投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-23 13:20:23 (1772 ヒット)

近藤君のiTscmの論文がNature Communicationsに掲載されました
NCは論文が溜まっているらしく掲載されるまで2ヶ月も待たされた。法外な掲載費をとっているのでどんだけ儲かっているのだろう。しかし論文数が増えれば質もcitation indexも下がる。このままではSci Repと変らなくなるんじゃないか。。
プレスリリースはこちらですAmedからもリリースしてもらいました
わかりやすい解説はこちら
でもちょっと難しすぎたか、あるいは『若返り』などと吹いたのでマユツバの類いと思われたのかいまのところ反応は。。。でも内容は画期的なんだ、と言いたい。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-14 10:09:47 (1318 ヒット)

 13日(土)慶應義塾大学医学部100周年記念式典が挙行された。私は出張から駆けつけたのでシンポジウムは聴き逃したが1000人近くかあるいはそれ以上の参加者で盛会だった。しかし式典も祝賀会も混乱もなく感動的にまた和気あいあいと進んだ。裏方のスタッフの方々の周到な準備と献身あってのことだろう。私が最も感激したのは式典冒頭のプロモーションビデオと学生代表の宣誓。5年生と6年生の二人は堂々と聴衆に語りかけるように抱負を語った。あんだけ大勢の前だと私なら足が震えて硬直しただろう。感心した。祝賀会もビデオメッセージ、学生のピアノ演奏、応援団の演舞など様々工夫を凝らしいて飽きさせない。普通の立食パーティなら早めに引き上げようと思っていたのだが最後まで離れられなかった。海外の大会で入賞したという学生のマジックの披露もあった。一瞬でカードが入れ替わる技は確かにすごい。司会のアナウンサーのかたが最後に『医は仁術といわれますがXX君の場合は技術ですね!』。『いやそこは魔術だろう』とツッコミたかった。

(実は司会のかたがナントカ術というのは聞こえたが前の部分がはっきり聞き取れなくてもしかしたら間違っているかもしれません。ーーーあとで確認したら『医は奇術』と言われていたので悪くはない。でも聞き取りにくいのは間違いないので『魔術』のほうがインパクトは大きいのではないか。つまらんことだが。)


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-11 16:34:03 (1392 ヒット)

 先ほど免疫学会からまわってきたお知らせメールで大学院生(だった)駒井さんのII論文が『今月の注目論文』に選ばれたことを知った。やっぱりIIではもったいなかったか?来月、学位審査で本人は今から緊張しているので少しは「追い風」になってくれたかもしれない。それにしてもEditor’s Choiceの英語が何か変では。。。
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今回の注目論文は、慶應大学の駒井恭子先生らによる論文、
“Role of scavenger receptors as damage-associated molecular pattern receptors in Toll-like receptor activation”
です。こちらは、Editor’s Choiceとして選ばれ、2月号に掲載されています。
https://academic.oup.com/intimm/article/doi/10.1093/intimm/dxx010/3051985/Role-of-scavenger-receptors-as-damage-associated


“Macrophage scavenger receptors bind HMGB1 and are co-receptors for TLR4”
by Kyoko Komai et al.
https://academic.oup.com/intimm/article/doi/10.1093/intimm/dxx010/3051985/Role-of-scavenger-receptors-as-damage-associated 
HMGB1 has many important functions in the cell nucleus but can be secreted and recognized as a damage-associated molecular pattern (DAMP), e.g. in LPS-induced shock and DSS-induced colitis. Such ‘danger signals’ are recognized by e.g. RAGEs, TLRs and so-called ‘scavenger receptors’, which bind a range of ligands; class A scavenger receptors are mostly expressed on macrophages. HMGB1 is known to bind RAGEs and various TLRs but only binds e.g. TLR4 with low affinity. HMGB1-mediated inflammation is mostly delivered via macrophages, which have two functionally distinct categories (M1 and M2). In their paper, Komai et al. show that HMGB1 is efficiently internalized by M1 and M2 macrophages via various class A scavenger receptors; only M1 macrophages secrete cytokines, though. Scavenger receptors are also required as co-receptors for efficient HMGB1-mediated TLR4 activation and internalization. In vivo, a scavenger receptor antagonist (M-BSA) reduces the lethality caused by LPS and ameliorates DSS-induced colitis.


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-11 08:38:57 (1489 ヒット)

 講義の準備をしていたら「アトピー性皮膚炎の治療に抗IL-31モノクローナル抗体(nemolizumab)の第二相試験で有効性が示された」という報告に目がとまった。3月に発表されたNew England Journal of Medicineに掲載された論文で京大の椛島先生が中心になっている。この抗体は中外製薬が開発したもの。実は当時ニュースで見た時はIL-13の間違いだろうくらいにしか考えていなかった自分の不明を恥じる。調べてみるとIL-31もTh2型ヘルパーT細胞から分泌されて特に「かゆみ」との関係が深いのだそうだ。しかもオンコスタチンM(OSM)受容体を使っていて私には因縁がある(まあマウスOSMを最初にクローニングしたというだけですが。そんな些細なことで威張ってどうする!)。教科書的にはTh2からのサイトカインはIL-4,IL-5,IL-13と決まっておりこれまでIL-31はあまり知られておらず私も講義では取り上げていなかった。それが臨床研究から一躍脚光を浴びるとは。今やあらゆるサイトカインや細胞表面分子に対する抗体が試されている時代。むしろ「臨床研究から基礎研究へ」という流れなのかもしれない。

なおオンコスタチンMは最近炎症性腸疾患でも注目されている

ついでながら「ともかくサイトカインを止めればいい」という発想ならやっぱりJAK阻害剤が効くはず。ファイザーのJAK阻害剤Tofacitinibはリウマチで認可されているが我々はIL-4もIL-13も抑えるので「アトピー性皮膚炎にも効くはず」と言ってきた。日本イーライリリーがBaricitinib(JAK1/2阻害剤)(同じくリウマチでは認可)が第二相試験を始めているそうでサイトカイン屋としては注目したい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-11 08:15:34 (688 ヒット)

 またNHKニュースから。政府が発信する避難要請等の緊急情報は格安スマホ(格安SIMのことと思われる)では受信出来ない恐れがあるらしい。なんか弱いものイジメのよう。先日は格安のシェアは5%くらいと言っていたのに今日は「昨年12月段階で8.9%」と言っていた。たぶん利用者はどんどん延びているのだろう。そのうち10%を越えるだろうから格安でもちゃんと伝わるようにすべきでは。普通はYahooなどからも送られてくるので大丈夫とは思うが。それよりも○○バンクの利益が1兆円超えだというニュースがあった。これまでさんざん搾り取られた者としてはそれなら通信料や解約料をもっと下げろと言いたい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-08 23:59:22 (976 ヒット)

 今日のトップニュースはフランス大統領選挙結果だった。まあ大方の(私も)予想どおり。しかし私のような場外の下衆には「39歳の若い大統領の妻は25歳年上」という記事に目がいってしまう。マクロン大統領は言うまでもなく若く金持ちでイケメンである。なんか勇気付けられたひとは多いのでは?実は彼が17歳の時からの純愛を15年かけて貫いたのだそうだまさに仏製映画みたいだがなかなかできることではない。表の現象にしか目がいかない自分はやっぱり卑賤の輩か。

実はディズニーの『美女と野獣』の密かなファンである。私がよく知っているのは1991年のアニメ版だ。むくつけき野獣に対しても献身的なベルに理想の女性像を投影する男子も多いのではないか。ディズニーの映画は『少々の困難はあても結局は若くて美しく強い王子様のお嫁さんになることが女子の理想』というステレオタイプを小さい子に植え付けている、といつもファミニズムの団体に批判されているそうだ。ディズニーはそのたびに「次は改善するから」と釈明しているらしい。「アナと雪の女王」はその答えなのかもしれないが、性懲りも無くプリンセスものを作り続けて成功しているのは、やっぱり人間が根源的にもつ感性、あるいは願望に訴えているからかもしれない。フェミニズム団体の間違いはそれが女子だけだ思っているところ。男子だってプリンセスを救う白馬の王子様になりたいとう願望を持っている。それがいつの間にか女房の言うなりで尻に敷かれている、という現状に、「Beauty and the Beast」の歌を聴いてしばし夢を懐かしむ。マクロン大統領の話からついそんなことを想像した。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-04 12:16:49 (1032 ヒット)

 会議は土曜日で終了。日曜日は遠足。紫禁城(故宮博物館)と万里の長城を巡るツアーで主催者がちゃんとツアーコンダクターまで用意してくれていた。どちらも歴史好きのオヤジにとっては垂涎、感涙もののコースだ。特に万里の長城は死ぬまでに一度は訪れたいと思っていた。しかし日曜日は労働節の中日で季節も最高にいい時期。以前ネットで万里の長城からひとがはみ出して落ちそうなくらいの混雑ぶりを見たことがあった。大渋滞を恐れていたのだが幸いなことに紫禁城も長城もそんなに混んでおらずほぼ時間通りに観ることができた。紫禁城から高速で1時間半ほどで万里の長城(Great Wall)に着いた。我々は「男坂」と呼ばれるキツいほうに登ったのだが、頂上の第12敵楼(望楼)まで急峻な階段が続き途中で心臓が破裂するのではないかと思うくらいきつくて、時々休んで1時間くらいかかった。オランダから来た参加者も「何処まで続くんだ」と途中で呆れていたので「ヨーロッパまで続いてるんだ」と言ってやった。幸い12敵楼以降は壁はなかった。万里の長城は世界の七不思議のひとつである。秦の始皇帝が構築したことで有名だが現存するのは明代のものらしい。しかしあちこちにある落書きをみるとそんなに古いものではない。きっと現代に整備し直したのだろう。それでもこんだけのものを2000年以上前にどうやって造ったのだろう。頂上まで行けて感激したがあまりに急な階段で降りるときのほうが怖くて膝を痛めそうだった。イタリアから来たオジサンはこのあとさらに「女坂」のほうまで行っていた。体力も実力か。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-04 11:34:26 (1158 ヒット)

 今回の学会は臨床系が半分くらいあったせいか勉強にはなったが直接仕事に役立つ情報は少なかった。そのなかでメモリーT細胞に関する話題が2つあった。ひとつはBo Huangさんで彼は若手の新進気鋭の教授でNature Communicationsなどに論文を発表している。最近はやりの代謝の話で、メモリーT細胞はオキサロ酢酸からグリコーゲンができてそれがさらにペントースリン酸経路に入ってNADPHがたくさん作られる。それが活性酸素を消去する働きがあってメモリーが作られる時に必須だと言う。代謝経路は何度聞いても難しい。学生時代に代謝マップを暗記したことは覚えているが今ではすべて忘却の彼方だ。しかし今後はそうも言っていられないようだ。今は覚えなくてもスマホですぐに呼び出せるのだが、その安易さ故にか、なかなか「理解」や「発想」につながらない。
もうひとつはオーストラリアから来たLaura Mackay若くて美人で写真映りを意識してかHPも会場でも笑顔を絶やさない。どこのポスドクかと思ったらScienceやImmunityを責任著者で出している立派なPIだ。内容はすでに論文になっている遺伝子解析によって皮膚組織に滞在するメモリーが出来るための重要な遺伝子を見つけたという話と組織メモリーT細胞の前期細胞の話。組織メモリー自体ナイーブT細胞に近い遺伝子発現パターンなのだが、その前駆細胞はさらにナイーブに近い。前期細胞のマーカーをいくつか見つけている。最近言われているTscmやTmnpと同じではないか?と質問したら近いだろうという返事だった。中国では食事の席では人々が入れ替わり立ち替わりお酌にやってくる。しかも52度もある危険なヤツだ(白酒というらしい)。このひとそれを物ともせず何度も乾杯していた。容○も酒に強いのも実力のうちか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-02 08:15:20 (862 ヒット)

 今朝(5/2)NHKで「格安スマホ ユーザー満足度高める対策相次ぐ」というニュースを流していた。格安スマホのシェアはまだ5%くらいで伸び悩んでいると言う。そこで対面での販売やユーザーの満足度を高める対策に乗り出す事業者を紹介していた。いやいやそうではなくユーザーの使用状況をよく聞いてその人に合った格安スマホ(通信会社)を紹介すべきだろう。各社それぞれ特徴がある。やっぱり私のような「格安移行代行業」は需要はあると思う。ただ○○○テルは遅いし半額電話の音質が悪すぎるとか、○○Jimioが10分かけ放題を始めたとか、常に細かい情報を持つ必要はある。なお当店はAndroid系は扱っておりませんので悪しからず。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-01 20:43:13 (1086 ヒット)

 4月27日から29日まで自己免疫疾患とエピゲノムの会議に出席した。以前から親交のある長沙のDr.Luが呼んでくれたのだった。27日は別の会議で阪大から竹田先生、徳島大学から高浜先生が来られていた。中国の会議というと招待演者には下にもおかない歓待ぶりだ。「先生」を敬う国民性なのだろう。講義の評価で「教授をかえたほうがいい」とか書く学生はきっといないだろう。今回もそうで担当の大学院生が空港まで迎えに来てくれて夜は美味しいところに連れて行ってくれる。参加者は"great hospitaility"と口々に賛辞を送っていたが、講演の内容よりもネットワーク作りに意義を感じているのかもしれない。
空港を降りると2つのことに驚いた。ひとつは気温。北京と言うと緯度は仙台よりやや上で内陸なので寒いイメージだが着いたらいきなり日中30度だった。どうやら春がやたら短いらしい。しかもものすごく乾燥して唇がパリパリになる。もうひとつは広い綿のようなものが大量に舞っているではないか。スモッグではない。タンポポの綿毛のようだがヤナギやポプラのタネだそうだ。街なかもものすごい。中国語で柳絮(リウシュウ)というらしい。昔から北京の風物詩だそうだ。北京の郊外は森に囲まれており道も広くて街路樹もたくさんある。私はこの景色をみるのは初めてなので感作されているはずはないのだが、涙と鼻水が止まらない。これこそ「病は気から」の典型か、あるいは花粉に対する防御反応がここぞとばかり発動したのだろう。ひどかったのは初日と2日目だけだった。
     29日会議が終わって夕方なつかしい人が尋ねて来てくれた。卒業生のA君である。九大の卒業生たちはきっと彼の消息を知りたがっているだろう。そういって写真をupすると言ったら絶対にやめてくれという。『人知れずひっそり生きていきたいのです』とのたまう。北京に3年もいたら中国語はペラペラだろうと言うと「からっきし」だそうで、Dr.Luが中国語で話しかけても全く解らないようだった。北京の街の広さ、建造物のすごさ、人口の多さ、科学研究への投資額をみているとこれからはどうみても中国の時代のように思える。会議の参加者も5年前に比べると中国の生命科学のレベルはかなり上がっていて欧米に近づいていると言っていた。「ここで中国語を学ばないでどうする。もう実験はいいから日本に帰るまでに中国語をマスターしておけ」とアドバイスしたのだが。。。来月には論文を投稿するというのでぜひよいところに通して凱旋帰国して欲しい。
食事の後天安門広場へ二人で行こうとしたが人が多くて途中であきらめた。天安門の壁がライトアップされていたので端のほうで写真をとった。この影でうちの卒業生なら誰かわかるだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-04-24 15:54:36 (1301 ヒット)

 老化マウスと若いマウスの血管をつなぐと老化した組織が若返ることから若い血液には『若返りを促進する物質があるはず』という話はかなり昔からある。しかし実際にその物質を単離して老化を防いだり「若返らせた」という話はそう多くはない。先週Natureのon-lineに出た論文はそういう意味ではかなり画期的な気がする。Wyss-Corayらのグループはヒト臍帯血を老齢マウスに注射すると神経刺激に対する応答や長期記憶応答が高まることを見出してその原因タンパク質ーGM-CSFとTIMP2を同定している。TIMP2を注射するだけで老齢マウスの学習や記憶が良くなっている。TIMP2はタンパク質分解酵素の阻害分子である。どういうメカニズムで記憶が改善するのかまだ不明だが、他に副作用がなければ物忘れが激しくなっている自分などすぐにでも試してみたい話ではあるし、すごく夢のある話のように思える。吸血鬼がいつまでも年をとらないのもこのせいか?ただ今回の研究では若い人の血ではなく臍帯血、つまり赤ちゃんの血ではあるが。。Wyss-Corayからは昔TGFβの量を測定する細胞をもらったことがあるのでよけいに目を引いた。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-04-23 14:02:46 (1468 ヒット)

 いくつになってもヒアリングの審査を受けるのは苦痛である。かなり緊張するほうで、その場もだが前日までの準備と練習のストレスが半端無い。毛が生えているように思われがちだが実はガラス製のハートの持ち主なので一週間くらい前から緊張が続いているのだ。島岡先生の著書に『Fear of public speakingは死の恐怖よりも強い』とあった。同感である。苦手な人がこれを克服するには練習しかない。
先週ある日の午前に某研究費のヒアリングがあった。これが通らないと路頭に迷う者も出てくるしそもそもラボが立ち行かなくなる。準備には最善を尽くし発表は時間通りに終わった。しかし質問には上手く答えられたかどうかわからない。質問者の意図がわからないこともある。基礎研究分野なのにヒトの病気や治療のことを聞かれると困る。「期待」は言うことができるが現実は難しいのでつい口ごもる。実際には共同研究体制を構築しないと臨床検体を手に入れることすら困難なので本来の研究以上にかなりのエネルギーがいる。FTY720の例をあげて「我々が基礎研究で得た成果を臨床の先生がたが応用してくれる、そんな普遍的な成果を挙げて発信したい」と言いたかったのだが伝わったかどうか。
それでも自分ではこれまでの結果と今後の展望をしっかり表現できたつもりなのであまり後悔していない。中間評価では10に1つくらいしかないA+だったのだ。よもや落ちることはないと思うが、落ちていたら、、「もう休んでよい」という先生がたからのメッセージと受け止めて本当に店仕舞の支度を始めるか。
お昼にラボに戻ったら夕方まで放心状態。エネルギーの消耗は激しい。早々と東京医大の先生に差し入れてもらった日本酒を開ける。一本は「獺祭」だった。これはいかん。止められない。3~4人で一升瓶2本を開けてしまった。それくらいヒアリングで緊張していたということだろう。いやただの吞ん兵衛?
でも控え室には高名な先生も複数いたな。やっぱりダメかもしれん。

ところで島岡先生の『走りながら考えよう』いや『行動しながら考えよう』は示唆に富む一冊だ。研究だけではなく人生のいろいろな場面で直面する困難にたち向うときも役に立ちそうだ。ぜひ電子化して欲しい。
このなかで特に気に入っているはKaji Akira先生の『実験の3原則』を取り上げていただいたこと。これは実は先生がお子さんが大学院生になった時に直伝されたことなので本当は門外不出の家伝だったのかもしれない。でもきっとKaji先生もご自身の秘伝が広く伝わって悪い気はしてないと信じたい。また『内向的であることを変える必要はない』『ネガティブな感情や情念は強い行動のドライバー』といった自分の為に書いてくださったのか(誰のこと?なんて言わない)と錯覚するような励ましの言葉が鏤められている。


 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-04-11 00:59:18 (2229 ヒット)

 長らくお待たせしました。七田君の論文がNature Medicineのon-lineに掲載された。JSTからプレスリリースも。結構専門的な内容だから新聞報道 はわからないが、これまであまり光が当たってこなかった『炎症の終息(あるいは収束)』に焦点をあてており、内容はかなり画期的と言える。
これまで脳梗塞数日間の炎症は梗塞領域を拡大させ神経症状を悪化させるとしてきた。しかし炎症はいずれ終息し組織修復に向かわないといけない。もしその仕組みがわかって終息を早めることができれば新しい画期的な治療法になるだろう。七田君は数年前に脳梗塞によって死んだ細胞から放出されるペルオキシレドキシン(PRX)が重要なマクロファージ活性化因子(DAMPs)であることを報告した。PRXのDAMPsとしての機能は次第に認知されるようになってきている。活性化されたマクロファージはIL-1βやIL-23を放出してγδT細胞からIL-17を誘導することで神経細胞死を早める。しかし3、4日もするとPRXを含むDAMPsは脳内から消えて行く。どうやらマクロファージの性質が変化してPRXなどの死んだ細胞成分(すなわちDAMPs)を食べて消化するらしい。また神経成長因子などを分泌して組織修復にも働く。マクロファージがDAMPsを認識し処理する機構はこれまで不明だった。
七田君は蛍光ラベルしたPRXがマクロファージに急速に取り込まれる性質を利用して、まず取り込むことができなくなった変異細胞を単離した。変異細胞と元の細胞を比較することで取り込みに関与する可能性のある遺伝子の候補がいくつか浮かび上がってきた。それらの遺伝子を一つ一つ変異細胞に戻すことで取り込みに重要な遺伝子を同定することができる。極めて難度が高く時間と手間がかかる方法だが七田君は見事にやりきって、細胞表面のスカベンジャー受容体(Msr1)がPRXやHMGB1などのDAMPsの受容体であること、スカベンジャー受容体の発現を規定するのがMafbという転写因子であることを突き止めた。
次にスカベンジャー受容体とMafbの遺伝子欠損マウスを手にいれて、細胞成分(DAMPs)の掃除がうまくいかずに炎症が長引き、脳梗塞症状も悪化することを示した。しかしこれでは治療にならない。Mafbの発現を上げられれば炎症は早く終息するだろう。七田君は色々調べて、ビタミンAの類縁化合物Am80がMafbの発現をあげて結果的にスカベンジャー受容体を増やす効果があることを示した。Am80は脳梗塞発症後に投与しても炎症の終息を早めて治療効果があることを示した。Am80はある種の白血病の治療薬としてすでに使われているのでヒトでも検証可能であろう。

マクロファージが死んだ細胞の成分を取り込むことを見出してから今日まで5年の歳月が過ぎている。実は仕事内容が3年でほぼ完成したのに論文にするのに2年かかっている。なかなか思うようにいかない時代になったものだ。私のようなせっかちな人間には辛い。マウスの入手でもそうだった。スカベンジャー受容体Msr1は東京大学の児玉先生が発見されたもので遺伝子欠損マウスも作成されていた。しかし手を尽くして調べたが国内で持っている人はほとんどなく、唯一某社の研究所で維持されていることを突き止めた。すぐに分与してくれと依頼したものの、社内手続きがどうのこうのと言われて2ヶ月くらい音沙汰なしだった。催促してもまだまだ時間がかかるという。もともと待てる性格ではない。つい頭に来て『そんならいらん』と断ってしまった。しかたない。海外からもらうしかない。文献を調べてスウェーデンのカロリンスカの研究者が持っていることを見つけてメールを書いたらすぐに送ってくれたのだった。ここでトラブっていたらどうなったことか。


 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-04-07 23:20:35 (1269 ヒット)

 4日に御苑で花見をする。毎年恒例にしてるのだが、年々「あと何回桜が見れるのか」と思うのか桜の季節がいとおしい。まだ満開には少し早い。つい夜桜見物にまで繰り出す。そんなに飲んだつもりがないのに家に帰ったらろれつがまわらなかったらしい。何故か「米がうまい」といって3杯も4杯も「ご飯だけ」おかわりしたらしい。全く記憶にございません。

テレビを見ていたらBSで内分泌代謝の伊藤教授が出ている。オメガ3脂肪酸を一日小さじ一杯とると普通に食べても痩せられるし、花粉症にもいいらしい。明日はもうオメガ3脂肪酸を多く含む○○油はスーパーから消えているだろうと、夜中にスーパーまで買い出しに出かけた。結構値段が張るので一大決心だ。はたして結果はどうだろうか。。

千鳥ヶ淵に出かけた。さすがに人気ナンバーワンらしく駅付近はすごい人手だったが皇居まで行くとだいぶゆったり見ることができた。

 

 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-04-01 11:59:34 (2457 ヒット)

通常4月1日に科研費の結果が開示され各自eRadで確認できる。今日は土曜日なので3日だろうと思っていたらラボの連中に聞くともうわかるという。私のはまだ下旬にならないとわからない。 通ったひとはエイプリルフールの冗談でないことを祈り(本物らしい)、落ちた人は『科研費落ちた。日本○ね!』と叫びたいことだろう。
と軽口をたたいていたらスタッフのひとりの科研費が落ちていた。絶対にいけると思っていたのに。。。やっぱり『日本○ね』と叫ぶか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-29 18:43:36 (954 ヒット)

 ○mobileとUQ-○○がiPhoneSEを売り出した。これら準大手は親会社と似た戦略で客を呼び込もうとしている。最初の1年はかなり割安だ。SEならSIMロック解除も可能なので2年後解約してさらに格安に乗り換えることも可能。音声も10分あるいは5分以内ならかけ放題。ネットのスピードも最速なのでかなり魅力的ではある。しかし相変わらず『1年目だけ割安、容量も倍、しかし実質2年縛りでかつ解約月でないと法外な違約金を払わされる』といった消費者を馬鹿にしたようなあこぎな商売をしている。日本を代表する企業(親会社のほう)がこういう「知識のない人たちを食い物にする」ような商売はいかがなものか。これまでぼったくられてきた人々を救いたい格安代行業者としては乗りたくない。いやポリシーとして2年縛り自動更新の会社には乗らない。
最近出たこの記事では ○mobileとUQ-○○のiPhoneSEは実質2万5円程度だと言う。いろいろな割引があるものの2年もすれば割高になるし、2年縛りの自動更新はやっぱりいただけない。せめて更新時期をメールで知らせるくらいはやるべきだろう。
AppleストアでiPhoneを下取りに出すときに気をつけた方が良いこと。担当者によって査定額が全く異なる。私の場合、電源が膨れているとか言われて下取りを拒否されたが、何処にも膨らんでいるようには見えない。納得できずに他の店員に見せたら問題ないという。ちゃんと教育されていない店員(どっちが、かはわからないが)がいるのかもしれない。私はApple教の信者なので少々のことは我慢するが、Appleストアの店員のレベルはまちまちのようだ。予想より安いと思ったら離れたところにいる店員か別のショップで見積もってもらったらいい。その上接客が杜撰なのも多い。外国人の店員に話しかけたら順番を待てという。そいつは別の店員とおじゃべりをして時間を潰しているだけ。Jobsも草葉の陰で泣いていることだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-25 12:24:06 (1093 ヒット)

 格安SIM移行代行業者よりひとこと。私は某○MM、娘はニクキュウで鳴らした某○○○TELを使っている。機種は同じiPhoneSE。使用開始当初は○○○TELは快適だった。しかし最近2つのスマホを同時に走らせて通信速度を比較したところ、○MMに比べて○○○TELは1.5倍の時間がかかった。耐えられない遅さではないものの、イラつくレベル。最近○○○TELの評判ははかばかしくないので要注意。もちろん個人の意見です。
やっぱり出ました。改善命令。しかもここの半額電話は海外経由のIP電話らしくて恐ろしく音が悪いらしい。
UQのCMがケバケバしい。『割と安いわよ。私たち払ってないけど』。払っているオヤジはむかつく。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-24 00:20:23 (1396 ヒット)

 NHKのニュースから。Natureの特集では『日本の科学研究はこの10年で失速し科学界のエリートとしての地位が脅かされている』としている。原因は科学への投資の停滞と非正規雇用の増加などとされている。しかし全部それで説明できるのだろうか。私が博士課程のころは研究費は今と比べると何処も多くはなかった。雇用環境にしても、学振もなく、学位をとってもオーバードクター(無給)でなかなか職はなく、状況は今より良かったとはとても思えない。しかしそのような時代にノーベル賞候補のリストに上がっている研究が生まれているので必ずしも投資だけ増やせばよいという問題ではなさそうな気がする。右肩あがりの時代の恩恵だったか。あるいは『窮すれば通ず』と言われるように困難な状況がバネとなって皆知恵を絞っていたからか。
この問題、研究者の間では結構話題になっていて、昨日も研究会で話に登った。日経バイオテクでも取り上げられていて『交付金を増やせ』だけでは能がない、と言われている。やはり知恵を絞れと言われているが、さてどんな方策があるのか。『貧すれば鈍す』ということわざもあるようだが。
大学教員が落ち着いて研究に専念できる時間が確保されていないからだ、というご意見があった。日頃会議漬けの自分には至極同感であるが、すでに萎縮している頭では時間をもらえてもよいアイデアで出てくるかは疑問だ。せめて若い人たちは研究に専念できる環境を与えるべきだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-21 18:39:26 (1267 ヒット)

 このところ土日が出張が続いたのでこの連休は少しのんびりした。というよりちょっと外出したら花粉症のせいか熱が出てぐったりしてしまって家に居ざるを得なかったのだ。快晴で行楽日和だというのに外に出る気がしない。年々ひどくなっているような気もする。
アメリカの科学予算が大変なことになっているらしい榎木先生の記事だ。NIHも20%カットだそうなのでこれから留学を予定している人は気をつけないとラボが閉鎖ということもあり得るだろう。実際にはこれまでも私の卒業生の何人かはそういう憂き目に会っている。この春から独立する卒業生はグラント取れるだろうか。一方でアメリカ以外の国は逆にアメリカを追い抜くチャンスかもしれない。日本は科学研究費を増やすくらいの意気込みがあってもいいのでは。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-15 13:42:02 (2252 ヒット)

 研究費がピンチである。というかアウトと言ってもよい。もちろん3月末に丁度使い切るくらいと踏んでいたのだが、3月早々にオーバーとなった。10日より新規発注停止を厳命したのに何故か納品書と伝票は絶え間なく来る。完全に目測を誤った。仕方が無いので虎の子の民間助成金を使う。まあ50万円程度の追加出費だろうと思っていたら100万円をすでに超えてしまいこちらも危い。計算ではなんとか支払えると安堵するも今日NCの論文の掲載料請求書が来た。オープンアクセス料がなんと66万円である(消費税は別途)。ぼったくりバーみたいなものだが足下を見られている研究者は泣き寝入りせざるを得ない。次々に負債が出てくる東芝みたいなものか。研究者の宿命とは言え泣けてくる。会計年度末の3月という微妙な時期にこれは痛い。立て替え払い可能だろうか。。。今出せる民間助成金を探しては書いている。来年度からは相当に厳しく財布のひもを締めないと財政破綻は確実である。

Cell姉妹紙のCell Reports も5000$(=60万円超)だ。ノーベル賞のSheckman博士がIFで判断するのはおかしいと始めたeLIFEはオープンアクセスなのに掲載料無料だそうだ。IFで比較するのは失礼ながらCell ReportsよりはeLIFEのほうがランクは上。こんないい雑誌があったのだ。次回はぜひeLIFEに出したい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-12 13:44:39 (1174 ヒット)

 この週末、大分市で開かれた第26回泌尿器科分子細胞研究会の特別講演に呼ばれて先週に引き続き大分空港を利用した。大分空港までは丁度富士山の真上を通るルートだった。タイミングよく富士山の火口の写真がとれた。だからどうということはないのだが、火口を直接見たのはこれが初めてでなんとなく嬉しい。
先週は別府で今回は大分市。近いようで車で30分ほどかかる。空港からは別府市を通って大分市に向かう。10日は懇親会だけ。少し時間があったので別府で車を止めてもらってサッと明礬温泉に浸かった。明礬温泉はイオウ臭があって白く濁っており温泉らしい温泉だ。露天風呂でなかなか気分がいい。
       講演は11日のお昼。腫瘍免疫の話をしてくれ、というのでSOCS1欠損TregとK君のiTscmの話をする。泌尿器の先生がたにはなじみが薄いと思ってデータはなるべく少なくして模式図を多用した。話の区切りごとに必ず小括を入れるようにした。終了後、多くの知り合いの先生から『よくわかった』とすこぶるよい評価をいただいた。『だてに何度も講演をこなしているわけではありませんから』と胸を張る。やはり「わかりやすさ」はすべて「準備」にかかっている。模式図をつくるのは手間がかかるし、イントロを厚くするために自分の話だけでなく最近の動向をいれようとすると当然文献をかなり調べないといけない。相当の時間をかけて直前まで手を入れた。もちろん老化T細胞を若返らせるのに『酸処理』を行なったが細胞が死んだだけだった、というくだりでは大いに笑いをとれた。
  講演には大分大学医学部の教授になった花田君と小林君、それに卒業生の神園君が来てくれた。神園君はもうすぐ大分市内で小児科を開業するらしい。花田君らに大分大学の新しいラボを見せてもらい、さらに大学近くに最近出来た温泉『おさるの湯』に連れていってもらった。高崎山の裏なので『お猿』なんだろう。残念ながら猿は一緒に入浴してくれないが。こちらは少し醤油色をしたモール泉でかつアルカリ性が強い。肌がすべすべになりそうでこれもなかなかよい。九州に住んでいた時は結構温泉三昧だったのだが最近はほとんど行ってない。また温泉好きの虫がうずいてきたか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-08 14:56:08 (1559 ヒット)

 昨晩は森田准教授、七田講師、O研究員、K研究員、および別の研究所ながら毎回セミナーに参加している佐伯君の送別会だった。『教室』なので卒業はつきものだが一度に5人も送り出すのは記憶に無い。森田君は国際医療福祉大学の教授、七田君は東京都医学総合研究所のグループリーダーとしてそれぞれ独立する。またO研究員は理化学研究所で二度目のポスドクをやる予定。K研究員と佐伯君は4月から留学だ。はなむけの言葉で『「子を持って知る親の恩」といわれる。きっと自分でラボを運営するようになって吉村先生の苦労とありがたみがわかるだろう』と言って笑いを誘った。もちろんいい仕事を出さないと「やっぱり吉村先生のラボだったから」と後ろ指をさされることになる。ぜひ頑張ってそうならないようになってほしい。
七田君は当教室に10年、森田君は7年半も在籍したことになる。色紙に貼るのに昔の写真を探して欲しいと言われて検索していたらいろいろとなつかしい写真が出て来て整理についつい時間をかけてしまった。まだまだ昔を懐かしんではいかんのだが。
飲み放題ということもあり日本酒をがんがん飲んでしまった。おちょこでは小さいのでグラスを頼んだら店のアルバイトの子がビール用のグラスを持って来た。よほど酒飲みと思われたらしい。朝、目が覚めるとお腹が重い。どうも家に帰ってスパゲッティを茹でて食ったらしい。らしいというのは作った記憶が無いから。領収書も見当たらない。久々に記憶を無くしたらしい。翌朝は外部で会議だった。偉い先生がたと名刺交換。酒臭いと思われたのではないか。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-06 10:31:53 (1177 ヒット)

 マイナンバー制度が始まって私も役場に出かけてカードを作成した。eTaxに使えて便利だと言う。ささやかながら雑所得や寄付があるので確定申告は欠かせない。昨年までは郵送でやっていた。しかし半日、いや10時間以上つぶして格闘したものの最後はICカードにパスワードロックがかかってあえなく轟沈。利用者識別番号まではなんとかこぎ着けたのだが、最後の送信で次々とエラーがでてそれを修復しようとして怒りに震えながら何度もパスワードをいれているうちにロックがかかってしまったのだ。ロックを解除するには区役所まで出向かないといけない。こんな複雑かつ不親切なシステムは初めてみた。完全に無駄になったICカードリーダーの購入費は必要経費でいいだろう。この開発費が500億円だという。どうやったらこんな複雑怪奇で難解なシステムを考え出せるのか?開発したひとの頭の中をみてみたい。
これまで入力したデータで郵送用の書類を印刷しようとして、どうしてもeTaxから郵送への切り替え方法がわからない。もしかして不可能?データもパー?もうサジを投げて税務局に電話した。割と親切に対応してくれて実際に画面を見ながら切り替え方法を説明してくれたのだが、説明されないと見つけることは困難だろう。最後に『よほどの知識が無いと電子証明は無理』とイヤミを言うと『貴重なご意見ありがとうございます。上に報告しておきます』。かなり訓練された人のようだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-03-05 20:47:32 (985 ヒット)

 この土日と別府で開かれた病因研究会に参加する。病院研究会ではない。もう第三回目だ。今回は会場が別府駅付近だったので駅の周りの市営温泉に挑戦した。このあたりはどこも100円だ。初日、少し早く着いたので『田の湯温泉』に入る。無味無臭だがかなり熱い。帰りはバスの時間までかなりの待ち時間があったので『海門寺温泉』に入る。こちらは施設が新しくきれいだった。熱い湯船とぬるい湯船があってなかなかよい(別府のお湯は結構熱い)。わずかに濁っているようで田の湯温泉よりもほんの少しアルカリ性が強いような気がする。ホテルはサンバレーという駅から北へ車で10分ほどのところにある。こちらの湯はさらにアルカリ性が強そうで(といっても熊本の菊池温泉ほどではない)すべすべ感がある。夜と朝と2度入ったので今回は2日で4回温泉に浸かったことになる。さすがにのぼせてしまいそうだ。
もちろん研究会は今回は招待講演が多くどれもハイレベルで非常に勉強になった。刺激的な講演ばかりで湯あたりで眠くなるなんてことはなかった。
ところで別府駅前になんだかシュールな像があることに気がついた。マントを翻してバンザイをしているおじさんに小さな鬼?がくっついている。これはかなりインパクトがある。別府を有名にした『ピカピカおじさん』こと油屋熊八というひとなんだそうだ。でも何で小鬼なんだろうか?子供が好きだったそうなので子供なのかもしれないが確かに小さなツノがある。地獄巡りとかけているのか?
市営温泉では若い西洋人が入れ替わりで入って来た。そういえば街には旅行者ではない若い外国人が目立つ。きっと立命館アジア太平洋大学の学生だろう。別府がなんかいい街に思えて来た。

 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-02-24 00:28:46 (3040 ヒット)

 K君は4年前に獣医学部を卒業して大学院に入って来た。当時『免疫リプログラミング』に取り憑かれていた私が彼に与えたテーマは『一旦活性化されたT細胞を若返らせて自己免疫疾患や癌の治療に役立つT細胞を創出しよう』というものだった。炎症部位に集まっているT細胞は抗原特異的に活性化されているはずである。このT細胞の分化をリセットしてナイーブ(未感作)状態に戻して制御性T細胞(Treg)に再分化させれば自己免疫疾患や炎症が関与するあらゆる疾患の究極的な治療法になるはずである。また腫瘍に集まっているT細胞は疲弊しているのでこれを若返らせてもう一度活性化できれば強い抗腫瘍効果が得られるだろう。この『若返り』(=リプログラミング)の方法として有名なのはiPS細胞である。iPSは「若返り」というよりも「生まれ変わり」というべきかもしれない。実際にiPSにしてTregにしようという試みもやったことがあったがCD4は上手くいかない。CD8であればすでに河本先生や中内先生がiPSからT細胞に分化させて抗腫瘍免疫に使う方法を発表されている。しかしiPSからT細胞を作るのは効率が悪く時間もかかる。やはり部分的な『若返り』が可能になれば大きな利点であるに違いない。ではどうやって若返りさせるのか?
K君はいろいろ試したがなかなかうまくいかない。3年前のあの日に私はメールでいくつか試みてみるべき方法を示した。その中には『酸処理してみろ!』というのもあったがやっぱり死んだだけだった。なぜかそのときに『ストローマ細胞と共培養してみろ』というのがあったらしい。iPSからT細胞を作るのに使うのと同じ方法である。K君はこの共培養で活性化T細胞の中に『ナイーブ』(未感作)の性質を示す細胞集団が現れることに気がついた。このナイーブ様のT細胞は当時少しずつ提唱されていた『幹細胞様メモリーT細胞』(Tscm)に近いものだったのだ。そこで試験管の中で誘導できるTscmということでinduced Tscm(iTscm)と名付けた。これまで試験管内で誘導するTscmはナイーブT細胞から作られたものでリプログラミングではない。K君の方法は一旦活性化されたT細胞から「分化を巻き戻して」作くれるところが大きな違いだ。iTscmはどの種類のT細胞よりも抗原によく応答して増殖し長寿命である。さっそく抗腫瘍効果を調べたところ他のどの細胞よりも抗腫瘍活性が強いことを確認した。ヒトでも作成可能だった。
あまりに衝撃的だったせいか論文はなかなか通してもらえなかった。投稿を始めたのは1年以上前からだった。メカニズムはまだわからないがヒトでいうと60歳の老兵を少なくとも30歳くらいは若返らせることに成功したのではないか?と言うとどこかで聞いた話か?と疑われるので詳細は論文を待ってほしい(ただ一応メモリー細胞なので、何にでもなれる15歳くらいまで若返らせているわけではない)。K君は地道に実験を繰り返しひとつずつTscmの条件を検定し見事に大発見を成し遂げた。ヒト腫瘍免疫への応用も十分期待できる。大学院生の仕事としては立派すぎる出来だと思う。私にとっても8年以上前からお題目のように吹き続けた『免疫リプログラミング』がひとつ完成したので感無量である。
 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-02-23 23:12:20 (1636 ヒット)

 24日金曜日はプレミアムフライデーである。そういえば『大学ももちろんそうですよね』と言っていた学生がいたが本当だろうか。4限目は休講?
それに合わせたのか本日0時に村上春樹の新作が発売されるとかでニュースで書店が映し出されていた。2人の店員がカーテンのような布を手を上げて支えて書棚を隠していた(しかもつま先立ちしないと届かない高さだ)。その前には2時間前から待っているというファンが座っている。いま(23日)10時だからあと2時間ああしてカーテンを支え続けるのかと思うとハルキ現象に感動すら覚える。私はアンチではなく無関心派なのだが、村上春樹の偉大さはアンチも気なって仕方がないところなのだそうだ。私が村上春樹を読んだのはまだ全然売れていない頃で、当時のちょと文化人を気取った青臭い大学生たちには全くうってつけの作品だった。『羊』までは20代の「僕たち」は確かに知られざるハルキストだったのだ。しかし人気が出るのと反比例して『ノルウェイの森』から皆アンチか無関心になった(ふりをしているのかも)。

今朝七田君から論文が正式にNMにacceptになったと連絡があった。喜ばしく嬉しいことだが私はあまりの待ち時間の長さに素直に喜べない。再reviseなのでresponseはたった一人のreviewerに対してのみである。その中身も大したことではない。どう考えても2週間で返事が来るものと思っていた。しかしなぜか1ヶ月してreviewerに送り返され2ヶ月後の12/29日に"in principle accept"の返事が来た。reviewerは一言OKと返事しただけなのに。それからeditorが手を入れた原稿が戻って来たのは1ヶ月後、図にも注文をつけられたりしたが正式なacceptはさらにその一月後ということになった。舐めるのもいい加減にせい、と言いたいが粘り強く待った七田君の忍耐力は相当なものだと思う。私なら途中で『もう取り下げてやる!』と言っていたことだろう(別の雑誌だがあまりにreviewが遅いので実際にそうしたこともある)。内容については後日紹介したい。

もう一つ嬉しいニュースは大学院生のK君の論文がNCにこちらは”in principle accept"をもらえたこと。こちらもreviseを送って一月放置プレイ。メールが来たときに”acceptか!”と期待して見たら"reviewerに送った”という知らせ。これでブチ切れて10日ごとに『まだreviewerから返事は来ないのか?』と催促し続けた。おそらくNグループは最近拡張路線なので人手が足りないのだろう。こちらがせっつかなければ放置されるだけ。こんな雑誌をありがたがるのはもう止めるべきなんだが。
 


 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-02-21 12:00:02 (1673 ヒット)

 20-Feb-2017
Dear Dr.Yoshimura:
I am pleased to inform you that your manuscript INTIMM-16-0126.R1 is accepted for publication in International Immunology.
acceptのメールをもらったのは本当に久しぶりのような気がする。Kさんは大学院に入学したものの出産育児で一時離脱し、3年生として入り直して研究を行っていた。今も昔も子育てと研究の両立は難しいものだがなんとかやりくりして最後までやり遂げたところは立派だ。
タイトルは"Role of scavenger receptors as damage-associated molecular pattern receptors in Toll-like receptor activation"
本論文ではDAMPsとして有名なHMGB1をとりあげている。昔からHMGB1のようなDAMPsはTLR4を活性化することは知られていたがDAMPsとTLR4の結合力は非常に弱い。何か別の副受容体(co-receptor)の存在が示唆されていた。七田君がDAMPsの受容体としてスカベンジャー受容体を発見していたのでこれがco-receptorとして働くという仮説を考えた。材料は揃っているので1年もかからずにすぐにまとまるだろうと考えていた。しかしそう簡単に絵に描いたようにはいかなかった。まず培養マクロファージ細胞でHMGB1がスカベンジャー受容体のMsr1で取り込まれること、Msr1がないとHMGB1によるサイトカイン産生が低下することからMsr1がHMGB1とTLR4を結ぶco-receptorの役割を果たしていることが示唆された。極めてきれいな話ですぐに終わると思ったのだが苦難はここから始まった。Msr1欠損マウス由来のマクロファージでは取り込みは変らずにサイトカインはむしろ上がったのだ。スカベンジャー受容体はたくさんあるので個体では本当に重要な受容体は別にあるか、あるいは他のスカベンジャー受容体群に補償されるのだろう。結局その個体で重要な受容体は同定出来ず、M-BSAという普遍的な阻害剤を用いるしか方法が無かった。昔からスカベンジャー受容体と炎症については正反対の論文が出されたりして議論が分かれていた。Kさんは個体での応答を丁寧にみることで炎症性のM1マクロファージではスカベンジャー受容体はHMGB1を取り込むときにTLRのco-receptorとして働くが、M2マクロファージではもっぱらHMGB1を取り込み分解する本来の掃除役としてのみ働くことを見つけたのだった。しかしM1とM2で、どのような仕組みで機能的な差が出るのかまでは明らかにできなかった。次の目標になるだろう。しかし不運だったのはHMGB1の受容体がSCARA5というスカベンジャー受容体であることがJ.Immunol.に昨年出されてしまったこと。これでJIクラスは無理かと思ってIIにしたのだが、雑誌のIFで内容は測れない。M1/M2でスカベンジャー受容体の機能が異なるというのは極めて新しくて面白い発見で胸をはってよいと思う。

Reviewerのコメントが返ってきから2ヶ月あまり。コメントは的確で、ウエスタンブロッテイングでscavenger受容体のあるなしでシグナルの差をみろというものだった。このため彼女は毎日ウエスタンばかりすることになったが、まだまだ基本が出来てないから簡単な実験でもつまずいてばかり。『一芸は百芸に通ず』あるいは『一芸は道に通ず』と言われる。ウエスタンの奥義を極めれば必ずどんな新しい技術も科学も苦労無く身につけられることだろう。そういって励ましたのだがプロフェッショナルになるのはもう少し先かな。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-02-17 15:46:38 (1496 ヒット)

 実は密かに『カンブリア宮殿』をよく見ている。成功した経営者のありがたい話を聞いてすこしでもあやかりたい。通勤の合間に動画で見ることが多い。昨日はひふみ投信のカリスマファンドマネージャー藤野英人氏が出て来た。自分の足と眼で投資する企業を見極めるのだそうだ。そのなかで、あなたにも見分けられる「こんな会社は成長しない!」というのがあった。①晴れなのに傘立てがかさだらけ。②社内では靴を脱いでスリッパに履き替える。③社長が自伝を手渡しする。うッ、なんとうちは①②はそのまんまではないか。もしかしたら③も自伝は無いがついつい昔の自慢話ばかりしているかもしれない。これはいかん。せめて傘立てくらい整理しないと。。。②は実験室なので仕方ない面はある。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-02-08 09:31:18 (1566 ヒット)

 ニュースで『脳動脈瘤、薬の治療に道 京大、炎症の仕組み解明』と大々的に宣伝されていた。原著はこちら。ラットやマウスを使った脳動脈瘤のモデルで、プロスタグランジンE2(PGE2)の受容体のうちEP2を阻害すると炎症が収まり発症や症状が改善されるというもの。京都大学の成宮先生、青木先生らのお仕事。マクロファージにおいてPGE2とTNFαが相乗的に働きCCL2というケモカインを分泌させてマクロファージをさらに集積させるらしい。一旦膨らんだ動脈瘤は薬では縮む可能性はないと言われていたらしいが、マクロファージのコントロールで少なくともさらに大きくなるのを防ぐことはできるのかもしれない。でも破裂する前の炎症を引き起こす最初のトリガーは何だろうか?少し前に岡山大学の西堀先生らから、くも膜下出血の場合は組織からのHMGB1がマクロファージの活性化に重要で、HMGB1の中和抗体が有効と言う報告もあった。この場合は破裂した後でHMGB1が大量に放出されてマクロファージが活性化されるのは理解しやすい。感染以外で動脈瘤で炎症が起きる最初の原因はまだはっきりしないようだ。
どうやってマウスやラットに脳動脈瘤をつくるのか調べてみたらいくつか方法はあるらしいが総頸動脈を結紮して高塩分食にして高血圧にするなどかなり緻密な作業が必要らしい。脳梗塞モデルもかなり難しいがこちらも難度が高そうだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-02-03 22:51:07 (1509 ヒット)

 助教講師の募集をはじめて1週間。はじめはゼロかと思ったが意外と多くのかたから応募があった。ちょっと型破りだったのがよかったか。ショウジョウバエのかたやゼブラフィッシュのかたもいる。どれも面白そうで資金が許せばぜひ一緒にやりたいテーマばかりだ。しかし6月の実習には間に合うように選ばないといけない。これは極めて難しい判断だ。

研究員の実験が複雑なことになってどう収束させてよいかわからなくなっている。今日も研究員とdiscussionして途方にくれる。自然は複雑で簡単な仮説で説明することが難しいことは多い。しかし簡単な説明ほど美しい(正しい)。これを『オッカムのカミソリ』という。実際には『ある事象を説明するのに必要以上に多くを仮定すべきではない』という格言だそうだ。そう言って彼にひとつの仮説を推すと、『その仮説では説明できない』とにべもなく否定された。

なぜ『オッカムのカミソリ』が思い浮かんだかというと、最近Gaoで無料でやっている『コンタクト』を観たから。1997年の作だから20年ぶりにみたことになる。そのなかで『オッカムのカミソリ』が数回出てくるのだ。20年前には全く気に留めなかったことが何故か心に残った。
ジョディー・フォスターの相手の神学者を務めているのがマシュー・マコノヒーという俳優(当時はイケメン)でやはり宇宙をテーマにしたSF大作『インターステラー』で主役(今はオジサン)を演じている。「インターステラー」は海外出張の飛行機の中で必ず観るのでもう何度みたかわからない。なぜそんなに引きつけられるのか?「コンタクト」をみて理由がわかった。結局どちらも父と娘の物語なんだ。「コンタクト」は娘が『インターステラー』は父親が主人公になっている。


  
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