想がもうじき臨床で結実するというのは他人の仕事はいえうれしいものだ。)。一方で自己免疫なのでTh17も効いているだろうと思ったがこちらはそれほどでもなく、in-vitroではCPはむしろTh17を増やしてしまう。これはそう驚くべきことではない。すでに吉田(秀)君がpyridone6で示している。関節炎は特に滑膜細胞からのIL-6が主要な役割を果たしていてT細胞は活動期ではそんなに効いていないのかもしれない。ともかくもCPはSTAT3を抑えて関節炎を抑制する、TNFもIL-1もIL-6やRANKLを誘導するためにある。というのが本論文の主要なポイント。






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