投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-11-08 23:08:30 (3020 ヒット)

時差ボケも収まらないのに軽井沢まで出張。といっても東京駅から1時間少し。新幹線を降りるとパリよりも寒い。山の向こうでは人口スキー場があってもう誰か滑っている。コートを持って来なかったことを悔やむ。
生まれて初めて軽井沢に来た。「軽井沢」その名を聞くだけで違う世界のように感じるのは私だけだろうか。軽井沢と言えば避暑のための高級別荘地、もしくは「風たちぬ」で知られる深窓の令嬢の保養地のイメージしかない。いずれにしても自分のような庶民には縁遠いところと思っていたが、「軽井沢駅」の南口側は広大な敷地にこじゃれたアウトレット店が並んでいる。外国人観光客も多いようで、こんなきれいなところで気軽に楽しめるのだ。

臨床免疫学会はこれまでどちらかというとリウマチや乾癬などの自己免疫疾患が中心だったように思う。しかし今は腫瘍免疫も大流行りだ。ノーベル賞も拍車をかけているのかもしれない。私もTscmの話をする。夜は○○研のK先生らと飲む。K先生NHKの「ガッテン」でバンドデビューされたそうで超ご機嫌だった。映像はこちらから。メーキング映像まで見せてもらった。さらに先生の業界裏話の話題が尽きない。ぜひ「日本の生命科学者〇〇列伝」を出版してほしいが命の危険があるので難しいかもしれない。

軽井沢はやたらと夜が早い。何でもコンビニも含めて条例であらゆる店が23時には閉まるそうだ。そこはやはり高級別荘地か。物足りないのでホテルのコンビニ(支払いはフロント)でご当地ビール(軽井沢抗原ビール)を買って飲んだ。かなりうまい。

今回気がついたのはB細胞に関する話題が多いこと。自己免疫で抗体が重要なのは当然かもしれないが、B細胞は抗体産生だけでなく抗原提示細胞としても、またサイトカイン産生細胞としても機能している。その分類などの話題が多かった。ただSLEでは抗BAFF抗体が有効であるものの、CD20によるB細胞除去はことごとく失敗したという。どうもまだ釈然としない。B細胞の復権はこれからか。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-11-05 23:52:20 (4433 ヒット)

 マリー•キュリーへの祈りが通じたのか。いやいやすべては伊藤さんの4年にわたる頑張りがすべて。reviewerの無理難題にもしっかりと正面から正攻法で対峙してきた。私はただ神社とパルテオンで拝んでいただけだ。これから日本に戻るので詳細は別の記事で紹介したい。

『脳Tregはアストログリオーシスを抑制し神経症状を改善する』(論文のタイトルはまだ出してはいけないらしいので日本語で。つまんね〜世の中だな。)

それにしても4人のreviewerのうち1人には「brain Tregなんぞ他のtissue Tregの仲間ではないか。全く新規性がない」と完全否定されていた。誰かは薄々わかる。「それをいっちゃあおしまいよ」という類いの批判だ。なんとeditorはこれを無視してくれた。今まで一人でもダメと言われるとrejectされることが多かったのでこれは本当にluckyだった。
内容は簡単に言うと『脳梗塞などの損傷を受けた脳組織には慢性期(人間でいうとリハビリ期)に制御性T細胞Tregが大量に集積し、脳Tregと呼ぶべき特殊な性質を獲得し、神経症状の回復に一役買う』ことを証明した論文。修復因子としてはとりあえずはアンフィレグリン(Areg)なので確かに筋肉Tregと同じと言えなくもない。でも脳Tregはセロトニン受容体を発現しセロトニンに応答して増える。セロトニンの脳内濃度を上げる薬は脳Tregを増やす。この薬は抗鬱薬として実際に使われている。脳梗塞のリハビリ期でも効果があるかもしれない。

今回の論文で最も重要なことは、「これまで脳梗塞の慢性期には炎症は治まり、免疫はあまり関係ないと思われていたのだが、実際はそうではなく、獲得免疫が発動しTregが集積することで一見静的な状態に見えていただけ、すなわち脳損傷の慢性期は実は免疫学的には”動的平衡状態”にある」ということを示したこと。脳梗塞に限ったことではなく多くの組織損傷でも似た機構が存在するのではないか。『動的平衡』はどなたかの決め台詞のようだが、実際には物理化学用語で古くから存在する。生物学的には「定常状態が維持され、一見何も起きていないように見える状態」をさす。しかし実際には様々な細胞が様々な分子を介して相互作用し生まれては消えて定常状態を維持している。『行く河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず(方丈記)』実は日本人には親しみ深い自然観なのだ。脳梗塞という一見単純な組織損傷の慢性期がそんな『動的平衡』にあること、それに組織Tregが極めて重要な役割を果たしていることを証明したこと、それがこの論文の出色な点であると思う。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-11-04 15:52:39 (2725 ヒット)

10月後半は科研費が終わると、何度かWebにまつわる不具合でぶち切れたものの大きな出来事もなく平穏だった。11/2にパリで行われる国際会議に出席するために成田を出発する。翌3日に学会の合間を縫ってソルボンヌ大学近くを散策する。この付近にパルテオンというものすごく巨大な霊廟がある。多くのフランスの偉人や英雄たちが葬られている。地球の自転を証明したフーコーの振り子があることでも有名だ。このパルテオンの地下にマリー•キュリーとピエール•キュリーの棺が安置されていることを偶然知った。そもそもパルテオンとはギリシャ語の「すべての神々」に由来し、神様を祀る場所なのだ。英雄や偉人が神格化されるのは洋の東西を問わない。小学生か中学生の頃、「キュリー夫人伝」と「パスツール伝」を読んで科学者を志した。当時は自分の能力も知らない全く無垢な(無知な?)子供だった。そのキュリー夫人が眠っているのだ。かなり広いパルテオンの地下室を歩き回ってようやく二人の棺を見つけたときは感無量だった(なおパスツールの墓は研究所内にあるらしい)。しっかり手を合わせて拝む。いや今こそ最終段階にあるIさんの論文が無事に通ることをお願いしないといけない。なにしろノーベル賞を2回も受賞したのだ。菅原道真よりもご利益があるに違いない。一心にお祈りする。この頃はもうアイデアもでないので論文投稿の時は神頼みしかない。正月から何度神社にお参りに行ったことか。きっとその願いは通じるだろう。
ついでに近くのキュリー博物館を訪ねる。キュリー夫人の実験ノートからは今でも放射線が出ていることは有名な話だ。それが見れるかと思ったが残念ながらここにはないらしい。危険なので当然か(国立図書館で防護服を着たら見れるという)。当時の実験室や実験器具が展示されている。こんな粗末な機器でノーベル賞を2回ももらったのだ。やはり研究はお金ではなくアイデアと努力と忍耐なんだと納得する。

パリのホテルのトイレにウォシュレットがついているのを発見して驚いた。リモコンに絵も文字もなく試してみなかったらわからなかっただろう。欧米では初めて見た。GEBERITというスイスの会社の製品らしい。日本のよりもずいぶんシンプルだが機能は十分のように思える。惜しむらくは暖房ではなく座る時冷たい。ウォシュレットは日本発の偉大な発明品のひとつと思う。もっと広まっていいと思っていたのだがそろそろか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-10-14 13:08:26 (3133 ヒット)

 10/12 新潟大学の黒田先生に講演会に呼ばれて新潟に行った。人生初めての新潟である。新潟といえば米と日本酒。会場のホテルの正面には樽が積み上げられていた。懇親会では先生に勧められるままに10種類くらい利き酒をしてかなり出来上がってしまった。新潟は越後、越後と言えば上杉謙信。歴史好きのオヤジ(オヤジは多くは歴史好き)としては謙信ゆかりの地などを訪れたいと思って聞いたら、それは上越市で新潟市内にはそんなものはないという。がっかりだが朝ごはんではコシヒカリを3種類食べ比べ、市場ではまた日本酒を試飲して新潟を満喫する。
先生の話では、新潟名物は「塩引き鮭」(皮が絶品らしい)、枝豆(新潟県はえだまめ県。普通とは違うらしい)、サラダホープと柿の種。新潟の有名企業といえば亀田製菓。そこがつくっているサラダホープは新潟限定なのだそうだ。コンビニでも売っているということで早速購入。確かにサクサク感が抜群で止まらない。柿の種のほうは浪花屋が作っているもので開封して1日放っておいてもしけないらしい。先生の説によるとピーナッツを入れたのは亀田が最初なんだそうだ。
東京に戻る前に万代島(ばんだいじま;町名であって島ではない)の市場に寄って日本酒と魚をしこたま買い込んで、重い荷物をものともせずラボまで運んでそのまま酒宴。院生が学◯に通ったお祝いと助教の論文がもう少しで通りそうなので前祝い。雪椿と根知男山の4号瓶があっという間に空いて宮崎大学からもらった焼酎、薫陶も飲んでしまった。これはパッケージもいいが中身もかなりうまい。残念ながら一般には販売していないらしい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-10-10 19:49:34 (4949 ヒット)

 科研費の申請シーズンである。今回私は新学術のグループの一人として申請することになった。昨今申請はeRadから科研費申請システムにはいってずべてWebで済む。昔のように切り貼りした申請書をコピーしさらにコピーし、手で製本していた時代と比べるととんでもなく楽になった(おそらく今の若い人には想像もつかないだろう)。指示通りスイスイと進むと「分担者に承諾を得よ」という。教室内なので声をかけて承諾してもらったが、エラーが出てそれ以上進めない。おそらく機関担当者の承認も必要なのだろう。ということで「一時保存」して時間をおいてもう一度開く。ところが一時保存したはずなのに何処にもこれまで入れた形跡が見当たらない。自分が間違ったのだろうと観念してもう一度入力して「次に進む」を押すとやはりエラーだ。承認されていないらしい。しかたない。また「一時保存」してかなり時間をおいてもう一度開く。今度は「一時保存」を押したことは間違いない。しかしやはり「保存」はされてなくまた一からやり直し。だんだん拳が震えてきた。Web入力システム入力は良い点はたくさんあるものの必ず「落とし穴」がある。そこにハマると自力で抜けることが難しい。おそらく何か単純なことを間違えているかバグがあるか。ひとつつまづくだけで全く身動きが取れなくなる。システムを作った人はすべて「当たり前」のことなので「IT弱者」のことまで気持ちが及ばないのだ。某倫〇申請のシステムも同じ。1日も早くAIが進んで「初心者が陥りそうな間違い」を事前に察知して勝手に入力を訂正してくれるシステムを開発してほしい。
もうひとつの怒りは今年から〇〇〇〇の報告書にeRadからの報告も追加されたこと。科研費の毎年の報告書はすでにeRadでやるようになっているのでずいぶん楽になっている。これでだいぶ楽になるのかと思ったら、甘い。もちろん今までのExcellやWORDの報告書がなくなることはないらしい。なぜか2度やれ、というわけだ。せめてformatを同じにしてもらえれば入力はかなり楽になるのに。さらに業績はReser〇〇mapと連結しないととんでもなく入力が大変なことに気が付いた。Reser〇〇mapと連結することを前提としているとしか思えない。しかし私は昔のIDが残っていてReser〇〇mapにログインもできないのだ。い○めとしか思えない。ここでも「IT弱者」は途方にくれるしかない。もしかしたら大金をかけて作成したReser〇〇mapの利用頻度があまりに低いのでどこかが挽回しようと画策しているのか。。

後日談:申請書の方は結局最後の最後になって『Error: 重複応募の制限で応募できません』が出てきて、なんと自分は出せないことが発覚。ちゃんと調べて始めなかった自分が悪いんだが、せめて記入始めた時に警告出してくれれば、、、「私の失われた半日」も痛いが、それ以上に計画全体の修正が必要になるので仲間の先生たちに申し訳ない。やっぱりもっと巨大な「落とし穴」があったのだ。。。

Resea
〇〇mapはIDを再発行してもらってPubMedから論文リストを作成できた。340件を超えている。もう少しあると思うが面倒だからこれでよしとする。これをeRadに連結した。ここまではうまくいった。eRadから業績報告欄に行き、Resea〇〇mapから論文リストを転送。おお、簡単ではないか!しかしなぜか全ての論文に選択用のX印が。。。必要なのは2017年の15報だけなんですけど。。。全てを解除する設定は見当たらない。しょうがなく残りの325報のチェックを外す。書くのは簡単だが何の意味もない単純作業を30分くらいやらねばならない。すでに手がわなわなと震えている。まあよい。どうせこんな作業しかできない老いぼれだ。やっとX印を外して「登録内容の確認」ボタンをクリック。すると
『HTTP404:ページが見つかりません』
オーマイガー!何をやってもHTTP404。「保存」を押してもHTTP404。
ブチ切れても当然のシチュエーションながら、老人はもう怒る気を失っている。明日eRadかどこかに電話しよう。ここで悪戦苦闘しても多くの場合時間の無駄であることは経験的によくわかている。それにしてもだ、こんなク◯なシステムを作成して大金をせしめた業者かあるいは〇〇は何処だ?研究者の労力を削減するという謳い文句ではなかったのか?使われないのはク◯なシステムだということにどうして気づかないのか?そうかこれを作った人たちは自分が入力することはまずないからな。当然か。これでは日本の科学の落日も当然ともいえる。

翌日eRadのヘルプデスクに電話する。ブラウザを替えることしか方法が思いつかないらしい。選択を全部消す方法くらいつけとけ、研究者をバカにしてんのか!と電話口で怒鳴ってしまった。モンスタークレーマーと呼ばれているかもしれない。
ブラウザを3つ試したが全部ダメ。試しに手で論文を一件だけ入力して見た。するとうまく「登録」ができた。eRadとResearchmapの連結に問題があるのか?結局全部手で入れろというのか。こんな「生産性のない」ことになぜ時間を費やさなければならないのだろうか?馬鹿馬鹿しいので論文は一件だけにしてそのまま登録した。きっと怒られるだろうが問題を知らせる効果はあるかもしれない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-10-04 11:53:20 (3934 ヒット)

 酵素の分子進化とファージディスプレイ法。大方はゲノム編集技術だろうと思っていたのではないか。さすがノーベル賞委員会は世間の予想をはずすことを楽しんでいる。
ファージディスプレイ法は免疫学の教科書でも出てくる、モノクローナル抗体の作成法のひとつだ。私も講義でちゃんと解説している(学生は覚えてないだろうが)。しかし私が駆け出しの頃、すでにファージを使った遺伝子クローニングやペプチドライブラリーはあったので正直「そんなに斬新か?」と言われると「うーん」。ジョージ・スミス博士の方がファージディスプレイ法の最初の提唱者でウインター博士が抗体のスクリーニングに応用したのだという。アダリムマブ(商品名ヒュムラ;抗TNFα抗体)がファージディスプレイで取られた最初のヒト型モノクローナル抗体だ。2017年における全ての医薬品の中でもっとも売れた商品がヒュムラ(2.5兆円)である。そいういう意味では確かにすごい方法なんだろうが、TNFα阻害が関節リウマチなどの炎症性疾患で治療に使われているほうはまだ医学生理学賞もらっていないからややモヤモヤ感が残る。しかしファージなら高価な機器など必要としない。アイデア次第では元手もほとんどかからずにノーベル賞をもらえるかもしれないと思うと勇気づけられるではないか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-10-01 18:37:47 (5101 ヒット)

 本庶、Alison両氏が受賞。すごい。おめでとうございます。ますます腫瘍免疫研究に弾みがつくか。
本庶先生とは多少のご縁がある。はるか昔、学生時代に本庶先生の講義を聞く機会があった。抗体のクラススイッチのメカニズムを解明されたお仕事の話で初学者には非常に難しかった。しかし最先端の分子生物学を駆使した話に時代の熱気を感じられた。その後は私は免疫学とはかけ離れたことをやっていたので接点は少なかったが、そのうちいろいろな研究費の審査で御前に立たされることが何度かあって本当に恐ろしかった。「独創性とは何か?」という駄文ではこっぴどく怒られた。が、今で言う炎上商法でおかげで私は知名度が上がった。質問も厳しく「免疫サマースクール」で発表する時は先生が来られてないとわかるとほっとしたものだ。しかし3年前に「慶應医学賞」を受賞されたときは紹介文を書いたりした関係でだいぶ普通に話せるようになった。

記者会見で「生命科学研究ではひとりに1億円あげるよりも10人に分け与えた方が良い。特に若い人に」と言われていた。正論だろう。私には特に耳に響く。
また日本の製薬企業について「数が多すぎ。集中して研究に投資すべき」と言われていた。なかなか日本の製薬企業が話に乗ってくれないという経験のせいだろうか。
この間MCBで来られた仲野先生や免疫学の講義で来てもらった新蔵先生は本庶先生のお弟子さんである。たくさんの教授を排出されたので教育者としても立派なのだろう。仲野先生はOP9によってESから血液細胞を作れることを発見された時は嬉しさのあまり(これで本庶研から抜けられる!)、アルキメデスばりに何度も自転車で走り回ったそうである(講義で言われていたのだが、さすがに書くのは憚れれた。しかし新聞にも出ているので公表していいのだろう)。生命科学は「やってみないとわからない」と言われる。そうなんだろうけどなぜかうまく行く人は何度も予想が当たってうまくいく。その仕組みがわかるともっと科学は進むような気がする。私の場合は「N(試行数)を増やす」というなんとも芸のない方法しか思いつかなかったが。。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-09-28 22:24:12 (2697 ヒット)

 本当に久しぶりに癌学会に参加する。これまでは一般演題で若い人に行ってもらっていた。今回はシンポジウムと教育講演に呼ばれたので自ら出向くことにした。久しぶりに参加して抗腫瘍免疫も存在感を示していることに驚いた。一日いても途切れることなく聞きたいシンポジウムやワークショップがある。日本のがん研究もようやく世界の潮流に追いつきつつあることを実感した。注意を引いた発表で、水素吸引によってT細胞の疲弊化が減ってPD-1抗体の効果があがるという。マウスではなく実際の患者さんの話だ。実臨床に基づいた臨床の先生の話には説得力?がある。

これでも一応がん学会の評議員である。評議員を続けるにはCancer Scienceという学会誌に論文を定期的に出さないといけない。これが結構大変で常にクビの危機と背中合わせだった。評議員懇親会にも久しぶりに顔を出した。なんと出し物が「南こうせつ」のミニコンサート。なんでも会長先生が彼の親族の主治医だった関係だったそうだ。南こうせつ、歌もうまいが話もうまい。印象に残った話。「夢一夜」の講釈のあとで。こうせつの親父さんは大変やさしい父親だったそうだ。「父に怒られたことが一度もなかった。でもいつも父は母に怒こられていました。」父が亡くなって火葬されて骨壺が家に帰ってきた時のこと。母は骨壺を前に正座して寂しそうにしている。「夫婦ってこうやって終わるんだな」。子供たちもしんみり。「気落ちしなさんな。これからはオレたちがお母さんのことしっかりサポートするから」と励ました。母はそこで天井を見ながらぽつりと一言。「あんまり好きじゃなかったんだよね。。」オーマイガー!

シンポジウムでは近藤君のiTscmの話をはじめて英語でやった。発表者ツールにテキストを書き込んでいたので大丈夫と思っていたが、とても発表時に読めるものではない。自分でも情けなくなるほどグタグタの発表だった。何事も軽んじることなく練習して十分な準備が必要だ。
一般演題も英語のセッションが多い。英語のせいかなかなか質問が出なくて座長の先生が四苦八苦されていたのが可哀想だった。
 
 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-09-26 23:50:11 (3343 ヒット)

 科研費のシーズンである。今年は大改革が断行される。なんと業績欄がなくなり過去の業績ではなくプロポーザルの優劣で判断されるという。大変立派な改革である。が、これは間違いなく審査員泣かせである。内容はもちろん見るけどやはり実行能力は重要と思う。今までのやりかたで不都合があったのだろうか?ロクに申請書を見ないで業績欄で判断してきた〇みたいな輩がいるから?いやいやそんなことで惑わされない。今までの審査結果には自信があるのだが。ともかく業績は審査員が調べないといけないので今まで以上に時間がかかることは間違いない。審査委員の数を増やして一人当たりの審査数を多くて50くらいに制限すべきである。できれば一件あたりの審査料も3倍くらいにして欲しい。審査員も大変だが書く方も大変だろう。若い人たちには同情せずにいられない。本当にバリバリやっている人は申請書書きに時間を割くよりも論文を書いたり実験したり研究のアイデアを考えたいと思うだろう。申請書書きもアイデアを整理したり予備検討データを見直す良い機会なのだが基盤Cくらいだと労力の割には、、ということになりかねない。

厚労省はアレルギー対策に巨額?の研究費を投入するという。10数年前に理研なんとかセンターができたときも同じことを聞いた気がするが、ただの記憶違いだろう。そんなの制御性T細胞(Tレグ)ですぐ治る(と信じて研究をしている)。ぜひ〇〇がやっている『Tレグを人工的につくる』ような研究に投資してほしい。

実は何かすごい面白いことを思いついて書き始めたのに科研費のことを調べているうちに忘れてしまった。もうあかんな。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-09-19 18:17:35 (4143 ヒット)

 仲野徹教授は私が最も尊敬する(羨望する?)研究者のひとりである。あるいは文化人、評論家と言ったほうがよいのかもしれない。研究の著書も多いが、数多くの一般向け著書やテレビ出演もある。Twitterも評判らしい。今日も(そこまで言わんでもええやんやないかと思われるほど)散々自分の著作の宣伝をされていかれた。「お笑い系研究者」を自認されているように話は面白かったが、関東の学生には時代的、文化圏的にやや難しかったところもあったように思われる。
私にとって極めて面白かったのは先生らがクローニングしたPGC7という遺伝子の話。この遺伝子は仲野先生が2002年4月に最初に小さい雑誌に報告されている。ところが商売敵で後輩の斎藤通紀先生が同じ遺伝子を少し遅れて"Stella"という名前でNatureに発表。最早PGC7の名はほぼ消滅。「PGC7ていうのが先に出ているのを知っててよくも断りも(引用も)なく名前を変えやがったな」というわけだ。相当悔しかったのだろう、斎藤先生を極悪人呼ばわりしていたのだが、そこから奮起してStella/PGC7の機能「受精卵において母親由来のDNAのH3K9me2にくっついて脱メチル化を阻害する」を解明してNatureに発表してリベンジを果たされたところはすごい。この論文は「なぜ父親由来のDNAと母親由来のDNAの脱メチル化の速さに差があるのか?」という疑問を解決した本当にすごい論文だと思う。これ以外の論文ではご自身でもStellaを使っているのだが、このNature論文ではタイトルはPGC7になっている。そこに仲野先生の雪辱の思いがこもっているように思える。
学生向けに人生論や研究への取り組み方も話されたのだが、「自分の好きなように生きたらええ」というのが結論なのでどうにも迫力が足りない。いっそ文楽の話でもしていただいたほうがよかったかもしれない。私も文楽好きだが到底評論できるようなレベルではない。仲野先生は自分でも浄瑠璃をされ、国立文楽劇場に寄稿するほどの専門家なのである。この寄稿を読んで「夏祭浪速鑑」を観に行ったほどだ。ただ「長町裏の段」の解説に一箇所誤植がある。まあ、ケチをつけたいわけではなくその程度は自分でもわかると自慢したいだけなんだが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-09-11 21:26:06 (3621 ヒット)

 今日のMCBの講義は京都大学iPS研究所の川口先生と熊本大学発生研の西中村先生。奇しくもiPSから膵臓と腎臓を作成されたことで著名なお二人のお話だ。川口先生はしかしiPSの話はされず、膵臓の内分泌細胞、外分泌細胞がどのように影響し合いながら分化や機能維持を果たすのかを研究手法を交えてお話くださった。プロの研究者には馴染み易い話だった。最後に「先生が研究をされてこられたことは外科医としては役にっていますか?」と私が尋ねたところ、「論理的にものを考えることにものすごく役に立っている。例えば研究の経験がある者は血液検査を出す場合ものすごくよく考えて推論できるような検査項目を入れる。何も考えない者はただ漫然とルーチンで出す」と言われていたのが印象的だった。

一方の西中村先生は自分の夢だった「試験管内で腎臓を造る」という目標をどうやって実現したか、あるいは実現しつつあるか?という話で門外漢の私にも極めて刺激的な話だった。もともと腎臓内科医で透析で大変な思いをされている患者さんを腎臓移植で治したい、そのために人工的に腎臓を作り出したいというのがこの世界に入るきっかけだったそうだ。しかし腎臓は最も複雑な臓器のひとつで多くの種類の細胞が複雑に絡み合っている。そう簡単にできるものではない。例えばもしiPS(あるいはES)細胞からネフロンをつくるにしてもマウスの発生では10日くらいかかり1日ごとに変わっていく。もし一日あたり1000通りくらいの培養条件を検討しなければならないとすると1000の10乗の条件を検討しなければならないことになる。ほぼ無限といえる数字だ。それを先生は1日ごとに調べて確定していけば1000X10=10000回の条件検討で済むと考え、実際にそれをやり遂げられた。理屈はそうかもしれないが1000通りの条件検討すら想像がつかないくらい大変そうなのにそれを10回やるなんて、呆れるくらいすごい。しかも熊本地震によって中断も余儀なくされたという。例えば我々の分野のT細胞なんかOP9という線維芽細胞みたいなのとまず培養し、次にNotchを発現させたOP9-DL1と培養するだけで割と簡単にできる(らしい)。腎臓の細胞もそんなものだろうと思っていた不明を恥じるばかりだ。切片を切って糸球体のような形が見えた時は大学院生と涙を流して喜んだそうだ。こういう話は昔私が若かった頃、微量の生理活性物質を何段階ものカラムを通して丸一日コールドルームで過ごして精製していった先人たちの話に通じるものがあるように思う。創意と工夫、それに弛まぬ努力があれば不可能はない。NHKは「プロフェッショナル」に呼ぶべきだ。

MCBの先生方の話はそれぞれ個性があって興味が尽きない。多くの学生さんたちは「単位をもらう」ことしか考えていないだろうが本当に少人数でも何か感化されるものがあれば大成功だろう。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-09-05 12:08:42 (3266 ヒット)

 先週27日夜会合で新宿まで行く。途中で稲光がして近くに雷が落ちた様子が見えた。これはすごい。次は写真に収めようとのそのそしているうちにものすごいゲリラ豪雨になった。この5分の遅れでびしょ濡れ。折りたたみ傘など全く役に立たない。つまらないことをしたと後悔。昨日の台風21号はものすごい勢力だったのだろう。中心からだいぶ離れた東京でも風が普通の台風くらいあったような気がする。自然は侮れない。ニュースで大阪の街でこの台風のなかを歩いている人たちを映し出していた。なんでこんな日に外出?と思うが新宿のゲリラ豪雨のことを思い出して「きっと自分もそうしてしまうのだろう」。

9/1,2 恒例の免疫適塾。理研の岡田先生のイメージングは映像がすごい。話も大変面白かった。雨でソフトボール大会は流れたが、この頃妙に胸が痛く(ときめくとか騒ぐではなく)なる自分としてはなぜかほっとする。で、早く家に戻ったので録画したカンブリア宮殿を見る。今回も感動モノだった。倒産寸前だった撚糸会社を技術開発で一発逆転。「下町ロケット」を地でいく中小企業のサクセスストーリーだ。数々の実験と失敗を繰り返してようやく新しい糸を開発。しかしそれでめでたしではない。これを編んで布にしてくれる会社が必要なのだ。何軒も探し回ってようやく小さな同じく倒産寸前の企業を見つけて、さらに技術的な困難を乗り越えてようやくタオルを開発。まるでどこかの小説で読んだ話のようだ(いや小説の方がこの話をモデルにしたのかも)。ベンチャーの話も感動したが理系人間としてはこちらのほうがより親しみを感じる。自分も頑張ろうという気にさせられる。我ながらつくづく単純な人間なんだと思う。
さっそくそのタオルを買おうとネットをみると軒並み「品切れ」。同じ単純人間が多いんだと納得。

台風もだがそれ以上に仰天したニュース。政府が原則70歳まで働けるよう企業に努力目標をおしつけるという。定年を指折り数えて待っている人もいるのに。アカデミアではますます若手のポストが減るので活力が失われると思う。

9/6 朝 北海道で強い地震。土砂崩れも発生している。広く停電しているそうだ。北大や札医の知り合いは大丈夫だろうか。
今回の停電は発電所の破損ではなく厚真町の発電所の緊急停止による需給バランスが崩れから北海道全域に広がった「ブラックアウト」らしい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-08-26 22:14:10 (3486 ヒット)

 ベンチャーから年商800億円の新ビジネスを作り上げた異端経営者・瀬戸欣哉(現在は年商1兆6000億円のリクシル社長)。その言葉がすごい。(カンブリア宮殿より)
「この会社を変えるためには個々が、自分たちでリスクを意識しながら実験をしていく。実験の結果に関して失敗を責めない。失敗から学ぶ限りはそれは失敗ではなく投資である。それがベンチャー的なものの考え方である」
「資金力がないからこそクリエイティブにならざるを得ないし実験して学ぶ」
「sense of ownership: 自分の会社だと思うと一生懸命自分で考える」
なるほど。会社を研究室に置き換えても同じ。うーん私は完全にベンチャー失格です。失敗を必要以上に責めてたし、いや最近はパワハラになるので責められなくて、矛先は自分に向かう。失敗するとすぐに忘れようとするので失敗から学ばない。つい過食に走ってしまう。ついでに哲学者のお考えもひとつ。「死を意識するからこそ人生は輝くのだ」(ハイデガー)(NHK Eテレより)。ジョブスも同じようなことを言ってたな。「朝起きたら今日が人生最後の日だと思って行動しなさい」。今日は仕事を早く終えて近所の神社まで走ろうと誓っていたが、気がついたらすでに夜で西郷どんを見ながらビールを飲んでいる。怠惰な自分には無理無理。。。でもそれが普通なのかもしれない。怠惰な人に送る「普通人の気持ちに寄り添ったお考え」特集は絶対に受けると思う。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-08-24 08:33:35 (6144 ヒット)

 鹿児島から戻ってすぐに某研究補助金の最終報告書を書き始める。いや実はサマースクールの間中、他の先生の話は聞かずに部屋にこもって書いていたのだが全然終わらない。額も大きいのでしかたないが40ページくらいにはなりそうだ。つくづく「もらえなくて地獄、もらっても地獄か」と嘆いてもはじまらない。
「○○と乞食(もしくは坊主)は3日やったらやめられない」という。○○には政治家とか医者とか入るが教授もそのひとつだ。とんでもない、私は1日も早くやめたいのだが、某有名な教授にぼやくと「僕は報告書なんか書いたことあらへんで。申請書もない」。なるほどこんな先生がおるから「3日やったらやめられない」と言われるのか、と感心する。その先生を含むある門下では代々「雑用はすべて部下がやる」というのが伝統らしい。立派なお弟子さんたちがたくさん巣立っていることからすると「雑用は教授がやるからその時間は実験してほしい」というのはダメなのかもしれない。結局「雑用やらなくて済んだ時間は遊んでいる」ということかも。でも私なんぞは「ろくなアイデアもないのだから雑用くらいしかできんだろ」と言われるのがオチかもしれない。

8/25 一日かけて報告書を書き上げる。何が大変かって難しいのは3~5年前の学会発表の情報を集めることだ。ネットに出てるのもあるが出ていないのも多い。ちゃんと記録を残してなかったお前が悪いと言われればそれまでだが。数年おきに同じことをしている。もう治しようがない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-08-20 19:32:08 (3049 ヒット)

 8/20から鹿児島県指宿で免疫サマースクールが開かれている。もう20年くらい前に鹿児島に住んでいた。人情が厚く鹿児島は好きな街のひとつだ。指宿までのバスの車窓から錦江湾公園が見えた。昔よく家族で遊びにきたところだ。大型ロケットH-2Aの展示がまだあった。むちゃくちゃ懐かしい。
私は一日目の3番目のイントロダクトリーコースで獲得免疫の話をする。疾患や治療の話を中心に50分間しゃべった。時間が限られているので「免疫劇場」を見せようか迷ったのだが、聞いてみると意外と「知らない」というので見せることにした。「はたらく細胞の」キャラも随所に入れこんだ。そんなに難しい話はしなかっかった(つもりだったが)、あとで聴講生に無理に聞くとわかりやすかったと好評だったが本当のところはどうだろうか。今年は意外に医学部の3年生や4年生が多かった。講義が終わったばかりなせいか「アレルギーの4分類」忘れているのもいた。試験が終わればすっぱり忘れるのは学生の本分なのでしかたない。私も今年で免疫サマースクールは卒業だろう。
授業で免疫学などを教えている先生も多い。学生の「評価」のことを聞くと「見ない」そうだ。匿名で適当なことを書くのはネットの無責任な書き込みと同じ。建設的な改善点を聞きたいのなら顕名にすべきだろう。実は誰が書いたかはわかっているのだが。
理事長があいさつで「若い人たちにもっとサイエンスの世界に入って活躍してもらうためにもすそ野を広げなければならない。このサマースクールもその一つだが我々は常にその方策を考えている」と述べられた。すでに出来上がっているとなりから「年寄りが身を引くのが一番では?」と小声が。。
21日の夜は台風の風雨の音がすごくて眠れなかった。翌日帰れるか相当心配したが、前の便は欠航になったものの運良く自分の便は時間通り運行された。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-08-15 07:28:04 (3052 ヒット)

 このところゲリラ豪雨が頻繁に報道されている。日本もいよいよ亜熱帯か。一昨日は千代田区で雷鳴の中での会議だった。1日座っているのはなかなか大変でかなり消耗する。お盆だからか電車が空いていたのがせめてもの救いか。タイからの留学生が教室見学に来た。もはや大学院生は海外に頼るしかないのかもしれない。今年のように仕事でお盆に墓参りに行けなかったのは久しぶりだ。お盆のことを聞いてみたらタイにはないらしい。仏教の行事ではあるが日本独特のようだ。日本の夏はタイより暑いそうだ。たいして外に出ないのに夏バテ気味。
山口で行方不明になっていた男児を発見したのは78歳のボランティアで捜索に参加した方だそうだ。このかた筋金入りのボランティアで様々な被災地に遠近に関わらず自家用車で駆けつけて人々を助けているという。私利私欲がなく他人のために働く人には頭が下がる。引退したらこんなジイサンになりたい。

昨日に続いて今日も一日千代田区で缶詰。雨はなかったようだが緊張が続き相当に消耗した。少しでもリラックスしようとつい冗談を言うと「先生、録音されてますよ」とたしなめられる。さらに追い討ちをかけるように某報告書のリマインドのメールが来る。しまった、完全に忘れていた。今週末は講演とサマースクールで出張なのでとても複雑な仕事はできない。懸案の論文のreviseもある。自分の事務処理能力をすでに大幅に超えている。NHK Eテレで毎週木曜日の深夜やっている「世界の哲学者に人生相談」。総集編に入ったのでもう終わりなのか。毎回含蓄のある哲学者の「お考え」を楽しみにしていたのだが。「沖仲仕の哲学者」と言われるエリック・ホッファー。『仕事にとって大切なこととは「自由」「運動」「間暇(=ヒマ)」「収入」この4つの適度な調和である』いやいや誠に的確で奥が深い。うーん、残念ながら今の自分にはどれもないような気がする。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-08-12 00:53:06 (2445 ヒット)

 夏の花火はなんとなく寂しい。打ち上げの最中はきれいなので歓声をあげているが、終わると「もう夏も終わりか」という気分に否応なくさせられる。もっともこの酷暑では「早く終わってくれ」と思うのかもしれない。
今日は神宮の花火大会。仕事が一段落して帰ろうとしているとC君から電話。「信濃町駅付近からよく見えますよ、来ませんか?」おお席取りしてくれてたんだと思って行くとC君が突っ立っている。何のことはない、警察から「ここで立ち止まらないでください」と怒鳴られながら立って見るだけ。きっと綺麗どころと楽しくやっているのだろうという淡い期待を完全に打ち砕かれる。ビールを飲むのも落ち着かない。それで歩いて打ち上げ場所に近い方に歩いて行ったが木の影で余計に見辛い。しかたなく某所の屋上に行く。ここは新病棟ができたのでまず見れないと思われたところだ。しかし行ってみるとわずかの隙間からよく見えるではないか。何より腰掛けながら見れるのがいい。わずかに若いカップルが一組いちゃついている。意地悪くオヤジ二人が近くで(わざと?)大声を上げながらみていると即さくと何処かに消えて行った。


C君はよぼど嫌なことがあったのかすでに完全に出来上がっている。花火のあと「帰ります」と先に帰ったのにまた電話。「カラオケにいるので来ませんか?」私も今日は学◯の審査(一年中ひとの申請書ばかり読んでいる)が終わって解放的な気分になっていたのか、付き合うことにする。泥酔のC君も一人では心配だ。オヤジ二人で深夜まで何曲も歌った。「それでも愛は勝つ」と二人で拳を握りしめながら熱唱する。このところ溜まっていたストレスを解消できた。

NHKの日曜美術館で「いわさきちひろ」をやっていた。で、これまで行ったことがない上井草の美術館に行ってみた。殺伐とした日々を送っているので、子供の絵をみていると癒される。しかしどうも違う。よく調べたらNHKでやっていたのは東京ステーションギャラリー。残念ながらそちらまで行く時間がなくラボでまた別の助成金の申請書の審査をする。もしかしたらこれが天職なのかもしれない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-08-08 13:16:44 (2368 ヒット)

 台風のせいか急に涼しくなった。酷暑もようやく終わりかと思ったら、NHKのニュースを見ていたら衝撃的な話が出ていた。最新のProNAS.USAの論文で「このままでは温暖化に歯止めがかからずに地球は温室と化して生物が住めなくなる」というのだ。こちらのほうが詳しいか。灼熱の砂漠にだって、温泉にすら生物はいるので何らかの「生物」は住めると思うが、このところの異常な水害や暑さを思うと本当に人が住めなくなる可能性もあるのかもしれない。まだだいぶ先の話らしいが、子孫のために有効な手を尽くすべきだろう。

それにしてもこの8月の前半は神経をすり減らす毎日だ。自身のヒアリングもあれば審査する側のヒアリングもある。後者の方が楽そうに見えるかもしれないが「重責を担っている」ので精神的にはそうでもない。昨日は重責に堪えられず深酒し現実を忘れる。
期待していたもうひとつのAMEDの申請は面接の連絡がないのでダメだったのだろう。そういえばこれまで代表として気合いを入れて申請して、面接で落とされたことはことはあっても面接に呼ばれなかったことはなかった(ように思う)。連絡もなくスルーされる側のなんとなくじわじわくる、いわゆる「真綿で首を絞められる」気持ちがわかる。みなさんごめんなさい。早く快適(気楽)な季節になってほしい。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-08-04 08:57:09 (2485 ヒット)

 毎朝ニュースで「命にかかわる暑さ」と言っているがあまり外に出ないのでさほど気にしていなかった。しかし今週は外回りが多くかなり消耗した。熊本出張ではgoogleではバス停から大学まで徒歩10分と出たので歩くことにした。ところが着いたのは大学病院で、研究所のビルはずっと先のようだ。道に迷って結局30分くらい歩いたろうか。熊本は九州のなかでもひときわ暑い。刺すような日差しを堪能させていただいた。英語でのセミナー。冒頭アドリブで「熊本は暑いがこの研究所は研究への熱気でもっと暑い」と言ったつもりだが全く伝わらなかったようだ。
セミナー終了後郷土料理の店に連れて行ってもらった。最初に出てきたのが「人文字グルグル」。ネギを巻いて味噌で食べるもののようだ。私は九州出身なのに初めて知った。実はネギではなくワケギで江戸時代に細川藩で開発された由緒あるものらしい。名前の由来はこちら。一度聞いたら忘れられないネーミングだ。
   数日後の眼科の研究会で「免疫応答」を説明するのに初めて「はたらく細胞」のキャラを使って説明してみた。もう十分大人の先生たちが相手だったせいか全くウケなかった。さらにここで時間を使いすぎたか予定時間を超過してしまった。かなり自己嫌悪に陥る。

この夏、近々自分自身の研究者としての人生を左右するヒアリングがある。落ちたらほぼ研究終了とも言える。こちらも熱い。
土日の全てを費やしてヒアリングの準備をする。夜中一人で作業をしていると夜回りの警備員さんに声をかけられる。やっぱりこんな仕事、若い人には敬遠されるよな。家に戻り一人で麻婆豆腐を作る。小さじ一杯味見するとこれがすこぶる美味い。そのまま3人前位くらいを平らげてしまった。ストレス食いか。でも今回はだいぶ気持ちが落ち着いている。どうあがいてもあと5年しかないのだ。自分が本当にやりたいことをストレートに伝えたい。最後の5年でやりたいと思っていることを10分で審査員に理解できるように伝えられなかったら全く自分の責任。潔く研究の世界から引退するのもやむなし。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-19 09:16:17 (11205 ヒット)

 Gyao無料動画に「はたらく細胞」というのがあってちらっと見てみたら細胞を擬人化していろいろな病原菌に対抗するシリーズのアニメらしい。もちろんほとんどの登場人物は免疫系の細胞だ。T細胞が胸腺大学で教育を受ける回もあるらしい。
アニメの第二話で白血球が壊れた血管内皮からすべり落ちる際に仲間の白血球が「Lセレクチンを出してなかったのか!」と叫ぶシーンがあった。原作者は医学とは無縁の方らしいが相当に勉強していると感心した。

アニメやマンガで微生物学と免疫学(の基本)を学ぶのはとっつきやすくていい考えだろう。他にもWebでは「免疫のシゴト」とか「マンガ免疫学」とかいろいろある。「新抗体物語」は免疫の解説よりも主人公の人生ドラマが面白い。河本先生の「マンガでわかる免疫学」というのもがあるが惜しむらくは絵がちょっと。。(河本先生は本業界きってのアニメーター。なぜ彼自身が絵を描かなかったのか?)「はたらく細胞」のほうがはるかに絵がきれいで今風だ。細胞の擬人化という意味では東大の学生さんが作った「免疫劇場 MEN-EKI BLACK」が秀逸で毎年講義でも見せている。来年は「はたらく細胞」を見せようかと思ったがちょっと長すぎるな。「免疫劇場」は4分くらいなのでちょうど良い。「はたらく細胞」のキャラで「免疫劇場」を作ったらきっとウケるだろう。

免疫学の本試験。「丸暗記よりも理解」を大事にしてほしいと持ち込み可にしてみた。もちろん広い範囲から情報を集めて解くような問題なので何処に何が書いてあるのかくらいは覚えておかないといけない。「試験は合否を決めるためではなく勉強して理解を深めてもらうためにある」というのが私の信条。持ち込み可であってもある程度は勉強しないと解けない。しっかり勉強してくれたのか多くは大変よくできているので「持ち込み可」の試みはよかったのではないか。
でも講義に全く出ないで免疫学を教科書だけ読んで理解するのはかなり大変で膨大な時間がかかると思う。特に教科書では何が重要で何が瑣末なことなのかわかりにくい。概論講義は全部で12コマ=18時間程度である。「エッセンシャル免疫学」を全部読んで理解するのに必要な時間よりもずっと短くて済むと思う。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-15 22:55:49 (2526 ヒット)

 7/14土曜日。この3連休、4つの眼科関係の合同年会が新宿で開催されてる。14,15,16と完全に連休を潰して勉強されている姿勢には頭が下がる。14日は講演に呼ばれてTregの話をする。夕刻7時から懇親会なのだが一度ラボに戻ってから出かけることに。懇親会では来賓代表でスピーチをと依頼されていた。私の一番苦手なやつだ。ところが新宿周辺は渋滞で会場には15分くらい遅れて到着。結局乾杯まで呼び出しがかからなかったので「ああ、自分の出番には間に合わなかったのだ」と妙に安心してワインを遠慮なくいただいていた。そうすると会の最後に「ではここで来賓のご挨拶を」と海外からの招待者と私が呼ばれたのだった。かなり油断していた。でも今こそ「古代ローマのライオンのスピーチ」のネタがぴったりだ、と思ったのだが、すでにほとんどの聴衆は出来上がっている。あまり複雑なことを言っても通じないかもしれない。そこで数日前の山中先生の講演を披露して「iPSの臨床応用は眼科領域が一番乗りである」と持ち上げ、でも「とりあえずは他家移植をめざすそうなので、HLAの問題は避けられない。再生医療には免疫学の知識が欠かせない」と免疫の勉強の重要性を強調した。そのあと「実は山中先生とは旧知のなかで、、、」と続けようと思ったが、「免疫学の勉強は重要」と言ったところで皆しらけたのか聞いていない。最後は前田敦子の「吉村は嫌いになっても免疫学は嫌いにならないで!」で少しの笑いを誘って結んだ。まあ皆さん記憶にも残ってないだろうからいいか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-11 23:56:41 (2604 ヒット)

 免疫学分野だけではないだろう。マウスモデルでなくヒトの材料を用いてヒトの生理病理を理解しようという機運が高まっている。当教室でも健常人の末梢血を使った実験を行なっている。もちろん○○委員会の承認を受けている。
懇親会でいい気分になって家に帰ったら突然○○審査からメールがやってきた。3ヶ月くらい前に出した報告書に不備があるらしい。ところが書いているのは
「上記の1)〜 3)については、従来の年次報告書の「実施状況の概要」欄の
㈰〜㈬を適切に記入していただければカバーされます。」

Webシステムにアクセスしても指摘されているところがどこなのか全くわからない。何を「適切に」どう書けばよいのか?一体何が不備なのか一切書いていない。日本語が理解できない。理解できない自分がわるいのだろうがメールは「返信は受け付けない」と書いてあるのに問い合わせ先の電話番号もない。○○審査の申請書と報告書には常に苦しめられ続けて苛立つ。複雑怪奇なWebシステムの不備も大きいと思う。

PC相手にいろいろいじくってもラチがあかないので、事務局にメールして来てもらった。そこはかなり親切だ。するとなんと5分程度で終了。あの1時間はなんだったのか?これからは自分ではやりません、お呼びしますのでどうか来てください、とお願いしたらいつでも来ますとのこと。これはありがたい。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-11 22:57:34 (2431 ヒット)

 11日12日と都内で日本炎症再生学会。炎症と再生。炎症と再生の2つの学会が合同になったのが平成12年だそうだ。おそらく融合した当時は相当違和感があったと思うが、今日この2つは切り離せないものと捉えられている。先人の先見の明には感服する。今日の目玉は山中先生の講演。iPSの臨床応用が着実に進んでいることが実感させられた。ところで実は私と山中先生とは旧知の仲である。はるか昔は「山中君、頑張って」と肩を叩いていた。それがもう声もかけられない存在になってしまって久しい。懇親会で「吉村先生は心の師匠です」なんて言われて調子に乗って「先生、それをぜひ次の講演会で披露してくださいよ」とおねだりしてしまった。恥ずかしい。まあ先生は心の広いかたなのでなんとも思っておられないだろう。
子供や学生たちにに自慢したいからとツーショットをお願いした。すると、では自分もと次々と理事の先生方までツーショットをおねだりしていたのがおかしかった。山中先生もアイドル並みか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-07-09 00:02:58 (2433 ヒット)

 昨年の朝倉の大水害のときもひどかったが今回は広範囲で規模が大きい。被災されたひとたちは本当にお気の毒だと思う。これだけ広範囲だと何処に義援金を送ったらよいのか。広島は4年前にも大規模な土石流で多くのかたが亡くなっている。そういう教訓を活かせる以上の雨量だったのだろうか(砂防ダムつくってるんじゃなかったのか)。数十年に一度の雨と言われるようになってほぼ毎年災害が起きている。この国に住んでいる以上避けられない宿命なのだろうか。いや自分が子供の頃に比べると治水工事の効果で少なくとも筑後川の氾濫は減っている。常に自然と対峙しないといけないのだろう。a

実は久留米の実家でも車が水没するという被害にあった。幸い家と人には被害はない。座席までも水は来ていないのですぐに直ると思ったら修理に70万円かかるという。ネットで調べてもマフラーに水が入るくらいだとそれくらいかかる。しかも一旦水没したものはいつ壊れるかわからない、ということで買い替えを勧められた。中古車しか買える余裕はないがそれでも想定外の相当の出費だ。ところが同じようなひとはたくさんいるらしく在庫がかなり少ないらしい。中古車店に連れて行ってもらったが確かに車がいつもの半分もない。泣く泣く言われるままに購入。。広島や岡山の被災者の方々とは比べものにならないが、やはり痛い。こういうときくらい減税措置してくれるといいのだが。。。

明日が懸案の査読の締め切り。先週も昨日今日も休みなくひたすらひとの申請書を読む。集中力が続かないので1日にそうたくさん読めるわけではない。皆さん懸命に書かれているのでこちらも真剣にならないといけない。。。なんとか今日中に終えることができたがストレスで過食に走っている。それにしても話題の文科省局長の贈収賄事件。大学支援事業のような公募案件は専門家の会議で決めると思う。局長の一言で決まるようなものではないと思うのだが。。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-28 01:10:17 (3237 ヒット)

 先週はアメリカkeystone meeting。土日を挟んで月火講義でそのまま札幌での会議。金曜日神戸。AMEDの締め切りが刻一刻と迫る。それでもワールドカップを見てしまう自分が情けない。韓国ードイツ戦。ドイツ楽勝と思われたが韓国は意地を見せた。そもそも引いて固めた相手をこじ開けるのは難しい。韓国はお手本通りのサッカーをしたのだと思う。明日は日本ーポーランド。立場は日本とドイツ、ポーランドと韓国全く同じ。失うものがない韓国は落ち着いていた。一方のドイツは焦りばかりが目立った。全く同じことが明日起こるだろうと予想するのは私だけではないだろう。GKを変えなと早い時間帯に失点しあとは焦りで自滅するだろう。でもわかっていても決断できないのが人間だ。私の予想はGK変えなければ1-0か2-0でポーランド。GKを変えれば0-0か1-1で引き分け。私の予感はアメリカ大統領選挙をもあてたのだ。西野監督に聞こえるといいが。

言った通りになった。自分には予知能力でもあるのか?日本は最後コロンビア頼みで5分以上ボールをまわすだけ。日本男子なら負けてもいいから最後までゴールを取りにいく気持ちをみせろよ。どのみちこんな試合していたら次は負ける。後味悪い試合だった。

7/3 ベルギー戦。2点先制するも逆転負け。ベルギーをかなり慌てさせた。負けたものの前回の試合の汚名をそそぐいい試合だった。しかしこのあとが難しい。今から寝ると寝過ごしてしまいそうだ。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-17 16:20:58 (2399 ヒット)

 NHK天気予報士の南さん。関西で活躍していたがいつからか全国放送でも見かけるようになった。はじめは関西ノリのオヤジギャグを連発し周囲の温度を5度ほど下げ、女子アナに冷ややかな視線を浴びせられ続けた。オヤジの星、カガミというべき存在だったが、そこで指導が入ったのかすぐに全くおとなしく何の取り柄もないノーギャグ状態に陥った。南さんのユーモアも権力には勝てなかったかと同情していたが、今日は久々の(ごくささやかな)逆襲。さすがに梅雨なので明日から一週間連続して雨。今日が唯一曇り。そこで南さん「センタクの余地がありませんね」。洗濯と選択をかけている。思わずテレビに向かって「ウマイ!」と声をかけた。哀しくもいとおしい「オヤジ」をご理解いただきたい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-14 20:42:11 (3873 ヒット)

 本年度からMCBという膨大なオムニバス講義シリーズの世話係を担当している。「学生が研究の面白さを認識し、同時に研究に参入してくれる契機になるように」というコンセプトで様々な分野の第一人者を呼んで講義してもらうことになっている。その第1発目は京都大学の斎藤通紀教授。生殖細胞の発生研究では世界のトップランナーで、弱冠38歳の若さで京大教授に就任された。特にiPS細胞から始原生殖細胞を誘導することに成功された仕事は高く評価されており、武田学術賞を受賞されている。その時の講演を聞いて大変感銘を受けてぜひにとお願いして来ていただいた。京都からこの講義のためにだけ来てもらって講義が終わるとすぐに東京駅に急がれた。超多忙のところを誠にありがたいことだ。
門外漢なので専門用語にやや戸惑ったが、講義はわかりやすく、普通の細胞から精子と卵子を作ってほぼ試験管内だけで個体ができるような時代がそう遠くない将来に来るのではないか、と思わせるような夢を感じられるものだった。でも体細胞由来のiPSと違って精子や卵子のDNAにはほとんど変異が入っていないらしい。その仕組みはまだよくわかっていないという。もちろん倫理的な問題も提起されてレポート課題にとりあげられた。学生からも結構質問が出ていたのでinspireできたのではないだろうか。
そのあと4限目免疫学の講義をした後ビアガーデンに直行して学生実習の打ち上げ。ここ数年実習があまりにうまくいかないのでアレルギー応答に切り替え結果が明瞭に出るようにした。スタッフは本当にご苦労様で感謝にたえない。このごろ申請書ばかり読んでいてストレスが溜まっているのかつい発散しすぎた。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-12 21:07:13 (2457 ヒット)

うすうす肌で感じていたことだが国がデータで認めるとなると首肯せざるを得ない。ではどうすればいい?

<科学技術白書>「国際的地位は低下」研究力の低迷あらわに

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180612-00000051-mai-sctch


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-06-08 22:07:17 (3029 ヒット)

 人前でのspeechは大の苦手である。ローマ時代ライオンと人間が戦っていた頃、兵士が「もしお前が勝ったらスピーチしないといけないぞ」とライオンにこそっとつぶやいたらライオンが戦わずして逃げ出したというのは有名な話。今回プログラム委員だからと指名されて終了後の懇親会のspeechを請け負うことになった。もちろん固辞したが「あなたしかいない」と進行役の若い人に泣き落とされた。この忙しいのに一晩寝ずに考えたのが以下のspeech。このまま忘れ去られてしまうのはあまりも勿体無いので転記しておく。

My name is Akihiko Yoshimura from Keio University. On behalf of IMS-JSI- program comitte, I express sinseir thanks to all participants in this joint symposium. Especially I greatly appreciate speakers from overseas for your great contribution to this symposium. Thanks to all of you, I think this symposium was extremely successful. 
By the way, the title of this symposium is "checkpoint in medical science". Does anybody know who is the first to say this word "Immunecheckpoint"? When I heard this word for the first time, I felt weired because checkpoint is usually used for dead or alive situation in cell cycle or in the rearrengement of BCR or TCR genes. However, now this word becomes very familiar and very popular, and sounds very nice. Immunoecheckpoint implys the inhibtory factors or inhibitory molecults that prevent activation of immune cells, especailly T cells. Yes, immunecheckpoint is really imporant for immunological sciences. However, it is also important for immunological researchers and society. You may be able to image so many checkpoints are present in immunology society. I am not talking about particlar person, of course*. In any filed and age, conflicts between generations are always present. However, recently, I am afraid that the power of youner generation in the filed of immunology is weaker than that of older ones, especaiily in Japan. There are checkpoints, anytime and anywhere in your life. I hope young people here will overcome the checkpoint(person)s and make your dream true.

Thank you very much again for your participation.

 

*ここが唯一笑いをとるポイント。まあまあウケたかな。


スピーチ原稿代筆のご用命はメールにて承っております。



投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2018-05-07 16:13:07 (10973 ヒット)

 日曜劇場の「ブラックペアン」。臨床薬理学会から治験コーディネーターの描き方があんまりだと抗議を受けるも「炎上商売」なのか気にしてないようだ。それよりも慣れ親しんだ「インパクトファクター」が何度も出てくる。一般社会では馴染みが薄いであろうこんな専門用語がテレビでバンバン出てくるのは感無量である。数字で競うのでわかりやすいからだろうか。理事長選挙を争う西崎教授が71で佐伯教授が77だそうだ。やけに低い。「オレなんか500以上はある」と家人に胸を張るが、ふ〜ん、と無視される。

4月休みなしで書いた論文が立て続けに高インパクトファクター(IF)の雑誌に蹴られる。Reviewにすら回らないのでは相当にヘコむ。誰かが「インパクトファクターはサイヤ人の戦闘力みたいなものか」とつぶやいていたが当たらずとも遠からず。確かによく使われるのは教授選とか昇進とか研究費の審査の時である。なので皆、高IFの雑誌に論文を掲載したいと願望し競争も激化する。弊害も多いので「人事等では使わないようにしよう」という運動すらある。そもそも送った論文に最初に目を通す editorなどそこらの若造が多くて(自分の英語がダメなことはおいといて)本当の価値を判断できるとは思えない。ここで凹んでいては研究者はやっていけない。

ある会議室。ある教室の講師の選考会議。普通の昇進の判定だけなのだが推薦した教授が申し訳ななそうに「インパクトファクターの合計が200くらいしかないんですよね」とおっしゃる。「大丈夫ですよ。佐伯教授でも77しかないんですから」(と思わず言いそうになった)。


  
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