投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-23 20:08:13 (535 ヒット)

 SFCとは慶應の湘南藤沢キャンパス。初めて訪れた。医薬看護の医療系3学部合同の中期教育プログラムのファシリテーターを仰せつかったのだ。学生は講演を聞いてそれに関するテーマで9名程度のグループに別れて議論をし、最後に提言のような「まとめ」を発表する。ファシリテーターはその介助役だ。SFCキャンパスは噂に聞いてはいたが新しくでモダンだ。建物の名前もKをカッパとかIをイオタとか呼んでハイカラである。緑の中にあって(学生には相当不便そうだが)勉強にはいい環境のように思える。しかし朝9時に家を出て着いたのは11時過ぎ。特に湘南台駅から先はバスしかなくこれは授業に出るのに相当の覚悟が要りそうだ。帰りは土曜日なのに渋滞だった。ファシリテーターの役目も初めてだった。どんなものか経験して来年からはスタッフにまかせようと思っていたが、結局ボランティアのようなものなので教員にとって得るものはほとんど無い。学生らも最近の若い人は自己表現がうまいので口を出さなくてもよい。実際には学生らがすべて司会も発表もやるので私はただ見ているだけだった。終わったのが5時ごろでラボに戻ったら7時半。移動だけで疲れた。こんな苦役、もといボランティア活動は(役たたずの)教授(私)にまかせて若いスタッフには実験しててもらったほうがいいような気がする。
課題は「患者中心の医療を実現するために医療チームはどうすればよいか」。講師はTK大の先生で、ご自身の母親を看取られた話をされて議論の糸口を提供された。80歳の母親が末期のすい臓がんと診断された。すぐにネットなどで調べて「よい」と言われるものは「あやしい免疫療法」から温熱療法まで手当たり次第やったそうだ。主治医の若い女医さんは標準治療を行いながらも「なんでもどんどんやってください」というスタンスだったそうだ。自宅で通院しながらの治療だった。しかし最後はさすがに入院せざるを得なくなったが、主治医が代わって入院拒否されたのだと言う。「そんな勝手な治療をさんざんやっておいて今更もとの病院に入院させろというのは虫が良すぎないか?」ということらしい。それでも別の科の医師などが助けてくれて入院できたといった話。余命半年と言われたところを1年3ヶ月くらい生きられた。さすが文化人類学者だ。普通ならなんてことはない話なのにすごい感動的な話に聞こえる。そしてはじめの若い女医さんは立派な医師で次の医師はとんでもない意地悪なやつ、に聞こえる。うちの班の議論ではそのことに問題を絞って議論していた。かなり抽象的でぼんやりした課題だったのに、うまく重要な点を引き出して議論しているな、と感心していたが、いかんせん知識がない。患者と共に歩む(「横並び」と表現していたが、ちょっと意味が違うような気がするが教員は黙っていないといけない)という当たり障りのない結論になってしまった。なんか違うんだけどと思って聞いていたが口は挟まない。あとで別の医師のファシリテーターと話すと一様に「はじめの医師はおかしい。2番目が普通」と言われる。患者が勝手な民間療法やって標準治療の効きが悪くなったり思わぬ副作用が出たらどうするんだ、ということらしい。また最近でも話題になったプラセンタや臍帯血注射など本当に「怪しい」高額医療がまかり通っていることも問題だ。講演自体が「患者の好きにさせる方がいい医者、よい医療チーム」という本来とは違ったメッセージを学生に与えたのではないか、と言われていたが全く同感だった。
この教育、デベート力を鍛えるのにはいいのかもしれないがどの程度学生のためになっているんだろうか。別の教員は「楽しそうにワイワイやってたのでいいんじゃないですか。自分たちの頃にはなかったのでうらやましい」という評価もあったが。。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-21 17:18:24 (608 ヒット)

 9/20 千里中央のライフサイエンスビルで「千里ライフサイエンス振興財団」主催の講演会に呼ばれる。この講演会、大阪大学医学部の先生がコーディネーターをされているせいか「新適塾」と銘打たれている。適塾は幕末の頃、緒方洪庵が開いた蘭学塾で、大阪大学医学部および慶應義塾大学の源流のひとつとされる。うちの「免疫適塾」と張り合っているわけだ(こちらは知る人以外知らないだろうけど)。100名くらいの参加者でちょっと時間オーバーしてしまった。講演会のあとは1時間程度の懇親会なのだが質問やら挨拶やらで多くの人が列を作っている。なんて熱心なんだ。企業の方が多いせいかもしれないが、こんな懇親会は初めてだった。結局料理には全く手をつけられず。終わったころはかなりヘトヘトになった。
大阪での講演である。途中何か「笑い」をとらないと評価が下がるかもしれへん、ということで坂口先生のTregの説明のところで「私も毎年10月初めはNHKや新聞社に連絡がつく場所にいるようにと念をおされる。もちろん私が受賞するかもしれないというわけではなく、坂口先生が受賞した時にコメントくれということらしい」というとかすかに笑いが漏れた。同じ話題を大学院講義で英語でやったら意味が通じなかったらしく完全に沈没した。どうもネタがよくない。
でも今年の私の大胆予想は「本庶、Allison、坂口」。もしかしたら「石坂、坂口」。どうだろうか。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-16 14:29:11 (808 ヒット)

 15日午後から名古屋大学環境医学研究所の先生に大学院講義で呼ばれたので新幹線で名古屋に向かう。忙しくてスライドの準備ができていない。車内でパソコンをパチパチやっていたら完全に車酔いしてしまった。気持ちが悪くて不完全なまま断念。4時に研究室でと約束していたのだが、名古屋駅についたのは3時10分くらい。余裕で4時には着けるだろうと踏んでいた。新幹線を降りてから地下鉄東山線の場所がわからない。かなり歩いてホームに着くと電車を待っているすごい人だかり。適当に空いているところを見つけて飛び乗った。初めは立っていたがまだ気分が悪く席が空いたので座る。落ち着いたらどうも居心地が悪い。何か変だと思って見回すと女性ばかり。そう、名古屋の東山線では終日の女性専用車両があるのだ。またやっちまった。あわてて途中の駅で降りたが次の電車が来るまで待つ羽目に。普通昼間はないだろう。立っている人はいるものの結構スカスカではないか。この差別はひどくないか?聞くと抗議は結構あるという脅迫も男性専用車両をつくれという訴えもあるそうだ。ラッシュ時はともかく昼間に専用車両を設けるのは意味がわからない。名古屋は特殊なのか。。。ともかくそんなこんなで遅れてしまい研究室に着いた時は4時15分を過ぎていた。
特殊といえば名古屋は独特な食文化を持っていると言われる。私もトーストにアンコを乗せた「小倉トースト」に挑戦したが、、、まあ驚くべきものではない。教師湯の方と話していると、ラーメンでは激辛の「台湾ラーメン」が流行っているという。これにも挑戦した(味仙の台湾ラーメン・イタリアン)が、確かに何度もむせるほど辛かった。3年ほどまえにsummers studentで当教室に来た稲垣君を思い出した。彼にはお土産に「北極ラーメン」のカップ麺を持たせたのだが、あのラーメンはどうなったのだろう。台湾ラーメンは北極ラーメンといい勝負かもしれない。完食したが帰りの新幹線ではお腹が。。。
講義の方は無事終了。ASLやアルツハイマーが専門の先生なのでこちらもいろいろと質問して有意義だった。台風18号が近づいているので朝早めに東京に戻ることにした。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-13 23:38:32 (784 ヒット)

今日(2017.9.13)のドクターGはIgG4関連疾患(お前の情報源はテレビかネットかよ?!原著を読めよ!)。腰が痛い、疲れる、多飲、などから糖尿病、しかもすい臓がんによる糖尿病が疑われた。しかしドクターGは「味覚の変化」「目が乾く」という症状を見逃さず「IgG4関連疾患」と特定した。研修医も全員同じ病名を挙げたのは「IgG4関連疾患」が医師の間では周知されているということだろう。免疫疾患とすい臓がんを間違われたら患者さんはたまらない。実際に1990年代にはすい臓がんと診断されて手術したら癌細胞ではなく形質細胞(B細胞)だったということもあったらしい。もちろん「免疫学」の講義でもIgG4関連疾患は取り上げるが「抗体」のところで「免疫疾患」ではない。代表的な「ミクリッツ病」以外は授業では解説もしない。実は欧米の教科書にはあまり載っていない、というか見たことがない。日本では研究班が作られて熱心に研究されているが海外ではそれほど認識されていないのかもしれない。しかしなるほどドクターGでも取り上げるくらいだから実臨床でも重要なんだと認識した。でもIgG4関連疾患はあまりにも広範囲で多彩なのだ。途中で私もシェーグレンかよと思ったくらい。番組では『IgG4って何なの?』「どうしてこんな病気になるの?」という一番の根元の問題には全く触れていない。よくわかってないからしかたない。治療はいつものステロイド。まあそうなんだけどそれしかないの?やっぱりどうしてこんな自己抗体(かどうかも不明のようだ)ができるのか?という根源的な問題に迫らないと。それこそ「免疫学」の出番なんだろう。

しかし最近疲労感がひどい。9月上旬の職員健康診断のメンタルチェックに「時々死にたくなるか?」なんて質問があったが「毎日だよ」と答えようかと思ったけど「ふざけてるのか?」と言われそうでNoにした。今日も疲労感が抜けなくて早く帰ってドクターGを見れたのだが、多飲多尿もある。いよいよ糖尿病か。それとも。。。「飲み過ぎ」かも。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-12 08:20:57 (1021 ヒット)

 慶應義塾医学部100周年を記念して教室の歴史を書くように仰せつかっている。60周年記念誌には微に入り細に入り人事と研究業績が並べられている。とてもこのような大部の報告書のような「教室史」は書けないがこのネットの時代だ、各教授の業績くらいすぐにわかるだろうと思っていた。調べているうちに確かに近年亡くなったかたは学会などの「追悼文」が出ているので写真と業績が容易に入手できる。ところが1960−2000年くらいの情報がなかなか手に入らない。科研費の報告書のようなものは出てくるが、業績を短い言葉でまとめたものや写真が出てこない。写真は電子カメラの普及前だからだろう。当時はもちろんHPもなかった。この辺はお弟子さんを頼るしかない。戦後の微生物学免疫学教室のなかでひときわ光っているのは渡辺力教授の業績だろう。細菌の「多剤耐性因子」を発見したのだ。教科書に載るようなすごい発見だ。渡辺教授は教授在籍わずか2年で胃がんのために逝去されているのでその悲劇性もあって強い印象を残されたのかもしれない。教室の廊下に記念のパネルがある。不明にも私が赴任した時は誰かラボで実験中になくなったのか、くらいにしか考えていなかったが今回調べて改めてその偉大さが理解できた。
昨日は教授会で「研究委員会」の委員長としての最後の報告を行なった。2年の委員長の期間で様々な問題に取り組んだものの力不足のために時間と労力を使った割には成果は上がらなかった。実際に改善されたのは学振PDが健康診断を受けれるようになったことと「学部内一斉メール」を整備したことくらいだろうか。もともと調整力とかリーダーシップとかは皆無の人間なので「長」のつく仕事には向いてないのだ。自分で抱えて疲れが溜まる。ようやく研究委員長の肩の荷が降りたかと思ったら次はMCB(3年生の基礎教育科目;molecular and celluar biology?)の主任(取りまとめ役)を仰せつかった。自分には「免疫学」の講義があるので固辞していたのだが前任の先生があまりに大変そうなので「研究委員会が終わったら」という約束で引き受けたのだった。これは外部、内部の講師を呼んでオムニバス形式の講義が36コマ延々続くもので主任の役割は要するに時間割をつくったり担当を決めたりという調整役だ。委員も6、7名いるが非常に大変なので基礎各教室から若い人を出してもらってなんとか一人当たりの負担を軽くしようとしている。何処もそれぞれの授業を抱えているので皆さんなかなか大変だろうがお願いしてまわるしかない。こんだけやっても外部の偉い先生を呼んでも熱心に聞いている学生は少ないだろう。これが一番ストレスが溜まる。。。またぼやいてしまった。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-09-07 09:17:39 (1025 ヒット)

 9/2,3は毎年恒例の免疫適塾(皮膚科や微生物学免疫学教室などの5教室の合宿)。日曜日の午前中の発表の後、ソフトボールをやるのも恒例になっている。台風が心配されたが3日は秋晴れの爽やかな好天に恵まれた。うちは学生が減っていて9人に足りない。そこで特別講師に旧知のK先生を呼んで助っ人になってもらうことにしていた。K先生は高校時代、野球部でなんとプロ野球入団テストも受けたことがあるという筋金入りである。今でも週一はかならずバッティングセンターに通っているというので大リーガー級の助っ人である(と期待された)。一回戦は皮膚科(先行)と。皮膚科は常に優勝候補である。K先生には当然ホームランが期待されたが。。。なんと三振かボテボテの内野ゴロばかり(それでも草ソフトなので一塁セーフになることが多かったが)。どうも草ソフトの超スローで山なりの球はタイミングが全くあわないらしい。結局3回表まで4−0で皮膚科にリードを許す。3回裏敗色濃厚だったが、第一打者の私のヒットを皮切りに当教室は驚異的な粘りをみせて4−4の同点にまでこぎつけた。勝敗の行方は皮膚科教授と当教室代表のジャンケンに委ねられた。私はこういう賭け事には全くツキがない。躊躇したが他に誰も代わろうという者がいなかったので私がやることになった。1回目の勝負で皮膚科教授がパーで私がチョキ。皆優勝したかのように大喜びだった。2回戦は理研チーム。こちらも3回裏で逆転。最後の決勝戦で本田研チームに大差で破れた。このとき私は最初からは投げていない。途中1回戦だったか足に打球が直撃して走れなくなったのだ(なぜか当たったところでないところが内出血している。重力のせいらしい。痛風ではない)。それでもあまりに打たれるので最後は痛みを押して私が投げなんとか後続を断つもの既に10点取られていた。最終回3点とるも逆転とはならず今年の夏は終った。
人が足りないのでK先生は途中本田研チームにも参加していた。私の判断で最後の決勝戦ではうちではなく本田研チームに所属してもらった(理由はわかるよね)。結局K先生のバットからは一度も快音は聞かれなかったが、K先生が入ったチームは全て勝利している。十分助っ人としての役割を果たしたと言えなくもない。

ラボに戻って火曜日のセミナー。長年使ってきたプロジェクターの電源が入らなくなった。学生らは故障だというが、全く電源が入らないときはプラグの接触不良をまず疑うべきだ。テスターで通電状況を調べるとほどなく不良の原因がわかって修理完了。便利屋の面目躍如というところだ。機械は電子部分でなければ修理できることもある。ものごとには必ず原因と結果がある。原因を見つけて直せば結果はついてくる。研究も同じ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-31 11:32:20 (1199 ヒット)

 8/30大阪大学第三内科の教授に呼ばれて講演に伺った。「内輪の会なので気楽に、若手をencouradgeするような話をしてください」というリクエストなので昔のJAKやSOCSの歴史の話をまずして残りを「サマースクール」の時のような「T細胞リプログラミング」の話をする。確かに聴衆は若い人たちが多い。教授の方からは「サイトカインのシグナル伝達機構解明の時代を切り開いたパイオニア」みたいな超過分な紹介を受けたので「いやいや私はJAKの発見競争では一敗地にまみれた。そのあとは遺伝子クローニング、ノックアウトマウスの作成と当時としては常に一歩遅れた全く精彩のないことをやっていた。自慢できるとしたら人よりちょっとだけ余計に働いたことくらい」といつもネガティブ発言で盛り下げてしまった。教授が聴衆に向かって「若い頃、吉村先生のブログを読んで勇気付けられた、君らもぜひ読みなさい」と言われたが「いやいや今はただぼやいているだけでブラックなことは書けません」。もし昔の話を見たいひとはこちらのページを。しかし懇親会では半分儀礼的かもしれないが「面白かった」と言ってもらえて質問がひっきりなしだった(料理があまり食べられなくてお腹が空いてしまった)。こんな熱心な若手がひしめいている阪大はやっぱりすごいと感心する。
夜、ホテルに着いたが疲れていたのか少しの酒でかなり酔ってしまったようだった。メールを調べると一月半前に投稿した某journalのofficeからメールが届いていた。速報誌を標榜しているのに一月も返事がないのはおかしい、どうなっている?とメールを送っていたのだった。返事は「reviewerからのコメントがまだ届いていない」「unacceptableとは思うが我慢してくれ」と書いていある。この雑誌は私自身は何度かreviewerとして奉仕(もちろん無償)したことがある。なんという仕打ちだ。何故か頭に血が昇って「9/5までに返事をもらえないなら取り下げる。2度とおたくの論文のReviewはしない」と送ってしまった。酔っていたのだろうが朝起きたらかなり後悔。やっぱり短気は損気だな。待てない人だから仕方ないか。渋滞に我慢できず抜け道に入ってさらに動けなくなる、そんな痛い目を何度も経験しているのに。。
東京に戻ると雨で気温が21度だった。涼しいというより寒いくらい。もう夏も終わりか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-29 15:02:25 (933 ヒット)

 今日は免疫学の再試験。半分程度(6題)は中間試験と本試験から出題する(問題解答はWebに掲載済み)、手書きのノート持ち込み可、である。すでに50点は取れたようなものなのであと10点だ。「学生を甘やかせ過ぎているのでは」あるいは「そこまで勉強しないと思うとは学生をばかにしているのでは」とお叱りをうけるのではないかと危惧していた。まあ確実に復習はしてくれるだろうと思ってこんな甘い再試験にした。蓋を開けて見るとさすがにほとんどは再試験合格圏内だ。しかし新作はほとんどが臨床問題(症状から病名を推測してその発症原理を書く)なのでほんの少し応用力が問われる。これらはかなり出来が悪い。来年は「症例から学ぶ免疫学」という枠をヒトコマつくりたい。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-26 16:38:21 (1056 ヒット)

 26日。デスクワークが続いているので気晴らしに浅草の「サンバカーニバル」を見物に行く。13時前に着いたのだが相当の人だかりだ。苦労して人混みをかき分けてかなりスタートに近いところで見ることにした。待つこと20分くらいか。やっと始まったと思ったら延々と小学生の「サンバ隊」が続く。おじさんの見たいのは違うんだがらさっさと行ってくれ、と思ってもなかなか本格的なサンバが始まらない。ようやくコンテストに出てくるような賑やかな踊りが始まったのが14時近く。隊と隊の間が結構長い。この暑さで立っているのがきつい。とても全部は見てられない。あきらめて帰路につく。

不完全燃焼気味なので、「今日はサシミと酒だ」と思い立って新宿御苑の「魚よし」に寄る。ここは80歳過ぎのおじいさんがひとりで切り盛りしている不思議な店だ。表に値段も張っていない。例えば今日はひとりなので1000円位でというとマグロやタイなど適当に混ぜて切ってくれる。とにかく安くて量が多いのだ。先週は千葉のでかいハマグリを10個くらいつけてくれた。それだけでスーパーで買ったら2000円近くしそうだ。とても商売っ気はないが「少しでも多くの人に魚を食べてもらいたい」という信念からか話しながら「あれもうまい、これもうまい」と、どんどん切って入れてくれる。しかし値札もないので近所の奥さん連中はほとんど来ないそうだ。皆クチコミで買いに来るらしい。新宿御苑の「魚よし」、ぜひ宣伝しておきたい。写真は先週二千円で購入した食材。2人でも一晩では食べきれなかった。

それにしても東京は不思議なところだ。日曜日には代々木公園で「よさこい祭り」高円寺で「阿波踊り」、少し前には阿佐ヶ谷で「七夕祭り」をやっていた。多くが商店街の景気づけのために始まったらしく地元出身者が多いからということでもないそうだ。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-18 11:05:57 (1145 ヒット)

 またまたYahooニュースから(論文は読まんのか!)。オーストラリアの研究者らが臨床試験を行い、ピーナッツアレルギーを持つ子供らにピーナッツと「ラクトバチルス・ラムノサス」という乳酸菌の一種を同時に摂取することでピーナッツアレルギーを克服できたという。ニュースでは出典がなかったので調べてみた。原著はこちらLong-term clinical and immunological effects of probiotic and peanut oral immunotherapy after treatment cessation: 4-year follow-up of a randomised, double-blind, placebo-controlled trial(The Lancet Child & Adolescent Health).経口減感作療法をTregを増やす細菌と一緒に摂取すれば効果は加速されるだろう。ラクトバチルス・ラムノサス (Lactobacillus Rhamnosus)jは古くから整腸剤(プロバイオテクス)として使われていて、マウスモデルではTregを誘導したりTh17/Tregバランスを変えたりすることが報告されている。これをヒトで実際に臨床効果を確かめらたのはすごいことだと思う。Treg誘導菌といえばわれらのクロストリジム属菌も強力なはず。そう思って調べてみるとマウスではあるがクロストリジム属がピーナッツアレルギーを抑制するとする報告があった。この場合はTregも増えるがむしろIL-22によるバリア強化の方が重要そうに書いている。いずれにしろ様々な免疫疾に対してプロバイオ+抗原経口摂取というのがトレンドになるかもしれない。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-15 14:51:38 (1042 ヒット)

 田舎では8月13~15日はお盆で親戚一同集まって墓参りに行ったりXX回忌ならお坊さんを呼んで読経してもらうのが普通と考えていた。今年初めて故郷に戻らずに東京でお盆を過ごした。14日,15日はメンバーは少し少ないもののほとんど皆出てきている。思わず「東京にはお盆はないのか?』と聞いた。東京生まれの人は「電車も空いてないしいつもと変わらない」とおっしゃる。確かに私のような地方出身者の多くは自分が田舎にでかけていくのであって向こうから東京に来ることはないのだろう。ただ痛風薬をもらいに病院に行ったら確かに患者さんはいつもよりかなり少ないように思う。
13日日曜日は深川の富岡八幡宮の例大祭を永代通りまで見物に出かけた。3年に一度しかないという。みこしと担ぎ手に威勢良く水をかけるのが習わしらしい。小さい子が水鉄砲で水をかけていた。なかなかの賑わいと迫力だ。しかし50基以上の神輿が練り歩くということだったが、差がわからないので最初の5,6基で帰ることに。次は2020年、オリンピックの最中にやるんだろうか。
帰りに国立西洋美術館に寄って「アルチンボルド」展をみる。野菜や草花で人の形を表現した「寄せ絵」で有名な画家だ。我々サイトカイン関係の研究者仲間ではウィーンのジョセフ・ペニンジャーという大物がいつも講演の時に見せるので馴染みが深い。何が気に入っているのだろう。確かに普通ではない。アルチンボルドは少し前のミケランジェロやダビンチと同じことをやってもかなわないと思ってこういう奇抜なことをやりだしたのだと説明されている。そいういえばジョセフもいつも常人には思いつかない奇抜な説を披露しては我々の度肝を抜いていた。でもアルチンボルドもジョセフもそこまで奇を衒う必要があるのか、直球でも十分勝負できそうだが。。。

写真は絵画展に入る前にCGで客の顔を野菜などで表現してくれるサービス。なんか「荒木飛呂彦」(石仮面?)風ではないか。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-08-03 13:31:11 (1520 ヒット)

 7/31から8/3まで湘南国際村免疫サマースクールが行われた。私は2日前の発表で1日目から参加したが、8/2に某財団の審査会があるので朝早起きして直接審査会場へ向かった。なので実際には2日間しか参加していない。しかし100名ほどの若いひとたちと交流できてよかった。夜は恒例のフリーディスカッション(飲み会)があるのだが(主催の先生は「いくらでもある」とおしゃっていた)昨年のことがあるので0時には部屋に戻った。XXぐせの悪さのために今年はお呼びはかからないだろうと思っていたらまた呼ばれた。学者と医者と芸者は呼ばれたら行かねばならないらしい。しかし実はサマースクールが段々重荷になってきているのだ。私の前の先生たちは華麗な経歴や趣味(ともちろんすばらしい研究成果)を披露している。冒頭から「私は100キロマラソンも剣道もできないし漫画も描けない。バンドはおろかカラオケもド下手」「自慢できるのは酒に強いことだけだが最近よく記憶を失う」「学生時代、〇〇先生の免疫学の講義は途中でドロップアウトした」と『ヒロシ』並みの自虐ネタのオンパレードで始まった。『こんなとりえのない人間でも努力すれば免疫学の教授になれる』ことを伝えたかったのだが、山下先生から「ネガティブすぎる」とたしなめられた。偉い先生がたを前にすると足が震える。自分の卑小さが身にしみる。聴いている学生たちはinspireされるような話を聞きたいのだろが、人様に模範を示せるような人格者でも自慢できる特技があるわけでもないことは自分が一番よく知っている。だからこの手の会で話すのは苦手なのだ。来年呼んでくれるならイントロダクトリーコースで「免疫劇場」をみせたい。

  2日目の遠足は「横須賀軍港めぐり」だった。軍艦にさほど興味をもっていたわけではなかったがガイドさんの話が面白く興味が湧いてきた(女性にはどうだったか)。思わずおみやげに「軍艦せんべい」(せんべいの上に各軍船が刷られているらしい)を買ってしまった。それにしても遠足まで用意しないといけないとはスタッフのひとたちの苦労は大変なものだろう。参加者のなかから免疫学会に入ってくれるといいのだが。私のところは院生がほとんど入らないので「決してブラックではありません!」と宣伝しておいたのだが。。。
それにしても7月は忙しかった。関西に3回出張し、すこしでも空いた時間があれば他人様の申請書を読んでいた。ようやく完了したと思ったらまだ〇〇学会のもあった。。。

実はにわか「ひよっこ」(NHK朝ドラ)ファンである。ここ1,2週間は最大の山場なのだ。録画やネットで見ている(あまちゃん以来)。 記憶喪失のお父さんを奥さんが連れに来る。昼ドラなら「どろどろ」展開も朝ドラなら「もう一度やり直そう!」という元気の源になれるところが不思議。やっぱり皆がhappyになれる展開が望ましいが。。。お父さん(オヤジ)どうする?


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-20 12:17:43 (1621 ヒット)

 次は大阪での炎症再生医学会。国際会議場の中はギンギンに冷えているが大阪は暑い。学会もいつになく熱いものだった。普段あまり聴けない「再生医学」の話題がきけるのがいい。特にがん研究センターの落谷先生の話は強烈で新鮮だった。間葉系幹細胞は脳梗塞や心筋梗塞などに臨床応用されようとしているが、その効果の分子論的な基盤はそれほどはっきりしていなかった。落谷先生はそれがエクソソームに担われているのでは?という。これまで細胞外へ放出されるエクソソーム(100ナノメートルくらいの小胞)のことは知っていたが自分は本当に生理的に重要な意味を持つのか(それほどの量があるのか)懐疑的であった。それが幹細胞の作用の多くが幹細胞の放出するエクソソームで代価できるかもしれないとおっしゃる。かなり研究が進んでいるそうで驚きだった。後半は「成熟した肝細胞を部分的にリプログラムして若返らせる」という話で、いくつかの阻害剤の組み合わせだけで分裂しない成熟肝細胞が未分化状態に若返りどんどん増殖するようになって肝障害の治療に使えるかもしれないそうだ。これはすごい。うちも疲弊したT細胞を若返らせて癌治療に使えないか、という研究をしているのでとても参考になった。
もうひとつ勉強になったのはJAK阻害剤が徐々に適応範囲を広げていること。JAKは発見当時からのつきあいなのでどうしても気になる。関節リウマチではもちろん認可されているが、副作用として悪性腫瘍の懸念があった。しかし今回聞いた話では驚くほどの高率というわけではないらしい。さらに炎症性腸疾患、SLE、アレルギー性疾患などにトライされており期待できる成績だそうだ。一時JAK阻害剤は副作用が怖くてどうも、と言われていたが、いやいや実はこれから花が咲くのかもしれない。
それにしても、学会研究会続きでだいぶくたびれてきた。。。

出張の合間に試験の採点をして今日ようやく結果が出揃った。昨年までは強制的に講義に出席させていたので実は出席と成績の関係はあまり明確ではなかった。今年は出席をとらなかったので出席者と非出席者の差は明白だった。本当は試験の成績はどうでもよいのだ。将来医師として必要になることはちゃんと時間をかけて勉強してほしいのだが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-16 13:56:59 (1223 ヒット)

 神戸から戻ると翌日は自己免疫疾患研究会。都内だが昼から夜遅くまで結構タフな会だ。明日からは大阪で炎症再生学会。少しでも時間があると試験の採点と助成金の審査。助成金の審査もこの頃はWeb採点でコメントを書き込むようになって適当では済まされない(今まで適当だったわけではありません)。この忙しさは当分続く。それでも研究会で聞いたためになる話をひとつ。来年の講義のネタにしたい。書き留めておかないと必ず忘れる。
埼玉医科大学からの発表で、少し前に(カネ)某化粧品メーカーから美白剤として売り出されたロドデノール。メラニン合成酵素を阻害するので肌が白くなるのだが、それが行きすぎて白斑の副作用がでたというのは記憶に新しい。一般にはロドデノールの代謝物が細胞死を誘導するからと説明されている。しかし埼玉医大の松下教授らは美白剤を塗ってない部分にも白斑ができることから免疫の関与を疑った。松下先生らはロドデノールがチロシナーゼに結合することでチロシナーゼの構造が変わって新しい抗原決定基(エピトープ)が出現すると考えた。一般的に化学物質がタンパク質に結合してその化合物(ハプテン)を含んだ抗原になることは「接触性過敏症」などでよく知られている。ただロドデノールの場合はタンパク質の構造変化によってこれまで抗原として認識されていなかった部分が抗原になる、ということらしい。これを「隠蔽自己抗原(cryptic self)」といって自己免疫性糖尿病におけるインスリンなどで知られていた。松下先生らはチロシナーゼのペプチドからHLA-DR4およびHLA-A2, B44に結合しT細胞を活性化するペプチドを見出した(学生諸君はT細胞の種類が言えるかな?)。なるほど。これなら全身性に白斑が出ることも、人によって症状に差があることも理解できる。先生らのすごいのはこれを逆手にとってロドデノールがメラノーマの癌治療に使えるのではないかと考えたことだ。動物実験ではうまくいったようだ。これまで自己免疫疾患や過敏症起こすような化合物は忌み嫌われていただけだったが発想を転換することで癌治療に使えるかもしれない。なかなか勉強になった。


今年は症例問題の出来が悪かった。もっと実際の症例を基に関連する免疫の話をすれば皆興味を持ってくれるかもしれない。今学んでいることが実際に診断や治療に必要不可欠なんだということを知れば少しは勉強に力が入るか、、、入らんだろうな。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-14 18:09:00 (1187 ヒット)

 13,14日と神戸の田尾寺というところでシンポジウム。ゼロックスの研修所を一般にも公開しているらしい。施設は立派だが駅から遠い。いや徒歩10分程度なのだがお昼の炎天下10分歩くと汗が吹き出して結構つらかった。日頃日中外に出ないのでたまにだと堪える。
そこで田辺三菱製薬のフィンゴリモド開発を担当されて来た方の講演があった。フィンゴリモド(FTY720)は実験でもよく使うし、学生講義でもとりあげたばかり(試験の出来は悪かったが)。多発性硬化症(MS)の治療薬として世界で3000億円/年を売り上げるという。
もともとは京都大学薬学部の藤多哲朗教授(昨年亡くなられたそう)が有名な漢方薬「冬虫夏虫」からいくつもの新規化合物を発見されており、そのうちのひとつ、マイリオシン(ISP-1)がリンパ球増殖抑制活性を持っていたことから台糖や吉富製薬(当時)と共同研究を始めたことがきっかけだそうだ。ところがマイリオシンは不斉炭素が3つと多く、とても合成できない。そこで大胆にその部分を削ってさらにベンゼン環を入れて、開発コードFTY720を合成した。これをマウスに注射したところ、なんと血中のリンパ球が激減したのだった。そこから有名な「スフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体の阻害によりT細胞のリンパ節からの流出を阻害」という作用機序が解明されて来たのだった。ところが最初の冬虫夏虫由来のマイリオシンにはその活性はない。マイリオシンには別の標的酵素があるそうで合成展開していくうちに「たまたま偶然に」優れたターゲット分子を阻害する化合物が得られたのだそうだ。むろん開発には大変な苦労があったそうだが、こんな幸運はそうないだろう。藤多先生は結構なロイヤリティが入って京大に寄付もされていたそうだ。私のような下世話な人間にはそちらのほうが気になってしかたない。いや藤多先生も初めは多発性硬化症の薬になるなど思ってもみられなかったらしい。やはり目先の利益に走らず、倦まず弛まずこつこつ努力するところに幸運は訪れるのだろう。また開発途中では周囲は「そんなの効く訳がない、やめろ」大合唱だったそうだ。これも成功物語ではよく聞く話だが「諦めずに信念を貫けるか」もサイエンスの神様は見ているのだろう。

なおフィンゴリモドは確かにS1P受容体を阻害してT細胞の流出を抑制するのだが、脳脊髄系への影響はそれだけではないらしい。どうもアストロサイトのS1P受容体も重要だそうで、教科書にはまだ書かれていない作用もこれから解明される可能性があるそうだ。



 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-10 18:05:28 (1905 ヒット)

 今日は本試験である。事前に講義と授業支援のWebサイトにおいて、中間試験22問中から同じ問題を2問出すこと、グットパスチャー、免疫寛容、それと免疫不全について一題は出すことを事前に通知していた。それだけでもう半部以上出来たようなものだ。ほぼ想定範囲内の問題で今年は本試験で全員合格かもしれないと思っていた。しかも免疫学は本試験の期間のなかでは最後で、その前に土日がある。ところが蓋を開けてみると、できていない。中間試験の問題解答はWebに掲載している。なので最初の2問は点数かさ上げのつもりだったのに書けてない者がかなりいる。土日どうしたんだ?と聞くと『部活があって、、』。試験期間中に部活を優先するとはいい度胸してるじゃないか。
まあまだレポート点がある。ボーダーの学生も挽回できる可能性はある。

でもなかには講義にも出て来ていないのにほぼ完璧に書けている者がいる。さすが慶應、完全に脱帽です。ますます私は必要ないんじゃないかと思ってしまう。

ちょうどNHKの「プロフェショナル」で小児生体肝臓移植の権威、国立成育の笠原群生先生が特集されていた。『笠原は、前進する努力を、一瞬たりとも怠らない。信念は「やるのではない、やりきる」こと。「いっぱい勉強して、いっぱい経験して、初めてやりきることができる」1ミリでも自分が成長しないと、患者さんを助けることができない」』移植で患者が亡くなるのは免疫抑制剤による感染症が原因であることが多いという。免疫抑制剤の知識や移植拒絶の仕組みを理解することは移植外科医にとっても当然必要なことだ。学生さんには君らが勉強しているのは「試験に合格する」ためなんじゃない、(数年後に出会う)患者さんのためなんだ、と言いたい。(そんな偉らそうなこと言える立場でないことはわかってますが)


20回程度の講義のうちで2回出席をとった。始めに出席点はやらない、と公言したので「詐欺行為」と罵る者もいれば、教育主任の先生に実際に訴えた学生もいたそうだ。情けないことこの上ない。実は「出席と成績の関係」を調査するのが本当の目的。何点加点するとか言った覚えはない。他の学生が真摯に取り組んでいることを妬んでどうする。彼らに「一ミリでも自分が成長しないと患者さんを救えない」という笠原先生の言葉は理解できんだろうな。ここまで採点したところ2回とも出席していたものはよく出来ており特に加点する必要はなさそうだ。

 

と、ぼやいていたら当の3年生と見ず知らずの農学部の教官のかたから「落ち込まずに頑張ってください」と励ましのメールをいただいた。全く稚拙な講義しかできないが、少数でも私のメッセージを受け止めてくれる人がいてくれるならまだやれる。タイトルを「情熱を失う」から「失いかける」に変更することにした。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-09 13:58:51 (940 ヒット)

 今回の集中豪雨に見舞われた福岡県朝倉市は私の故郷の久留米市の隣町である。三連水車とはぜの紅葉で有名な田園が広がる美しいまちだった。まだ雨が降っているそうでこれ以上被害が広がらないことを祈るばかりだが、久留米もいつか筑後川が氾濫する可能性はあるだろう。線状降水帯というのは最近よく聞くようになった。平成26年の広島、平成27年の鬼怒川でも甚大な被害をもたらして「50年に一度」の大雨を降らせた。しかし「50年に一度」がこんなに頻繁に起こるのはおかしい。異常気象のせいなんだろうが「何処かで毎年起きる」くらいのつもりでいなければいけないんだろう。今年の夏は猛暑になりそうだという。
ひとついいニュース。左横で演題募集している金沢「国際サイトカイン学会」の一般演題が500を超えたそうだ。これから口頭発表の選定など作業が続くが、運営委員のひとりとしてひとまず「借金」を背負わないで済みそうでよかった。天変地異がなければだが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-07-01 11:47:39 (1246 ヒット)

 先週は弘前、札幌と出張が続いてだいぶお疲れモードだが締め切り間近の原稿や審査が山積みで休む暇がない。そんな時に限ってデスクのiMacの調子が悪い。実は一月くらい前から不穏な動きをしていた。とんでもなく遅い。WORDやExcellすら開くのに時間がかかるし頻繁に停止する。ネットに出ているセーフブートとか様々なことを試みたがよくなるのは一時的ですぐにまた遅くなる。まだ購入して3年くらいだろうが、もし仕事の途中でクラッシュしたら想像するだけでも恐ろしいほど被害は甚大である。そこで新しいiMacを購入することに。新iMacが届いた日についに古いiMacのMailが完全に停止した。新iMacに移行するまでにはまだ時間がかかる。しょうがない。Mailを復旧するためにアカウントから設定し直した。すると何ということか今まで亀の歩みのようだった旧iMacがスイスイと動き始めたではないか。まさかお蔵行きになることを察して急に行儀よくなったわけでもあるまい。要するに原因はMailにあったわけだ。以前の設定がおかしかったとしか思えない。といっても同じ設定のはずのMacBookは問題ない。一体何が悪かったのか見当がつかない。まあ旧iMacも十分使えそうなので学生室で共通Macとして使ってもらおうかとも思う。
もしiMacがものすごく遅くなったと感じたら「Mailのアカウントを全部削除して設定し直す」。これはWebにも出ていなさそうなのでMacが遅くなる対策法として記載しておきたい。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-06-26 19:17:27 (1482 ヒット)

 今日の最後の学生講義ではつい最近Nature に出されていたグッドパスチャー病とHLA-DR1、HLA-DR15の関係についての論文を紹介した。グッドパスチャー病はIV型コラーゲンに対する抗体ができて腎臓を攻撃する典型的なII型アレルギー疾患(自己免疫疾患)だ。この疾患に対してHLA-DR15が感受性をあげ、HLA-DR1は逆に下げることが知られていた。ヘテロで両方持つヒトは感受性が低い。つまりHLA-DR1は優性抑制型のアロタイプでそのメカニズムは不明だった。優性抑制型なので当然Tregの関与が疑われる。この論文ではHLA-DR1とHLA-DR15のトランスジェニックマウスを作製し病変を起こし、実際にHLA-DR1ではTregが増えること、Tregが病変を抑えていることを示している。またヒトT細胞のテトラマー解析を使ってヒトにおいてもその仮説があてはまることを見事に証明している。データがものすごく明快で見事な論文なので思わず「学生講義で使いたい」と思ったのだった。HLA、TCR、Treg、Th1/17などこれまで講義で取り上げたことがたくさん出てくる。講義で学んだ知識で最新の論文を理解することが可能であることを知ってくれたらうれしいのだが。。。
ついでにNature最新号にも大変興味深い話が出ていた。パーキンソン病が自己免疫疾患であることを支持する証拠が得られたと言う。パーキンソン病は神経細胞にαシヌクレインが蓄積して神経変性が起きる。この論文ではパーキンソン病の患者さんのT細胞がαシヌクレインのペプチドを認識することを示している。もちろんこのようなT細胞はαシヌクレインが蓄積した結果生じる可能性は否定出来ない。上のグッドパスチャーのようなモデルマウスをつくれば原因か結果か明快にわかるだろう。抗NMDA受容体抗体脳炎のように今まで統合失調症かと思われていた疾患がつい最近、自己免疫疾患として認識された例もある。パーキンソン病も『神経疾患も免疫病』という例のひとつになるかもしれない。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-06-25 19:46:29 (909 ヒット)

 土曜日、弘前大学の先生に呼ばれて研究会で話をした。青森県は生まれて初めて訪れる県だ。まず、飛行機を降りて涼しく乾燥していることに納得した。一応梅雨はあるそうだがほとんどまとまった雨は無いそうだ。空港からタクシーで弘前に向かう。津軽平野は平坦で広い。車は少なく車線も多い。しかしタクシーの運転手さんは決して制限速度を超えようとしない。私のようなせっかちさは微塵も感じられない。これが青森流なのだろうと感心する。講演のあとは弘前市内の店で郷土料理をごちそうになった。どれも美味しい。初青森なので「ねぶた」を見ようと決めていた(もちろん会館で展示しているもの)。弘前は「ねぷた」で青森が「ねぶた」だそうだ。運転者さんに聞くと「ねぷたは扇型でそんなに立体感が無い。ねぶたのほうがいい」と言うので、翌日またゆっくりと青森市まで行きねぶたの家「ワ・ラッセ」に寄った。想像以上に大きくて迫力がある。これは来てよかった。ここで結構時間を費やしてしまった。本当は青森名物「味噌カレー牛乳ラーメン」を食べるつもりだったのに、時間がなくて食せなかったのがかえすがえすも残念。いつか再挑戦したい。
 自分用に今話題の『いちご煮』のレトルトパックを買って来た。いちご煮とはウニとアワビを『ふんだんに』使ったお吸い物。缶詰よりは安かったのでレトルトにしたのだが、これが看板に偽りあり。肝心のウニがしょぼしょぼ。ウニの形をしていない。箸でつまめないレベル。もともと「いちご煮」というのは赤いウニの塊がイチゴのように見えることから名付けられたそうだが。。いくらなんでもこれは。。いやわずかの金をケチった自分のせいか。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-06-16 13:12:51 (1437 ヒット)

数日前に自己免疫疾患の講義では自然免疫の遺伝性の疾患『自己炎症性疾患』を取り上げた。インフラマゾーム 関連の遺伝子に活性化型の変異が入って周期性あるいは持続的な炎症や発熱が続く場合が多い(インフラマゾーム以外もある)。詳細はこちらのサイトに詳しい。実は広い意味での自己炎症性疾患には『痛風』も含まれる。同じくインフラマゾームの活性化によって起きるからだ。実はここ数週間、あまりに忙しくて病院に行けず尿酸値を下げる薬を処方してもらえていない。何の因果か自己炎症性疾患を取り上げた次の日、大阪大学への出張中に発作が出た。朝目覚めると足が痛く赤い。今回は「かかと」に来た。「かかと」に来たのは記憶している限り初めてだと思う。足首を曲げると激痛が走る。それでも駅までは歩かねばならない。痛いほうの足だけ「カニ歩き」の状態で脂汗を流しながら一歩一歩踏みしめながら歩いている。本人は大真面目というか必死なのだが、おそらくまわりからはものすごく「珍妙なオヤジ」と白い目で見られていたことだろう。だが実際にはそんなことを気にする余裕も無くひたすら苦痛に耐えつつ歩いたのだった。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-06-12 18:04:45 (1397 ヒット)

基礎編が終わって中間試験を行った。今までの5択ではあまりに『前の学生の答えを写す』という行為が蔓延していたので記述式とした。40分では短かったらしい。22問から8問を選んで答えよ、としたのだが途中で6問でもいいと修正した。問題は全範囲をムラなく網羅しているのでかえってどれを選んでよいか迷ったようだ。本試験ではもっと選択の幅を少なくしたい。今回の中間試験は『強制的にでも勉強をしてもらう』という側面が強い。にもかかわらず試験が終わって「問題の解説」を始めると残ったのは30名くらいだった。『自分で勉強すれば十分』と思っているものは無理に「解説」を聞く必要はない、言ったので帰るのは自由なのだが、さすがに慶應の学生は優秀なんだろう。8割くらいの学生は「基本問題なので「解説」など聞く必要も無い」と思ったということだろう。残った30人は「自信がないけどしっかり勉強したい」という者たちなのでボーナス点をあげることにした。きっとアンケートでは、出てきてないのに『聞く必要も無い授業をしやがって』などとボロクソ言われるのだろうな。。

2つのスクリーンを使って90分間X2=180分機関銃のようにしゃべっている。かなりの疲労感である。あと数回なのだがこれでいいのか迷って来た。しゃべらない講義もいいのでは?つまり講義は録画にとってWebでみせて、参加型講義は学生らに発表させるとか論文を読ませるとかのほうがいいような気がして来た。今年は今更かえられないので来年度考えたい。あと3回だ。。。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-06-06 08:22:32 (1509 ヒット)

 今年は学部講義に大きな変更を加えた。ひとつは出席をとらないことにした。私の系統講義は教科書の抜粋がほとんどなので自分で勉強することも可能だ。『自分でやれると思ったら出て来なくてよい』と言い放った。案の定、通常30人くらいで朝早いと20名くらいしか出席していない。しかし出ている者はかなり熱心に聞いてくれているし、出席をとったり寝ている者を起したりするストレスがないので極めて快適である。今まで『無理にでも出席させて勉強時間を確保させる』ことが重要と考えていたがそれは間違いだった。もうひとつは『板書』を導入したこと。小安先生のように板書を中心にしてスライドは補助的に使うのが理想なのだろう。ただ私の文字は汚いのでiPadProを購入してpower-pointで文字が出てくるようにした。iPadProだとさらに手書きで書き足すこともできる。すごい文明の利器だ。講義では資料用の中央のスライドと板書用の側面のスライドの2つが映し出されているのだが、初めての試みなのでまだうまくシンクロできていない。iPadProも頻繁に停止する。資料スライドの順番が板書と異なることもある。このあたりは以降改善したい。しかし学生にとっては板書内のことだけを集中して覚えればよいので試験前にはかなり楽になるだろう。試験は完全筆記とすることにした。もうレポートでの救済などせずに淡々と行なう。講義が終わるとすぐに書き出した板書や問題の解答も記した資料も授業支援システムにuploadしている。しかしこれをdown-loadする学生はやはり30名くらいしかいない。講義にも出ずに板書内容も見ないでは記述試験はかなり難しいと思うが慶應の学生は信じられないくらい優秀なので出ていない者はきっと「自分で勉強すれば十分」と思っているのだろう。それはそれで大いに結構なことだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-31 17:07:48 (1379 ヒット)

 明日から6月である。講義が始まる。今年は昨年に懲りて出席はとらないことにした。来たい人だけ来たらいい。無理に来させると『教授を変えたほうがいい』と授業中寝ている学生に非難される。講義後の匿名アンケートは全くナンセンスだと思う。こういうのは建設的に活用すべきもので、真面目な意見を出させるために顕名にすべきだと思う。ついでに試験前にするとなおよい。
ともかく講義の準備、論文書きに総説が3つも4つも溜まっている。講演の準備もあれば国際サイトカイン学会のほうも気になる。おまけに会議は増えこそすれ減ることはない。毎年この時期必ず『自転車操業状態』とぼやいている。英語でなんというかと思ったら辞書には『precarious day‐to‐day management 』とあった。もっと面白い表現だと『rob Peter to pay Paul』というらしい。ひとから奪ってでもなんとかやりくりしたい気持ちがよく出ている。私の場合はお金よりも時間だが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-28 11:13:32 (1421 ヒット)

 26日は福岡、九大医学部での講義。昨晩の「角源」のせいで喉が若干痛む。ホストの吉開先生が来春定年で御退官なので医学部講義はこれが最後かもしれない(呼ばれればいつでも行きますが)。それで生医研でのセミナーもセットにしてもらった。講義は前半のヒトコマはサイトカイン全般の話とシグナル伝達。後半はアレルギー疾患に対する治療法の話。特に「未来の治療法」と題して腸内細菌やTregの話を入れてみた。あとで感想を聞いてみると前半90分は詰め込みすぎたらしい。いつものことながら全く反省がない。「こんな細かいこと今覚えなくていい」といいつつ「試験前には暗記するように」というとがっかりな顔をされる。後半はまあ教養講座みたいな話なので楽しめた(に違いない)。生医研セミナーでは七田君、伊藤さんなど九州にゆかりのあるひとの仕事を紹介した。彼らをいつか呼び戻して欲しいと宣伝しておいた。伊藤さんの育志賞授与式では本人ではなく自分が緊張して震えたというのがウケた。

セミナーのあと九大の卒業生らが集まってくれた。なぜかいつもの永松君も来てくれた。10年ぶりの顔もあってなつかしいやらうれしいやらでつい杯が進む。博多は魚も美味しい。福岡の日本酒『田中六五』がうまくてしこたま飲んだ。
翌朝は家人がウォシュレットが壊れた(壊した?)というので修理。TOTOに見積もりをとってもらったら11万円だという。リモコンや自動水洗がついているので少し作業は複雑だが便利屋にとってはたいした障壁ではない。Amazonで安いのを購入して半額で済んだ。これこそまさに「尻拭い」。

そういえば山中教授がノーベル委員会から受賞の連絡を受けた時、自宅の洗濯機を修理中だったという。あやかりたいものだが。。。まあ縁がないな。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-28 08:34:53 (1596 ヒット)

 25日はコネチカットで独立した稲葉さんが訪ねて来てくれた。セミナーでは彼女が発見した生殖幹細胞に突起(ナノチューブ)が出ていてニッチ細胞に潜り込んでそこでシグナルを発生するという非常に興味深い話をしてくれた。解説を読んだ時はよくわからなかったのだが、セミナーを聞いてはじめて理解できた。リガンド(DPP)も受容体も突起の先端に濃縮されている。シグナル伝達をやっているとつい受容体は細胞表面に均一に分布すると考えがちだ。試験管内ではそうなのかもしれないが実際の身体のなかではもしかしたらこういう受容体とリガンドの局所的に濃厚な接触は普遍的に存在するのかもしれない。面白い現象をみつけて分子生物学の手法を用いてメカニズムを明らかにするのは「王道」に近い研究手法だろう。さらに普遍化できればものすごい。ぜひ発展させて欲しいものだ。
夜は九州もつ鍋『角源』で一杯。もちろん一杯ですまないが。彼女の京大、久留米、九大から医科研を経て押しかけるようにようにして山下研に留学という波乱の経歴で盛り上がる。もちろん学位審査での武勇伝も。博多名物「もつ鍋」は久しぶりだったようだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-23 13:20:23 (1747 ヒット)

近藤君のiTscmの論文がNature Communicationsに掲載されました
NCは論文が溜まっているらしく掲載されるまで2ヶ月も待たされた。法外な掲載費をとっているのでどんだけ儲かっているのだろう。しかし論文数が増えれば質もcitation indexも下がる。このままではSci Repと変らなくなるんじゃないか。。
プレスリリースはこちらですAmedからもリリースしてもらいました
わかりやすい解説はこちら
でもちょっと難しすぎたか、あるいは『若返り』などと吹いたのでマユツバの類いと思われたのかいまのところ反応は。。。でも内容は画期的なんだ、と言いたい。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-14 10:09:47 (1278 ヒット)

 13日(土)慶應義塾大学医学部100周年記念式典が挙行された。私は出張から駆けつけたのでシンポジウムは聴き逃したが1000人近くかあるいはそれ以上の参加者で盛会だった。しかし式典も祝賀会も混乱もなく感動的にまた和気あいあいと進んだ。裏方のスタッフの方々の周到な準備と献身あってのことだろう。私が最も感激したのは式典冒頭のプロモーションビデオと学生代表の宣誓。5年生と6年生の二人は堂々と聴衆に語りかけるように抱負を語った。あんだけ大勢の前だと私なら足が震えて硬直しただろう。感心した。祝賀会もビデオメッセージ、学生のピアノ演奏、応援団の演舞など様々工夫を凝らしいて飽きさせない。普通の立食パーティなら早めに引き上げようと思っていたのだが最後まで離れられなかった。海外の大会で入賞したという学生のマジックの披露もあった。一瞬でカードが入れ替わる技は確かにすごい。司会のアナウンサーのかたが最後に『医は仁術といわれますがXX君の場合は技術ですね!』。『いやそこは魔術だろう』とツッコミたかった。

(実は司会のかたがナントカ術というのは聞こえたが前の部分がはっきり聞き取れなくてもしかしたら間違っているかもしれません。ーーーあとで確認したら『医は奇術』と言われていたので悪くはない。でも聞き取りにくいのは間違いないので『魔術』のほうがインパクトは大きいのではないか。つまらんことだが。)


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-11 16:34:03 (1371 ヒット)

 先ほど免疫学会からまわってきたお知らせメールで大学院生(だった)駒井さんのII論文が『今月の注目論文』に選ばれたことを知った。やっぱりIIではもったいなかったか?来月、学位審査で本人は今から緊張しているので少しは「追い風」になってくれたかもしれない。それにしてもEditor’s Choiceの英語が何か変では。。。
******
今回の注目論文は、慶應大学の駒井恭子先生らによる論文、
“Role of scavenger receptors as damage-associated molecular pattern receptors in Toll-like receptor activation”
です。こちらは、Editor’s Choiceとして選ばれ、2月号に掲載されています。
https://academic.oup.com/intimm/article/doi/10.1093/intimm/dxx010/3051985/Role-of-scavenger-receptors-as-damage-associated


“Macrophage scavenger receptors bind HMGB1 and are co-receptors for TLR4”
by Kyoko Komai et al.
https://academic.oup.com/intimm/article/doi/10.1093/intimm/dxx010/3051985/Role-of-scavenger-receptors-as-damage-associated 
HMGB1 has many important functions in the cell nucleus but can be secreted and recognized as a damage-associated molecular pattern (DAMP), e.g. in LPS-induced shock and DSS-induced colitis. Such ‘danger signals’ are recognized by e.g. RAGEs, TLRs and so-called ‘scavenger receptors’, which bind a range of ligands; class A scavenger receptors are mostly expressed on macrophages. HMGB1 is known to bind RAGEs and various TLRs but only binds e.g. TLR4 with low affinity. HMGB1-mediated inflammation is mostly delivered via macrophages, which have two functionally distinct categories (M1 and M2). In their paper, Komai et al. show that HMGB1 is efficiently internalized by M1 and M2 macrophages via various class A scavenger receptors; only M1 macrophages secrete cytokines, though. Scavenger receptors are also required as co-receptors for efficient HMGB1-mediated TLR4 activation and internalization. In vivo, a scavenger receptor antagonist (M-BSA) reduces the lethality caused by LPS and ameliorates DSS-induced colitis.


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2017-05-11 08:38:57 (1371 ヒット)

 講義の準備をしていたら「アトピー性皮膚炎の治療に抗IL-31モノクローナル抗体(nemolizumab)の第二相試験で有効性が示された」という報告に目がとまった。3月に発表されたNew England Journal of Medicineに掲載された論文で京大の椛島先生が中心になっている。この抗体は中外製薬が開発したもの。実は当時ニュースで見た時はIL-13の間違いだろうくらいにしか考えていなかった自分の不明を恥じる。調べてみるとIL-31もTh2型ヘルパーT細胞から分泌されて特に「かゆみ」との関係が深いのだそうだ。しかもオンコスタチンM(OSM)受容体を使っていて私には因縁がある(まあマウスOSMを最初にクローニングしたというだけですが。そんな些細なことで威張ってどうする!)。教科書的にはTh2からのサイトカインはIL-4,IL-5,IL-13と決まっておりこれまでIL-31はあまり知られておらず私も講義では取り上げていなかった。それが臨床研究から一躍脚光を浴びるとは。今やあらゆるサイトカインや細胞表面分子に対する抗体が試されている時代。むしろ「臨床研究から基礎研究へ」という流れなのかもしれない。

なおオンコスタチンMは最近炎症性腸疾患でも注目されている

ついでながら「ともかくサイトカインを止めればいい」という発想ならやっぱりJAK阻害剤が効くはず。ファイザーのJAK阻害剤Tofacitinibはリウマチで認可されているが我々はIL-4もIL-13も抑えるので「アトピー性皮膚炎にも効くはず」と言ってきた。日本イーライリリーがBaricitinib(JAK1/2阻害剤)(同じくリウマチでは認可)が第二相試験を始めているそうでサイトカイン屋としては注目したい。


  
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