吉田亮子さんの論文がBBRCに掲載

投稿日時 2012-05-31 12:31:42 | カテゴリ: TOP

 吉田亮子さんは昨年4月に卒業して現在は佐賀大学でポスドクをしていますが、彼女が当教室でやっていた(やり残した)仕事を論文にすることができました。以前cFosがIKKによってリン酸化され安定化しNF-kBを抑制することで樹状細胞やマクロファージで炎症性サイトカイン産生を抑制することを報告しました (Koga et al. Immunity 2009)。吉田さんは安定化c-Fosのトランスジェニックを作成し解析を行いました。cFosを強制発現させた樹状細胞はLPS刺激によってサイトカイン産生が減少し、マウスはEAEに抵抗性を示しました。以前のimmunityの報告通りの結果となったのですが、それだと新規性がないということでハイランクの雑誌は無理でした。本当は個体内では面白いTregを作るのではないか?と期待していたのですがそのような現象はとらえられませんでした。樹状細胞の改変によるT細胞のリプログラミングは結構ハードルが高いことを思い知らされました。


Biochem Biophys Res Commun. 2012 May 24. [Epub ahead of print] Forced expression of stabilized c-Fos in dendritic cells reduces cytokine production and immune responses in vivo.

ついでながら今年卒業した吉田秀之君の論文も。Biochem Biophys Res Commun. 2012 May 25;422(1):174-80. Preferential induction of Th17 cells in vitro and in vivo by Fucogalactan from Ganoderma lucidum (Reishi). Yoshida H,et al. 理由も聞かされず長く放置されて、これには相当口惜しい思いをした。一応形になったので忘れよう。

何故かBBRCの論文が増える。卒業生の残した仕事をまとめるのは残った者にとっても大変なことだ。以前もぼやきを書いたが。。。。ちゃんと期限内に書かせられない指導者が悪いんだろう。

 


 






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