論文その後その前

投稿日時 2019-01-09 09:00:36 | カテゴリ: TOP

予想通り正月の発表だったせいかプレスリリーリスの反響はほとんどなし。まあ予想通りで仕方ない。しかし研究者からは早速いろいろ指摘を受けた。まず公共のデータベースに登録した遺伝子発現データの名前が逆ではないか?とメールが来た。調べてみると確かにそうでこれはすぐに訂正してもらった。それにしても論文出たら直ちにデポジットされたデータを利用しようというのはすごい。英語の文章の意味がわからん!という欧州の大学院生からの指摘もあった。これは英語力のないこちらが悪い。
“Treg-cell-mediated suppression of Il6 induction was partially restored by an anti-AREG antibody.”
『AREGの中和がTregの機能を回復させる』のはおかしいのではないか?というわけだ。確かに言われてみるとその通りのような気がする。でもIl6の低下をAREG抗体は元に戻したと実験事実を述べただけと言えないこともないような気もする。nativeでないとわからない?いずれにしても曖昧な表現だったことは間違いない。スンマセン。それにしても細部まで舐め回すように読んでいる人がいるものだと感心する。感謝すべきことかもしれないが今後何を言われるかと不安になる。
よくtop journalに論文を出すにはどうすればいいですか?と聞かれることがある。私は大した数出してないので答えに窮するが、とりあえず答えるのは「数を打つこと」。自分が責任著者で出したNatureは2001年のSPRED以来である。この18年間おそらく50回以上トライしている。大学院生の『記念投稿』も多い。そのうちEditorが気に入ってreviewにまわしてくれたのが5つくらい。4つrejectを食らって最終的にOKが出たのは今回の1つだけ。なので実は先へ進む確率は雑誌全体の数字とほとんど変わらないかむしろ低い。母数が大きければ奇跡的に最後まで残る期待値も増えるということ。当たり前でつまらない話だ。
今回はしかし秘策?があった。神頼みはもちろんのことながら、reviewerになりそうな大家を国際学会で捕まえて無理やりマンツーマンでパワポを見せながら内容を紹介した。そこでアドバイスをもらった。それを解決しておけばさすがに無下にはできまい。評点はあがるだろう。実際これは効果があったと思う。学会などでは論文が受理されるまでは「真似されたら困る」と秘密にしておく方も多いと思うが未発表のデータを見せて議論することはそんなに悪いことばかりではない。私のところは自転車操業なのでなけなしの未発表データで話さざるを得ない台所事情もあるが。

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