謹賀新年

投稿日時 2021-01-05 12:01:58 | カテゴリ: TOP

 昨年はコロナに翻弄された1年だったが、今年はぜひ良い年になることを期待したい。
ファイザーやモデルナのワクチンはmRNAタイプでこれまで使われたことがない全く新しい画期的なものだ。分子生物学、免疫学、ウイルス学の英知と技術の粋を集めてつくられた。これが成功すれば感染症だけでなくがんや免疫疾患をはじめ様々な疾患治療に使えるだろう。無事成功することを祈りたい。

ただ新年からおめでたくない話で、政府は緊急事態宣言を出すと言っている。今回は夜間の飲食店を中心に制限するそうで、前回のような「猫も杓子も」というわけではないそうだ。それは非常に理にかなっており、ピンポイントで本当に重要なところだけを抑えるのは大いに賛成だ。でももし夜間のスーパーの営業まで禁止されたら夜間にしか買い物に行けない自分は飢え死にするかもしれない(この点は回避された)。
ただ最近よく言われるようになったのは「医療崩壊の謎」。日本は人口あたりのベッド数は先進国で最多で、欧米と比べると感染者、死者は10-100分の1なのになぜ医療崩壊の危機なのだろうこの半年行政や医師会は何をしていたのだろうか?と憤るひともいる。もっともなことだ。政府は国民の努力が足りてないように言っているが、増えたと言っても欧米と比べると1日あたりの感染者数は1/10かそれ以下。少しは褒めてもいいような気がするのだが。
 
毎度の4カ国比較。何も目新しいことはない。日本の感染者数は1日3000人を超えていて、イギリスやアメリカと比べると桁は違うが最近の致死率は1.3%程度でほぼ同じ。やはりファクターXは幻想だったか。集団免疫のスウェーデンでも感染者が急激に増えているが日本の1.5倍程度。ただ最近の致死率は少し低く1.0%くらいなので少しは効果が出ているのか。イギリスはロックダウンにもかかわらず感染者は増えている。それよりも緩い緊急事態宣言の効果に疑問が持たれる。最近急速に感染が増えているのは変異種のためかもしれない。しかしその割には死者数は増えていないので、やはり変異種は感染力は強くても毒性は低い可能性はある。いや昨日あたりから増えているのでまだわからない。アメリカの死者数は頭打ちになっているが、10人に一人は感染しているので集団免疫に近づいている途中なのかもしれない。まだワクチンの効果は出てないだろう。アメリカでは一日3-4000人くらいコロナで亡くなっているという。日本はその1/50だが、アメリカと日本の致死率はそれほど変わらない。






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