投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-06-11 18:12:22 (1068 ヒット)

慶應義塾大学は6/21より大学を挙げてワクチン接種を進めるという。伊藤新塾長の宣言が誠に頼もしく、希望にあるれるものだった。「キャンパスライフを奪還しよう!」と宣言された。1日1000人、合計5万人の接種をめざすそうだ。「自分のためだけでなくキャンパスライフを確立するため、そして日本からコロナをなくすために是非ワクチンを接種しよう」と呼びかけられている。動画は涙が出るほど感動した。秋には、いや夏休みからでも授業やサークル活動が再開される。ようやく日常が戻ってくることを学生さんらと共に喜びたい。さすが理系の先生だけにワクチンの意義と安全性を正確に理解されている。さらに「自分のためだけではなくみんなのために」という呼びかけも全く正鵠を射る言葉で、この科学軽視、連帯感希薄の時代に感動すら覚える。ただもちろん「浮かれてばか騒ぎなどはしないように、国民全体にワクチンが行き渡り社会全体として安心感が得られるまでは慎んだ日々を送るように」と釘をさすことを忘れていない。学生には特に必要なことだろう(いやお前だろ!ごもっとも)。
リーダーが「希望の灯火を掲げる」ことが重要なのだと思う。もう後少しの辛抱だ。
慶應は教職員の家族も非常勤の先生も予約可能だ。他の国公立大学も始まるという。奉職する大学だからではないが、本当にすばらしい英断だ。まさに福沢イズム。社会の先導的役割を果たそうとされる姿勢は誇らしいと思う。学生教職員に打つことを検討もしていない大学もあるそうだが、「ぼーっとしてんじゃねーよ」とチコちゃんにしかられるだろう。そんな大学は学生に提訴されるかも。


 ニュースを見ると「五輪は無観客で」とか「必ず感染は増える」とか、「緊急事態宣言を続けろ」とか、「ワクチン接種後何人死亡(打たなければ何人死ぬのか比較等なし)」とかどう考えても人々を縮こまらせる(ほとんどが根拠もなく感情的な)否定的発言が目立つ。感染を広げない(重傷者を出さない)ようにしながら、選手と共にがんばろう、そのためにはこういう行動をしよう!という話にならないのが不思議でしかたがない。もともと日本人は暗い話やネガティブ思考が好きな民族なのかもしれない。その点私の知っているアメリカ人や中国人はいつもポジティブ思考のような気がする。
五輪で海外から来る人は全員ワクチン証明をみせること。念のために成田で抗体検査を行う(簡易キットで十分)。陰性、もしくはワクチンを打っていない人はその場でアストラゼネカ のワクチンを打つ。観客は65歳以下、65歳以上もワクチン打って抗体陽性はOKとする。そこまですれば科学的には何も問題ないと思うのだが。こちらの記事ではBBCが冷静に「感情的な議論になっている」と分析。またこちらはいつもの煽り記事で論理性のかけらもない。菅首相「何かあったら(コロナ死亡者が増えたら)オレが全責任をとる」と一言言えばいいのに。

ニューヨークやカリフォリニアではワクチン接種7割超えたので規制はほぼ撤廃するという。喜ばしく羨ましいことだ。当然残り3割の人の感染の危険性は増えるだろうが、それはもう個人の責任ということ。アメリカらしい合理的な考え方なのだろう。一方イギリスは同じくらいワクチンを打っている(完了した人は5割くらい)が感染が増えているので規制撤廃を4週間延期するそうだ。入院者は大幅に減っているのだが、感染しているのはやはり若者やまだ2回目を打っていない人だと言う。インド株は若者にとってはほんのちょっとした風邪だそうで、実際イギリスの感染者数7000人でも死者数は全土で10人を切っている。それでもロックダウンしないといけないのだろうか?こちらは慎重なのだろう。
私は全面的にこちらの元厚労省医系技官のおっしゃる通りと思う。まずは高齢者にワクチン打っているので重症者は減るだろうが20−40代が中心の感染者数はそこまで減らないだろう。それでも前週よりもxx人も増えたと騒ぎ続けるのだろうか。その時は二類相当を外した方がいいと思うけど。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-06-08 08:36:32 (1148 ヒット)

 今日(アメリカでは6月7日か)は認知症研究にとって歴史に残る日になることだろう。バイオジェンとエーザイがFDAに申請していたアデュカヌマブが承認されたのだ。アデュカヌマブ(もちょっと言いやすい命名はなかったんか?ニュースでアナウンサーも舌をかみそうだった)はアルツハイマー病の原因とも言われるアミロイドβ(Aβ)に対する抗体で、神経疾患に対する生物製剤は初めてではないか(自己免疫性の脳脊髄炎などは除いて)(勉強不足だったが、片頭痛に対するCGRP抗体、ガルカネズマブがすでに販売されている)?その作用機序は、簡単には抗体がAβにくっついてミクログリアなどの脳内免疫細胞によって除去されるということ。がんに続いて免疫が神経疾患を治療する時代がやってくるのではないか?何年も前からそう宣伝している自分としては大いに意を強くした。しかし実はまだまだわからないことは多い。

ちょうど今上原財団の脳ー抹消連関のシンポジウムが行われている。昨日のイスラエルから非常に興味深い発表があった。このグループは以前がんの治療に使われるPD-1抗体(チェックポイント阻害剤として使われている)がAβの蓄積を止め神経症状を改善することを報告していた。今回は同じくがん治療で使われている抗PD-L1抗体を使ったもで、主なAβ除去細胞はもともと脳に存在するミクログリアよりも外から入っていくるマクロファージなのではないかという話。しかもマクロファージは七田君がみつけた死細胞などの除去受容体MSR1を高発現している。しかし抗PD-L1抗体が活性化させるのはT細胞なので、なんで抗PD-L1抗体がM2型と呼ばれるAβ除去に関わるマクロファージを増やすのはよくわかっていない。まだまだ研究しないといけないことは多いがアディカヌマブの承認はこの分野の研究を強く活性化するだろう。
ちょうど昨日脳内免疫に関する某科研費のヒアリングがあった。このニュースが1日早かったらもっと意義を強調できただろうに。そんなことよりエーザイの株を買っておくべきだったか。。

今朝のハーバード大学からの報告はさらに面白く、母体(マウス)にpolyI:Cを注射して(母親が妊娠時にウイルス感染した時の状態を模倣している)作成する自閉症モデルにLPSで発熱させると自閉症の症状が良くなり社会性が回復するのだという。この場合、仕組みはよくわからないがIL-17aが重要だそうだ。もともとなぜこういう話になったかというと自閉症の子供を持つ親は、子供が熱を出すと一時的に症状が緩和することを経験していたからだそうだ。うーんこれも奥が深い話だ。IL-17aがどこから来るのかは不明だそうだが、今コロナのワクチンを打っている若い人たちは発熱しやすいのでぜひ自閉症の症状がどうなるかみて欲しいものだ。昔ワクチンで自閉症が起きるという完全に捏造の研究があって大いに物議をかもしたが、逆にワクチンで良くなるとなればワクチン忌諱派も減るかもしれない。

なお妊娠中のインフルエンザワクチン接種では自閉症が増えることはない。しかしmRNAワクチンやアデノウイルスワクチンでの大規模な調査はこれからだろうから、念のために妊婦は出産してから打ったほうがいいのではないかと思う。

上原シンポジウムのトリでの講演。英語は久しぶりでしどろもどろでグタグタになってしまった。歳のせいもあるだろう。自分が真っ先にアデュカヌマブを打つ必要があるだろう。

イギリスではワクチン2回接種が50%を超えたというのに感染者が増加傾向にある。この記事ではインド株のせいにしているが、ワクチンはインド株にも効果があることが報告されている。よって感染している(少なくとも入院している)人はワクチンを打っていない人と思われる。なぜそこのところをしっかり調べて報道しないのだろう?ワクチン打っても無駄のような結論にしたいのかもしれないが、状況は全く逆で、ワクチン打った人々は安心して外に出るので打たなかった人が感染の機会が増えているだけかもしれない。すでに半数以上2回接種していると言われるイスラエルではほぼゼロを維持していることからも ワクチンを打った人が感染しているとは考えにくい。悪意を持った、あるいはあまり深く考えていない記者の書くことだろう。本来は死者は減り続けていることに注目すべきで、ワクチンの目的は感染しても重症化せずにウイルスを広げないことで、決してかからないことではない。PCRのような高感度の方法を使えばワクチン打っても陽性は出る。ワクチンが行き渡っらもう若い人のPCRは必要ないと思う。

党首討論が気になっていた。菅総理はオリンピックで感染者が増えたら腹を切る(辞職する)とまで言い切るかと思っていたが、さすがにそこまで肝は座っていなかったか(それくらい見栄を切っても良かったと思うが)。しかし11月までに希望者全員にワクチンを接種すると言い切ったそうだ。そこは不退転の決意なのだろう。約束通り1日100万人も達成した(盛りすぎ発言だったらしいが)。ぜひそうなって欲しいものだ。すべての人々が科学的判断ができるわけではないので、自由に外出できるがワクチンを打ちたくないという人は一定数いるだろう。海外と同様にそのような人は結果的には感染して免疫をつけることになるだろうが現状ではそれぞれの判断に委ねるしかない。11月でイスラエルなどのように収束すると期待したい。
慶應義塾大学は6/21より大学を挙げてワクチン接種を進めるという。伊藤新塾長の宣言が誠に頼もしく、希望にあるれるものだった。「キャンパスライフを奪還しよう!」という。1日1000人、合計5万人の接種をめざすそうだ。自分のためだけでなくキャンパスライフを確立するため、そして日本からコロナをなくすために是非ワクチンを接種しようと呼びかけられている。涙が出るほど感動した。秋にはいや夏休みからでも授業やサークル活動が再開される。ようやく日常が戻ってくることを学生さんらと共に喜びたい。ただもちろん「浮かれてばか騒ぎなどはしないように、国民全体にワクチンが行き渡り社会全体として安心感が得られるまでは慎んだ日々を送るように」と釘をさすことを忘れていない。それでもともかくも希望の灯火を掲げることが重要なのだと思う。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-06-04 21:10:16 (881 ヒット)

 今日は東京大学医科学研究所の一戸先生のセミナーだった。先生は外気温とウイルス(主にインフルエンザウイルス)感受性の研究をされている。マウスを36度にすると体温が37度を超え、発熱状態に陥る。この状態で感染実験を行うことで感染における発熱の意義を明らかにできるだろう。ウイルス感染すると熱が出る。これは高温ではウイルスの増殖がおち、免疫系は活性化されるためと信じられてきたが、じつは後者は嘘っぽい。実はいまだに解熱剤で熱を下げることの是非は確定していない。興味深いことに一戸先生らの2019年の論文では高温では獲得免疫系が誘導されずウイルスは排除されにくいことが示されている。はやり感染後半では熱は下げた方がいいのではないか?一方で(未発表データなのかもしれないので細かいことは言えないが)感染初期から高温だとむしろ致死率は下がるそうだ。こちらはウイルスの複製と自然免疫系の話だろう。
ごく数日前に、試験管内では新型コロナウイルスは33度に比べると37度ではずっと増えにくいことが報告されたされた。やはり熱が出る方がウイルスは増えにくく無症状になりやすい。インフルエンザもコロナも重症化するのは65歳以上の高齢者だ。よくよく考えてみると子供のころはすぐに熱が出た。ウイルスだろうが細菌感染だろうがよく発熱しては親を心配させた。ところが最近は風邪をひいいても熱が出ない。身体はだるいので炎症性サイトカインは出ており脳からは発熱の指令が出ているんだろう。でも肝心の熱発生機関の筋肉は衰えており熱が出ない(のだと思う)。そう考えるとなぜ子供が軽症で自分のような高齢者が重症なのかが説明できるような気がする。実際に測定したわけではないので確実ではないが高齢者は熱が出にくいとう話は多くある。そうか!ファクターYは熱(体温)だったのか!子供は感染初期にすぐに熱が出る。子供は熱が出ても比較的元気だ。よってウイルスは増えにくいし症状もでない。一方で高齢者は熱が出ないのでウイルスは増殖するが獲得免疫が出番のころよやく熱が出だして味方のリンパ球を撤退させてしまう。うまく獲得免疫への橋渡しができないので自然免疫のサイトカインストーム が起きる。新しい仮説がひとつ加わった(ドヤと胸を張る)。風邪かなと思ったら熱いお風呂に入って十分身体を温めることだ。

そう考えるとインフルエンザも新型コロナも重症化のメカニズムは同じ。インフルエンザでも子供が死ぬことは稀だ。インフルエンザで亡なくなる人は年間3000人程度と言われる。新型コロナも感染者ゼロ、死者ゼロならそれに越したことはないのはもちろんだが、インフルエンザ程度までなら、高橋先生の解析を信じれば、そのラインはワクチンさえ普及すればもう目の前だと思える。大多数の五輪反対の大合唱の予想を裏切り、新型コロナ重症者が激減することを祈るという意味で、9回裏逆転サヨナラを願う。マスコミの手のひら返しが遠からず始まることを祈りたい。


オリンピック開催賛成派が50%
になったという。高橋先生の予想通り。マスコミは反対派の意見ばかりとりあげる。ニュースのコメント欄も反対という強い意見ばかり掲載されるが実は冷静な判断をしたり、私みたいに浪花節的な判断をする人も十分いるということ。一番笑えるのはアメリカのメディアが中止を訴えているという記事。明らかな事実誤認。アメリカはワクチンで収束しつつあるとはいえ、今でも感染者は一日1万人は超えている。対して日本は”さざ波”2000人だ。お前が言うか?という話だと思われる。同様に風の変わり目を自覚しだしたメディアも現れ始めた。五輪後にコロナ重症者が増えなかったら、今まで散々人命軽視と叫んできたマスコミはどうするのだろう。もちろんこの記事のとおり手のひらをかえすだけろう。試験直前までに決して慌てないのが学生、過ぎたことは決して話題にしないのがマスコミ。学生といえば、私の講義のオンデマンド録画をダウンロードしているのは1/3もいない。やはりモチベーションを維持するのが困難なのだろう。責められるは学生ではなく、何ら工夫のない我々、いや私の方だろう。

もう日中は30度を超えるという。文科省はまた犠牲者が出る前に、学校での体育の授業の際はマスク禁止を通達すべきと思う。通学時も固まって喋らないようにしてマスクは外すべき。そもそも戸外でマスクする意味はない。

 


 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-05-31 16:23:58 (1211 ヒット)

 明日から6月である。もう半年近くが終わった。5月末で折り返しとばかり思っていた。本当に頭が変性している。アデュカヌマブを投与して欲しい。。
老化に伴い時間の進みが加速しているような気がするが、それでももう半年過ぎたことに呆然とする。ここ2ヶ月は怒涛のように忙しかったのもある。4月は報告書書きに追われ、5月は学会や研究会が多かった。特にインターフェロンサイトカイン学会の会長を任じられて気苦労も多くなった。講義のオンデマンド収録もあった。学生さんにはオンデマンドのほうが好評のような気がする。そのほうが好きな時に視聴できるし倍速でもいいし、つまらない冗談は飛ばせる。それよりも部活などが中止になって仲間や友人と会えないことの方がつらいのだと思う。
高橋先生によるとあとひと月もすれば感染はピークアウトするそうだ。これは心強い御宣託だ。ぜひそうなってほしい。実際感染者数の推移は先生の言われる通りになっている。先生の図をみると日本は「さざ波」だということが事実としてわかる。こういう希望を持たせてくれる話はテレビでは聞かない。この話が本当になったら困るのは話題がなくなるマスコミと野党だそうだ。

ところでファイザーのワクチン接種後に亡くなったひとが累計87人になったと報道があった。現時点ではワクチンとの因果関係が証明できるものはないらしい。数学や統計学に詳しくないので、正確にはわからないが日本では1日3000名の死亡があるので、ワクチンを打たなくてもこれくらいの数字は出ておかしくないのだろう。現時点では大きな懸念はないとされている統計学的な理由も書いてほしいものだ。大阪でマスクをして持久走を行なった小学生が死亡した。親御さんの衝撃と悲しみは想像できないくらい大きいと思うが、これもスポーツでの突然死は一定数あるので因果関係を証明するのは難しい。ただ戸外でのマラソン中にマスクは全く意味はないし、小学生が感染で死亡した例はなく、さらに小学生が大人に感染を広げている例はまれだそうなので運動中のマスクは「しなくてもよい」くらいの勧告より安全のためにはっきり「禁止」とすべきと思う。

アストラゼネカのアデノウイルスワクチンでは血栓と血小板減少症が起きることがあり、3400万回接種のうち死亡が18例という。なぜか稀にHIT抗体(血小板第4因子-ヘパリン複合体に対する抗体)ができるために血小板が減少するのそうだ。これは自然に起きる確率よりも高いそうなので、ワクチンがトリガーになっている可能性はあるが、ごく稀な事象なのでやはり何らかの素因があってのことだろう。危険な人を予測する方法が見つかるとよいが。それに関連してアデノウイルスベクターの場合はスプライシングが起きて分泌型のスパイクタンパクができるのが原因とする査読前の論文が出て話題になっている。斜め読みしてはみたが、実際に接種した人や血栓を起こした人のデータは全くなく話題作りではないか?と思った。

  高橋先生の言われるようにワクチン接種は加速していくのではないか?ともかく「今すぐ打ちたい」という人が増えた。Yahooニュースの「みんなの意見」の投票では様子見派が減って積極的に打ちたいに変わっているように見える。もともと日本人は有名なジョークにあるように「周りが打っていれば自分も早く」となることは予想できたこと。日本医師会会長の宴会暴露は打ち手を増やすために、医師会の声を小さくしようとどこぞが手を回したのかもしれないといううがった妄想もわく。ワクチンが加速すればオリンピックは何が何でも中止とする声は減ってくると思われる。実際そのような兆しはあるのでは。9回裏ツーアウトからの逆転サヨナラ、あるかもしれん。ボロクソに言われているが菅総理はブレていない。意外と肝が座っているのかもしれない。

最近の報告ではファイザーのワクチンは二回打てばインド変異株にも十分有効らしい。これも朗報。本当にワクチンに抵抗性の変異株が現れる前にワクチンで抑え込むことが重要だろう。ワクチンは任意。飛行機事故にあいたくない人が飛行機に乗らない選択肢があるのと同じように考えられるかもしれない。しかしワクチン忌諱派の人は、ワクチンを打たない人が一定数いると収束が遅れワクチン抵抗株を生み出す余地を作っていることを理解してほしいものだ。

アメリカではワクチンを打たせようと1億円の賞金をかけたという話が話題になったが、今度は銃をプレゼントするという。アメリカという国は本当にわからない。mRNAワクチンという超画期的な英知の結晶のようなものを生み出した同じ国のすることなのか。。アメリカではビールや無料保育券など様々な特典を用意して接種を促している。国が率先して優遇を行うのはコロナ重症者が減れば国の医療費の削減につながるし、経済が活性化し税収も増えるという合理的な根拠があるそうだ。日本でも『接種は自分の利益のみならず家族や周りのみんなを救う』という公共広告機構なんかの宣伝があってもいいのでは。

ニュースで千葉大学のワクチン接種後の抗体価の報告があった。1700人というのはかなりの数だ。若い人の方が老齢者より高く、女性の方が男性より高い。ここまではうちの小さな集団でも同じ。なんと千葉大学では「飲酒する人の方が低い」と付け加えられていた。自分は「高齢、男性、飲酒」全部兼ね備えているやないか!道理でビリッケツに近い抗体価だったのか。。。それでもスパイクの中和活性は十分ある。心配はしてない。ただ千葉大の1700名のうち一人だけ抗体価が上がっていない人がいる。いったいどういう理由なのか?抗体ができない条件を見つけるのに役立つのではないか。
それでもこのmRNAワクチンはかつてないほどに優秀だ。九回裏ツーアウトからの逆転サヨナラをみたい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-05-12 08:23:57 (1847 ヒット)

 講義の準備をしている。コロナの感染や重症化の地域差(ファクターX)や年齢差(ファクターY)は何なのか?もう随分前からいろいろな仮説が唱えられているがなかなか一言では説明できない。ヒトなので検証も難しい。コロナの重症化には過剰な免疫、特にサイトカインストームが重要、という認識は間違っていないだろうが、では免疫は弱ければいいのか?確かにコウモリは自然免疫系に変異があり、そのためサイトカインストームが起きず感染しても平気だ。子供もそれに近いのかもしれない。一方で交差免疫を持っているほうが重症化しにくく、T細胞応答が素早く上がる人は重症化しにくいとも言われる。いったいどっちやねん、と言いたいが、一元的に白黒つけようとするのが間違っているような気がしてきた。
ワクチン注射後の抗体値をみていると若い人が高く私のような老人は低い(と言っても十分ウイルスを中和できる量)、また男性よりも女性の方が高い傾向があるように見える。これは一般的に言われていることと同じ傾向で、高齢者は免疫老化により獲得免疫応答が弱く、男性よりも女性のほうが免疫応答は強い(だから自己免疫疾患は女性に多い)。やはり免疫、特に獲得免疫(抗体とT細胞応答)が強くウイルス排除が早ければ重症化はしにくい(ウイルスは増えにくい)だろうし、自然免疫が強くなりすぎてサイトカインストームが強くなれば重症化する。サイトカインストームのサイトカインの多くは自然免疫系の炎症性サイトカイン(IL-1やIL-6)である。獲得免疫、特にヘルパーT細胞は自然免疫を活性化するが、通常は適切に制御されておりウイルスがいなくなれば獲得免疫系の細胞は減って免疫応答は収束する。高齢者や基礎疾患のあるひとは獲得免疫系は弱く、その分自然免疫系が強く活性化され続けるのだろう、という『自然免疫/獲得免疫のバランス説』を提唱したい。これだといろいろな報告や仮説を無理なく説明できるような気がする。簡単に言えば獲得免疫が強ければ感染しにくく当然重症化もしにくいし、獲得免疫が弱く自然免疫ほうが強ければ重症化しやすい。どうだろうか?

内閣参与の高橋洋一氏が「日本の感染者数はさざ波」と表現して各方面からひんしゅくを買っている。第二波、第三波などと感染者の増減は波に例えられるので高橋先生の表現は言い得て妙だと思うが。。先生の主張がYoutubeに出ていて極めて真っ当な意見のように思える。イギリスやイスラエルの状況を見ればワクチンで確実に収束し死者も激減するのだから、もう四の五の言わずにすべてのエネルギーと資金をワクチン接種に向かわせればいいのに。高橋先生の話だともうワクチンの必要量は確保できているらしい。患者が来なくて困っている開業医も多いというのでちゃんとした報酬を保証すれば打ち手はすぐに確保できそうなものだろう。

横浜市立大学の発表ではファイザーのワクチンでも英国型やインド型でも90%以上中和活性があったという。今の所変異株にも十分対応できるということだろう。英国型が主流のイギリスでも収束しつつあるのだから当然かもしれない。この中和活性というのはスパイクとACE2の結合を抑制できるかどうかをみるもので直接抗体の量を測るものではない。なかにはまれに抗体価の低い人もいるのでそういう人は3回打つなどの工夫が必要かもしれない。日本も野球場とか薬局とか何処ででも打てるようにならないものだろうか。ワクチンだけにこれしか打つ手はないのだから(お気に入り)。

アメリカでは頑なに打ちたくない人もいてワクチン接種のペースが鈍っているという。その対策なのか「オハイオ州で、ワクチン打てば1億円当たる」そうだ。宝くじより確率高いかも。日本では個人には難しいだろうから6月中に接種を終えた自治体に1億円配るとか。またメリーランド州では一回1万円くれるという。あの手この手でワクチン接種を推進しようとしている。今アメリアで感染しているのはほとんどがワクチン打たなかった人たち。行動制限が緩和されるので、周りが打って自分だけが打たないと自身の感染リスクが高くなることはもっと報道されてもいいのではないだろうか。

アメリカCDCはワクチン2回目接種から2週間以上経過したひとはパンデミック前と同じ生活を可としてマスク着用のやソーシャルディスタンスは原則必要ないとしている。これもワクチン接種をさらに加速したい狙いだそうだ。CDCは科学的に根拠のあることとしており日本もこれに習ってはどうなんだろうか。それでも打ちたくないというひとはぜひ「打たなくて何かいいことがあるのだろうか?」と考えてみていただくとよいのではないかと思う。しかしやはり問題は接種の目詰まりでこれは行政の責任だろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-04-29 22:30:48 (1816 ヒット)

 東京は今日1000人を超えたようで、ほぼ掛け声だけの緊急事態宣言の効果はもうないのかもしれない。関西では英国株が増えており同じことが東京でも起こっているのだろうか。ただ英国株はワクチンで抑え込むことは可能。
それにしてももっとすごいのはインドである。Natureに記事が出ている。1日30万人を超える感染者が出ておりその数はまさにうなぎのぼり(指数関数的)だ。この事態に科学者が困惑しているという。実はインドでは1月にはもう人口の50%が感染して抗体を持っており、間も無く収束するだろうとさえ言われていたのだ。当然再度の感染拡大の理由を探ろうとしているのだが、科学雑誌なのになんとも歯切れが悪い。現在はB1.617株というのが主流でE484QとL452Rの2重変異を特徴とするが実際にはもっと変異が入っているという。関西で主流なのはN501Yの英国型仙台で主流なのはE484K型。いろいろあってわかりにくいが要するに感染性が上がっているということ。インドでの爆発的な感染は変異株のせいだと一般には考えられていた。ところがNatureの記事ではまだ確実なことはわからないという。変異のせいかもしれないが、冬に「インドは集団免疫を獲得した」という安心感が広がってここ数ヶ月、集会や結婚式など大勢の人々が普通に集まるようになった「気の緩み」が原因とする識者もいるそうだ。接種率10%程度なのにワクチンが届いたことでまだ打っていない人まで安心してしまったということか。イギリスやイスラエルをみていると本当に60%以上ワクチンを打つしか打開策はないのかもしれない。日本でもおおよそワクチン確保の目処はたったそうなのであとはいかに早く接種を進めるか、なのだろう。

アメリカではワクチン2回接種したのに7000人が感染したとかでニュースになっている。実際は8700万人のうちの0.008%ということで、効果は99%を超えるかもしれない(打たなかった人と比較しないと正確なところはわからないが)。臨床試験の95%よりも実際ははるかに効果が高かったということになる。これは悪意のある報道と取られられてもしかたない。
こちらの記事ではインドの第二波の原因は「完全に油断」だという。二重変異株の割合が必ずしも高くない地域でも流行しており、またワクチンに抵抗性という実験結果は得られていないそうだ。

それにしても「ワクチンだけにこれしか打つ手がない」。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-04-18 19:33:54 (1737 ヒット)

 週末、北大の先生に呼ばれて講演を行う。臨床の先生が多いので夜7時くらいに開演。昨年10月のがん免疫学会から半年以上ぶりなので是非にと頼み込んで会場まで足を運ばせてもらった。もちろん感染対策は完璧。ひと昔前なら講演の後は懇親会、いや情報交換会なのだが、今は札幌もお店は9時で閉まるそうなので、お弁当をもらって部屋に戻る。呼んでいただいた先生は申し訳なさそうだったが、それは全くなんでもない。それよりも若い先生方からたくさん質問をもらって「すごく刺激になった」と言われたことが何よりも嬉しい。それでもとんぼ帰りの札幌である。せめて、というわけで翌日空港で今大人気の「えびそば一幻」と立ち食い寿司をいただく。一幻は千歳空港に行くたびにぜひ寄りたいと思っていたのだが、いつもすごい行列で、並ぶのが苦手な自分はとても無理。しかし今回はやはり観光客が減っているのか全く並ばずに食べることができた。喜んでいいのか、憂うべきか、噂に違わずうまかったが、、(新宿にも東京駅にも店があるそうだ)。

それにしてもである。また大学ではオンラインに逆戻りしそうで学生らは不安に駆られているという記事があった。コメントでは「若い人たちにばかり負担を強いるのはおかしい」という真っ当な意見もあったが、20代の若い人が感染を広げているという変な認識が浸透しているのか街に繰り出す若い者が悪いと思っている高齢者がいるようだ。若い人を拘束するよりも65歳以上を何処も出入り禁止したら解決するのではないか?と思うのは私だけではないらしい。あとはワクチン次第。総理が直談判して9月までに目処がたったそうで喜ばしいことだが、打つ方の体制は大丈夫なんだろうか。。。医療関係者もまだ14%完了程度だという。報道関係者はいつもながらの感染者数を流すだけでなく、もっとこのあたりの目詰まりの原因を追求して改善できるようにしてほしいものだが。。。
ニュースでワクチンの進化について記事があった。モデルナもファイザーもmRNAワクチンというだけでも画期的な新技術だが、さらにスパイクの構造にも極めて巧妙な工夫がなされている。これは2つのアミノ酸をプロリンに置き換えてスパイクを融合前の構造に保つ改変だそうで通常よりも中和活性の高い抗体を誘導できる。うちでもACE2とスパイクの結合を中和させる活性を見ているがファイザーのワクチンを打ったひとの血清の中和活性は感染経験者のそれを凌駕している。なるほどそういう工夫もされていたのか。さらにこの記事ではスパイクの構造を安定化させ鶏卵で増やせるウイルス(NDV)に組み込み、インフルエンザウイルスのワクチン産生ラインでもワクチンを作れるようにした、という。「ホームラン級の進化」と呼んでいるが、まさしくワクチンの進化は止まらない。日本は、、、言い出すと愚痴になるのでやめておこう。これなら種ウイルスさえもらえれば国内でもすぐに量産できそうな気がする。律速はそこではないという話もあるが。。

 25日から3度目の緊急事態宣言である。大阪市立小中学校では給食は学校で、授業はオンラインでやるそうで、初めは何かの冗談だろうと思ったが、本当にやっているらしい。保護者からは「意味がわからない」と酷評されている。東京では「通勤の混雑は全くかわらないのに大学は学生を締め出し」とこれも効果が理解できないことをやっている。そもそも大阪は実行再生産数が下がり始めており、おそらく今後大阪は感染者数は減ると思われる。緊急事態宣言の効果かどうかはどうやって判定するのだろうか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-04-06 00:09:39 (1787 ヒット)

 多くの人がそう思ったことだろう。私は極めて単細胞な昭和浪花節人間である。池江璃花子選手が東京オリンピック出場を決めたシーンは感動した。この子のためにオリンピックは開催できるように我々も頑張るべきだと思った。池江選手は「すごくつらくてしんどくても努力は必ず報われる」という。昭和人間には当然でも日本では今や「努力」は死語かと思っていたが、この人が言うと説得力があるし素直に受け入れられるような気がする。さっそくニュースのコメント欄では「オリンピック強行に結びつけるべきではない」とか「関係者はこのことを利用しようとしている」とか「努力しても報われない人も多い」とか言われているが素直に応援しようと言う気にならないものか。

では我々はどうすればよいか。すでに第4波は避けようがなさそうだが開催までにせめて高齢者全員にワクチン接種が行き渡るようにすることだろう。そのため根拠なくワクチンを忌諱しないことだろう。イギリスやアメリカではワクチン接種が進んで死者は確実に減っている。しかし感染者は横ばいかアメリカではむしろ増えている。ワクチンを打った人はほぼ感染しないのでこれはワクチンを打っていない人がより罹りやすくなっていることを示している(報道はされないが)。理由はいろいろあるだろう。ワクチン接種者が増えれば社会的制限が緩和されるからか。いずれにしろワクチンを打ちたくないという人は感染リスクが高くなることを頭に入れて「自分で決断してください」という状況だろう。
それと海外から感染が入るので反対と言っているのは不思議。ワクチン打って抗体検査した人だけ入れるようにすれば何の問題もないような気がするのだが。
あとはどうやってリスクの高い人への感染を防ぐか、だろうか。ワクチン未接種の高齢者はなるべく出歩かないようにして、また若者との接触も減らす。相変わらずスウェーデンでは感染者数は上昇しているが死者数は減っており数名/日のレベル。どういう対策でこうなっているのか?何かヒントがあるのかもしれないが情報はなかなか得られない。イスラエルはほぼ完全終息か。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-03-20 01:02:39 (1826 ヒット)

 昨年5月ごろスウェーデンは強いロックダウンを行わず集団免疫を目指す特異な国として知られていた。国民をゆるく?感染させて集団免疫を目指しているとも言われていた。確かに第1波で5000人くらいの死者を出したものの、その後第2波ではほとんど死者が出なかったので、これは集団免疫が成立したか?と私は称賛したのだったが、第3波では第1波を超える死者を出しており、「集団免疫」を信じた自分を恥じたものだった。ところがここに来て何かが違う。スウェーデン では第4波で感染者(PCR陽性者)が増えているにもかかわらずまたもや死者が極めて少なくなっている。ワクチン普及率世界一 のイスラエルと比較してもずっと少ない。一体どうやって死者数を減らしているのだろうか?ネットで調べても情報を得られなかった。少なくとも国ごとの感染状況を見るとこんな国は他に見当たらない。一方の日本は感染者数は少なくても死亡率はかなり高い。これは高齢施設での感染が多いのか、医療体制の貧弱さのためかもしれない。日曜討論で厚労大臣が「高齢施設で検査を増やして早めに感染を検知して対応するようにしたい」と言っていた。え?まだやってなかったの?
もちろん重傷者を増やさないことを念頭に高齢者を中心に対策するのは大いに賛成だ。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-03-13 19:53:15 (1824 ヒット)

今日は都内は330人陽性が出たということで 緊急事態宣言を続けても収束しないことほぼ明白になった。国内で見ると増加に転じている。が、300人前後なら都民は十分頑張っていると思う。これ以上どうしたらいいのか具体策もない。一方世界を見渡すと日本とほぼ同じく一旦下がっていたのが再び増加している国がほとんど。ロックダウンしていてもしなくても。変異種のせいかもしれないし、周期性や季節的なものなのかもしれない。しかしイスラエル、イギリス、アメリカなどワクチン接種が進んでいる国はここ数週間踏みとどまり下がり続けている。これはワクチンがこの不条理を終わらせる有効な手段であることを強く示唆しているのではないか。それには時間がかかるので感染者1000人超えてもいいように重症患者専門のコロナ病床を増やすべきだ、というのは多くの人が異口同音に言っているのに全く実現しないのはなぜか?マスコミは感染者数ばかり発表したり反ワクチンの片棒を担いで不安をあおるよりもコロナ病床が増えない本当の病根を調べ追求してはどうなんだろう。

ワクチンのことを調べていたら昔の卒業生で今大分で小児科のクリニックの院長をしている神園慎太郎先生のブログを発見した(似顔絵は本人?)。ワクチンについて非常に詳しくわかりやすく解説している。特にモデルナとビオンテックの創始者についてのコラムは非常に面白かった。なんとこの2つの会社はもとは一つで特許のゴタゴタか何かで袂を分かったものらしい。知らなかった。ついでに私の紹介もしてくれている。それにしてもすごい情報量だ。よくこれだけのことを調べて書けるものだと感心した。もしかしてクリニック、流行っていない?心配になってメールしたらやはりコロナで患者さんが減って大変なのだそうだ。いや開けない夜はない。今は充電期間をもらったと思って踏ん張って欲しい。

NHKの『所さん大変ですよ』。今一番苦しい立場に立たされている大学生を特集している。合格してから大学に一日も行けてない。友達もつくれない。アルバイトもできず経済的にも壊滅的な状況なのに学費は下がらない。まだこんな状況なのかと驚く。文科省は4月から対面授業を再開するように通達しているが大学側はとにかく保身主義でオンライン授業は続くという。理不尽と言ってこれほど理不尽なことはない。大学生は自分らが感染しても無症状か軽症。不自由や不利益は自分たちのためではなく、重症化する可能性の高い年寄りのため。ただでさえ年寄りの年金は若者が支えているのにあんまりではないか。日本の未来は年寄りではなく彼ら若者にかかっているのに。私は年寄りの部類だが自分の命は自分で責任を持つから若い人たちはもっと伸び伸び勉学やサークル活動に打ち込んで欲しいと思う。日本の若者は本当に心やさしい。それにしてもだ。毎日感染者数を発表して煽りに煽っているNHKが「若者は大変」など言う資格があるのか?結果的に若者を苦しめているのはNHKなのによくこんな能天気な番組をつくれるものだ。じゃあどうしたら解決するのか提言してみせるといい。出演者が自分も若い時は貧乏だったと言っても何の解決にもならない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-03-10 23:47:26 (1235 ヒット)

日本でも医療従事者を中心にファイザーのワクチンの接種が始まった。その中で「アナフィラキシー」の発生率が欧米よりもかなり高いことが報道され注目されている。ワクチンは怖いと煽りたい報道機関はほれ見たことかと盛んに報道している。しかし報告されている事象は本当にアナフィラキシーなのだろうか?免疫学の講義ではもちろんアナフィラキシーショックを扱う。もともとフランスのリシェというひとがクラゲの毒素の研究をしているうちに血液成分(今でいうIgE)がショック死を誘導できることを発見し、ノーベル賞をもらったものだ。これに従って私は免疫学の講義では「アナフィラキシーショックは全身性に一斉にアレルギー応答が起き、血圧低下や呼吸困難など生死に関わる症状」と説明している。どうも報道されている「アナフィラキシー」はこれとは異なり生死に関わることのない早期に改善しているやや強いアレルギー応答らしい。日本では一般で使われる「アナフィラキシー」と教科書で使われる「アナフィラキシーショック」は違うようだ。日本でワクチンによる「アナフィラキシー」が多いというのは単純に欧米との定義の違いを反映しているのかもしれない。遅ればせながらそういう分析記事も出た。「アナフィラキシー」を起こした人の多くは過去にもアレルギー症状を起こしたことがあるらしい。ロシアンルーレットのようなものではない。ポリエチレングリコールが主要なアレルゲンらしいのでこれに過敏な人は注意した方がいいのだろう。
NHKがまた時論公論でアナフィラキシーの特集をしていた。専門家の会議では「アナフィラキシー」として報告された36例中7例が本当の「アナフィラキシー」と判断されたという。この数は海外とそう大きな差は感じられない。接種を忌諱する理由は全くない。メリットのほうがはるかに大きいことはほんの短時間しか放送しない。一体何がしたいのだろうか。。

3.11 東日本大震災から10年。今はコロナ禍。厳しい時代は続くけどいつかは夜は明けると信じたい。アメリカは7月に正常化を目指すという。やっぱりリーダーからこういう目標を聞かされると希望や勇気が湧く。一方の日本は。。代わりに私が言っても意味ないだろうが、9月末までには正常化したい。
今日は上原賞の贈呈式があった。理事会の前に短い挨拶をするように直前に知らされて焦った。少人数ではあるが錚々たる先生がたの前で、影山先生は慣れておられる様子だがこちらは初めてなので緊張する。何を言ったのか思い出せない。留学から30年間よく走ってこれたなと我ながら自分を褒めてあげたい。金メダルは純金製だそうで結構重い。下賎な身としては値段のほうが気になる。重みをかみしめつつ今日はゆっくりするか。
  翌12日にラボの皆にお祝いをしてもらった。金メダルの重みをかみしめてもらう。いや噛んでもらっては困るので手に取って実感してもらう。本当に皆さんのおかげなのだ。もっと努力しないといけなのだと酔った頭に言い聞かせる。
紙上での受賞講演記録はこちら


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-02-28 14:39:12 (1606 ヒット)

 5年来使用しているMacBookの電源が完全にダメになった。MacBookは現在はProとAirの2種類しかなくMacbookとしては最後のものに近いだろう。新しいバッテリーをネットで購入して取り替えることにした。以前もAirの電源を交換したりiMacのメモリを交換できたのでチョロイと思ったのだった。ところがこのA1534モデルはバッテリーが粘着テープで止めてあり剥がす作業をしているうちにキーボード側と画面側をつなぐ線が断線してしまった。そんなに引っ張ったわけでもないのに。自分の腕を過信しデータのバックアップもとっていなかった。しかたない。以前同僚がHDが壊れて正規のApple Storeに修理を頼んだら修理不能でHDを没収されてしまうという理不尽な経験をしていたし、自分で開けたと言うとひどく叱られそうだ。正規は避けてデータだけでも取り出そうと秋葉原のイーハン○という店に持ち込んだが、「このタイプはハードディスクと本体が一体になっていて部品もなく無理。たぶん何処に出しても無理。」と開けだだけで3000円も取られて終了(データ回復できたら3万円だった)。データのバックアップを取っていなかったことを死ぬほど悔やんだが、気を取り直してネットでの評判を頼りに吉祥寺のApple Juic○という店に連絡。すると「とにかく見てみましょう」と言われる。持参して写真を見せて状況を説明すると事もなげに「大丈夫ですよ。明日朝にはできています」と言われる。対応してくれたおにいさんに後光がさしているように見えた。実際翌朝取りに行くと完全に復活している。バッテリーも直っている。これで修理代2万円。何処ぞとは大違いだ。聞くとMacBook系を専門に修理しているそうでiMacは部品も置いていないという。なるほど住み分けもあるんだ。Macを開けるときは必ずデータのバックアップをとるという基本中の基本を忘れた代償は大きかったが、こういう修理店もあることを知ったのは収穫だった。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-02-23 18:35:31 (1582 ヒット)

 今日は1日ぐったり。コロナのせいではなく花粉症だ。目も鼻もやられている。こんだけ粘液が出たらウイルスも洗い流されるのではないか?多くのネットの記事では逆で、花粉症は「くしゃみでウイルスを撒き散らす」「目や鼻をこするので感染の機会が増える」と花粉症はコロナの危険度を増すと考えている。しかしそれってエビデンスがあるのか?実はすでに私と同じことを考えた人はいてオランダの研究者が花粉の数と感冒(ここではインフルエンザ様症状)とは明らかな逆相関があることを報告している。洗浄効果だけでなく花粉症も免疫応答なので肥満細胞から放出される炎症性サイトカインは自然免疫を強化してウイルス防御に働く可能性もある。1月に入って急速にPCR陽性者数が減った原因のひとつはもはや国民病ともいえる花粉症のせいではないか?まあそれだけとは思えないが夜の時短営業のせいなのか?それならなぜ緊急事態宣言を出していない県も減っているのか?何事も曖昧な知識にとらわれることなく、きちんとした調査結果に基づいて判断すべきだろう。専門家と言われる連中も間違った知識で判断していることはたくさんある。

24日。本日は東京都総合医学研究所主催でのYale大学の岩崎明子先生のWeb講演会だった。コロナウイルス感染症について主にヒト検体を用いた解析の話。ここまで大量の検体をよく短時間で集め解析できたものだと感心する。日本ではとてもこうはいかない。もちろん患者数の違いも大きいが、血液だけではなく唾液や尿などの検体を集積するシステムが構築されており多面的に解析できる点がすごい。そこから例えば最近Natureに出された、重症化の性差の発見などが見つかる。自己抗体も見つかるそうだ。脳オルガノイド を使った実験もされているということでどうやったらこんなにどんどん発想が広がるのだろうと感心するばかりだった。講演後ポストセミナーディスカッションの時間が用意されており、私は子供がなぜ重症化しないのか質問をした。岩崎先生は自分も知りたいといわれてまだ確定的な仮説をお持ちではないようだったが、ひとつ面白い実験を紹介された。T細胞やB細胞のない、つまり獲得免疫のないRag欠損マウスはコロナウイルスに感染させてもウイルスは作り続けるが死ぬことはないのだそうだ(普通のマウスは死ぬ)。つまり本来はウイルスを排除するためにある獲得免疫系が体を傷つけていることになる。新型コロナ感染症は免疫病と言われる所以だろう。では他のウイルスと違ってなぜそうなってるのか?まだ謎らしく本来なら免疫学者が競って解明すべき課題のように思えるが、日本ではどう考えても難しい。。

NHK時論公論。ワクチンについて。有効性に関する話は1分ほど。副反応に関する話は5分以上だろうか。海外と日本の違いはないと言いつつ、ほとんどが軽症で死亡重篤の割合は低い(死亡は今の所ゼロ)といいながら長期的な副作用はわからないとかやっぱり難癖をつけている。リスクとメリットの天秤は完全にメリットが上回っている。それなのに図の天秤は水平でメリットとリスクが同程度という印象をふりまくのはなぜだろうか?報道機関はコロナ禍が収束したら困るのだろうか。一応メリットは大きいと言ってはいるがそれでも危険性を強調する。やはり最後は一人一人が判断してと言う。もしそうならメリット、デメリットの解説の時間も実際の数字に合わせて報道すべきではないのか。印象操作はやめるべきだろう。

遺伝子ワクチンは核酸がゲノムに組み込まれる危険性を否定できないと言われる。それなら日本の某ベンチャーが開発を進めているDNAワクチンはもっと染色体に組み込まれる危険性は高い。モデルナは当然RNAとDNAを比較してとうにDNAは捨て去っている(とHPに出ていた)。

日本でも小児の重症例が報告されたという。海外では小児の場合は後遺症で「小児多系統炎症性症候群」(MIS-C)を起こすことが多いのだそうだ。実は一例だがSOCS1に変異を持つ子供でコロナ感染後にMIS-Cを発症した例が報告されている。やはり獲得免疫の暴走がコロナの重症化や後遺症に影響している可能性を支持している。逆にそのような症状を示す小児の遺伝子を調べれば免疫制御にかかわる遺伝子が見つかるかもしれない。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-02-04 18:17:21 (3204 ヒット)

 COVID-19の交差免疫についての解説が「EBM Library特設サイト」(ライフサイエンス出版)で公開されました。ファクターYは『交差免疫』なのか?!
他にもこちらのCOVID-19超解説はわかりやすい記事が掲載されているのでぜひご一読を。

交差免疫とは関係ないが東京の抗体保有率は0.91%だそうだ。これまでのPCR陽性者は累計99000人ほどなので人口1100万とするとほぼ0.9%で一致する。PCR検査が少ないとあれほど極評されながらも実際には感染者のほぼすべてをカバーしていたことになる。ほんとか?計算間違いしてないよな。

一方のインド
(右上図)デリーでは56%もの抗体保有率ですでに収束に向かっている模様。こちらも多くの犠牲を出しつつも自然に集団免疫を得つつある点はすごい。


イスラエルのワクチンの続報
60代以上で2回のワクチン接種を終えた約75万人のうち、検査で陽性となったのは0.07%に当たる531人だったそうだ。この数字は意外と多いような気がする。一方で2回目のワクチン接種後1週間以上たってから新型ウイルスに感染したのは0.03%。同時期のワクチンを受けていない人は0.9%の感染率だったそうなので有効率は1-0.03/0.9=96%なのだろう(最近ボケていて計算に自信がない)。60歳以上だと有効性が倍近く劣る(0.07% vs 0.03%)のはやはり免疫系の老化のせいだろうか。ぜひ年齢ごとに有効性や免疫記憶の維持具合を検証してほしいものだ。

イギリスはロックダウンとワクチンのせいか急速に感染が縮小している(右図)。いち早く収束するか?

EUからのワクチンの供給が遅れるかもしれないとの報道。ワクチン後進国に転落とまでこき下ろされている。世界が交流を回復した時に日本だけが取り残されると危機感を煽っている。こういう煽りはいいと思う。政府は日本での生産拠点を提供するくらいしてもいいのではないか。

ファイザーのワクチンが特例承認が了承されたという。マスコミは相変わらず「日本人での効果は不明」とか「副反応の4割が深刻(副反応の頻度も示さず)」などネガティブキャンペーンにいとまが無いところもある。一方で「ワクチンに期待82%」もひっそり掲示されている。マスコミはこの多くの人々が苦しむ状況が続いて欲しいのだろうか。日本人は皆がやっていると右へならいで打ち出す、しかも入荷数が未定となると先を争って接種するだろう、という予想もあった。

イスラエルの続報。国民の半分がすでに初回、ないし2回目のワクチン接種を終えているそうだ。それでも急速にPCR陽性率が顕著に下がり出したのは右図のように1週間前くらいから。国民の大半が打っても完全収束に向かうには一月以上かかるということか。ただ特に朗報なのはワクチンを打って感染した人はほとんどが軽症なことと、他人にうつす可能性も低下していること。ワクチンは自分を守るだけでなく周囲の人たちも守ることになる。

NHKはニュースで「接種は最後は自分で判断して」などと馬鹿げたことを言っていた。知識や情報のない人に自分で判断してというのはどういうつもりなのだろうか。結局は「周りがやらないから自分も」ということになる(逆もありだが)。まあこれまでNHKも散々子宮頸がんワクチンの心理的?後遺症をとりあげ不安を煽ってきたので急に方向転換もできないのかもしれない。今日のニュースでは接種を希望する人はまだ7割だという。報道機関は海外の情報も正確に伝えて、接種は決して危険ではなく本当に収束させる今唯一の手段で、かつ自分も他人も守る本当に大切なことだと訴えるべき。「自分で判断して」などと付け加える必要があるとは思えない。やはり悲惨な状況が続いてくれないと報道機関は困るのだろうか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-27 09:12:37 (1813 ヒット)

 イスラエルではワクチンを2度打った12万8千人のうち1週間以上で感染したのは20人で陽性率0.01%以下だという。コントロールをどうとればよいのかよくわからないが人口900万人に換算すれば1週間で1400人くらい、1日あたりだと200人が感染した計算になる。イスラエルでは最近では1日平均7000人感染しているので、ワクチンは感染を3%にまで減少させている。この間ワクチンによる死亡は報道されていない。4万人規模での95%の有効率とされた臨床試験の結果と一致する。ワクチンはこの不条理を終わらせる現在最も大きな希望だ。私も初めは世界初の核酸ワクチンということで効果や副反応が気になっていたが、報道を見る限り危険性を上回る驚くほどの有効性だと思う。マスコミも野党も日本でなぜワクチンの普及がこれほど遅いのか追求すべきだろう。PCRやコロナ専門病床と同じ轍を踏まないように切に願う。大阪の知事も似たようなことを言っていてまだいつ、どれだけの量が来るのかわからないそうだ。「G7でワクチン接種が始まっていないのは日本だけ」というと落語家も「それが不思議」と言ったという。NHKのニュースで「ワクチン格差」を話題にしていたが、日本も途上国と同じく(まだ始まってないという意味で)「格差の国」に含まれていた。

J&Jのワクチンは66%の有効性だと報道されている。ファイザーやモデルナと違ってJ&Jはアデノウイルスベクター型だ。実はロシアのスプートニクVもアストロゼネカのもアデノウイルスベクターである。全くもって不明を恥ずべきことに、私はアデノウイルス型のワクチンは複製する生のウイルスだと思い込んでいた。そのほうが細胞性免疫も強く誘導できるだろうしウイルスも少量で済む。ところが実際は非複製型だという。そう言われれば実験室では我々もよく使っていた(写真は当教室でSOCS3をアデノウイルスベクターでマウスの関節に投与した際の導入効率をみた実験。青が感染した細胞)。アデノウイルスベクターの良い点は細胞への導入効率が極めて高いことと細胞あたりの発現量がべらぼうに多いこと。またなるほど非複製型なら身体の中で広がることはなく安全だろう。
  実験室で普通に使っているということはアデノウイルス型のワクチンは日本国内でも種ウイルスさえもらえれば直ちに量産できるはず。技術的には多くの製薬企業でも作れるだろう。J&Jもアストラゼネカもぜひ日本で生産してほしいものだ。と思ったらアストラゼネカは日本国内で生産開始するそうだ。EUからの輸入に不透明感が漂っている。某国内メーカーはじめいくつかの企業はDNA型のワクチンを開発しようとしている。しかしよほど導入効率が上がらないとタンパク質の発現が低く、個人的には期待できないと思う。

東京は今日は感染者700人を切った。おそらく来週はもっと下がるだろう。しかし緊急事態宣言終了を宣言すればまた1000人を超えるだろう。下がった今こそワクチンでコロナを永久に封じ込めるのが最も理想的な展開だろう。そうでなければ再び増減を繰り返しつつ未来永劫にこの苦しみが続くことになるだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-23 19:12:44 (1945 ヒット)

 イスラエル人口は少ないが感染者数、死者数共に日本に近い。そのイスラエル は世界でも最も早く、かつ多くの国民がワクチン摂取を行なっている。その効果が出始めていると言う。ワクチンはこの過酷な状況を打開する最後の希望だ。この前本庶先生も参加したオンライン講演会で、臨床現場で戦っておられる先生が「今過酷な状況でも頑張っていられるのはワクチンが行き渡ってこの苦しさから解放される日が来ることを信じているから」と言われたのが印象的だった。
そうだと思う。ワクチンが日本だけでなく世界の希望のはず。ワクチンは打ては自分だけではなく他の人も守ってくれる可能性が高い。それは歴史が証明している。

電車の中吊り広告を見ているとマスコミは人の不安につけ込んでニュースを売ることが仕事なのだとつくづく思う。アメリカでは190万人のうちアレルギー反応は21人だが全員回復したというモデルナはもっと少ない。それでもアナフィラキシーを大袈裟に伝えて「こんな危険なものはない」と煽る。もしそれで多くの人が忌避しこの厳しい状況が長期化し多くの人々が困窮し命を落とすことなど一考だにしない。いやそうなった方がニュースは増える。「ワクチンこんなに危険」と言っている同じ番組で「こんだけ苦しんでいる人がいる」というのを平気で報道する。どちらもニュース価値は高い。先のサイトでは「歪んだ社会正義」と言っている。ワクチンは99.9%の人には何の健康上の問題はなく、ニュースを見ているかぎりリスクのある人をきちんとフォローすれば問題なくワクチンだけで死亡することはない。高齢者やアレルギーの既往症のある人は注意すべきだろうがこれはコロナに限ったことではなく全てのワクチンに必要なこと。

 我々免疫学者は非論理的な悲観論を展開すべきではない。自分は打たないけど皆を助けるためにあなたは打てと言うのは無責任では。影響力のある方はぜひワクチン接種がスムーズに進む様に発言して欲しいものだ。英国の小野先生はワクチンも副作用は把握できるしアップデートするので変異株にも有効と言われる。今日の情熱大陸で出てきた先生たちもワクチンが希望と言われる。「ワクチンがゲームチェンジャーになる。煽り記事を信じないように」と。しかし行政は今から遅延の責任を押し付け合っているらしいので暗い気持ちになるが。案の定、日程提示も見送りになった。PCRの遅延の責任は曖昧なのまま。ワクチンも何処かで目詰まりする可能性が高いだろう。マスコミはむしろ「今年後半、欧米ではワクチンが行き渡って経済も人々の交流も回復、一方で日本はそれに遅れて長期低迷に落ちるかもしれない」と煽ってみてはどうか?そのほうがよほど建設的なのではないか。

ワクチンには常に反対する人々がいる。デマも多い。昔「ワクチンが原因で自閉症が起きる」とする論文が世界的権威のLancetという雑誌に掲載された。結局は捏造で著者も医師免許を剥奪されたそうだが、今なお信奉者がいる。心理的な副作用を非科学的とは言わないが本来の免疫学的副作用とは区別すべきである。なぜ陰謀論やフェイクニュースの類が絶えないのかこちらで詳しく考察されている

 「ワクチン予防効果なし」こちらはフェイクニュースです。さすがに新潮社は取り下げた模様。この記事の先生が言われていることの方が正しい。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-11 15:18:49 (2084 ヒット)

 成人の日。街では晴れ着を着た女性をちらほら見かけたが、都内23区で成人式を開催したのは杉並区だけだそうだ。今日はよく冷える。雪の地方では成人式どろこではないかもしれない。未来を創る若い人たちはこの日を覚えておいて将来笑い話にしてほしいものだ。
ここ数日都内ではPCR陽性者は2000人を超え、全国でも7000人を超えている。日本は何かの力(ファクターX)で守られているとか、スウェーデンは集団免疫で成功したと信じていた自分が恥ずかしい。このままでは感染爆発が起きる(起きている?)可能性があるらしい。欧米並みのロックダウンに近い厳しい対策をとるべきとの声もあるが本家のイギリスではロックダンしても感染者数は増え続けている。ある程度の数を超えてしまうとロックダウンでは効果が薄いのかもしれない。台湾やニュージーランドなど世界で成功している国を参考にするしかないが、シンガポールは感染者数の割には死亡数が少なく参考になるのではないだろうか。しかし徹底した検査と強力なリーダーシップがないと難しい。そうなると一日も早いワクチンの普及が望まれるが、菅首相は2月下旬の開始を目指しているという(遅くないか?)。モデルナに至っては5月以降という話もある。死者数が日本に近いイスラエルでは首相が猛烈に働きかけて3週間で2割の国民が接種を終えたという。接種後2週間経過した人は感染率が低下したそうで希望の持てる結果ではないか(ただ記事は何人中何人といった正確な情報を伝えていない)。こちらは1回の接種でも60%の感染率の低下がみられるという。我が国では昨年安倍前首相がPCR検査を早急に1日2万回以上にすると言いながら、何処かで目詰まりして数ヶ月かかったことが気になる。嫌な予感がする。
案の定都内では既に準備が難航しているそうだ。もっとひどい予想では4月以降という話がある。管総理はここでリーダーシップを発揮できなければ内閣支持率はとんでもないことになるだろう。管総理は厚生労働大臣ではなく行革担当の河野大臣をワクチン担当相に任命した。厚労省の動きが鈍くなかなか官邸の言うことを聞かないからとも言われている。ここは本当に2月下旬には始まって欲しい。

東京都は3つのコロナ専門病院を指定するという。これも随分前から早くやれと指摘されていたと思うが。。政府はPCR陽性者が入院拒否した場合に罰金懲罰を課すらしい。ところが東京都では入院先が見つからない患者が7000人を超えているという。入院したくてもできない人にも罰金を取るのだろうか?まずはコロナ専門病院を作って十分な入院先を確保してから言うべきことでは?PCR検査と同様お尻に火がつかないと動けないか。

インドでは感染者が急激に減少している。公式には1000万人の感染者数であるが実際には3〜4億人、人口(13.5億人)の20-30%がすでに感染している可能性があるそうだ。さすがにここまで広がると集団免疫が近づいているのだろう。ワクチン接種も始まるらしいので多くの犠牲を出しながらも最も早くコロナを克服するのはインドかもしれない。そのほかイラク、サウジアラビアなど中東の国でもかなり感染者数が下がっており何か理由があるのではないだろうか。イベルメクチンのおかげではないかという説もある。なるほどアフリカで感染者が非常に少ない理由もそれか。

このコロナのやっかいな点は、ロックダウンなどの閉鎖、隔離を優先すると経済が回らずに感染者以上に苦しむ人が出ることもだが、もうひとつは閉鎖によって感染の収束が遅くなることだと思う。台湾や中国やニュージーランドはうまくっていていると言われるが、感染者を出さないようにすれば窮屈な生活はいつまでも続き感染して免疫を得る機会は減る。もちろんワクチンがそれに代わることが期待されているのだがスパイクタンパクだけのワクチンで集団免疫が得られるかどうかはまだわからない(ワクチンを打った人は重症化しないがそれが他人にうつさないかはわからない)。アメリカの研究者は10年後にはコロナは普通の風邪になりインフルエンザよりも軽症になるだろうと報告している。子供が軽症なところをみると確かにそうだろう。しかしそれは多くのひとが感染して免疫を得ることと、おそらく並行してウイルスが変異して毒性が低下することが必要なのだろう。隔離政策はその速度を確実に遅くし、本当の収束を遅らせる可能性がある。あちらを立てればこちらが立たない。コロナは非常にやっかいな問題を人類に突きつけている。私は高齢者を率先して隔離もしくは自粛させよという木村先生の意見に賛成だ。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-05 12:01:58 (1448 ヒット)

 昨年はコロナに翻弄された1年だったが、今年はぜひ良い年になることを期待したい。
ファイザーやモデルナのワクチンはmRNAタイプでこれまで使われたことがない全く新しい画期的なものだ。分子生物学、免疫学、ウイルス学の英知と技術の粋を集めてつくられた。これが成功すれば感染症だけでなくがんや免疫疾患をはじめ様々な疾患治療に使えるだろう。無事成功することを祈りたい。

ただ新年からおめでたくない話で、政府は緊急事態宣言を出すと言っている。今回は夜間の飲食店を中心に制限するそうで、前回のような「猫も杓子も」というわけではないそうだ。それは非常に理にかなっており、ピンポイントで本当に重要なところだけを抑えるのは大いに賛成だ。でももし夜間のスーパーの営業まで禁止されたら夜間にしか買い物に行けない自分は飢え死にするかもしれない(この点は回避された)。
ただ最近よく言われるようになったのは「医療崩壊の謎」。日本は人口あたりのベッド数は先進国で最多で、欧米と比べると感染者、死者は10-100分の1なのになぜ医療崩壊の危機なのだろうこの半年行政や医師会は何をしていたのだろうか?と憤るひともいる。もっともなことだ。政府は国民の努力が足りてないように言っているが、増えたと言っても欧米と比べると1日あたりの感染者数は1/10かそれ以下。少しは褒めてもいいような気がするのだが。
 
毎度の4カ国比較。何も目新しいことはない。日本の感染者数は1日3000人を超えていて、イギリスやアメリカと比べると桁は違うが最近の致死率は1.3%程度でほぼ同じ。やはりファクターXは幻想だったか。集団免疫のスウェーデンでも感染者が急激に増えているが日本の1.5倍程度。ただ最近の致死率は少し低く1.0%くらいなので少しは効果が出ているのか。イギリスはロックダウンにもかかわらず感染者は増えている。それよりも緩い緊急事態宣言の効果に疑問が持たれる。最近急速に感染が増えているのは変異種のためかもしれない。しかしその割には死者数は増えていないので、やはり変異種は感染力は強くても毒性は低い可能性はある。いや昨日あたりから増えているのでまだわからない。アメリカの死者数は頭打ちになっているが、10人に一人は感染しているので集団免疫に近づいている途中なのかもしれない。まだワクチンの効果は出てないだろう。アメリカでは一日3-4000人くらいコロナで亡くなっているという。日本はその1/50だが、アメリカと日本の致死率はそれほど変わらない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-12-17 13:30:23 (2647 ヒット)

 日本を含む東アジア地域の感染率は欧米に比べると一桁以上低いので日本(東アジア)はコロナから守られている、という考えがあって、山中先生はこれをファクターXと名付けた。いろいろな研究者がファクターXの正体を探ろうとし、免疫交差説やBCG説、何らかの遺伝子の違いなど様々な角度から研究された。しかし昨今の日本の流行をみると結局ファクターXは「マスクと手洗い」など行動の差であって遺伝子や免疫の問題ではないのではないか、という疑いを抱かせる。岩田先生は「ファクターXは幻想」とまで言われている。
一方確実に守られている人たちがいる。それは子供や若者で世界的に20歳以下の感染者は概ね軽症か無症状だ。その理由はまだはっきりしない。それで子供や若者をコロナから守っている因子をファクターYと呼ぶことにしよう(と言っているのは私だけ)。仮説はいくつかある。今週号のNatureにニュースが出ているが複雑で結局何がいいたいのかわからない。「生物はそれほど単純ではない」という身も蓋もない言葉で結ばれている。そこを私なりに簡単に分類すると
(1)自然免疫説:子供はしょっちゅう風邪をひいている。あるいはいろいろなワクチンを打って間もない。そのため自然免疫が強化されている。
(2)交差免疫説:その風邪のかなりの部分は風邪コロナなので交差免疫が強く発動する。
(3)子供はコロナの受容体ACE2の発現レベルが低い。
(4) (1)とは逆に免疫系が未発達なので(多分)サイトカインストームを起こしにくい。

まだ決め手はないが、私は商売柄(2)を押している。が、(4)も魅力的かもしれない。子供と同じく確実にコロナから守られている動物がいるからだ。それはコウモリである。コウモリはコロナウイルスほか多くのウイルスに感染しても無症状でリザーバー(ウイルスの排出源)になっている。インフラマゾームが専門の原英樹准教授が教えてくれた。コウモリに症状がない理由のひとつはIL-1βを産生する機構が遺伝的に欠落しているからだそうだ。IL-1βは主にマクロファージが産生する自然免疫系のサイトカインでサイトカインストームでも主要な役割をしている。IL-1βが作られなければサイトカインストームは起きず一見無症状の状態が維持されるだろう(感染が身体中に広がらないのか不思議だが。。サイトカインストームが起きないとウイルスと獲得免疫の攻防が平衡状態に達し不顕性になるのか)。コウモリではIL-1β産生に必要なインフラマゾームの部品であるNLRP3AIM2やcaspase-1の遺伝子に変異があるらしい。他にもインターフェロン産生にかかわるSTINGにも機能低下変異があるらしい。

西川先生の解説はこちら。私の投稿よりだいぶ後だ(威張るようなことではないが)。

IL-1βが軽症の鍵なのか?IL-1βを産生しやすい痛風持ちは重症化しやすいと言う。では子供ではIL-1βは低いのか?インフラマゾームが未発達なのか?もしそうならどうしてか?調べる価値はあるのではないか(論文をみても結果か原因かよくわからない)。また今使えるインフラマゾームの効果的な阻害剤はBTK阻害剤以外知られていない(と思う)。BTK阻害剤は重症での効果が報告されているが、早期に使えば症状を抑えられるかもしれない。でもそうするとウイルスを排出し続ける無症状のひとを増やしてかえってやっかいか?痛風で使われるコルヒチンは臨床治験が始められているそうだがインフラマゾームを抑える効果は小さいそうだ。

コロナの変異種が出現して感染力が7割り増しとか。ロックダウンすればウイルスも生き延びるために感染力が高い方が残るだろう。一般的に感染力が上れば毒性は下がる。新型コロナもいつかは季節性の風邪になると言われているがその過程のひとつなのでは。

日本では感染者数、死者数共に欧米より一桁低いのになぜ医療崩壊と言われているのか?この記事の指摘はもっともなことで抜本的な制度変更が必要だろう。こちらも似たような意見。2類相当を見直すとずいぶん前に言われていたのにどうなったのだろうか

 日本がワクチンでは大きく出遅れたのはなぜか?ワクチンだけでなくコロナ関連の論文はアメリカや中国、欧米よりはるかに少なく世界16位だという。実はコロナ関連だけでなく多くの科学分野で日本の存在感が薄れているNHKの番組ではこれを広く捉えて「”科学立国”再生の道」と題して特集番組を組んでいた。一番の問題は若い人が科学分野に残らないこと。なので様々な若手支援のプログラムを組んでいるという。それはもちろん大いに結構なことなのだが、それだけなのだろうか。何かずれていないだろうか。そもそも強い意思をもって研究したいという若者がほとんどいないのに誰に支援するのだろうか?地方どころか都会でも助教を募集してもなかなかいい人が集まらないという現実がある。老害と一蹴されるだろうが、それでも言わせてもらうと自分が若い頃はもっとポストはなく研究費も絶望的に少なかった。しかしお金はなくても夢はあった(昭和の高度経済成長期並に)。日本の政策は一度決めたことは矛盾が出て失敗が明らかでもなかなか否定されずやり直すことができない。社会構造から抜本的に変えないと難しいのではないか。。

 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-12-14 15:40:01 (2721 ヒット)

 今日2020年度の上原賞の受賞アナウンスがあった。上原賞というのは上原記念生命科学記念財団毎年2名の研究者に授与している賞で、過去にはノーベル賞の山中先生も大村先生も本庶先生も受賞している大変名誉ある賞である。もとより私のような浅学非才なものがいただける賞とは思っていないが、これまで一緒に研究してきた若者たちを代表してもらえるとしたら大いに誇りとしたい。内容的には大学生レベルの免疫学や遺伝学のほとんどの教科書に書かれていることで、決して他の受賞者の業績に引けを取ることはないと思う。ただ私はその端緒を開いた「一粒の麦」に過ぎないので、私個人の業績というよりひとえにこの分野を発展させてくれた仲間や世界中の研究者のおかげ、評価していただいた選考委員の先生方のおかげである。 


受賞研究題目は『サイトカイン応答を制御する分子機構の発見とその病態解明』。サイトカインは免疫のみならず内分泌や代謝など身体の恒常性を保つ上でなくてはならない物質で、細胞と細胞の間のコミュニケーションツールである。おそらく100を超えるサイトカインが存在すると思われるがその中で1/3くらいはいわゆるJAK/STAT経路を使っている。このJAK/STAT経路の調節系として非常に特異性が高いのがCIS/SOCSファミリーの遺伝子群である。またサイトカインや、それ以外の増殖因子のほとんどはRas-ERK経路を活性化する。こちらの負の制御因子はいろいろあるが我々が発見、クローニングしたのはSPREDファミリーという遺伝子群である。これらの発見の経緯や解説はこちらこちらこちらをご覧いただきたい。いずれにしろ20年以上前の成果だ。その後我々は遺伝子改変マウスを使ってコツコツとその機能や生理的、病理的な意義付けを行ってきた。おそらく評価してもらえたのは発表してきた内容の多くがX線結晶解析SOCS1,3SPRED1)によって原子レベルで証明され、さらにSOCSSPREDもヒトの疾患原因遺伝子として確定されたことにあるのではないかと思う。ただSPRED1Legius症候群の原因遺伝子であることの発見はベルギーのグループとの共同研究であるが、それ以外の、SOCS1のヒトがん抑制遺伝子あるいは遺伝性自己免疫疾患の原因遺伝子としての発見も、X線結晶解析による抑制の分子機構の解明も、全く別のグループの成果である。それでも我々の努力がこれらの発展に寄与したことを評価してもらえたのだと思う。
 「我々の努力」といっても実際には当時、今なら『ブラック』と呼ばれてもしかたないラボ(まあ沼研とか〇〇研とは比較にならないが)で日夜寝食を忘れて実験に頑張ってくれた大学院生、スタッフらのおかげだ。私は発破をかけていただけのような気がする。本当に感謝の言葉が見つからない。また節目節目で多くの先生方、研究者に助けられた。CISのクローニングができたのはDNAXに呼んで下さった宮島先生のおかげだし、SPREDを釣ったライブラリーは横内君が留学したBaron研からもらったものだった。最初の遺伝子欠損マウスは国際医療研究センター研究所(現)の高木先生に教えを請い作ってもらった。Legius症候群の発見は当時大学院生だった谷口君とベルギーのEric Legiusのおかげだ。 


免疫でSOCSのような負の制御因子が重要なのはいわるゆる「免疫寛容」と呼ばれる現象である。「免疫寛容」とは免疫が自分を攻撃したり、過剰に反応してアレルギーになったり、慢性炎症になったりすることがないように制御する現象のことである。もしこれがないと食物に対して抗体ができて我々は食事ができず餓死するし、母体は半分異物である胎児を攻撃してしまい種の継承もできない。免疫寛容はそれくらい大事なものである。SOCS1は免疫を推進するエフェクターT細胞のブレーキ役として免疫寛容に必須な役割を果たすが、さらに「寛容」のもう一つの中心となる細胞、制御性T細胞(Treg)においても機能維持に重要な役割を果たしている。それから派生してTregの発生維持に必要な因子をスクリーニングした結果得られた遺伝子が最近力を入れているNR4aファミリーだ。SOCS1がシグナルの面から「寛容」に関わるのに対してNR4aは転写の面から「寛容」を制御している。「免疫寛容」という免疫の根幹に関わる遺伝子ファミリーに巡り会えたことは極めて幸運だったと思う。


 さらに言えば私は遺伝子ハンティングの時代に間に合ったことも本当に幸運だったのだと思う。一攫千金の時代だった。腕一本だけで勝負できた。しかし当時多くの遺伝子がクローニングされたが、構造からヒト疾患までつながったものはそう多くはない。やはり私は運と仲間に恵まれたのだと今更ながら思い知らされる。
あ、授与式が3月らしいのでそれまではコロナに罹らないようにくれぐれも気をつけたい。

 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-12-13 17:04:44 (1350 ヒット)

 12日は京都で某XXの会合。世の中ではGoToに対して「感染を拡大させている」として厳しい目が向けられている。私は少し違う考えを持っていて、移動だけで会食や多人数との接触がなければ出張は大きなリスクはないのではないかと思っている。移動だけで感染するなら毎日の通勤電車ですでに感染してるだろう。ともあれせっかくの京都である。会議の2時間ほど前に着いて京都御所や下鴨神社を散策した。下鴨神社の境内の原生林を糺の森(ただすのもり)と言うそうで、広い杜になっている。大学院生のころ近くに下宿していたにもかかわらずなぜか下鴨神社も糺の森も行った記憶がない。しかしここの紅葉は遅いらしいので行ってみることに。嬉しいことにまだ結構残っていた。

それもだが国歌、「君が代」に出てくる「さざれ石」が置いてあることに驚いた。ほんまにあったんか。しかし調べてみるとかなりの箇所にあるらしく「さざれ石公園」すらあるらしい。確かに下鴨神社のさざれ石には苔は生えていないが、さざれ石公園の石には苔がむしている。こっちが本家か元祖なのだろうか。

感染はなかなか歯止めがかからない。ここにきて私も山中先生が提唱したファクターXは実は「マスクと手洗い」だったのではないかと密かに思うようになっている。岩田先生も幻想だと言っている。実際感染者の死亡率はアメリカも日本も大きな違いはない(1.8% vs 1.4%)。日本で感染者が少なかったのは遺伝子や交差免疫のせいではなく日本人の清潔な生活習慣や自粛のおかげだったのかもしれない。それがGoToなどで緩んだというのは確かにそうなのかもしれない。でも第一波の時のように一旦とことん抑えてもまたコロナは復活する。拡大と緊縮を繰り返すのは同じではないか。それでも一旦強く抑えた方がいいのか。なんとか自殺者を出さないようにかわしつつ1日も早くワクチン と治療薬が開発されるのを待つということではなかったか。といっても今の対策ではどちらも外国頼みなのかもしれないが。。

それでも子供や若者が軽症あるいは無症状というのは世界的に共通している。免疫学会のシンポジウムで宮坂先生に質問したら、子供でも感染したら抗体価はあがるそうなので、単に自然免疫で排除されているわけではないようだ。ここは交差免疫で説明できるような気がする。と言ってもうちのラボの検査でも「若者だと免疫記憶が高い」という結果はまだ得られていない。なぜなら検査を拡充させるための資金と提供者の問題があるからだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-11-28 16:47:43 (1978 ヒット)

 世界的に第三波襲来で感染者が急増中という。まず非常に落胆せざるを得ないのは「集団免疫」を獲得したと思われていたスウェーデンでも感染者、死者ともに増えておりついにスウェーデンでも規制強化に乗り出したとのこと。うーん、6割がた免疫を獲得したのではなかったのか?あるいはコロナは免疫記憶ができにくいのか。それならワクチンはどうなる?気になるのはロシア。ワクチンはとうに完成して92%の効果だというのになぜ増え続けているのか?まだ打ち始めていないのか(なんと来週から接種開始という。なんでこんなに時間がかかったのだろう)。イギリスはロックダウンしたらPCR陽性者は減り始めている。やはり接触を少なくすれば減ることは減る。でも日本はなぜ第二波後9月以降は一旦減ったのだろうか?何かやったのだろうか?思い出せない。2類感染症を見直すという話はどうなったのだろうか?アメリカではもうすぐワクチンを打ち始めるとのことなのでその結果待ちか。ただたぶんPCR陽性はゼロにはならないと思う。重症者が減ることが大事だろう。

多くの大学で年度末に休退学者が増える予想だそうだ。片親の家庭はさらに苦しい。親から十分な支援を受けて卒業まで全うできる学生ばかりでは無い。むしろそんな学生は幸せなほうだろう。学費は出すが生活費はアルバイトで稼げ、という親も多い。コロナでバイトも難しいし、オンラインばかりでは学生としての楽しみも成長も期待できない。休退学を考える大学生が増えていてもおかしくない。なんとかいい知恵はないものか。

今日から分子生物学会。完全オンラインでなんとシンポジウムとワークショップは全部英語。しかしZoomの英語はダメだ。集中力が続かないし、周りに人がいないから睡魔に身を委ねることにほとんど抵抗がない。気がついたら発表どころかセッションが終わっていた。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-11-26 17:00:32 (1694 ヒット)

 

 SOCS1はJAKに結合してその活性を阻害する、天然のJAK阻害剤、つまりサイトカインシグナル調節因子である。もう四半世紀ほど前に我々や他のグループがまずマウスで発見したが、ヒトの疾患における解析は少し遅れている。ある種のリンパ腫でSOCS1の変異がよく見つかることから「ヒトがん抑制遺伝子」としては確立していたが、肝心の免疫系ではどうなのか?SNPは数多く報告されていたが機能欠失変異は知られていなかった。それがようやくフランスから5家系10人が見つかって10月号のNature Communicationsに報告されている。症状は早期の自己免疫疾患である。6割が10歳以下での発症で、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)や乾癬、セリアック病、SLEなど。脾腫やホジキンリンパ腫を発症している人もいる。ホモ変異はなくすべてヘテロで優性遺伝する。つまりSOCS1の量が半分になるだけで発症する(ただし無症状のひともいる)。変異をもつ人のリンパ球は当然インターフェロンγなどのサイトカインに感受性が上がっている。Tregの機能低下も認められ、血中サイトカインレベルも高い。すべて我々や他のグループがマウスを使って報告してきた表現型と一致する。NatureでもNature Geneticsでも良さそうなものだが。あまりに予想された通りの表現型(病気)だったせいか?それでも発見者のひとりとしてこの分子に長年取り組んできた者としては、ようやくヒト免疫での重要性が確立されたことに感慨ひとしおである。それにしてももっと早く見つかってもよかったのではないか。。。


と思っていたら実は5月号のNautreに、イギリスの大規模な Primary Immunodficiencyの遺伝子調査によって遺伝性ではなく孤発の免疫不全症(不全というよりも免疫異常症と言うべきか)でSOCS1の変異が2例発見されたことが報告されていた。なるほどだからNatureに行かなかったのか。それにしても自分の勉強不足が恥ずかしい。

一度見つかるとこういうのは次々に見るかるものらしい。アメリカからも2例の孤発と家族性のフレームシフト変異が報告されている。


ともかくもSOCS1のヒトでの重要性ははっきりした。SOCS阻害剤はチェックポイント阻害剤になり得ることは明白だ。どうだろう?どこかの企業の方、一緒にやりませんか?


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-11-03 11:19:34 (2590 ヒット)

 今日は文化の日で晴れることが多いのだが曇りの1日。気分も晴れない。数日前に用で銀行行ったら入場制限で外に列をつくって待たされた。雨がひどかったらどうするのだろう。電話をかけたら前のオヤジにソーシャルディスタンスを守れと怒鳴られた。第2波第3波やインフルとのツインデミックで何万も死ぬと煽っていたワイドショーの信奉者もまだ根強くいるらしい。ヨーロッパでは感染の再拡大でイギリスやフランスでは再度ロックダウンを行うという。で今回はイギリスも入れて4カ国で比較をしてみた。アメリカは相変わらずの状態。イギリスでは確かに感染者数も死者数も増加に転じている。一方でスウェーデンを見るとここも感染者数は増えているが死者は増えていない。これからが正念場という説もあるが、やはり一番安定感がある。ロックダウンのエネルギーを老人などリスクの高い人たちの保護にあてたほうが効率良く危機を回避できるような気がするが。本当に他に打つ手はないのだろうか?誤解されがちだが「免疫ができたら感染しない」というのは間違い。感染はするしPCR陽性にすらなるかもしれない。でも早期に治ったり軽症で済んだりするということ。その認識がないとワクチンも正しく評価できないかもしれない。

大学の対面授業五割以下は名前を公表するらしい。若者を犠牲にする事なかれ主義を諫めるにはいい事だが、学生にとってはオンライン授業がダメというより教官や友人との交流がないことのほうが辛いのだろうと思うのだが。。

アメリカ大統領選挙投票日。前回2016年はおおかたがヒラリー楽勝、という予想だったが私はトランプを予想した(ただの「感」で威張るほどのことではないが)。今回は世論調査ではバイデンだが最後はトランプが勝つと予想している人がネット上ではかなり多い(そういう記事の方が目立つからだろうか)。私の予想はバイデンだったがやっぱりトランプが勝ちそうだ。。結局予言は 当たった(11日朝)。だがトランプは居座り続けるつもりらしい。
それにしてもあれからもう4年も経ってしまったことに焦りを感じる。賑やかな学園祭は戻ってくるのだろうか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-10-20 18:11:31 (3864 ヒット)

 この頃毎日のようにzoom会議である。そもそもが几帳面とは縁遠い人物である。何度かzoom会議の時間、あるいは予定そのものを忘れて遅刻やすっぽかしをやってしまった。反省しているところにZoom<no-reply@zoom.us>;からXXXが待ていますとzoom会議のアドレスを書いたメールが届いた。この時間にzoomの予定あったっけ?いやきっと自分が忘れたに違いないと思ってURLをクリックするとちゃんとzoomの画面が出てくる。しかし相手はカメラもマイクもオフのまま。まだ始まっていないのだろうと5分ほど待つも誰も入ってこないし音声も切れたまま。ようやく怪しいと気づいて退出する。ネットで調べると案の定「Zoom会議招待を偽装したスパムメールに注意」というのが出て来た。しまった!と思っても後の祭り。5分以上インターネットを経由して自分のPCがよからぬヤツラと繋がっていたことになる。もしかしたらPCの情報をごっそりダウンロードされたかもしれない。ID、パスワードも筒抜けか。「XXXさん、どなたでしたっけ?」と今思うととんでもなく間抜けな呼びかけをしていた自分が情けない。ヤツラは画面の向こうで笑っていたに違いない。皆さんも「zoomなりすまし」にご注意を。

なりすましの招待は巧妙でhttps://keio-univ.zoom.us/xxxxxxと大学の名前を騙っていていつもの招待状とほとんど区別がつかない。知らない人についていかない、知らないメールを開かないというのは常識だが、これからは「知らないzoomには入らない」も。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-10-10 12:37:30 (2017 ヒット)

 水曜日から札幌でがん免疫学会。前回の炎症再生学会は都内だったので、本当に久しぶりの講演会場でのしかも英語での講演。いつも以上に緊張してコンピュータの画面ばかりみて顔をあげられなかった。会場は300名くらい入るところを100人くらいで占めている。そのほかインターネット経由でも300名以上が参加したそうだ。こういう対面とWebの両用をハイブリッド型だという。先週の広島でのがん学会もハイブリッド型で私はWebで参加した。自宅で聞けるなどWebのいいところも沢山あるのだが、やっぱり質問や議論は現地にいないと難しい。なのでこれからはハイブリッド型が多くなるような気もするがコストは大変なものらしく今回の大会長もぼやいておられたいた。久しぶりの対面がうれしくて3日間最初から最後まで参加した。会場はすすきのの近くだったが「夜の街には行かないように」とのお達し。札幌ラーメンを毎晩食べていた。

早稲田大学の総長の「対面授業再開も元には戻らない」というインタビュー記事が出ていた。教科書の解説をするような講義はオンラインで、対面はディスカッションを中心とする「熟議」で、ということらしい。これって別にコロナとは関係なくハーバード大学白熱授業などが話題になった頃から言われていたことだろう。コメント欄にも「おかしなはなし」と批判がたくさん出ていた。学生にとってより大事なのは講義よりもサークルや部活で仲間と会うことや何かをやり遂げること、あるいは自分たちで調査したりすることなんじゃないか。そのために大学の設備も必要だろうし集まることが最も必要だろう。講義や授業の建前の話はさておき、いつまでもサークル禁止は大学の機能の半分しか議論されてない気がする。
対面授業半分以下の大学は校名を公表するという。少しは風向きが変わるか?感染対策をしっかりやればできるだろう。

イギリスの最新研究では学校の閉鎖は死亡者を増やした可能性があるという。感染者の総数を減らすことよりも高齢者や基礎疾患のあるひとを重点的に感染から隔てることで死者数を最小化することができる、というもので当たり前といえば当たり前のことだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-10-04 12:07:45 (3097 ヒット)

母校の高校創立100周年記念講演会の感想(自分の)をアップしました。


西川先生のT細胞交差免疫の解説記事が出ていた。ラホヤ研究所のScience論文の紹介だ。なんと私がひと月前に紹介した論文ではないか。いつも西川先生の論文解説を読んで慌てて自分も読むことがほとんどなので、今回は少し誇らしい気がする(そんな他人の論文の紹介くらいで威張ることか?)。うちでもラホヤ研究所とシンガポールからペプチドもらって実験を始めている。一応T細胞の研究室なので。CD8は感度そのものが悪いが、CD4は確かに非感染者でも反応が見られる。年齢などを広く比較したいがコロナ専門の研究費があるわけでもないので本当に細々としかできない(とつい愚痴になってしまう)。ただやっぱりどうしても解決できないのはそんな「コロナの遠い記憶」が実際の感染防御に役立つのか?ということ。これはどの「ファクターX」の候補も同じでヒトで検証実験ができない以上いつまでも仮説は仮説のままかもしれない。

いつもの3国比較。初期はともかく最近のスウェーデンの安定度が際立っている。感染者数は増減を繰り返しているがここ2ヶ月は死者はかなり抑えられている。第二波が懸念されているイギリスのジョンソン首相がスウェーデンのコロナ対策の立案者に助言を求めたそうでそれも頷ける。また第二波では日本もアメリカも感染者数に対する死亡者数は、ウイルスのせいか対応策のせいかわからないが確かに減っている。さすがにもう日本でもメディアの「恐怖の煽り」は減っているようだ。
なお基礎免疫学的にはインフルエンザとコロナの同時感染はまずありません。ウイルス干渉現象という古典的な機構があるからです。インフルとコロナで何万人も死亡なんて言うかたは免疫学を勉強してないんでしょう。

今年のノーベル医学生理学賞はC型肝炎ウイルスの発見に。コロナでウイルスに関心が高まっているのでタイムリーか。C型肝炎ウイルスはフラビウイルス科に属しておりあの野口英世が感染して客死した黄熱病ウイルスも同じ科に属する(属は異なる)。動物細胞を使った試験管内感染系もできなくて、発見は当時カイロン社のHoughton博士が患者血清から直接RNAを単離したと記憶している。つまり感染性のウイルス粒子ではなく遺伝子から見つけられたものだ。見えないものを遺伝子工学の力で見つけたと非常に評判になり、慶應医学賞の対象にもなって調べたことがある。治療薬の発見のほうもすごいので、そちらももらえるかと思ったが対象になっていないようだ。

トランプが退院したという。この人の行動をみているともしかしたらアメリカ人には「他人にうつしてはいけない」と言う意識がないんじゃないかと思える。そう言えばアメリカに留学していた頃「気配り」とかはあまり経験したことがない。アジアもアメリカも感染者に対する致死率は変わらなくなってきた。アメリカ2.8% 日本1.8%。しかし感染者数そのものが100倍違う。麻生さんが「民度の違い」と言っていたが案外アジアと欧米の差のファクターXはこれ「他者への思いやり」の差か。一方どの国でも若者は軽症で、人種で年齢による重症率の差はそこまで違わない。この原因こそが交差免疫などの免疫学的な影響なのかもしれない。
トランプのコロナ感染。私の第一印象「自作自演では?」同じことを考えた人も一定数いたようだ。勝つためには手段を選ばない。主治医は陰性になったかどうか明らかにしない

この主治医「トランプの血液に抗体が検出された」と発表したらしい。トランプは抗体治療を受けているはず。いつ投与されたかが問題だが、投与された抗体を検出している可能性がある。まさかそんなアホが主治医とは思えないが、トランプはなんでもありなので可能性はある。トランプも免疫がついたと自慢している。受動免疫の抗体は結構長く持つ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-09-27 16:00:39 (2408 ヒット)

 自分の出身の高校は地方で純朴を絵にかいたような学校だった。卒業したのはもう40年以上前のことだ。本を読むか、勉強することしかなかったこれも極めて特色に乏しい3年間だった。こんなことを考えたのは母校の100周年記念式典での講演を頼まれたからだ。高校生相手に講演などしたことがない。こういう時は高校時代の涙ぐましい、もしくは感動のエピソードを紹介するとか、スティーブ・ジョブスのスピーチのような心に残る人生訓を話すかすべきなのだろう。しかし生来人様に訓示を垂れるような人格もないし感涙を誘う成功物語もない。散々考えた挙句、やはりここは専門の免疫学の講義を、今皆関心があるに違いないコロナにひっかけて話すしかないと結論した。特に山中先生の「ファクターX」の有力候補の免疫交差説を説明しようとすると、抗体や獲得免疫など免疫の基礎もやや詳しく解説できるだろう。抗体の話では利根川先生の遺伝子再構成にも触れることができる。ただそれだけでは文系には受けないかもしれない。そこで抗体や血清療法の話を引き出すのに野口英世と北里柴三郎の話も盛り込んだ。彼らには興味深いエピソードに事欠かない。どちらも留学しており高校生に「世界を目指す」お手本としては最適だ。
でも明治の偉人の話では身近に感じられないかもしれない。それに自分の話も少し入れないと「先輩」としての面目が立たないかと思って自分の留学時代の話も10分ほど入れる。そうなると「てんこ盛り」となるが練習を重ねて60分に収まるようにした。zoomの講義録画もだいぶ慣れてきた頃だ。何度かzoomで録画して練習を行う。最後にスタッフの高校1年のお子さんに録画を見てもらい「面白かった」「よくわかった」との言質を得て自信を得て講演会に臨んだ。

当日、PCの動作確認を行うがなんと音声が出ない。前日ちゃんと動くことを確認したのだが。かなり慌てたがしかし音声は「免疫劇場」のみでマイクでPCの音を拾うことでうまく切り抜けられそうだった。体育館で結構明るくスライドはかなり薄いが、今更しかたない。講演が始まると流石に600名の生徒らの視線というか圧力は強烈だ。いつになく舞い上がってしまった。言おうと思っていたことをかなり言い忘れた。例えば「大学が門を閉じているのは大学の偉い人たちの事なかれ主義」と批判したところで、「佐賀県は死亡者ゼロであり、高校ももかなり正常に動いている。これは先生や県の人たちの風評被害に負けない英断も大きいはず。」と賞賛するのを忘れた。 生徒さんらの顔を見て何度も言い直したりしたせいか時間もオーバーしそうになった。これはいかん、と焦り最後に「質問などあればメールして欲しい」と言うべきことも忘れてしまった。結局予定より10分もオーバーしたのではないかと思う。
話すのに手一杯でなかなか生徒のほうを見れなかったが、生徒の表情からは解ったのか、面白かったのか、つまらなかったのか全く読み取れなかった。今でも「真面目」「純朴」な生徒が多いそうなのでつまらなくても顔にも出さないのかもしれない。ひとりでも興味を持ってくれたらそれでよしとしよう。それにしても自分にとってはスリリングな体験だった。 
若い人たちに犠牲と閉塞を強いる今の状況。もし北里がいたら「オレが責任をとるから若いものはどんどん仕事せい」と言ったのではないかと思う。もっとも当時は死を覚悟して研究するのが普通だったようだが。肝が座っていると言うべきだろう。北里と一緒に香港にペストの調査に向かった東大教授の青山は感染して生死の境を彷徨っている。野口はアフリカで感染して客死したが、黄熱病ウイルス説を唱えて後にノーベル賞を受賞したマックス・サイラーは感染したが生還している。やはり運も重要なのだろう。

「大学オンライン授業はもう限界、学生の怒りと絶望と落胆の声123件」という記事があった。そもそも自分が感染しても軽症か無症状で重症化することがほとんどない大学生に多額の授業料を払わせておいて「大学に来るな」と言える根拠はどこにあるのだろうか?年金と同じとは言えないが未来を担う若者が老人の犠牲になってよいのか?大学生も署名活動を始めたという。大阪市立大のように全員抗原検査を行うとか京都産業大学のように学内に検査センターをつくるなどやろうと思えば可能な対策はいくらでもあるだろう。やらないのは大学側の怠慢や「ことなかれ主義」と言われてもしかたない。米国では大学を再開したことで感染者は増えたが最近は死者数は増えるどころか低下している。若者は重症化しにくいので当然か。もしオンライン授業を続けるなら「講義や部活を再開すると重症者が増える」というきちんとした根拠を示すべきだろう。

トランプ大統領がコロナに感染したという。これって本当なんだろうか(報道からは本当らしい)? 感染から早期に回復したところ示して「オレはコロナなんかに負けない強い男!」「コロナはただの風邪」をアピールして支持急拡大を狙う腹ではないか。そういう戦略をとっても全く驚かないが。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-09-05 13:14:57 (3463 ヒット)

 先週「NewsPicks」というネットメディアの須田桃子さんというかたから取材の申し込みがあった。どこかで聞いた名前だと思ったら、有名なSTAP細胞事件の本を書いた方だ。毎日新聞社だと思っていたら最近移られたらしい。昔熱心に読んだ記憶があるので一も二もなく引き受けた。コロナの「交差免疫」の解説をして欲しいというので最近の論文を時系列的に追って説明した。ほとんどはブログに書いてきたことなのだが、須田さんの原稿が素晴らしくよくまとまっていて、手を入れるべきところもほとんどなく「さすが」と感心した。次どういう話になるんだろう?という知的好奇心をそそられる構成になっている。木曜日が須田さんのサイエンスの記事が出る日だそうで3日にアップされていた。残念ながら有料記事なので中身は公開できない(10日間お試しで入会可能。ただ経済記事が中心なので我々にはすこし縁遠いか)が読者のコメントがついていて面白い。
最初に出てくる新妻耕太さんは『ここまで「わかりやすい、かつ解釈と表現が正しい」交差免疫の解説記事はない』、産婦人科の先生からは「なんてわかりやすくかつ正確な解説。秀逸です」と褒めてもらっており、ちょっとドヤ顔で皆に自慢する(須田さんのまとめかたがうまいのだが。。)(そもそも他人の論文の解説。自分の仕事ではないのにそこまで胸を張ることではない!)。新妻さん、これもどこかで聞いたことがあると思ったら筑波大学渋谷先生のところの卒業生らしい。現在スタンフォード大学のポスドクをしているそうだが、渋谷先生は”彼はコロナで研究もできないのでYoutuberになったらしい”と言っていた。近頃海外で挑戦する日本の若者が少なくなっているのでぜひ頑張って欲しいものだ。専門用語なしでウイルスを学ぶなどの新妻免疫塾というのもされているようでYoutubeに公開されている。
このごろ運や間が悪いことが続いたり原因不明の皮膚炎に悩まされたりと面白くないことが多いが、ちょっと一服できた。

東京はPCR陽性者100人を切ったということで概ね収束と言っていいかもしれない。これに対する一般のひとのコメントで胸を打つものがあった。「学生、特に大学生は大人の都合でスポイルされている。学校にも行けない、部活もない、アルバイトも切られる。安易に大学に来るなというなら授業料を返還すべき。偉い人たちは若者は票にもならないし、自分たちのことしか考えていないのでは。」全く著しく同意する。高校生や大学生はたとえ感染しても自分はなんともない。年寄りの1年と彼らの1年は重みがまるで違う。高校生、大学生の1年は2度と戻ってこない。そろそろ若い人たちは声をあげてもいいのではないか。大人は次世代を担う人たちのことを考えるべきではないのか。文部大臣は対面授業をやれと言っている。それでもやらないのは事なかれ主義の悪癖が出ているのだろう。文科省はもっとはっきり「従わなければ罰則」くらい言ってもいい。学生全員抗原検査するという英断の大学もある。やろうと思えばできるはず。及び腰の上層部はコロナが怖いのではなく自粛派からの批判が怖いのだろう。

アメリカでは感染の再拡大は大学の再開のせいだという。もしそうならマスクなどの感染防止や陽性者の隔離が徹底されていないのではないか?アメリカはそれは大学だけの問題ではなさそうだが。「PCR検査を増やせば収束する」のは陽性だった人が次にうつさないように自粛すればの話。そこが守られないと検査の意味がなくなる。

慶應大学呼吸器内科のグループの解析から「痛風はコロナで死亡する危険因子」であることがわかったという。痛風持ちである自分にはドキっとする報告だ。だが死亡する可能性が2倍になるのか、3倍なのかいまいちよくわからないので今度聞いておきたい。痛風持ちはインフラマソームが活性化しやすくIL−1βの産生量が多くサイトカインストームが増悪化するのだろう。理屈はよくわかる。もし感染したらBTK阻害剤を飲むべきか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-08-26 10:59:44 (3687 ヒット)

 ここ数週間ストレスの溜まる仕事が続いたせいか全身に蕁麻疹がでるようになった。ストレスの原因は2つほど特定できるが、何が抗原なのか、暑くて汗をかくせいなのかわからない。痒みにはいい薬がない(IL-4抗体療法やJAK阻害剤はまだ早いか)という意味では痛みよりも耐えがたく夜眠れない。なので昼間ぼーっとしていることが多い(元来そうだったかもしれない)。
赤いポツポツが治らないので皮膚科に行くといきなり「毛虫や」と言われた。毛虫皮膚炎というのがあるらしいが、さすがに庭いじりはしてないのでそれはないだろうとステロイドの外用薬と内服薬をもらう。その後数日して発疹が融合して大きな島状になってしまった。これはまずいと大学の皮膚科の先生に相談したら多形紅斑だろうということでこのままステロイド内服外用で様子を見ることに。調べてみると薬疹かヘルペスなどの感染症から来るものらしい。自然消退するらしいので我慢して待つこととする。先生には飲酒は控えるように言われたがとても飲む気にもなれない。
2週間ほどしてかなり良くなった。依然原因は不明。

今日の西川先生の解説ではCAT-Tregが取り上げられていたCARの細胞内領域を10種類くらい変えて結局CD28が一番良かったらしい。これはうちの結果と同じ。それ以外は新しいことはないのだがScience系の上位の雑誌に載っておりすこし癪に触る。しかしCAR-Tregも実用に近づいているのかと実感する。私の蕁麻疹で試してみたいものだが、CARを何にすればいいのかが問題。案外IgE産生を抑えればよいならCD19でもいいのかもしれない。
それにしてもコロナ禍で世界的に研究が停滞し論文が減ったり質が落ちたりするのではないかと思ったがそこまではないような気がする。やはり中国からの論文は多い。先日あるインタビューでコロナに関する論文は世界からたくさん出ているになぜ日本からは少ないのか?と質問された。こちらの調査ではコロナ関連論文は世界で4万2748報出ているが日本からは839報でわずか2%だそうだ。「特にコロナに限ったことではないでしょう。日本からの論文は右肩下がりですから」と自嘲気味に答えると、ある本を紹介された。毎日新聞出版の「誰が科学を殺すのかー科学技術立国崩壊の衝撃」。全くもって衝撃的なタイトルだが、中身も国立大学法人化からムーンショットまでばっさばっさと小気味よく切り捨てている。だいたい知っている内容だったが、日本の政策で何一つ褒められているところはなく、ここまでどうしようもない有様ばかり並べ立てられると暗澹たる気持ちになる。現状はそうかもしれないが「ではどうしたらよくなるのか?」少し落ち着いて前を向いて考えるべき時なのだろう。

日本電産会長の永守重信氏。小さな町工場を年商1兆5千億円の大企業に成長させたカリスマ経営者だ。とにかくポジティブ思考で常にピンチをチャンスに変えてきた。世界をリードする技術力があってのことだろうが、嘆いてばかりでは何も変わらない。

新型コロナを指定感染症「2類相当」から見直すらしい。ようやく世の中が正常化するのだろうか。高校や大学でも休校や封鎖で苦しんでいる人たちは多い。彼らは重症化しないのであればある意味大人の都合で翻弄されている。危険度の高い人たちを重点的に予防措置するほうが経済的には理にかなっているような気がする。うまくすれば集団免疫もついてやがてコロナ禍は終わるのではないかと個人的には思う。
日本はすでに「ほぼ収束」という意見も出ているが、さすがに根拠が希薄で言い過ぎなような気がする。しかし多くの国で第二波のほうが第一波よりも死亡率が低いというのは統計表を見ていると事実のように思える。
漫然と二類相当を続ける根拠には乏しいとする川口先生の考察は首肯できる。


  
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