投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-22 11:04:59 (2460 ヒット)

 東海大学医学部でセミナーをさせていただいた。腸内細菌とiTreg、Th17の話。イントロを便移植の話を交えて面白くしたつもりだったが、盛りだくさんだったせいか難しかったらしい。懇親会で新ネタを披露した。『大学を定年になったら便移植の会社をつくりたいと思ってます。まさにベンチャーでしょ。』周囲の温度が3度くらい下がったようだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-20 09:57:04 (2984 ヒット)

これはすごい。Yahooニュースにでていた。でもどうやって理科大は経営していくんだろう?やはり博士課程進学者の減少に危機感をいだいたのだろうか。今後大学院博士課程進学者は多くは理科大に流れるかもしれない。うちは廃業か?当教室もいろいろ工夫して『実質ゼロ円』プラスアルファつきなんだが皆知らない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-13 08:04:13 (3449 ヒット)

 数日前にある若者がラボ見学に来た。明確な目標があって、一般には入手できそうにないある動物の免疫系の研究がしたいという。また将来はその分野で教授をめざしたいと。しかし学費が無く博士課程進学は難しいそうだ。そういう明確な目標があって進学を希望する人は少ないかもしれない。うちでは特殊な動物の研究は無理だが話を聞いてなんとか応援できないものかと考えた。そこでOIST(沖縄大学院大学)を薦めた。ここなら学費はタダ。宿舎もついており奨学金が支給されるので生活費の心配もいらない。しかも研究施設も指導者も超一流だ。真剣に学びたいひとにとってこんな理想的な話はない。競争率等詳しいことは知らないが経済的な理由で進学を躊躇しているひとはぜひ検討してみるといいだろう。それにしてもそんなOISTはうらやましい。多くの大学人は彼我の差に嘆息しているのではないだろか。いやいや他所をうらやんではいけない。『ボロは着てても心は錦』(それしか言えんのか?)。
もちろん例え進学できたとしても希望する研究ができるとは限らない。博士課程の間は一人前になるためのトレーニングだと思えば少々テーマは違ってもやりきれるのではないだろうか。

なお調べると『ボロは着てても心は錦』は老子の『被褐懐玉』から来ているそうだ。この場合は身なりは粗末であるが本当は宝(才能)を持っているという意味らしい。私は『負け惜しみ』や『発憤興起』の意味で使っていて、残念ながら『実は宝を持っている』なんてことはない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-12 13:29:44 (2578 ヒット)

 ブルトン型チロシンキナーゼはNLRP3インフラマソーム活性化に不可欠であり虚血性脳損傷に関与する
http://www.natureasia.com/ja-jp/ncomms/abstracts/66616
 Nature Communications日本語メールマガジンやNature Japanのソーシャルメディアでプロモーションされるそうです。

Nature Communications に掲載された日本からの論文で、特に注目度の高い研究成果のアブストラクトを、毎月日本語に翻訳しているらしい。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-06 12:44:52 (2941 ヒット)

 来春就職をめざす学生にとっては正式には8月から面接解禁である。当教室でも来春卒業予定のPhDの学生が二人いるが、両名とも早々に内定をいただいた。まことにめでたいことである。ただ職活に関しては私は何もしていないので本人らの努力のたまものである。当教室ではアカデミアを目ざす学生も企業の研究職をめざす学生も分け隔てなく指導している。博士課程の目的は研究者の養成であって研究の基本に企業もアカデミアも関係ない。真面目にコツコツ頑張れば必ず報われる。卒業までにしっかりした論文を出していれば企業の研究職でも高く評価してもらえる。やっぱり真面目に真摯に、が一番だ。


しかし全国的に博士課程への進学者は減少の一途をたどっている。当教室でも昨年はゼロ。今年もPhDの希望者はゼロ。わざわざ東大駒場まで3日も講義に行ったのに反応ゼロ。もちろん『ゼロでもやります!』なんだが(何をやるの?)。前期の入学応募締め切りは8/7、今週末までである。博士課程は後期募集もある。こちらは11/30〜12/4。

大学院への進学者がいないとぼやくと決まって『それは先生のところが厳しすぎるからでしょう』と言われる。20年前はともかく今はスポコン(=スパルタ)育成はしていない(つもり)。甲子園の高校野球だって昔と今では鍛錬方法は随分違っている。それよりも「博士課程に進学してもろくなことはない」という誤った認識が広まったせいではないか?なかには進学を「人生捨てるか?」なんて言う者もいる。もちろんちゃんと勉強も実験も必要なので遊んでいて学位が取れるわけではない。高いプロ意識と勤勉さが要求され、厳しいのは何処も同じだろう。でも真面目に頑張ればそれだけの価値がある、というのは当教室の卒業生が証明してくれていると思う。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-04 16:10:47 (4160 ヒット)

 昨日慶應医学賞の審査会だった。ノミネートされている方々の業績をみると我彼の差に呆然となる。外部審査委員の旧知の先生と雑談をしていて自分たちの時代は遺伝子のクローニングとノックアウトマウスの解析で(私のように大した頭がなくても)生き延びてこれたがこれからの若い人はどうするんだろう?といった話になった。たぶんいつの時代も新しい技術が次々と生まれ、若い人はそれに慣れて使いこなし、いきおい年寄りはついていけないと嘆くことになるのだろう。そしたらS先生がイスラエルの話をしてくれた。イスラエルでは徴兵制がありおおよそ男は3年、女は2年の軍隊経験が義務づけらている。ここで優秀な人間は兵務の実践ではなくコンピュータを徹底的に教育させられるのだそうだ。今やドローンを使って画面上で攻撃する時代なのでコンピュータの開発は軍事に欠かせない。そうやってIT教育を受けた若者は除隊後プログラマーになったりIT企業を興したりする。生命科学の分野ではバイオインフォマテッシャンとなり、いわゆるドライ系の研究を行う。今やイスラエルではウエットの実験をする若者のほうが足りないと言う。
少なくともゲノム情報やビッグデータが今後の生命科学の研究手法や方向を変えることは間違いないだろう。当教室でもゲノムワイドのメチル化解析などやりたいのだが、到底自分では出来ず共同研究ということになる。シークエンス代は出しますからと言っても人員が割けないと言われて断られたりする。日本でドライが出来る人はまだまだ不足している。
でもそのうちもっと恐ろしい時代が来るような気がする。科学的発見のアルゴリズムをきちんと書き出すことができればビッグデータを背景にAI(Artificial Inteligence)がものすごい大発見を次々に出してくれるのではないか?科学は論理的なだけに人文社会学分野よりも先にAIが人間を凌駕するだろう。人間はAIが出してくれた仮説を検証する役目を担うだけになるかもしれない。昔子供のころに『地球爆破作戦』(1970)という映画があった。なかに自我を持ったスーパーコンピュータ(当然テープ式の旧型のものだったが)が何分かごとにノーベル賞級の発見を次々に導き出したというような表現があった。それが現実になるかもしれない。人間と会話したり東大入試を解くAIの話を聞くとそんな時代はもうすぐそこまで来ているように思える(少なくともすでに私よりは優秀そうだ)。そんな時代を生命科学者、いや一般の理系人間はどう生きればいいのだろうか?全く想像もつかない。スポーツや音楽や文芸をやったほうがいいのかもしれない。国立大学では文系をなくすなどど言われているが後で後悔することになるかも?


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-08-04 15:45:56 (2313 ヒット)

 春にUCSDの学生からsummer studentとしてしばらくラボで実験をさせてくれないかと頼まれた。本日彼女がやって来た。正確には6月にUCSDを卒業しているので学生ではない。来年アメリカの医学部入学を目ざしたいということで、ラボ経験は大いにプラス評点になるらしい。もちろん入学試験もあるそうだ。親が日本人なので日本語はだいたい聞き取れるようだ。お昼に蕎麦を食べに連れていってメニューを翻訳して説明していると漢字が読めるという。え?よくよく話を聞くと中学卒業まで日本に居たそうだ。なーんだ。苦労して英語で説明する必要はなかったか。しかしそれでは学生らには英語のトレーニングにならない。中学まで日本に住んでいたことは内緒にしたかったがその情報はすぐにばれてしまった。セミナー、ジャーナル紹介はできるだけ英語にしたい。サンディエゴはカーディガンが必要なくらい涼しいそうだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-24 14:55:43 (3041 ヒット)

 午前中は腸内細菌と免疫の話。便移植(要するに他人のウンチを自分の腸内に入れること。食べるわけではないので安心を)のところでは盛り上がった。『君ら東大生の便を移植したら頭が良くなるに違いない』。ちょっとだけ受けた。こんな真面目な学生たちの便ならきっと『真面目』が移植できるに違いない。これからは『爪のアカを煎じて飲ませる』から『便をもらって飲ませる(or 移植する)』という言い回しに置き換わるかもしれない(どちらもオェ〜はかわらんか)。
もし個体レベルでの研究がしたければ、あるいは修士課程と違うことがしたくなったらぜひ博士課程はうちに来て欲しい。途中で出向と言う手もあるだろう。
写真は関係ないが構内で見つけたコンテストの看板。
大阪に行くために電車に乗るとものすごい暑さだ。汗が吹き出る。今年は普段の夏よりもずっと暑いのではないか。大阪も東京に負けずに暑い。
出張から戻ったらやっぱり東京の方が暑かった。昼間滅多に外に出ないせいかこたえる。それでも怒濤のような7月が終わった。しばらく論文書き等デスクワークに集中できる。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-24 08:03:32 (2973 ヒット)

 昨日は4コマやりきった。足がつりそうになる。担当の先生の教室のひとたちと食事に行ったはよいが家に帰ったら疲れてそのまま寝てしまった。東大生は信じられないくらいまじめだ。2日目が1日目に比べて減っているということはなかった。最後まで聞いていられるというのはすごい忍耐力、いやもとい集中力だ。
担当の先生に『話を盛るな』とお叱りをうけた。昨日のプロミスのネタは本当は、私『ゼロでもやります』私『お前はやっぱりプロミスか!』。私は自分で言って自分で悦に入っていたのだった。しかし書くとなるとそれでは小話にならない。ギャグのネタにある程度手をいれることは必要だというと『捏造はいかん』。『そもそも何で面白いことを書こうとするのか?』私『退職したら吉本のライターになりたいと思っています』ただし今のところ場を凍り付かせるオヤジギャクがせきのやまではあるが。皆さんにラボで起きた『面白ネタ』ぜひ知らせていただきたい。

以前NHKの天気予報のおじさんが番組内で本当に言っていたオヤジギャク。私は傑作だと思うが。『中国から黄砂が来ています。窓を閉めても細かい砂は入ってくるのでこまめに掃いて下さい。ところで何回はいたらいいか知っていますか?』アナウンサーのお姉さん『さあ?』おじさん『3回です。』『え?』『砂はサンドでしょう。』アナウンサー『う〜ん(返答に困っている)』。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-22 18:11:13 (2534 ヒット)

 朝10:15から講義がスタートするというので10時くらいに講義にいく。10:15になってもひとりしか学生がいない。担当の先生『夏休みだし暑いので皆学校に来ないのかもしれない、、、』私『ゼロでもやります』担当の先生『お前はやっぱりプロミスか!』(わかるひとにしかわからんだろうな。。。)
どうもおかしいと思ったら連絡間違いで講義は10:25スタート。おいおい心配させるなよ。直前には20名ほど集まってくれた。景気よくスタートしたが午後から息切れした。結局修士博士の学生は4:30から画像処理のセミナーがあるとかで午後は4:30少し前に終了。やっぱり喉はかれ立っているのも辛くなった。体力の限界か。。



投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-22 08:43:38 (15144 ヒット)

 試験に関節リウマチは何型か?という質問を出して答えをIV型としたら学生からIII型ではないかと質問を受けた。アレルギーの4分類はGellとCoombが1963年に言い出したものなのでもう50年以上の歴史がある。もともと過敏症の分類に使われたもので確かにIgEに依存するI型や抗原抗体複合体の沈着によって起きるIII型などわかりやすい。IV型は主にT細胞によって起きる遅延型過敏症DTHやI型糖尿病などのT細胞依存性の自己免疫疾患が含まれる。関節リウマチはCD4陽性T細胞依存性の自己免疫疾患なのでアレルギーの4分類ではIV型と講義では教えているし私の使っている教科書『免疫生物学』『エッセンシャル免疫学』でもIV型と書いてある。しかし世の中には関節リウマチ=膠原病、すなわちIII型と書いていあるものも多い。実際に治療にはCD20抗体(リツキサン)が奏功するのでB細胞や抗体の関与は確かだ。一方でアバタセプトも効果がありT細胞の活性化が必要であることも事実であろう。B細胞からの高親和性の抗体産生にT細胞のヘルプが必要なので当然とも言える。SLEのように病状がどの原因からくるのか、で分類すればよいのだろうが、それでも複合型の『関節リウマチ』は難しい。講義でも機械的に分類するのではなく病因病態を理解することが重要と教えている。

といっても国家試験に出るとなるとはっきりさせたほうがよいか。。。専門家でも意見がわかれるので最近は出てないいんじゃないかと思うのだが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-21 20:52:02 (2488 ヒット)

 学会に行くために外に出たら猛烈な暑さだった。21,22日と虎ノ門ヒルズで日本炎症再生学会が開かれている。仮にも『ヒルズ』である。すごく立派なビルだ。昨年できたばかりでトイレもピカピカである。懇親会は51階のホールで景色がすばらしかった。遠くに富士山もくっきり見える。私は評議員会とポスター発表の座長のために午前の遅くから参加した。さすがは会長の坪田先生。ゴージャス感漂う学会だった。
小野薬品のG君という清野研の出身者が声をかけてくれた。何か共同研究できたらうれしいという。小野薬品と言えばPD1抗体のオブシーボで増収増益かと思ったらまだ認可されたのはメラノーマだけで治験中も多く、そうでもないという。研究費は望めないが、株価は上昇中らしい。
明日から東大集中講義4コマX3日である。しかも今年から一コマ90分ではなく105分だという。昨年に続き気力体力の限界に挑戦である。。。つきあう学生も同じくだろうが、まあ彼らは若い。こちらは学会やら講義やら7月は落ち着いてデスクに座る暇もない。このまま脳血管障害で倒れても全然おかしくない。

脳梗塞で寝たきりになるより心筋梗塞のほうがいい、と言うと循環器の先生『死ぬほど痛いらしいですよ』。

ある単身赴任者が離れてくらす女房に『心筋梗塞の一番のリスクファクター知っているか?』『さあ?』『男の一人暮らしだって』女房『それじゃもうひとつ生命保険かけなくっちゃ』非婚化が進むのもうなずける。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-19 09:22:32 (2648 ヒット)

 医化学の南嶋先生、シンシナティから学会のために帰国した佐々木君らを中心にいざよい会Japan東京夏の陣と題して研究紹介と飲み会が行われた。10名ほどの参加にしてはおおげさすぎるタイトルだが若い人たちと知り合いになれてよかった。多くはボストンに留学していた連中だ。我々の世代にはボストン会という親睦会があるいが若い人は少ない。次回の会では合同にしてはどうだろうか。佐々木君が研究者が独立するための秘訣?を『巨人の星』の絵を使って面白おかしく紹介してくれた。まずは星一徹(私のことらしい)のような厳しい師匠のもとで星飛雄馬のごとく養成ギブスをつけて鍛えられる必要がある。しかしそれだけでは不十分で大リーグボールのような『魔球』が必要だという。いつもは大コケの佐々木プレゼンだがこれはすばらしく的を得ている。インタビューの時に独自のテーマや大きくなりそうな種を示す事ができたらそれは強力だろう。星一徹ならばいつか「ちゃぶ台がえし」してみたいものである。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-18 08:13:30 (2428 ヒット)

 金土と日本インターフェロンサイトカイン学会。東工大は初めてである。立派なホールが大岡山駅の目の前にある。田川先生が会長で、彼のラボのシンポルマークが『タガワクワガタ』。右から読んでも左から読んでも『タガワクワガタ』。受付で参加費を払おうとすると、受付嬢「当日参加いくらだっけ?」と要旨集を開いていた。手作り感満載の会だった。この学会は参加者が減っている。一応評議員なのでちょっと心配だ。
自分の発表は久しぶりのTreg。前日の失敗からつけ込み過ぎはやめてTGFβの部分は削除。NR4aのみ話す。質問で『変異Treg』は『野生型Treg』で抑制されるのはどうしてか?cell-autonomousとは言えないのではないか?と聞かれた。言われてみればその通りだ。しかしX染色体のFoxp3の片方に変異があっても通常は平気である。つまりFoxp3のないTreg?ですら野生型Tregで抑制される。それくらい野生型Tregは強力なんだろう。
宮島先生は肝臓の再生についての講演。きっかけは私がクローニングしたオンコスタチンMだった、と言って、昔のHPに掲載していた『DNAX研修の思い出』の文章を披露して下さった。昔は『遺伝子ハンティング』だけで生きて行けてよかった。『DNAX研修の思い出』はそのうち復活させます。-->復活させました!
このところ出張、外出ばかりで締め切りの迫っている(あるいは過ぎている)仕事や論文が溜まっている。なんとかしなければ。
ニューホライズンからの冥王星の鮮明な映像。9年以上宇宙を旅して到達した。これはすごいことだ。

DNAX研修の思いで、を再度掲載するにあたって、読み返していたら鹿児島を去った日のことを思い出した。当時私たちはNTTの官舎の近くに家を借りて住んでいた。小さな子供が多く、うちの子供らもよく一緒に遊んでもらっていた。鹿児島を去る日、車に家財道具を積んで借家をあとにした。その友達だった小さな子供たちが走って車のあとをいつまでも追ってくれた。このときの光景を今でもよく思い出す。鹿児島って本当にいい町だった。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-16 23:22:52 (3186 ヒット)

 またまた腸内細菌である(腫瘍免疫じゃないんかい?!)。横浜での生物製剤治療研究会に呼ばれて講演を行った。何か新しい話題を提供したいと考えて腸内細菌とTh17とTregの話をする。調べてみるとリウマチと腸内細菌の研究は古い歴史がある。愛知医科大学の斎木(あおき)先生が1996年にリウマチ患者では大腸菌に対する抗体が健常人よい高く、リウマチと腸内細菌に何らかの関係があることを報告した。現在の腸内細菌ブームのはるか前の話である。最近でも、大阪大学の前田先生はリウマチ患者と健常人では腸内細菌叢が異なり治療により変化することを報告している。関節炎マウスモデルでも腸内細菌と症状に強い関連があることが多数報告されている。そこで腸内細菌とT細胞の話である。本田先生や坂口先生もすでにこの会で話されたと言う。台風で開催すら危ぶまれたがこれまで以上に聴衆が来てくれたそうだ。大いに食いついてくれるものと期待してかなり微に入り細に入り話をした。準備もかなりの時間を費やしたので自分としては「面白いはず」と自信を持っていた。講演が終わっていつものように座長の先生が「質問は?」と見渡す。し〜ん。しばらく気まずい沈黙の時間が流れる。やっちまったか?座長の先生が申し訳なさそうに2、3の質問をして下さった。あとで若い人と話すと『難しかった』。『最後のまとめのスライドだけ理解できた』。う〜ん、分子や転写の話はやめておけばよかった。詰め込みすぎた。かなりへこむ。慶應を今年卒業して労災病院で研修している医師もかけつけてくれたし、神奈川県の膠原病関連の先生と知己になれたのでよしとしよう。

明日はインターフェロンサイトカイン学会だ。今日のことは忘れて明日に備えよう。しかし明日こそ大雨で誰も来ないかもしれん。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-16 14:47:29 (2654 ヒット)

 免疫学の採点が終わった。思った以上に出来ていた。ただ30名ほどは基準に満たない。そこで中間試験の結果と実習レポート点を加えてみたところ、20名ほどは再度勉強してもらう必要があると判断した。中間は悪いが本試が出来ている学生も多くよく頑張ったんだとほめてあげたい。中に中間はほぼ満点近いのに本試験が半分に満たない者がいる。そういうのに限って実習レポートも杜撰である。中間試験の時だけ神懸かり的によくできたということだろうがこれをどう取り扱うか苦慮する。またはじめから捨てたとしか思えない連中も数名いる。彼らは写本して心を入れ替えてもらうしかない。ほとんど講義に出席していない者は2つに分かれる。ものすごくよくできるか全く駄目か。講義など聞かなくても出来る者もいるが、そうでない学生ははやり講義に出たほうが成績が良い、ということのように思える。
問題はちゃんと講義に出ているが成績が振るわない者だ。私の役目は彼らをなんとかすることだろう。
武士の情けだ。レポート300枚を200枚に、200枚を100枚に減免した。

『200枚の者は『エッセンシャル免疫学』程度の教科書を要約して全部書き写す。また自分の興味のある免疫現象および免疫疾患について8つ以上調べてレポートする。さらにこれらの勉強で解らなかった疑問を最低3つ書き出し自分なりに調べてみること。口頭試問ではこれらについてDiscussionする。』
とした。夏休みは免疫三昧で勉強して欲しい。解らなかったことを解るようにすることが目標。『吉村は嫌いでも免疫学は嫌いにならないで』。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-15 13:15:34 (2599 ヒット)

 微生物学の試験はおおむねよくできていたが30問以上間違っていたものに答案を返してやり直させて再提出させることにした。ところが学生らがやってきて『自分の答えはあっている!』という。人間のやることだ。模範解答がずれたりして本来正解を間違いにして間違いを正解にすることもないわけではない。さっそく調べると彼らの言う通りで、何故か91番から96番にミスがある。生来のザル人間である。5,6点低く見積もられてやり直しをさせられた学生には申し訳ないが、『自分の勉強になった』と思って大目にみてくれ。なお40番、致死性のリンパ球増殖性疾患はEBウイルスであり解答は7である。なぜかこれも間違っていた。91番はクロストリジウムとバクテリオロイデスは偏性嫌気性なので1と3が正解。問題を修正するのを忘れたらしい。

ただ阿部先生の問題の71番はIV型ではないかと言って来た学生がいたがよく調べるとやっぱりVI型が正解。『コレラ菌は他のグラム陰性菌の細胞壁(ペリプラズム)に,VI型分泌装置を用いてVgrG-3を注入してペプチドグリカンを加水分解する。』これは私が正しい。

とはいえ褒められたものではない。教授としては学生に間違いを指摘されては恥ずかしい。ザルは一生治らないので常に他の先生にチェックをお願いするようにしなければ。今回模範解答まで見直さなかったのがよくなかった。まあ私のミスで『不合格』となった者はいないのでそれは安心して欲しい。再度見直ししたら皆5~6点あがっていたので喜んでよい。

つらつら考えていたのだが、やはり私に教育にかける時間が足りないのが一番いけなんいんだな。問題はつくっても、解答をつくる(検証する)時間を十分確保できていない。出張続きですべてに余裕がない。でもそうしないと干上がる。ジレンマだがそこをやりきるのが日本の教授
の宿命というものだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-13 22:41:42 (4984 ヒット)

 稲葉真弓さんに初めて会ったのは確か久留米大学の時代である。私の異動に伴って2000年に九州大学大学院に入学、2003年に医科研に移り2004年に学位を取得している。その後も医科研の中内先生のところでポスドクをした後にアメリカの山下先生のところに留学、それからもう随分長くミシガン大学にいるのではないだろうか。彼女の論文がNatureに掲載されていた。分野違いのため原著は難しいが、新着論文レビューでも紹介されている。幹細胞の不等分裂のメカニズムの発見のようだ。これ以外にも稲葉さんは山下研で多数の優れた論文を出している。いよいよアメリカで独立を、と考えているようだ。

稲葉さんも普通の物差しではとらえられない大人物だった。たいした紹介状もなくアメリカに渡った野口英世みたいに、確か山下先生のところへは押し掛けるようにして行って熱意で雇ってもらったのだった。九大での学位の研究はSTAP-2-KOマウスの作成から解析まで、ひとりで全部やったすごい仕事だった。ところが九大の学位の公聴会では発表が極めて杜撰で審査をやり直させられた。前代未聞のことだった。学位審査の時はすでに医科研に移っており練習が十分できなかったし、優秀な彼女なら何の問題もないはず、とたかをくくっていた私のせいでもある。しかししどろもどろ、途中で舞い上がってしまったのかレーザーポインターを振り回したので審査の教授がよけまわっていたのを今でも思い出す。それがこんなに立派な研究者になって、嬉し涙が出てくる。ぜひアメリカで独立して欲しいものだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-13 19:52:28 (3532 ヒット)

 今日は免疫学の本試験。まだ数名しかみていなが記述式はあきれる答案ばかり。4問のうちひとつは講義のなかで何回も説明した皮膚移植に関するもの。2つは実習レポートの課題そのまんま、である。このblogでも紹介したではないか。一問はわざわざ河上先生の講義のときに黒板で解説した。決して難しくはないはず、なんだが。。過去問はよくできている。彼らには当然か。うーん、やっぱ教え方が悪いんだとすこぶる自信をなくす。
まあ約束通り、出来なかった学生は手書きノート3冊提出だ。エッセンシャル免疫学一冊を写本してもらおうと思う。写経みたいなもんだ。一心に念じつつ写せば必ず意も通る、、、に違いない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-12 09:57:03 (5069 ヒット)

 7/11 福岡で皮膚科の研究会で講演を行った。いつもの西本君のH1-T細胞をTh17にして移入して乾癬様の病態を起こす話と、腸内細菌でTh17が誘導されアレルギーを抑制するという話。Th1/2/17は三すくみの状態にある。普段アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を診られている皮膚科の先生には思いのほかアピールできたようだ。
九大の皮膚科の古江先生に久しぶりにお会いした。私は10年ほど前に原因不明の皮膚病に罹患した。手には小さな水疱が多数でき、背中や胸にも湿疹が広がった。不思議なことに顔には出ない。あちこちの皮膚科をまわったが原因はわからず、軟膏を塗っても効果はなかった。思いあまって大学病院を受診した。若い医師が最初にみてくれたがわからない。そこに古江教授が通りがかって、これは「自家感作性皮膚炎」だ、プレドニンを内服しなさい、と指示された。見立ての通り数ヶ月間悩まされた皮膚炎がステロイドによってあっという間に軽快した。さすが教授と思ったが、今日古江先生に会ってその話をすると、実は先生自身が「自家感作性皮膚炎」持ちなのだそうだ。時にステロイドが手放せないらしい。なるほど即時に診断できた訳だ。ちなみに完治は難しく症状が出るたびにステロイドに頼る必要がある。原因も抗原も未だに不明の疾患である。
呼んでいただいた福岡大学の今福教授は疫学がご専門だそうで、自己免疫疾患の起源について興味深い説を伺った。乾癬など自己免疫疾患がHLAと相関することはよく知られている。何万年前だか現人類の人口が激減したことがあって、我々はそのときの子孫で思いのほか遺伝子的には均一なのだそうだ。そのなかでおそらくある感染に有利なHLAを持ったひとが残った。その感染がなくなった今では特定のHLAは自己を認識しやすい性質だけが残って自己免疫疾患にリンクしている。つまり特定のHLAは何らかの理由で生存に有利であったはずだと言われる。そうでないと人口の3%に乾癬に関連するHLA遺伝子が残っていることが説明できないそうだ。なるほど、そういう見方もあるんだ。自己免疫疾患の発症は何らかの感染と関係があるのではないかと疑われているが、これも説明できるような気がする。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-09 22:29:04 (2831 ヒット)

 7/9 今日から3日間東大伊藤国際学術センター内伊藤謝恩ホールでがん免疫学会/マクロファージ分子細胞生物学国際シンポジウム合同国際シンポジウム(ICCIM2015)が開催される。これからは腫瘍免疫だ!(腸内細菌じゃないんかい?)というわけで私も勇んで参加する。国際シンポジウムなのに行ったらずっと日本語だった。これはすごいコペルニクス的発想の転換ではないか?朝から超満員のはずである。「日本語での国際学会」大会長の松島先生の革命的なアイデアに違いない。と称賛したら一日目は日本がん免疫学会の集会でもともと日本語でやることが決まっていたという。本日最後の特別講演からずっと英語だそうだ。ひどく残念な気がする。それにしても大変な熱気である。朝9時からトイレ休憩もほとんどなく講演が詰まっている。CTLA4抗体、PD1抗体の成功から、第四のがん治療法と言われた腫瘍免疫療法がそのうち第一選択になる日が来るのかもしれない。当教室からは大学院生の近藤君が発表した。注目されたのだろう。質問攻めにあっていた。はやく論文として発表しなければ。
腫瘍免疫は免疫応答のリードアウトとして時々使っていた。特にSOCS1は立派な免疫チェックポイントのひとつで十分創薬標的となりうる。細胞外は競争が激しすぎる。細胞内まで範囲を広げるとまだまだ多くの標的があるように思う。

2日目はやはり英語だったが、腫瘍免疫の大御所と言われる人たちが次々に講演をしたのでこの分野の現状がよくわかった。松島先生はCD4を消すと抗腫瘍効果が極めて強くなりPD1抗体との併用効果も見られるという発表をされた。抗CD4抗体をつくるベンチャーを立ち上げて来年臨床試験をするそうだ。この、教科書とは反対の常識破りの方法がうまくいけば本当の『コペルニクス的発想の転換』だろう。うまくいくことを祈りたい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-09 22:19:29 (2796 ヒット)

 特に間違いが多かった問題. 西沢先生の出題。
103 真菌が起こす病気について正しい記述はどれか。
1. カンジダ症はほとんどの場合、外界からのCandida albicansの感染によって発症する。
2. Cryptococcus症は、通常免疫力が低下した人に発症しやすいが、Cryptococcus gattiiは健常人にも感染する高病原性真菌である。
3. アレルギー性気管支肺アスペルギルス症はA. fumigatusの侵襲感染によるものなので、早期に治療を開始しないと死亡率が高い。
4. 抗真菌剤のMiconazoleは、Aspergillusの細胞壁合成を阻害する。
5. Pneumocystis jeroveciiが起こすカリニ肺炎の治療には、マイコプラズマによる肺炎同様マクロライド系のタンパク質合成阻害薬が有効である。
多くは4を正解としているが、ミコナゾールはエルゴステロールの生合成の阻害剤で細胞膜に作用する。細胞壁とは大違いだ。2が正解。健常人にも感染してクリプトコックス症を引き起こす。3は侵襲感染ではなく日和見感染。

採点の結果、おおむね大変よく出来ていることがわかった。やはり過去問まんまでは彼らにとっては赤子の手を折るよりも簡単だったか。ただ5択で30問間違えるのはいただけない。80点未満は再提出させようと思う。もちろん理由をつけてレポート形式で。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-08 19:41:42 (3201 ヒット)

 7/7お昼から札幌に向かい、夕方一般向けのセミナー。翌朝薬学部3年生向けに講義を行ってそのまままた東京に戻った。札幌は肌寒いくらいで壮快だったが東京に戻ると湿度100%と思えるほど蒸していた。
一般向けのセミナーは伊藤さんの脳梗塞/BTK阻害剤と森田君の内皮細胞リプログラミングの話。このふたつを無理矢理結びつけるのはやはり無理がある。話しているうちに自分でも混乱してくる。それでもたくさん質問していただいた。
薬学部3年生の講義はサイトカインのまとめとTregの話。いつものようにアスピリンは何で解熱作用があるの?と聞くが薬学なのに答えられない。免疫抑制剤の作用点も聞いたことがないという。薬理で習ったやろ、と聞くとそんな気がするという返事。隣で担当の先生が頭を抱えている。学生は試験がないと覚えようとしないし、試験が終わればすぐに忘れる。それでいいんだと思う。少しずつ澱のように知識は溜まってくるだろう。そのプロセスとして講義と試験は重要なんだと自分に言い聞かせる。
東京に戻ると微生物学の本試験。いつものように問題番号のミスがあった。ザルで申し訳ない。修正に時間がとられたので『試験時間を延長して下さい』という声がしたが無視。なに新作は少なく過去問がほとんどだったので皆かなりできている。問題は階段教室での受験。常々思っていたがこれはいかん。見たくなくても前のひとの答案が否応なく眼に入る。自信がない問題で、もし自分の答えと前のひとのが違っていたら前の解答に書き換えたくなるのが人情だろう。でもそんな時は大抵自分のほうが合っている。書き換えて間違いになることが多い。ひとのを見てもろくなことはない。やっぱり自分の解答に自信をもつことだ。もちろん意図的に見てはいけない。すぐに不正行為で捕まる。試験はフラットな部屋でやるように提言したい。
先日のNHKの撮影が夕方5時のニュース「シブ5時」で放送された。私はワンセグでしか見れなかったが、とても人様に見せられたものではない。実は朝の番組と勘違いして朝5時に起きて「なんだ飛ばされたのか」と思ってがっかりしたのだったが。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-06 08:39:45 (3169 ヒット)

 7/4,5 恒例の守谷での合宿。吉村研、小安研、皮膚科の天谷研の3研究室で始まったが昨年から本田研、今年から長谷研(薬学部)が加わって層が厚くなった。免疫適塾は福沢諭吉も学んだ緒方洪庵の適塾にちなんでいる。福沢諭吉の他大村益次郎、高峰譲吉(アドレナリン、タカジアスターゼの発見者)、手塚治虫の曾祖父も学んでいる。若い人たちが自由闊達に切磋琢磨して学んでもらいたいという気持ちから名付けられた。その期待にたがわず年々発表内容も質疑応答もレベルが上がって来たように思える。今回は雨のためレクリエーションのソフトボールは中止となったがいい研究会だった。
もうひとつの楽しみはバーベキューと夜の飲み会。若い人たちは夜遅くまで騒いでいて来年から宿泊お断りにならなければよいが。。私は昔酔いつぶれたことがあったが今年は胃の調子が悪く早々に引き上げた。
本田研、長谷研の参加もあって腸内細菌ばやりである。飲みながら勢いで『頭を良くする菌』『肌をきれいにする菌』を見つけて起業しよう!という話が出た。酔ったK君から『美人から便をもらって便移植はどうですか?』という提案。なるほど、これはいいかも。私は回収する役目を請け負おうか。
今朝は日本ーアメリカの女子サッカーを見ている。前半4-1で大量リードされている。開始早々かなり浮き足立っていた。もともと実力差は歴然としている。奇跡は起きるか?
結局5-2だった。アメリカの壁は厚く高かった。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-02 23:35:28 (18015 ヒット)

 Smad2 and Smad3 Are Redundantly Essential for the TGF-β–Mediated Regulation of Regulatory T Plasticity and Th1 Development
The Journal of Immunology July 15, 2010 vol. 185 no. 2 842-855

7/1に卒業生の瀧本智仁君が亡くなった。37歳。急性白血病だった。彼は九州大学医学部卒業後小児科で研修を行い平成18年に博士課程大学院に進学した。4年間私のところで研究を行い本論文を完成させて小児科に戻っていった。私の力が及ばずにtop journalには通せなかったが論文は極めて完成度が高くすでに200回以上引用されておりTGF-β研究において重要な地位を占める。この研究内容は永遠に生き続けるだろう。
   TGF-
βは強力な抗炎症性サイトカインであり、T細胞においてはFoxp3の発現を誘導して制御性T細胞(iTreg)を産み出すとともに、炎症性のTh1やTh2を抑制する。しかしTGF-βのどのようなシグナルがこれらの現象に必要なのか、またiTregの誘導とTGF-βのもつ抗炎症機能の関係もよくわかっていなかった。
   TGF-βは
Smad2およびSmad3を介して核内にシグナルを伝達する。瀧本君はT細胞特異的Smad2損(Smad2cKO)マウスとSmad2/3-両欠損(DKO)マウスを作製した。Smad2あるいはSmad3 の単独欠損T細胞では、TGF−βのiTreg誘導能もTh1抑制能も減弱し、さらに両欠損T細胞では完全に消失した。したがってTGF-βによるFoxp3の誘導とTh1の抑制はSmad2/3が重複して必須であることを示している。さらにDKOマウスは重篤な炎症のために生後一ヶ月以内に死亡したことから、個体レベルでもSmad2/3が重複して炎症抑制に寄与することが明確に示された。Foxp3の誘導がTGF-βの免疫抑制機能に必須かどうかを調べるためにFoxp3を欠損するScurfyマウスTGF-βを連日投与したところ致死的な炎症が抑制された。血中の炎症性サイトカインの濃度もTGF-β投与によって低下した。また試験管内でもTGF-βはFoxp3が存在しなくてもTh1分化を抑制することができた。すなわちTGF-βはiTregの誘導に必須であるものの、Foxp3に依存しないメカニズムでも炎症や炎症性サイトカインの産生を抑制することがはじめて明らかにされた。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-01 13:37:22 (2212 ヒット)

 7/1 消化器(膵臓)の正宗先生にお呼びいただいて仙台に行き講演を行って来た。GIセミナーということで腸内細菌と食物アレルギー、そして当日Immunityにon lineとなったTGFβの話をする。分子レベルの話が多いので臨床系の先生にはどうだったろうか?しかし鋭い質問が続いて『にわか腸内細菌学者』にとっては冷や汗ものだった。腸内細菌は何処でTregやTh17をつくるのか?粘膜固有なのかリンパ節か?あるいはパイエル板か?これは実に難しい問題だ。少なくともリンパ節までいかなくてもいいような気はするが。。。
杜の都は肌寒いくらいだった。失礼とは思ったが正宗先生は名字から”伊達家”に縁浅からぬお方では?と伺うと『全く関係ありません。そもそも伊達政宗の”まさむね”は名前だし漢字も違います。”正宗”は岡山の名字だそうです』と笑って答えられた。よく聞かれるのだそうだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-01 01:17:36 (2960 ヒット)

 柏木君のImmunity論文がon-lineに掲載された。なんと編集部に『わかりにくいし長ったらしいから』とタイトルをかえられてしまった。
Smad2 and Smad3 inversely regualte TGF-beta autoinduction in Clostridium butyricum-activated dendritic cells
しかしこちらのほうがSmad2/3の反する機能に言及しておりオリジナルよりいいような気もしてきた。慶應とJSTにお願いしてプレスリリースもしてもらったらNHKが取材に来てくれた。なぜかNHKは腸内細菌が好きだ。腸内細菌とTレグ。流行のテーマをふたつ並べたらそれは注目されるだろう。普段しないネクタイもして我ながらさもしいと恥ずかしくなる。エピゲノムの班での成果ははじめてで、次につなげるためにもアピールは必要だろう。
腸内細菌の重要性は明らかでも医薬品にするとなるとハードルは高そうだ。ヨーグルトでもそうだが、もし一度食べたらずっと腸内で定着してくれるような夢の善玉菌ができたら、、、もう売れなくなってしまうだろう。
日刊工業新聞に出てました。

 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-07-01 00:48:35 (2479 ヒット)

 6/29月曜日。一月半に及ぶ長い講義と実習が終わった。さすがに相当消耗した。しかし嬉しいことに最後の実習で脾細胞のNO産生がしっかりと観察された。ぶっつけ本番だった。十分免疫したマウスから脾細胞を取り出し、抗原で刺激した。脾細胞中にはT細胞とともにマクロファージが存在する。免疫によってTh1が誘導されれば、Th1はIFNγを産生するのでマクロファージを抗原特異的に刺激してNO産生を促進するだろう。しかし講師に頼んだリハーサル実験では結果はnegativeだった。私は細胞数が足りないと考えて10倍の細胞数をシャーレに撒くように指示した。幸いにも多くの班で抗原特異的にNO産生が認められた。少数ながら写真のように抗原peptideでも刺激がうまくいっている例もあった。抗体と違ってT細胞応答を示す実習はクリアカットに結果を示すことがかなり難しい。しかしこの方法は学生でもうまくいく。これは望外な大きな発見だった。学生諸君はなぜ脾細胞の培養で抗原を入れた時にNO産生が検出されたのか?そのメカニズムをしっかり説明できるようにしておいてほしい。私は何度も講義したはずだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2015-06-26 08:13:56 (3108 ヒット)

  "Suppression of TH2 and TFH immune reactions by Nr4a receptors as integral components of a Treg specific transcriptional program". I am pleased to inform you that their evaluations were generally favorable, and that your manuscript should be publishable in JEM so long as it is modified in accordance with the referees' remarks and our editorial policies. 
長ったらしいがacceptと思われる。NR4aがTregの発生に必須であることを示したのが2013年はじめ。今回NR4aがTregになったあとどのような機能を持っているかFoxp3Creを使ったコンデショナルノックアウトマウスで解析した。Nr4aはFoxp3の発現の維持のみならずEosの発現やIL-4やIL-21などのサイトカイン産生の制御に必須で、NR4aがないとTregがTh2やTfhになってしまう。NR4aはTregの可塑性を制限する重要な因子のひとつと言えるだろう。
この論文でも、Editorとのやりとりも含めて関谷君がほぼすべてを行っており私はほんとんど何もしていない。彼ならいつでも独立できる。どこかいい話があればぜひご連絡を。


  
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