講演感想/交差免疫説

投稿日時 2020-10-04 12:07:45 | カテゴリ: TOP

母校の高校創立100周年記念講演会の感想(自分の)をアップしました。


西川先生のT細胞交差免疫の解説記事が出ていた。ラホヤ研究所のScience論文の紹介だ。なんと私がひと月前に紹介した論文ではないか。いつも西川先生の論文解説を読んで慌てて自分も読むことがほとんどなので、今回は少し誇らしい気がする(そんな他人の論文の紹介くらいで威張ることか?)。うちでもラホヤ研究所とシンガポールからペプチドもらって実験を始めている。一応T細胞の研究室なので。CD8は感度そのものが悪いが、CD4は確かに非感染者でも反応が見られる。年齢などを広く比較したいがコロナ専門の研究費があるわけでもないので本当に細々としかできない(とつい愚痴になってしまう)。ただやっぱりどうしても解決できないのはそんな「コロナの遠い記憶」が実際の感染防御に役立つのか?ということ。これはどの「ファクターX」の候補も同じでヒトで検証実験ができない以上いつまでも仮説は仮説のままかもしれない。

いつもの3国比較。初期はともかく最近のスウェーデンの安定度が際立っている。感染者数は増減を繰り返しているがここ2ヶ月は死者はかなり抑えられている。第二波が懸念されているイギリスのジョンソン首相がスウェーデンのコロナ対策の立案者に助言を求めたそうでそれも頷ける。また第二波では日本もアメリカも感染者数に対する死亡者数は、ウイルスのせいか対応策のせいかわからないが確かに減っている。さすがにもう日本でもメディアの「恐怖の煽り」は減っているようだ。
なお基礎免疫学的にはインフルエンザとコロナの同時感染はまずありません。ウイルス干渉現象という古典的な機構があるからです。インフルとコロナで何万人も死亡なんて言うかたは免疫学を勉強してないんでしょう。

今年のノーベル医学生理学賞はC型肝炎ウイルスの発見に。コロナでウイルスに関心が高まっているのでタイムリーか。C型肝炎ウイルスはフラビウイルス科に属しておりあの野口英世が感染して客死した黄熱病ウイルスも同じ科に属する(属は異なる)。動物細胞を使った試験管内感染系もできなくて、発見は当時カイロン社のHoughton博士が患者血清から直接RNAを単離したと記憶している。つまり感染性のウイルス粒子ではなく遺伝子から見つけられたものだ。見えないものを遺伝子工学の力で見つけたと非常に評判になり、慶應医学賞の対象にもなって調べたことがある。治療薬の発見のほうもすごいので、そちらももらえるかと思ったが対象になっていないようだ。

トランプが退院したという。この人の行動をみているともしかしたらアメリカ人には「他人にうつしてはいけない」と言う意識がないんじゃないかと思える。そう言えばアメリカに留学していた頃「気配り」とかはあまり経験したことがない。アジアもアメリカも感染者に対する致死率は変わらなくなってきた。アメリカ2.8% 日本1.8%。しかし感染者数そのものが100倍違う。麻生さんが「民度の違い」と言っていたが案外アジアと欧米の差のファクターXはこれ「他者への思いやり」の差か。一方どの国でも若者は軽症で、人種で年齢による重症率の差はそこまで違わない。この原因こそが交差免疫などの免疫学的な影響なのかもしれない。
トランプのコロナ感染。私の第一印象「自作自演では?」同じことを考えた人も一定数いたようだ。勝つためには手段を選ばない。主治医は陰性になったかどうか明らかにしない

この主治医「トランプの血液に抗体が検出された」と発表したらしい。トランプは抗体治療を受けているはず。いつ投与されたかが問題だが、投与された抗体を検出している可能性がある。まさかそんなアホが主治医とは思えないが、トランプはなんでもありなので可能性はある。トランプも免疫がついたと自慢している。受動免疫の抗体は結構長く持つ。






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