投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-02-28 14:39:12 (648 ヒット)

 5年来使用しているMacBookの電源が完全にダメになった。MacBookは現在はProとAirの2種類しかなくMacbookとしては最後のものに近いだろう。新しいバッテリーをネットで購入して取り替えることにした。以前もAirの電源を交換したりiMacのメモリを交換できたのでチョロイと思ったのだった。ところがこのA1534モデルはバッテリーが粘着テープで止めてあり剥がす作業をしているうちにキーボード側と画面側をつなぐ線が断線してしまった。そんなに引っ張ったわけでもないのに。自分の腕を過信しデータのバックアップもとっていなかった。しかたない。以前同僚がHDが壊れて正規のApple Storeに修理を頼んだら修理不能でHDを没収されてしまうという理不尽な経験をしていたし、自分で開けたと言うとひどく叱られそうだ。正規は避けてデータだけでも取り出そうと秋葉原のイーハン○という店に持ち込んだが、「このタイプはハードディスクと本体が一体になっていて部品もなく無理。たぶん何処に出しても無理。」と開けだだけで3000円も取られて終了(データ回復できたら3万円だった)。データのバックアップを取っていなかったことを死ぬほど悔やんだが、気を取り直してネットでの評判を頼りに吉祥寺のApple Juic○という店に連絡。すると「とにかく見てみましょう」と言われる。持参して写真を見せて状況を説明すると事もなげに「大丈夫ですよ。明日朝にはできています」と言われる。対応してくれたおにいさんに後光がさしているように見えた。実際翌朝取りに行くと完全に復活している。バッテリーも直っている。これで修理代2万円。何処ぞとは大違いだ。聞くとMacBook系を専門に修理しているそうでiMacは部品も置いていないという。なるほど住み分けもあるんだ。Macを開けるときは必ずデータのバックアップをとるという基本中の基本を忘れた代償は大きかったが、こういう修理店もあることを知ったのは収穫だった。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-02-23 18:35:31 (1014 ヒット)

 今日は1日ぐったり。コロナのせいではなく花粉症だ。目も鼻もやられている。こんだけ粘液が出たらウイルスも洗い流されるのではないか?多くのネットの記事では逆で、花粉症は「くしゃみでウイルスを撒き散らす」「目や鼻をこするので感染の機会が増える」と花粉症はコロナの危険度を増すと考えている。しかしそれってエビデンスがあるのか?実はすでに私と同じことを考えた人はいてオランダの研究者が花粉の数と感冒(ここではインフルエンザ様症状)とは明らかな逆相関があることを報告している。洗浄効果だけでなく花粉症も免疫応答なので肥満細胞から放出される炎症性サイトカインは自然免疫を強化してウイルス防御に働く可能性もある。1月に入って急速にPCR陽性者数が減った原因のひとつはもはや国民病ともいえる花粉症のせいではないか?まあそれだけとは思えないが夜の時短営業のせいなのか?それならなぜ緊急事態宣言を出していない県も減っているのか?何事も曖昧な知識にとらわれることなく、きちんとした調査結果に基づいて判断すべきだろう。専門家と言われる連中も間違った知識で判断していることはたくさんある。

24日。本日は東京都総合医学研究所主催でのYale大学の岩崎明子先生のWeb講演会だった。コロナウイルス感染症について主にヒト検体を用いた解析の話。ここまで大量の検体をよく短時間で集め解析できたものだと感心する。日本ではとてもこうはいかない。もちろん患者数の違いも大きいが、血液だけではなく唾液や尿などの検体を集積するシステムが構築されており多面的に解析できる点がすごい。そこから例えば最近Natureに出された、重症化の性差の発見などが見つかる。自己抗体も見つかるそうだ。脳オルガノイド を使った実験もされているということでどうやったらこんなにどんどん発想が広がるのだろうと感心するばかりだった。講演後ポストセミナーディスカッションの時間が用意されており、私は子供がなぜ重症化しないのか質問をした。岩崎先生は自分も知りたいといわれてまだ確定的な仮説をお持ちではないようだったが、ひとつ面白い実験を紹介された。T細胞やB細胞のない、つまり獲得免疫のないRag欠損マウスはコロナウイルスに感染させてもウイルスは作り続けるが死ぬことはないのだそうだ(普通のマウスは死ぬ)。つまり本来はウイルスを排除するためにある獲得免疫系が体を傷つけていることになる。新型コロナ感染症は免疫病と言われる所以だろう。では他のウイルスと違ってなぜそうなってるのか?まだ謎らしく本来なら免疫学者が競って解明すべき課題のように思えるが、日本ではどう考えても難しい。。

NHK時論公論。ワクチンについて。有効性に関する話は1分ほど。副反応に関する話は5分以上だろうか。海外と日本の違いはないと言いつつ、ほとんどが軽症で死亡重篤の割合は低い(死亡は今の所ゼロ)といいながら長期的な副作用はわからないとかやっぱり難癖をつけている。リスクとメリットの天秤は完全にメリットが上回っている。それなのに図の天秤は水平でメリットとリスクが同程度という印象をふりまくのはなぜだろうか?報道機関はコロナ禍が収束したら困るのだろうか。一応メリットは大きいと言ってはいるがそれでも危険性を強調する。やはり最後は一人一人が判断してと言う。もしそうならメリット、デメリットの解説の時間も実際の数字に合わせて報道すべきではないのか。印象操作はやめるべきだろう。

遺伝子ワクチンは核酸がゲノムに組み込まれる危険性を否定できないと言われる。それなら日本の某ベンチャーが開発を進めているDNAワクチンはもっと染色体に組み込まれる危険性は高い。モデルナは当然RNAとDNAを比較してとうにDNAは捨て去っている(とHPに出ていた)。

日本でも小児の重症例が報告されたという。海外では小児の場合は後遺症で「小児多系統炎症性症候群」(MIS-C)を起こすことが多いのだそうだ。実は一例だがSOCS1に変異を持つ子供でコロナ感染後にMIS-Cを発症した例が報告されている。やはり獲得免疫の暴走がコロナの重症化や後遺症に影響している可能性を支持している。逆にそのような症状を示す小児の遺伝子を調べれば免疫制御にかかわる遺伝子が見つかるかもしれない。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-02-04 18:17:21 (1894 ヒット)

 COVID-19の交差免疫についての解説が「EBM Library特設サイト」(ライフサイエンス出版)で公開されました。ファクターYは『交差免疫』なのか?!
他にもこちらのCOVID-19超解説はわかりやすい記事が掲載されているのでぜひご一読を。

交差免疫とは関係ないが東京の抗体保有率は0.91%だそうだ。これまでのPCR陽性者は累計99000人ほどなので人口1100万とするとほぼ0.9%で一致する。PCR検査が少ないとあれほど極評されながらも実際には感染者のほぼすべてをカバーしていたことになる。ほんとか?計算間違いしてないよな。

一方のインド
(右上図)デリーでは56%もの抗体保有率ですでに収束に向かっている模様。こちらも多くの犠牲を出しつつも自然に集団免疫を得つつある点はすごい。


イスラエルのワクチンの続報
60代以上で2回のワクチン接種を終えた約75万人のうち、検査で陽性となったのは0.07%に当たる531人だったそうだ。この数字は意外と多いような気がする。一方で2回目のワクチン接種後1週間以上たってから新型ウイルスに感染したのは0.03%。同時期のワクチンを受けていない人は0.9%の感染率だったそうなので有効率は1-0.03/0.9=96%なのだろう(最近ボケていて計算に自信がない)。60歳以上だと有効性が倍近く劣る(0.07% vs 0.03%)のはやはり免疫系の老化のせいだろうか。ぜひ年齢ごとに有効性や免疫記憶の維持具合を検証してほしいものだ。

イギリスはロックダウンとワクチンのせいか急速に感染が縮小している(右図)。いち早く収束するか?

EUからのワクチンの供給が遅れるかもしれないとの報道。ワクチン後進国に転落とまでこき下ろされている。世界が交流を回復した時に日本だけが取り残されると危機感を煽っている。こういう煽りはいいと思う。政府は日本での生産拠点を提供するくらいしてもいいのではないか。

ファイザーのワクチンが特例承認が了承されたという。マスコミは相変わらず「日本人での効果は不明」とか「副反応の4割が深刻(副反応の頻度も示さず)」などネガティブキャンペーンにいとまが無いところもある。一方で「ワクチンに期待82%」もひっそり掲示されている。マスコミはこの多くの人々が苦しむ状況が続いて欲しいのだろうか。日本人は皆がやっていると右へならいで打ち出す、しかも入荷数が未定となると先を争って接種するだろう、という予想もあった。

イスラエルの続報。国民の半分がすでに初回、ないし2回目のワクチン接種を終えているそうだ。それでも急速にPCR陽性率が顕著に下がり出したのは右図のように1週間前くらいから。国民の大半が打っても完全収束に向かうには一月以上かかるということか。ただ特に朗報なのはワクチンを打って感染した人はほとんどが軽症なことと、他人にうつす可能性も低下していること。ワクチンは自分を守るだけでなく周囲の人たちも守ることになる。

NHKはニュースで「接種は最後は自分で判断して」などと馬鹿げたことを言っていた。知識や情報のない人に自分で判断してというのはどういうつもりなのだろうか。結局は「周りがやらないから自分も」ということになる(逆もありだが)。まあこれまでNHKも散々子宮頸がんワクチンの心理的?後遺症をとりあげ不安を煽ってきたので急に方向転換もできないのかもしれない。今日のニュースでは接種を希望する人はまだ7割だという。報道機関は海外の情報も正確に伝えて、接種は決して危険ではなく本当に収束させる今唯一の手段で、かつ自分も他人も守る本当に大切なことだと訴えるべき。「自分で判断して」などと付け加える必要があるとは思えない。やはり悲惨な状況が続いてくれないと報道機関は困るのだろうか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-27 09:12:37 (1506 ヒット)

 イスラエルではワクチンを2度打った12万8千人のうち1週間以上で感染したのは20人で陽性率0.01%以下だという。コントロールをどうとればよいのかよくわからないが人口900万人に換算すれば1週間で1400人くらい、1日あたりだと200人が感染した計算になる。イスラエルでは最近では1日平均7000人感染しているので、ワクチンは感染を3%にまで減少させている。この間ワクチンによる死亡は報道されていない。4万人規模での95%の有効率とされた臨床試験の結果と一致する。ワクチンはこの不条理を終わらせる現在最も大きな希望だ。私も初めは世界初の核酸ワクチンということで効果や副反応が気になっていたが、報道を見る限り危険性を上回る驚くほどの有効性だと思う。マスコミも野党も日本でなぜワクチンの普及がこれほど遅いのか追求すべきだろう。PCRやコロナ専門病床と同じ轍を踏まないように切に願う。大阪の知事も似たようなことを言っていてまだいつ、どれだけの量が来るのかわからないそうだ。「G7でワクチン接種が始まっていないのは日本だけ」というと落語家も「それが不思議」と言ったという。NHKのニュースで「ワクチン格差」を話題にしていたが、日本も途上国と同じく(まだ始まってないという意味で)「格差の国」に含まれていた。

J&Jのワクチンは66%の有効性だと報道されている。ファイザーやモデルナと違ってJ&Jはアデノウイルスベクター型だ。実はロシアのスプートニクVもアストロゼネカのもアデノウイルスベクターである。全くもって不明を恥ずべきことに、私はアデノウイルス型のワクチンは複製する生のウイルスだと思い込んでいた。そのほうが細胞性免疫も強く誘導できるだろうしウイルスも少量で済む。ところが実際は非複製型だという。そう言われれば実験室では我々もよく使っていた(写真は当教室でSOCS3をアデノウイルスベクターでマウスの関節に投与した際の導入効率をみた実験。青が感染した細胞)。アデノウイルスベクターの良い点は細胞への導入効率が極めて高いことと細胞あたりの発現量がべらぼうに多いこと。またなるほど非複製型なら身体の中で広がることはなく安全だろう。
  実験室で普通に使っているということはアデノウイルス型のワクチンは日本国内でも種ウイルスさえもらえれば直ちに量産できるはず。技術的には多くの製薬企業でも作れるだろう。J&Jもアストラゼネカもぜひ日本で生産してほしいものだ。と思ったらアストラゼネカは日本国内で生産開始するそうだ。EUからの輸入に不透明感が漂っている。某国内メーカーはじめいくつかの企業はDNA型のワクチンを開発しようとしている。しかしよほど導入効率が上がらないとタンパク質の発現が低く、個人的には期待できないと思う。

東京は今日は感染者700人を切った。おそらく来週はもっと下がるだろう。しかし緊急事態宣言終了を宣言すればまた1000人を超えるだろう。下がった今こそワクチンでコロナを永久に封じ込めるのが最も理想的な展開だろう。そうでなければ再び増減を繰り返しつつ未来永劫にこの苦しみが続くことになるだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-23 19:12:44 (1587 ヒット)

 イスラエル人口は少ないが感染者数、死者数共に日本に近い。そのイスラエル は世界でも最も早く、かつ多くの国民がワクチン摂取を行なっている。その効果が出始めていると言う。ワクチンはこの過酷な状況を打開する最後の希望だ。この前本庶先生も参加したオンライン講演会で、臨床現場で戦っておられる先生が「今過酷な状況でも頑張っていられるのはワクチンが行き渡ってこの苦しさから解放される日が来ることを信じているから」と言われたのが印象的だった。
そうだと思う。ワクチンが日本だけでなく世界の希望のはず。ワクチンは打ては自分だけではなく他の人も守ってくれる可能性が高い。それは歴史が証明している。

電車の中吊り広告を見ているとマスコミは人の不安につけ込んでニュースを売ることが仕事なのだとつくづく思う。アメリカでは190万人のうちアレルギー反応は21人だが全員回復したというモデルナはもっと少ない。それでもアナフィラキシーを大袈裟に伝えて「こんな危険なものはない」と煽る。もしそれで多くの人が忌避しこの厳しい状況が長期化し多くの人々が困窮し命を落とすことなど一考だにしない。いやそうなった方がニュースは増える。「ワクチンこんなに危険」と言っている同じ番組で「こんだけ苦しんでいる人がいる」というのを平気で報道する。どちらもニュース価値は高い。先のサイトでは「歪んだ社会正義」と言っている。ワクチンは99.9%の人には何の健康上の問題はなく、ニュースを見ているかぎりリスクのある人をきちんとフォローすれば問題なくワクチンだけで死亡することはない。高齢者やアレルギーの既往症のある人は注意すべきだろうがこれはコロナに限ったことではなく全てのワクチンに必要なこと。

 我々免疫学者は非論理的な悲観論を展開すべきではない。自分は打たないけど皆を助けるためにあなたは打てと言うのは無責任では。影響力のある方はぜひワクチン接種がスムーズに進む様に発言して欲しいものだ。英国の小野先生はワクチンも副作用は把握できるしアップデートするので変異株にも有効と言われる。今日の情熱大陸で出てきた先生たちもワクチンが希望と言われる。「ワクチンがゲームチェンジャーになる。煽り記事を信じないように」と。しかし行政は今から遅延の責任を押し付け合っているらしいので暗い気持ちになるが。案の定、日程提示も見送りになった。PCRの遅延の責任は曖昧なのまま。ワクチンも何処かで目詰まりする可能性が高いだろう。マスコミはむしろ「今年後半、欧米ではワクチンが行き渡って経済も人々の交流も回復、一方で日本はそれに遅れて長期低迷に落ちるかもしれない」と煽ってみてはどうか?そのほうがよほど建設的なのではないか。

ワクチンには常に反対する人々がいる。デマも多い。昔「ワクチンが原因で自閉症が起きる」とする論文が世界的権威のLancetという雑誌に掲載された。結局は捏造で著者も医師免許を剥奪されたそうだが、今なお信奉者がいる。心理的な副作用を非科学的とは言わないが本来の免疫学的副作用とは区別すべきである。なぜ陰謀論やフェイクニュースの類が絶えないのかこちらで詳しく考察されている

 「ワクチン予防効果なし」こちらはフェイクニュースです。さすがに新潮社は取り下げた模様。この記事の先生が言われていることの方が正しい。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-11 15:18:49 (1834 ヒット)

 成人の日。街では晴れ着を着た女性をちらほら見かけたが、都内23区で成人式を開催したのは杉並区だけだそうだ。今日はよく冷える。雪の地方では成人式どろこではないかもしれない。未来を創る若い人たちはこの日を覚えておいて将来笑い話にしてほしいものだ。
ここ数日都内ではPCR陽性者は2000人を超え、全国でも7000人を超えている。日本は何かの力(ファクターX)で守られているとか、スウェーデンは集団免疫で成功したと信じていた自分が恥ずかしい。このままでは感染爆発が起きる(起きている?)可能性があるらしい。欧米並みのロックダウンに近い厳しい対策をとるべきとの声もあるが本家のイギリスではロックダンしても感染者数は増え続けている。ある程度の数を超えてしまうとロックダウンでは効果が薄いのかもしれない。台湾やニュージーランドなど世界で成功している国を参考にするしかないが、シンガポールは感染者数の割には死亡数が少なく参考になるのではないだろうか。しかし徹底した検査と強力なリーダーシップがないと難しい。そうなると一日も早いワクチンの普及が望まれるが、菅首相は2月下旬の開始を目指しているという(遅くないか?)。モデルナに至っては5月以降という話もある。死者数が日本に近いイスラエルでは首相が猛烈に働きかけて3週間で2割の国民が接種を終えたという。接種後2週間経過した人は感染率が低下したそうで希望の持てる結果ではないか(ただ記事は何人中何人といった正確な情報を伝えていない)。こちらは1回の接種でも60%の感染率の低下がみられるという。我が国では昨年安倍前首相がPCR検査を早急に1日2万回以上にすると言いながら、何処かで目詰まりして数ヶ月かかったことが気になる。嫌な予感がする。
案の定都内では既に準備が難航しているそうだ。もっとひどい予想では4月以降という話がある。管総理はここでリーダーシップを発揮できなければ内閣支持率はとんでもないことになるだろう。管総理は厚生労働大臣ではなく行革担当の河野大臣をワクチン担当相に任命した。厚労省の動きが鈍くなかなか官邸の言うことを聞かないからとも言われている。ここは本当に2月下旬には始まって欲しい。

東京都は3つのコロナ専門病院を指定するという。これも随分前から早くやれと指摘されていたと思うが。。政府はPCR陽性者が入院拒否した場合に罰金懲罰を課すらしい。ところが東京都では入院先が見つからない患者が7000人を超えているという。入院したくてもできない人にも罰金を取るのだろうか?まずはコロナ専門病院を作って十分な入院先を確保してから言うべきことでは?PCR検査と同様お尻に火がつかないと動けないか。

インドでは感染者が急激に減少している。公式には1000万人の感染者数であるが実際には3〜4億人、人口(13.5億人)の20-30%がすでに感染している可能性があるそうだ。さすがにここまで広がると集団免疫が近づいているのだろう。ワクチン接種も始まるらしいので多くの犠牲を出しながらも最も早くコロナを克服するのはインドかもしれない。そのほかイラク、サウジアラビアなど中東の国でもかなり感染者数が下がっており何か理由があるのではないだろうか。イベルメクチンのおかげではないかという説もある。なるほどアフリカで感染者が非常に少ない理由もそれか。

このコロナのやっかいな点は、ロックダウンなどの閉鎖、隔離を優先すると経済が回らずに感染者以上に苦しむ人が出ることもだが、もうひとつは閉鎖によって感染の収束が遅くなることだと思う。台湾や中国やニュージーランドはうまくっていていると言われるが、感染者を出さないようにすれば窮屈な生活はいつまでも続き感染して免疫を得る機会は減る。もちろんワクチンがそれに代わることが期待されているのだがスパイクタンパクだけのワクチンで集団免疫が得られるかどうかはまだわからない(ワクチンを打った人は重症化しないがそれが他人にうつさないかはわからない)。アメリカの研究者は10年後にはコロナは普通の風邪になりインフルエンザよりも軽症になるだろうと報告している。子供が軽症なところをみると確かにそうだろう。しかしそれは多くのひとが感染して免疫を得ることと、おそらく並行してウイルスが変異して毒性が低下することが必要なのだろう。隔離政策はその速度を確実に遅くし、本当の収束を遅らせる可能性がある。あちらを立てればこちらが立たない。コロナは非常にやっかいな問題を人類に突きつけている。私は高齢者を率先して隔離もしくは自粛させよという木村先生の意見に賛成だ。

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2021-01-05 12:01:58 (1284 ヒット)

 昨年はコロナに翻弄された1年だったが、今年はぜひ良い年になることを期待したい。
ファイザーやモデルナのワクチンはmRNAタイプでこれまで使われたことがない全く新しい画期的なものだ。分子生物学、免疫学、ウイルス学の英知と技術の粋を集めてつくられた。これが成功すれば感染症だけでなくがんや免疫疾患をはじめ様々な疾患治療に使えるだろう。無事成功することを祈りたい。

ただ新年からおめでたくない話で、政府は緊急事態宣言を出すと言っている。今回は夜間の飲食店を中心に制限するそうで、前回のような「猫も杓子も」というわけではないそうだ。それは非常に理にかなっており、ピンポイントで本当に重要なところだけを抑えるのは大いに賛成だ。でももし夜間のスーパーの営業まで禁止されたら夜間にしか買い物に行けない自分は飢え死にするかもしれない(この点は回避された)。
ただ最近よく言われるようになったのは「医療崩壊の謎」。日本は人口あたりのベッド数は先進国で最多で、欧米と比べると感染者、死者は10-100分の1なのになぜ医療崩壊の危機なのだろうこの半年行政や医師会は何をしていたのだろうか?と憤るひともいる。もっともなことだ。政府は国民の努力が足りてないように言っているが、増えたと言っても欧米と比べると1日あたりの感染者数は1/10かそれ以下。少しは褒めてもいいような気がするのだが。
 
毎度の4カ国比較。何も目新しいことはない。日本の感染者数は1日3000人を超えていて、イギリスやアメリカと比べると桁は違うが最近の致死率は1.3%程度でほぼ同じ。やはりファクターXは幻想だったか。集団免疫のスウェーデンでも感染者が急激に増えているが日本の1.5倍程度。ただ最近の致死率は少し低く1.0%くらいなので少しは効果が出ているのか。イギリスはロックダウンにもかかわらず感染者は増えている。それよりも緩い緊急事態宣言の効果に疑問が持たれる。最近急速に感染が増えているのは変異種のためかもしれない。しかしその割には死者数は増えていないので、やはり変異種は感染力は強くても毒性は低い可能性はある。いや昨日あたりから増えているのでまだわからない。アメリカの死者数は頭打ちになっているが、10人に一人は感染しているので集団免疫に近づいている途中なのかもしれない。まだワクチンの効果は出てないだろう。アメリカでは一日3-4000人くらいコロナで亡くなっているという。日本はその1/50だが、アメリカと日本の致死率はそれほど変わらない。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-12-17 13:30:23 (2286 ヒット)

 日本を含む東アジア地域の感染率は欧米に比べると一桁以上低いので日本(東アジア)はコロナから守られている、という考えがあって、山中先生はこれをファクターXと名付けた。いろいろな研究者がファクターXの正体を探ろうとし、免疫交差説やBCG説、何らかの遺伝子の違いなど様々な角度から研究された。しかし昨今の日本の流行をみると結局ファクターXは「マスクと手洗い」など行動の差であって遺伝子や免疫の問題ではないのではないか、という疑いを抱かせる。岩田先生は「ファクターXは幻想」とまで言われている。
一方確実に守られている人たちがいる。それは子供や若者で世界的に20歳以下の感染者は概ね軽症か無症状だ。その理由はまだはっきりしない。それで子供や若者をコロナから守っている因子をファクターYと呼ぶことにしよう(と言っているのは私だけ)。仮説はいくつかある。今週号のNatureにニュースが出ているが複雑で結局何がいいたいのかわからない。「生物はそれほど単純ではない」という身も蓋もない言葉で結ばれている。そこを私なりに簡単に分類すると
(1)自然免疫説:子供はしょっちゅう風邪をひいている。あるいはいろいろなワクチンを打って間もない。そのため自然免疫が強化されている。
(2)交差免疫説:その風邪のかなりの部分は風邪コロナなので交差免疫が強く発動する。
(3)子供はコロナの受容体ACE2の発現レベルが低い。
(4) (1)とは逆に免疫系が未発達なので(多分)サイトカインストームを起こしにくい。

まだ決め手はないが、私は商売柄(2)を押している。が、(4)も魅力的かもしれない。子供と同じく確実にコロナから守られている動物がいるからだ。それはコウモリである。コウモリはコロナウイルスほか多くのウイルスに感染しても無症状でリザーバー(ウイルスの排出源)になっている。インフラマゾームが専門の原英樹准教授が教えてくれた。コウモリに症状がない理由のひとつはIL-1βを産生する機構が遺伝的に欠落しているからだそうだ。IL-1βは主にマクロファージが産生する自然免疫系のサイトカインでサイトカインストームでも主要な役割をしている。IL-1βが作られなければサイトカインストームは起きず一見無症状の状態が維持されるだろう(感染が身体中に広がらないのか不思議だが。。サイトカインストームが起きないとウイルスと獲得免疫の攻防が平衡状態に達し不顕性になるのか)。コウモリではIL-1β産生に必要なインフラマゾームの部品であるNLRP3AIM2やcaspase-1の遺伝子に変異があるらしい。他にもインターフェロン産生にかかわるSTINGにも機能低下変異があるらしい。

西川先生の解説はこちら。私の投稿よりだいぶ後だ(威張るようなことではないが)。

IL-1βが軽症の鍵なのか?IL-1βを産生しやすい痛風持ちは重症化しやすいと言う。では子供ではIL-1βは低いのか?インフラマゾームが未発達なのか?もしそうならどうしてか?調べる価値はあるのではないか(論文をみても結果か原因かよくわからない)。また今使えるインフラマゾームの効果的な阻害剤はBTK阻害剤以外知られていない(と思う)。BTK阻害剤は重症での効果が報告されているが、早期に使えば症状を抑えられるかもしれない。でもそうするとウイルスを排出し続ける無症状のひとを増やしてかえってやっかいか?痛風で使われるコルヒチンは臨床治験が始められているそうだがインフラマゾームを抑える効果は小さいそうだ。

コロナの変異種が出現して感染力が7割り増しとか。ロックダウンすればウイルスも生き延びるために感染力が高い方が残るだろう。一般的に感染力が上れば毒性は下がる。新型コロナもいつかは季節性の風邪になると言われているがその過程のひとつなのでは。

日本では感染者数、死者数共に欧米より一桁低いのになぜ医療崩壊と言われているのか?この記事の指摘はもっともなことで抜本的な制度変更が必要だろう。こちらも似たような意見。2類相当を見直すとずいぶん前に言われていたのにどうなったのだろうか

 日本がワクチンでは大きく出遅れたのはなぜか?ワクチンだけでなくコロナ関連の論文はアメリカや中国、欧米よりはるかに少なく世界16位だという。実はコロナ関連だけでなく多くの科学分野で日本の存在感が薄れているNHKの番組ではこれを広く捉えて「”科学立国”再生の道」と題して特集番組を組んでいた。一番の問題は若い人が科学分野に残らないこと。なので様々な若手支援のプログラムを組んでいるという。それはもちろん大いに結構なことなのだが、それだけなのだろうか。何かずれていないだろうか。そもそも強い意思をもって研究したいという若者がほとんどいないのに誰に支援するのだろうか?地方どころか都会でも助教を募集してもなかなかいい人が集まらないという現実がある。老害と一蹴されるだろうが、それでも言わせてもらうと自分が若い頃はもっとポストはなく研究費も絶望的に少なかった。しかしお金はなくても夢はあった(昭和の高度経済成長期並に)。日本の政策は一度決めたことは矛盾が出て失敗が明らかでもなかなか否定されずやり直すことができない。社会構造から抜本的に変えないと難しいのではないか。。

 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-12-14 15:40:01 (2347 ヒット)

 今日2020年度の上原賞の受賞アナウンスがあった。上原賞というのは上原記念生命科学記念財団毎年2名の研究者に授与している賞で、過去にはノーベル賞の山中先生も大村先生も本庶先生も受賞している大変名誉ある賞である。もとより私のような浅学非才なものがいただける賞とは思っていないが、これまで一緒に研究してきた若者たちを代表してもらえるとしたら大いに誇りとしたい。内容的には大学生レベルの免疫学や遺伝学のほとんどの教科書に書かれていることで、決して他の受賞者の業績に引けを取ることはないと思う。ただ私はその端緒を開いた「一粒の麦」に過ぎないので、私個人の業績というよりひとえにこの分野を発展させてくれた仲間や世界中の研究者のおかげ、評価していただいた選考委員の先生方のおかげである。 


受賞研究題目は『サイトカイン応答を制御する分子機構の発見とその病態解明』。サイトカインは免疫のみならず内分泌や代謝など身体の恒常性を保つ上でなくてはならない物質で、細胞と細胞の間のコミュニケーションツールである。おそらく100を超えるサイトカインが存在すると思われるがその中で1/3くらいはいわゆるJAK/STAT経路を使っている。このJAK/STAT経路の調節系として非常に特異性が高いのがCIS/SOCSファミリーの遺伝子群である。またサイトカインや、それ以外の増殖因子のほとんどはRas-ERK経路を活性化する。こちらの負の制御因子はいろいろあるが我々が発見、クローニングしたのはSPREDファミリーという遺伝子群である。これらの発見の経緯や解説はこちらこちらこちらをご覧いただきたい。いずれにしろ20年以上前の成果だ。その後我々は遺伝子改変マウスを使ってコツコツとその機能や生理的、病理的な意義付けを行ってきた。おそらく評価してもらえたのは発表してきた内容の多くがX線結晶解析SOCS1,3SPRED1)によって原子レベルで証明され、さらにSOCSSPREDもヒトの疾患原因遺伝子として確定されたことにあるのではないかと思う。ただSPRED1Legius症候群の原因遺伝子であることの発見はベルギーのグループとの共同研究であるが、それ以外の、SOCS1のヒトがん抑制遺伝子あるいは遺伝性自己免疫疾患の原因遺伝子としての発見も、X線結晶解析による抑制の分子機構の解明も、全く別のグループの成果である。それでも我々の努力がこれらの発展に寄与したことを評価してもらえたのだと思う。
 「我々の努力」といっても実際には当時、今なら『ブラック』と呼ばれてもしかたないラボ(まあ沼研とか〇〇研とは比較にならないが)で日夜寝食を忘れて実験に頑張ってくれた大学院生、スタッフらのおかげだ。私は発破をかけていただけのような気がする。本当に感謝の言葉が見つからない。また節目節目で多くの先生方、研究者に助けられた。CISのクローニングができたのはDNAXに呼んで下さった宮島先生のおかげだし、SPREDを釣ったライブラリーは横内君が留学したBaron研からもらったものだった。最初の遺伝子欠損マウスは国際医療研究センター研究所(現)の高木先生に教えを請い作ってもらった。Legius症候群の発見は当時大学院生だった谷口君とベルギーのEric Legiusのおかげだ。 


免疫でSOCSのような負の制御因子が重要なのはいわるゆる「免疫寛容」と呼ばれる現象である。「免疫寛容」とは免疫が自分を攻撃したり、過剰に反応してアレルギーになったり、慢性炎症になったりすることがないように制御する現象のことである。もしこれがないと食物に対して抗体ができて我々は食事ができず餓死するし、母体は半分異物である胎児を攻撃してしまい種の継承もできない。免疫寛容はそれくらい大事なものである。SOCS1は免疫を推進するエフェクターT細胞のブレーキ役として免疫寛容に必須な役割を果たすが、さらに「寛容」のもう一つの中心となる細胞、制御性T細胞(Treg)においても機能維持に重要な役割を果たしている。それから派生してTregの発生維持に必要な因子をスクリーニングした結果得られた遺伝子が最近力を入れているNR4aファミリーだ。SOCS1がシグナルの面から「寛容」に関わるのに対してNR4aは転写の面から「寛容」を制御している。「免疫寛容」という免疫の根幹に関わる遺伝子ファミリーに巡り会えたことは極めて幸運だったと思う。


 さらに言えば私は遺伝子ハンティングの時代に間に合ったことも本当に幸運だったのだと思う。一攫千金の時代だった。腕一本だけで勝負できた。しかし当時多くの遺伝子がクローニングされたが、構造からヒト疾患までつながったものはそう多くはない。やはり私は運と仲間に恵まれたのだと今更ながら思い知らされる。
あ、授与式が3月らしいのでそれまではコロナに罹らないようにくれぐれも気をつけたい。

 

 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-12-13 17:04:44 (1212 ヒット)

 12日は京都で某XXの会合。世の中ではGoToに対して「感染を拡大させている」として厳しい目が向けられている。私は少し違う考えを持っていて、移動だけで会食や多人数との接触がなければ出張は大きなリスクはないのではないかと思っている。移動だけで感染するなら毎日の通勤電車ですでに感染してるだろう。ともあれせっかくの京都である。会議の2時間ほど前に着いて京都御所や下鴨神社を散策した。下鴨神社の境内の原生林を糺の森(ただすのもり)と言うそうで、広い杜になっている。大学院生のころ近くに下宿していたにもかかわらずなぜか下鴨神社も糺の森も行った記憶がない。しかしここの紅葉は遅いらしいので行ってみることに。嬉しいことにまだ結構残っていた。

それもだが国歌、「君が代」に出てくる「さざれ石」が置いてあることに驚いた。ほんまにあったんか。しかし調べてみるとかなりの箇所にあるらしく「さざれ石公園」すらあるらしい。確かに下鴨神社のさざれ石には苔は生えていないが、さざれ石公園の石には苔がむしている。こっちが本家か元祖なのだろうか。

感染はなかなか歯止めがかからない。ここにきて私も山中先生が提唱したファクターXは実は「マスクと手洗い」だったのではないかと密かに思うようになっている。岩田先生も幻想だと言っている。実際感染者の死亡率はアメリカも日本も大きな違いはない(1.8% vs 1.4%)。日本で感染者が少なかったのは遺伝子や交差免疫のせいではなく日本人の清潔な生活習慣や自粛のおかげだったのかもしれない。それがGoToなどで緩んだというのは確かにそうなのかもしれない。でも第一波の時のように一旦とことん抑えてもまたコロナは復活する。拡大と緊縮を繰り返すのは同じではないか。それでも一旦強く抑えた方がいいのか。なんとか自殺者を出さないようにかわしつつ1日も早くワクチン と治療薬が開発されるのを待つということではなかったか。といっても今の対策ではどちらも外国頼みなのかもしれないが。。

それでも子供や若者が軽症あるいは無症状というのは世界的に共通している。免疫学会のシンポジウムで宮坂先生に質問したら、子供でも感染したら抗体価はあがるそうなので、単に自然免疫で排除されているわけではないようだ。ここは交差免疫で説明できるような気がする。と言ってもうちのラボの検査でも「若者だと免疫記憶が高い」という結果はまだ得られていない。なぜなら検査を拡充させるための資金と提供者の問題があるからだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-11-28 16:47:43 (1874 ヒット)

 世界的に第三波襲来で感染者が急増中という。まず非常に落胆せざるを得ないのは「集団免疫」を獲得したと思われていたスウェーデンでも感染者、死者ともに増えておりついにスウェーデンでも規制強化に乗り出したとのこと。うーん、6割がた免疫を獲得したのではなかったのか?あるいはコロナは免疫記憶ができにくいのか。それならワクチンはどうなる?気になるのはロシア。ワクチンはとうに完成して92%の効果だというのになぜ増え続けているのか?まだ打ち始めていないのか(なんと来週から接種開始という。なんでこんなに時間がかかったのだろう)。イギリスはロックダウンしたらPCR陽性者は減り始めている。やはり接触を少なくすれば減ることは減る。でも日本はなぜ第二波後9月以降は一旦減ったのだろうか?何かやったのだろうか?思い出せない。2類感染症を見直すという話はどうなったのだろうか?アメリカではもうすぐワクチンを打ち始めるとのことなのでその結果待ちか。ただたぶんPCR陽性はゼロにはならないと思う。重症者が減ることが大事だろう。

多くの大学で年度末に休退学者が増える予想だそうだ。片親の家庭はさらに苦しい。親から十分な支援を受けて卒業まで全うできる学生ばかりでは無い。むしろそんな学生は幸せなほうだろう。学費は出すが生活費はアルバイトで稼げ、という親も多い。コロナでバイトも難しいし、オンラインばかりでは学生としての楽しみも成長も期待できない。休退学を考える大学生が増えていてもおかしくない。なんとかいい知恵はないものか。

今日から分子生物学会。完全オンラインでなんとシンポジウムとワークショップは全部英語。しかしZoomの英語はダメだ。集中力が続かないし、周りに人がいないから睡魔に身を委ねることにほとんど抵抗がない。気がついたら発表どころかセッションが終わっていた。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-11-26 17:00:32 (1551 ヒット)

 

 SOCS1はJAKに結合してその活性を阻害する、天然のJAK阻害剤、つまりサイトカインシグナル調節因子である。もう四半世紀ほど前に我々や他のグループがまずマウスで発見したが、ヒトの疾患における解析は少し遅れている。ある種のリンパ腫でSOCS1の変異がよく見つかることから「ヒトがん抑制遺伝子」としては確立していたが、肝心の免疫系ではどうなのか?SNPは数多く報告されていたが機能欠失変異は知られていなかった。それがようやくフランスから5家系10人が見つかって10月号のNature Communicationsに報告されている。症状は早期の自己免疫疾患である。6割が10歳以下での発症で、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)や乾癬、セリアック病、SLEなど。脾腫やホジキンリンパ腫を発症している人もいる。ホモ変異はなくすべてヘテロで優性遺伝する。つまりSOCS1の量が半分になるだけで発症する(ただし無症状のひともいる)。変異をもつ人のリンパ球は当然インターフェロンγなどのサイトカインに感受性が上がっている。Tregの機能低下も認められ、血中サイトカインレベルも高い。すべて我々や他のグループがマウスを使って報告してきた表現型と一致する。NatureでもNature Geneticsでも良さそうなものだが。あまりに予想された通りの表現型(病気)だったせいか?それでも発見者のひとりとしてこの分子に長年取り組んできた者としては、ようやくヒト免疫での重要性が確立されたことに感慨ひとしおである。それにしてももっと早く見つかってもよかったのではないか。。。


と思っていたら実は5月号のNautreに、イギリスの大規模な Primary Immunodficiencyの遺伝子調査によって遺伝性ではなく孤発の免疫不全症(不全というよりも免疫異常症と言うべきか)でSOCS1の変異が2例発見されたことが報告されていた。なるほどだからNatureに行かなかったのか。それにしても自分の勉強不足が恥ずかしい。

一度見つかるとこういうのは次々に見るかるものらしい。アメリカからも2例の孤発と家族性のフレームシフト変異が報告されている。


ともかくもSOCS1のヒトでの重要性ははっきりした。SOCS阻害剤はチェックポイント阻害剤になり得ることは明白だ。どうだろう?どこかの企業の方、一緒にやりませんか?


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-11-03 11:19:34 (2458 ヒット)

 今日は文化の日で晴れることが多いのだが曇りの1日。気分も晴れない。数日前に用で銀行行ったら入場制限で外に列をつくって待たされた。雨がひどかったらどうするのだろう。電話をかけたら前のオヤジにソーシャルディスタンスを守れと怒鳴られた。第2波第3波やインフルとのツインデミックで何万も死ぬと煽っていたワイドショーの信奉者もまだ根強くいるらしい。ヨーロッパでは感染の再拡大でイギリスやフランスでは再度ロックダウンを行うという。で今回はイギリスも入れて4カ国で比較をしてみた。アメリカは相変わらずの状態。イギリスでは確かに感染者数も死者数も増加に転じている。一方でスウェーデンを見るとここも感染者数は増えているが死者は増えていない。これからが正念場という説もあるが、やはり一番安定感がある。ロックダウンのエネルギーを老人などリスクの高い人たちの保護にあてたほうが効率良く危機を回避できるような気がするが。本当に他に打つ手はないのだろうか?誤解されがちだが「免疫ができたら感染しない」というのは間違い。感染はするしPCR陽性にすらなるかもしれない。でも早期に治ったり軽症で済んだりするということ。その認識がないとワクチンも正しく評価できないかもしれない。

大学の対面授業五割以下は名前を公表するらしい。若者を犠牲にする事なかれ主義を諫めるにはいい事だが、学生にとってはオンライン授業がダメというより教官や友人との交流がないことのほうが辛いのだろうと思うのだが。。

アメリカ大統領選挙投票日。前回2016年はおおかたがヒラリー楽勝、という予想だったが私はトランプを予想した(ただの「感」で威張るほどのことではないが)。今回は世論調査ではバイデンだが最後はトランプが勝つと予想している人がネット上ではかなり多い(そういう記事の方が目立つからだろうか)。私の予想はバイデンだったがやっぱりトランプが勝ちそうだ。。結局予言は 当たった(11日朝)。だがトランプは居座り続けるつもりらしい。
それにしてもあれからもう4年も経ってしまったことに焦りを感じる。賑やかな学園祭は戻ってくるのだろうか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-10-20 18:11:31 (2527 ヒット)

 この頃毎日のようにzoom会議である。そもそもが几帳面とは縁遠い人物である。何度かzoom会議の時間、あるいは予定そのものを忘れて遅刻やすっぽかしをやってしまった。反省しているところにZoom<no-reply@zoom.us>;からXXXが待ていますとzoom会議のアドレスを書いたメールが届いた。この時間にzoomの予定あったっけ?いやきっと自分が忘れたに違いないと思ってURLをクリックするとちゃんとzoomの画面が出てくる。しかし相手はカメラもマイクもオフのまま。まだ始まっていないのだろうと5分ほど待つも誰も入ってこないし音声も切れたまま。ようやく怪しいと気づいて退出する。ネットで調べると案の定「Zoom会議招待を偽装したスパムメールに注意」というのが出て来た。しまった!と思っても後の祭り。5分以上インターネットを経由して自分のPCがよからぬヤツラと繋がっていたことになる。もしかしたらPCの情報をごっそりダウンロードされたかもしれない。ID、パスワードも筒抜けか。「XXXさん、どなたでしたっけ?」と今思うととんでもなく間抜けな呼びかけをしていた自分が情けない。ヤツラは画面の向こうで笑っていたに違いない。皆さんも「zoomなりすまし」にご注意を。

なりすましの招待は巧妙でhttps://keio-univ.zoom.us/xxxxxxと大学の名前を騙っていていつもの招待状とほとんど区別がつかない。知らない人についていかない、知らないメールを開かないというのは常識だが、これからは「知らないzoomには入らない」も。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-10-10 12:37:30 (1916 ヒット)

 水曜日から札幌でがん免疫学会。前回の炎症再生学会は都内だったので、本当に久しぶりの講演会場でのしかも英語での講演。いつも以上に緊張してコンピュータの画面ばかりみて顔をあげられなかった。会場は300名くらい入るところを100人くらいで占めている。そのほかインターネット経由でも300名以上が参加したそうだ。こういう対面とWebの両用をハイブリッド型だという。先週の広島でのがん学会もハイブリッド型で私はWebで参加した。自宅で聞けるなどWebのいいところも沢山あるのだが、やっぱり質問や議論は現地にいないと難しい。なのでこれからはハイブリッド型が多くなるような気もするがコストは大変なものらしく今回の大会長もぼやいておられたいた。久しぶりの対面がうれしくて3日間最初から最後まで参加した。会場はすすきのの近くだったが「夜の街には行かないように」とのお達し。札幌ラーメンを毎晩食べていた。

早稲田大学の総長の「対面授業再開も元には戻らない」というインタビュー記事が出ていた。教科書の解説をするような講義はオンラインで、対面はディスカッションを中心とする「熟議」で、ということらしい。これって別にコロナとは関係なくハーバード大学白熱授業などが話題になった頃から言われていたことだろう。コメント欄にも「おかしなはなし」と批判がたくさん出ていた。学生にとってより大事なのは講義よりもサークルや部活で仲間と会うことや何かをやり遂げること、あるいは自分たちで調査したりすることなんじゃないか。そのために大学の設備も必要だろうし集まることが最も必要だろう。講義や授業の建前の話はさておき、いつまでもサークル禁止は大学の機能の半分しか議論されてない気がする。
対面授業半分以下の大学は校名を公表するという。少しは風向きが変わるか?感染対策をしっかりやればできるだろう。

イギリスの最新研究では学校の閉鎖は死亡者を増やした可能性があるという。感染者の総数を減らすことよりも高齢者や基礎疾患のあるひとを重点的に感染から隔てることで死者数を最小化することができる、というもので当たり前といえば当たり前のことだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-10-04 12:07:45 (2869 ヒット)

母校の高校創立100周年記念講演会の感想(自分の)をアップしました。


西川先生のT細胞交差免疫の解説記事が出ていた。ラホヤ研究所のScience論文の紹介だ。なんと私がひと月前に紹介した論文ではないか。いつも西川先生の論文解説を読んで慌てて自分も読むことがほとんどなので、今回は少し誇らしい気がする(そんな他人の論文の紹介くらいで威張ることか?)。うちでもラホヤ研究所とシンガポールからペプチドもらって実験を始めている。一応T細胞の研究室なので。CD8は感度そのものが悪いが、CD4は確かに非感染者でも反応が見られる。年齢などを広く比較したいがコロナ専門の研究費があるわけでもないので本当に細々としかできない(とつい愚痴になってしまう)。ただやっぱりどうしても解決できないのはそんな「コロナの遠い記憶」が実際の感染防御に役立つのか?ということ。これはどの「ファクターX」の候補も同じでヒトで検証実験ができない以上いつまでも仮説は仮説のままかもしれない。

いつもの3国比較。初期はともかく最近のスウェーデンの安定度が際立っている。感染者数は増減を繰り返しているがここ2ヶ月は死者はかなり抑えられている。第二波が懸念されているイギリスのジョンソン首相がスウェーデンのコロナ対策の立案者に助言を求めたそうでそれも頷ける。また第二波では日本もアメリカも感染者数に対する死亡者数は、ウイルスのせいか対応策のせいかわからないが確かに減っている。さすがにもう日本でもメディアの「恐怖の煽り」は減っているようだ。
なお基礎免疫学的にはインフルエンザとコロナの同時感染はまずありません。ウイルス干渉現象という古典的な機構があるからです。インフルとコロナで何万人も死亡なんて言うかたは免疫学を勉強してないんでしょう。

今年のノーベル医学生理学賞はC型肝炎ウイルスの発見に。コロナでウイルスに関心が高まっているのでタイムリーか。C型肝炎ウイルスはフラビウイルス科に属しておりあの野口英世が感染して客死した黄熱病ウイルスも同じ科に属する(属は異なる)。動物細胞を使った試験管内感染系もできなくて、発見は当時カイロン社のHoughton博士が患者血清から直接RNAを単離したと記憶している。つまり感染性のウイルス粒子ではなく遺伝子から見つけられたものだ。見えないものを遺伝子工学の力で見つけたと非常に評判になり、慶應医学賞の対象にもなって調べたことがある。治療薬の発見のほうもすごいので、そちらももらえるかと思ったが対象になっていないようだ。

トランプが退院したという。この人の行動をみているともしかしたらアメリカ人には「他人にうつしてはいけない」と言う意識がないんじゃないかと思える。そう言えばアメリカに留学していた頃「気配り」とかはあまり経験したことがない。アジアもアメリカも感染者に対する致死率は変わらなくなってきた。アメリカ2.8% 日本1.8%。しかし感染者数そのものが100倍違う。麻生さんが「民度の違い」と言っていたが案外アジアと欧米の差のファクターXはこれ「他者への思いやり」の差か。一方どの国でも若者は軽症で、人種で年齢による重症率の差はそこまで違わない。この原因こそが交差免疫などの免疫学的な影響なのかもしれない。
トランプのコロナ感染。私の第一印象「自作自演では?」同じことを考えた人も一定数いたようだ。勝つためには手段を選ばない。主治医は陰性になったかどうか明らかにしない

この主治医「トランプの血液に抗体が検出された」と発表したらしい。トランプは抗体治療を受けているはず。いつ投与されたかが問題だが、投与された抗体を検出している可能性がある。まさかそんなアホが主治医とは思えないが、トランプはなんでもありなので可能性はある。トランプも免疫がついたと自慢している。受動免疫の抗体は結構長く持つ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-09-27 16:00:39 (2272 ヒット)

 自分の出身の高校は地方で純朴を絵にかいたような学校だった。卒業したのはもう40年以上前のことだ。本を読むか、勉強することしかなかったこれも極めて特色に乏しい3年間だった。こんなことを考えたのは母校の100周年記念式典での講演を頼まれたからだ。高校生相手に講演などしたことがない。こういう時は高校時代の涙ぐましい、もしくは感動のエピソードを紹介するとか、スティーブ・ジョブスのスピーチのような心に残る人生訓を話すかすべきなのだろう。しかし生来人様に訓示を垂れるような人格もないし感涙を誘う成功物語もない。散々考えた挙句、やはりここは専門の免疫学の講義を、今皆関心があるに違いないコロナにひっかけて話すしかないと結論した。特に山中先生の「ファクターX」の有力候補の免疫交差説を説明しようとすると、抗体や獲得免疫など免疫の基礎もやや詳しく解説できるだろう。抗体の話では利根川先生の遺伝子再構成にも触れることができる。ただそれだけでは文系には受けないかもしれない。そこで抗体や血清療法の話を引き出すのに野口英世と北里柴三郎の話も盛り込んだ。彼らには興味深いエピソードに事欠かない。どちらも留学しており高校生に「世界を目指す」お手本としては最適だ。
でも明治の偉人の話では身近に感じられないかもしれない。それに自分の話も少し入れないと「先輩」としての面目が立たないかと思って自分の留学時代の話も10分ほど入れる。そうなると「てんこ盛り」となるが練習を重ねて60分に収まるようにした。zoomの講義録画もだいぶ慣れてきた頃だ。何度かzoomで録画して練習を行う。最後にスタッフの高校1年のお子さんに録画を見てもらい「面白かった」「よくわかった」との言質を得て自信を得て講演会に臨んだ。

当日、PCの動作確認を行うがなんと音声が出ない。前日ちゃんと動くことを確認したのだが。かなり慌てたがしかし音声は「免疫劇場」のみでマイクでPCの音を拾うことでうまく切り抜けられそうだった。体育館で結構明るくスライドはかなり薄いが、今更しかたない。講演が始まると流石に600名の生徒らの視線というか圧力は強烈だ。いつになく舞い上がってしまった。言おうと思っていたことをかなり言い忘れた。例えば「大学が門を閉じているのは大学の偉い人たちの事なかれ主義」と批判したところで、「佐賀県は死亡者ゼロであり、高校ももかなり正常に動いている。これは先生や県の人たちの風評被害に負けない英断も大きいはず。」と賞賛するのを忘れた。 生徒さんらの顔を見て何度も言い直したりしたせいか時間もオーバーしそうになった。これはいかん、と焦り最後に「質問などあればメールして欲しい」と言うべきことも忘れてしまった。結局予定より10分もオーバーしたのではないかと思う。
話すのに手一杯でなかなか生徒のほうを見れなかったが、生徒の表情からは解ったのか、面白かったのか、つまらなかったのか全く読み取れなかった。今でも「真面目」「純朴」な生徒が多いそうなのでつまらなくても顔にも出さないのかもしれない。ひとりでも興味を持ってくれたらそれでよしとしよう。それにしても自分にとってはスリリングな体験だった。 
若い人たちに犠牲と閉塞を強いる今の状況。もし北里がいたら「オレが責任をとるから若いものはどんどん仕事せい」と言ったのではないかと思う。もっとも当時は死を覚悟して研究するのが普通だったようだが。肝が座っていると言うべきだろう。北里と一緒に香港にペストの調査に向かった東大教授の青山は感染して生死の境を彷徨っている。野口はアフリカで感染して客死したが、黄熱病ウイルス説を唱えて後にノーベル賞を受賞したマックス・サイラーは感染したが生還している。やはり運も重要なのだろう。

「大学オンライン授業はもう限界、学生の怒りと絶望と落胆の声123件」という記事があった。そもそも自分が感染しても軽症か無症状で重症化することがほとんどない大学生に多額の授業料を払わせておいて「大学に来るな」と言える根拠はどこにあるのだろうか?年金と同じとは言えないが未来を担う若者が老人の犠牲になってよいのか?大学生も署名活動を始めたという。大阪市立大のように全員抗原検査を行うとか京都産業大学のように学内に検査センターをつくるなどやろうと思えば可能な対策はいくらでもあるだろう。やらないのは大学側の怠慢や「ことなかれ主義」と言われてもしかたない。米国では大学を再開したことで感染者は増えたが最近は死者数は増えるどころか低下している。若者は重症化しにくいので当然か。もしオンライン授業を続けるなら「講義や部活を再開すると重症者が増える」というきちんとした根拠を示すべきだろう。

トランプ大統領がコロナに感染したという。これって本当なんだろうか(報道からは本当らしい)? 感染から早期に回復したところ示して「オレはコロナなんかに負けない強い男!」「コロナはただの風邪」をアピールして支持急拡大を狙う腹ではないか。そういう戦略をとっても全く驚かないが。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-09-05 13:14:57 (3295 ヒット)

 先週「NewsPicks」というネットメディアの須田桃子さんというかたから取材の申し込みがあった。どこかで聞いた名前だと思ったら、有名なSTAP細胞事件の本を書いた方だ。毎日新聞社だと思っていたら最近移られたらしい。昔熱心に読んだ記憶があるので一も二もなく引き受けた。コロナの「交差免疫」の解説をして欲しいというので最近の論文を時系列的に追って説明した。ほとんどはブログに書いてきたことなのだが、須田さんの原稿が素晴らしくよくまとまっていて、手を入れるべきところもほとんどなく「さすが」と感心した。次どういう話になるんだろう?という知的好奇心をそそられる構成になっている。木曜日が須田さんのサイエンスの記事が出る日だそうで3日にアップされていた。残念ながら有料記事なので中身は公開できない(10日間お試しで入会可能。ただ経済記事が中心なので我々にはすこし縁遠いか)が読者のコメントがついていて面白い。
最初に出てくる新妻耕太さんは『ここまで「わかりやすい、かつ解釈と表現が正しい」交差免疫の解説記事はない』、産婦人科の先生からは「なんてわかりやすくかつ正確な解説。秀逸です」と褒めてもらっており、ちょっとドヤ顔で皆に自慢する(須田さんのまとめかたがうまいのだが。。)(そもそも他人の論文の解説。自分の仕事ではないのにそこまで胸を張ることではない!)。新妻さん、これもどこかで聞いたことがあると思ったら筑波大学渋谷先生のところの卒業生らしい。現在スタンフォード大学のポスドクをしているそうだが、渋谷先生は”彼はコロナで研究もできないのでYoutuberになったらしい”と言っていた。近頃海外で挑戦する日本の若者が少なくなっているのでぜひ頑張って欲しいものだ。専門用語なしでウイルスを学ぶなどの新妻免疫塾というのもされているようでYoutubeに公開されている。
このごろ運や間が悪いことが続いたり原因不明の皮膚炎に悩まされたりと面白くないことが多いが、ちょっと一服できた。

東京はPCR陽性者100人を切ったということで概ね収束と言っていいかもしれない。これに対する一般のひとのコメントで胸を打つものがあった。「学生、特に大学生は大人の都合でスポイルされている。学校にも行けない、部活もない、アルバイトも切られる。安易に大学に来るなというなら授業料を返還すべき。偉い人たちは若者は票にもならないし、自分たちのことしか考えていないのでは。」全く著しく同意する。高校生や大学生はたとえ感染しても自分はなんともない。年寄りの1年と彼らの1年は重みがまるで違う。高校生、大学生の1年は2度と戻ってこない。そろそろ若い人たちは声をあげてもいいのではないか。大人は次世代を担う人たちのことを考えるべきではないのか。文部大臣は対面授業をやれと言っている。それでもやらないのは事なかれ主義の悪癖が出ているのだろう。文科省はもっとはっきり「従わなければ罰則」くらい言ってもいい。学生全員抗原検査するという英断の大学もある。やろうと思えばできるはず。及び腰の上層部はコロナが怖いのではなく自粛派からの批判が怖いのだろう。

アメリカでは感染の再拡大は大学の再開のせいだという。もしそうならマスクなどの感染防止や陽性者の隔離が徹底されていないのではないか?アメリカはそれは大学だけの問題ではなさそうだが。「PCR検査を増やせば収束する」のは陽性だった人が次にうつさないように自粛すればの話。そこが守られないと検査の意味がなくなる。

慶應大学呼吸器内科のグループの解析から「痛風はコロナで死亡する危険因子」であることがわかったという。痛風持ちである自分にはドキっとする報告だ。だが死亡する可能性が2倍になるのか、3倍なのかいまいちよくわからないので今度聞いておきたい。痛風持ちはインフラマソームが活性化しやすくIL−1βの産生量が多くサイトカインストームが増悪化するのだろう。理屈はよくわかる。もし感染したらBTK阻害剤を飲むべきか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-08-26 10:59:44 (3088 ヒット)

 ここ数週間ストレスの溜まる仕事が続いたせいか全身に蕁麻疹がでるようになった。ストレスの原因は2つほど特定できるが、何が抗原なのか、暑くて汗をかくせいなのかわからない。痒みにはいい薬がない(IL-4抗体療法やJAK阻害剤はまだ早いか)という意味では痛みよりも耐えがたく夜眠れない。なので昼間ぼーっとしていることが多い(元来そうだったかもしれない)。
赤いポツポツが治らないので皮膚科に行くといきなり「毛虫や」と言われた。毛虫皮膚炎というのがあるらしいが、さすがに庭いじりはしてないのでそれはないだろうとステロイドの外用薬と内服薬をもらう。その後数日して発疹が融合して大きな島状になってしまった。これはまずいと大学の皮膚科の先生に相談したら多形紅斑だろうということでこのままステロイド内服外用で様子を見ることに。調べてみると薬疹かヘルペスなどの感染症から来るものらしい。自然消退するらしいので我慢して待つこととする。先生には飲酒は控えるように言われたがとても飲む気にもなれない。
2週間ほどしてかなり良くなった。依然原因は不明。

今日の西川先生の解説ではCAT-Tregが取り上げられていたCARの細胞内領域を10種類くらい変えて結局CD28が一番良かったらしい。これはうちの結果と同じ。それ以外は新しいことはないのだがScience系の上位の雑誌に載っておりすこし癪に触る。しかしCAR-Tregも実用に近づいているのかと実感する。私の蕁麻疹で試してみたいものだが、CARを何にすればいいのかが問題。案外IgE産生を抑えればよいならCD19でもいいのかもしれない。
それにしてもコロナ禍で世界的に研究が停滞し論文が減ったり質が落ちたりするのではないかと思ったがそこまではないような気がする。やはり中国からの論文は多い。先日あるインタビューでコロナに関する論文は世界からたくさん出ているになぜ日本からは少ないのか?と質問された。こちらの調査ではコロナ関連論文は世界で4万2748報出ているが日本からは839報でわずか2%だそうだ。「特にコロナに限ったことではないでしょう。日本からの論文は右肩下がりですから」と自嘲気味に答えると、ある本を紹介された。毎日新聞出版の「誰が科学を殺すのかー科学技術立国崩壊の衝撃」。全くもって衝撃的なタイトルだが、中身も国立大学法人化からムーンショットまでばっさばっさと小気味よく切り捨てている。だいたい知っている内容だったが、日本の政策で何一つ褒められているところはなく、ここまでどうしようもない有様ばかり並べ立てられると暗澹たる気持ちになる。現状はそうかもしれないが「ではどうしたらよくなるのか?」少し落ち着いて前を向いて考えるべき時なのだろう。

日本電産会長の永守重信氏。小さな町工場を年商1兆5千億円の大企業に成長させたカリスマ経営者だ。とにかくポジティブ思考で常にピンチをチャンスに変えてきた。世界をリードする技術力があってのことだろうが、嘆いてばかりでは何も変わらない。

新型コロナを指定感染症「2類相当」から見直すらしい。ようやく世の中が正常化するのだろうか。高校や大学でも休校や封鎖で苦しんでいる人たちは多い。彼らは重症化しないのであればある意味大人の都合で翻弄されている。危険度の高い人たちを重点的に予防措置するほうが経済的には理にかなっているような気がする。うまくすれば集団免疫もついてやがてコロナ禍は終わるのではないかと個人的には思う。
日本はすでに「ほぼ収束」という意見も出ているが、さすがに根拠が希薄で言い過ぎなような気がする。しかし多くの国で第二波のほうが第一波よりも死亡率が低いというのは統計表を見ていると事実のように思える。
漫然と二類相当を続ける根拠には乏しいとする川口先生の考察は首肯できる。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-08-06 18:43:18 (6307 ヒット)

 ある意味衝撃的なレポートがイギリスから出ていた。Pre-existing and de novo humoral immunity to SARS-CoV-2 in humans (新型コロナウイルス に対する既に存在していた、および初回の抗体応答)と題する論文で査読前のBioRxivに7/23に出されたものだ。2018年から2020年始めのまだ新型コロナが蔓延する前(つまり感染していない人)の血液を調べたところ、6%くらいに新型コロナのタンパク質、特にスパイク(ウイルスが細胞内に侵入するのに必要なウイルスの突起)のS2部分に反応する抗体を検出したと言う。スパイクはS1とS2二つのサブユニットからなり、S1よりもS2のほうが一般的な風邪コロナウイルスと似ている。特に無症状が多いことがよく知られている子供と青年にこのような抗体がよくみられ(6歳から16歳以下だとなんと60%以上。17歳以上は数%)、その抗体は試験管内での新型コロナの感染を抑制したのだそうだ。つまり子供や若者が重症化しないのはすでに持っている類縁コロナに対する抗体のせいなのかもしれないというわけ(だろう。全くもって読むのが困難な論文なのだ。感染者と非感染者、ウイルスの抗原など様々な項目が錯綜している。ただたぶん言いたいのはこういうことだろう)。

さらにこの見解を支持する2つの論文が相次いでScienceとNatureに出された。抗体産生と深く関係するヘルパーT細胞を解析したものだ。Scienceのほうは以前交差免疫を言い出したCellに出したグループからで、ヘルパーT細胞応答をスパイクとそれ以外の抗原にさらに細かく調べたもの。Natureのほうはスパイクタンパク質に特化して、いずれも新型コロナと類縁の風邪コロナの抗原ペプチドに対する応答を調べたものだ。これらも難しい論文で正確に全部を理解できたわけではないが、やはり非感染者は特にS2に応答するヘルパーT細胞を高率で持っている。さらに詳しく調べるとそれらのT細胞の一部にはすでに蔓延している風邪コロナの「対応する部位」に確実に反応するものがあることが示された。つまり類縁風邪コロナとの交差免疫応答が確実に証明された。実際にScienceの論文で使われた非感染者の血清のほとんどで風邪コロナに反応する抗体が検出されたと言う(図S1B)。またNatureでは重症者はこのようなスパイクに応答するT細胞を検出できなかったと記されている(ExtDataFig.3.)。もちろんこれらの風邪コロナに応答するT細胞が新型コロナに対して本当に保護作用があるのかどうかは、このようなT細胞を持つ人と持たない人を実際に感染させてみないとわからない(倫理的に不可能だろう)。だが、特に子供や青年は類縁の風邪コロナに対してT細胞やB細胞の記憶、あるいは抗体を持つので症状が軽いのではないか、と言う仮説はさらに大きな説得力を持つことになった。

しかし、イギリスの報告では17-36歳の抗体保有者は数%なので若者が軽症なことを説明できていないような気がする。さらにNatureはドイツ、Scienceはアメリカからの報告だ。依然としてアジアで死亡率が低い理由にはならないのではないか。まだ解かれていない謎は残っているように思う。

極端な言い方だが、もし類縁の風邪コロナに対する抗体が軽症になる原因ならば、抗体陽性のひとは新型を恐れる必要はなくなり遠慮なく経済活動に参加し、抗体のない人は生ワクチンとして風邪コロナを接種すればよいことになる(安全性は保証できないのでアイデアとして)。

ロックダウンや休校を行わなかったスウェーデンでは7月17日に「抗体獲得率は20%未満でもT細胞免疫は40%近くに上り、ほぼ集団免疫が獲得された」と発表したそうだ。T細胞免疫が何を意味するのか、実際の細かいデータは探しても見つからなかったが(これか?)、やはり経済を維持しながら早期の収束を目指すならスウェーデン式が最も現実的な方法のように思える。スウェーデンの対策と結果の詳細はこちらの報告に詳しい
マスコミは「スウェーデンは失敗」とネガティブに捉えたいらしい。しかし感染者数と死亡者数の推移を見ると、規制を緩めると感染者が増える他の国(例えば日本やアメリカ)と比べると、方針に一貫性があり、感染者も死亡も減り続け、第二波第三波に対しても安心感があると言う意味でも成功していると言えるだろう。今朝も報道番組で「スウェーデンのやり方は失敗」と根拠も示さず否定する偉そうな評論家がいたが自分の目でデータを見ない人なのだろう。

今日は東京は462人陽性だという。PCRは数コピーのウイルスを検出してしまう。陽性者は感染者なのか?自然免疫ですぐに排除されるようなら感染とは言う必要はないかもしれない。最近抗体検査のことはさっぱり触れられなくなった。やはり抗体陽性率は低く感染しても抗体陽性にならない場合が多いのだろう。それだけ今回のウイルスは自然免疫か交差免疫で早期に排除されているということなのかもしれない。その場合は獲得免疫は得られず再度感染する可能性も否定できないが、訓練免疫説や交差免疫説が正しいならば再感染しにくくなる可能性は十分ある。自称専門家としてはRNAのコピー数や陰性化のスピードのデータも欲しい。
 
交差免疫説を支持する首都圏の抗体検査の結果がニュースになっていた。東京理科大学の村上先生らは抗体検査で感度をあげるとほぼすべての検体で抗体の反応があったという。なので首都圏ではほとんどのひとがすでにコロナか類縁コロナに感染していて免疫ができているとしている。よって高齢者やリスクの高い人たちに重点を置いた方策をとるべきだろうと言われている。もちろん感度を上げすぎると偽陽性が出るので注意しないといけないが。年齢別の陽性率も出していただけるとありがたいが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-08-06 08:39:27 (2238 ヒット)

 数日前にMITでポスドクをしているというがん研究者からメールをもらった。自分が開発した新しい腫瘍モデルでT細胞を解析したらNR4aが非常に高く発現しているので共同研究をしたいという申し出だった。こちらとしても人手は足りていないのでぜひに進めたいが、ポスドクが勝手にやってあとでボスが「聞いてない」と言われても困る。それにMITの教授ならNR4aに興味を持ってくれたら阻害剤の開発にも乗り気になってくれるかもしれない。Zoomを使ったビデオ会議をセッテイングしてもらった。ボストンは朝9時でもこちらは夜中の10時だがラボで待つ。始まるとこちらの現状と向こうのシステムを確認して計画を聞く。残念ながら薬剤のスクリーニングはやっていないらしい。
一通り話が終わって、実は私は30年前にボストンにいたんだと打ち明けた。何処にいたのかと聞かれて、ホワイトヘッド研究所のLodish先生のところだというとボスがいつ頃か?と聞いてきた。1989−91年というと、なんと自分は同じ頃3Fのワインバーグ研でポスドクをしていたのだと言う(私は4F)。N先生やH先生など当時ホワイトヘッドにいた日本人やポスドクの名前が出てきてとたんに和やかな雰囲気になった。たぶんビジネスでもそうなんだろうが、研究でも何かしらつながりがあると信頼関係を築きやすく話はスムーズにいく。留学のメリットのひとつはやはり人脈形成なのだろう。久しぶりに昔を思い出したが、このボスTyler Jacksの顔は覚えていない。おそらく金曜日のハッピーアワーでビールを一緒に飲んだことはあるはずだ。HPをみると自分と同年輩とは思えないくらいいかにもインテリっぽくカッコいいではないか。さすがにMITの教授だけあってラボも大きく勢いがあるのだろう。

萩生田文科相が「大学だけキャンパスを閉じて易きに流れていないか」と暗にオンライン授業のみの大学を批判、との記事が出ていた。「ディズニーはいいのになんで大学だけ?」という大学生の苦悩を理解してくれているのかちょっと見直した。もっと強く言ってもいいのでは。
「言うならば授業の中身も非常に薄っぺらくなってしまうようなオンライン授業ではいけない」えっ?自分のことを言われているようで冷や汗が出る。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-07-18 17:32:51 (3491 ヒット)

 5月のCellの論文はアメリカ人のT細胞免疫記憶の話だったが 7/15のNatureにシンガポールから感染者、非感染者のT細胞免疫記憶の論文が発表された。例によって西川先生の解説がある。シンガポールは5万人近くが感染して死者はわずか27人の優等生国である。最も関心がある非感染者(抗体陰性もしくは2019年7月以前に採取された血液)の応答だが約半数(19/37)で反応が検出されたという。しかも反応するのは普通風邪の近縁のβコロナウイルス に保存されたペプチドで特にORF1遺伝子にコードされるNSP(非構造タンパク)に対するT細胞応答がみられる。感染者は広く多くのペプチドに対して反応にするのに非感染者はNSPへの応答に集中している。この理由としてNSPを含むORF1遺伝子がコードするタンパク質が感染最初期に合成されるからではないか?すなわち非感染者は感染していないのではなく記憶T細胞がごく初期に感染細胞を殺してしまうのでウイルスの構造タンパクができてから造られる抗体のような時間のかかる獲得免疫応答までいかないのではないか?という推測がなりたつ(論文が難しくて自分の推測かもしれない)。さらに興味深いことに非感染者から得られた新型コロナのNSPに応答するT細胞は普通風邪のβコロナウイルスの同じ場所のペプチドには応答しない。このことから筆者らは非感染者といっても"presently unknown coronaviruses, possibly of animal origin"に感染していたのではないかと書いているが、どういうことかイマイチよくわからない(動物ってなんだろうか?ペットなのか?)。いずれにしても新型コロナといっても我々にはすでにT細胞の免疫記憶が存在する可能性が高い。そういうひとは感染しても無症状か軽症の可能性が高い。交差免疫を応用したペプチドワクチンが簡便で極めて有効である可能性も出てきた。


といっても約半数である。この数字はアメリカでの非感染者のT細胞記憶の割合(40−60%)に近い。これではアメリカとシンガポールの致死率の違いは説明できないではないか!うーん、ファクターXはT細胞ではない?
この点、思いきって著者にメールして聞いてみた。なんとすぐに返事が来て”自分たちが使ったペプチドはウイルス抗原の10%をカバーしているにすぎない。反応の程度も比較できない”との返事だった。まだ結論は言えないとのこと。

ともかくT細胞の論文は読みづらい(T細胞の専門家と言っておきながら。。)。少なくとも私には難解で、同様にこれで免疫が嫌いになる人は多いのではないかと思う。

ほとんどの人が既にあるウイルスに感染している、という事実はなかなか受け入れがたいかもしれない。しかし例えばEBウイルスは日本人なら3歳までに6〜7割、成人でも8〜9割が感染しているがほとんどは症状はない。むしろ思春期以降に感染すると伝染性単核球症というやや厄介な病気になる。アフリカではバーキットリンパ腫という腫瘍の原因となる。子供には症状がないとか地域によって悪性度が異なるとか新型コロナに似ている。新型コロナもいずれはこのような人と共存するウイルスになるのだろう。感染力と毒性はむしろ逆相関することが多い。死者からは拡散しないので致死率が高いウイルスはやがて低致死率で感染力の高いウイルスにとってかわられるから。ぜひ「東京型」の毒性を調べていただきたいものだ。こちらの先生の解析は説得力あるが「重症者は2週間遅れて現れる」には全く同意する。重症者はじりじり増えているので予断は許されない。しかし軽症者の免疫系の解析も重症を回避するためにも必要だと思う。

重傷者数はじりじり増えているが感染者数1000人を超えているのにまだ4月のレベルには遠いし死者数の増加ははっきりとはみれていない。第一波の時にいかにPCR検査をやっていなかったかということかもしれない。

全くの暴論だが、このコロナ騒動を一気に解決できるかもしれない。40歳以下の人全員に現在流行中の東京株を生ワクチンとして投与する。ウイルスが弱毒化しているのか人間の身体が対応しているのかはわからないが、今の時期には新型コロナ東京株はなぜか重症化は少ない。少なくとも40歳以下で死ぬことはない。まずは若い人たちに積極的に接種して免疫をつける。もちろん一方で高リスクの人たちは厳重に注意して隔離する。まあ若い人でもリスクはゼロではないので難しいだろう。無謀な賭けとお叱りを受けるだろう。こんなことを考えたのは、ニュースではまずトップで今日は感染何人と報道されるのに重症者や死者の数は報道されないから。あまりに少なくニュースの価値がないのだろう。その後同じアナウンサーが様々な業種の苦境を伝える。アナウンサーは高給取りでコロナで影響は受けない。そんな人たちが同情するような口調で街の苦境を紹介している。その前に御本人がしゃべっている感染者数のみの危機感満載の報道がいたずらに不安を煽って苦しむ人を増やしているような気がするのだが。

東大河岡先生は弱毒生ワクチンを開発中とのこと。投与する年齢層を限定的にすることでより迅速に安全な生ワクチンができるのではないか?

ぼちぼち「新型コロナは2類感染症から外すべき」という意見も出始めた(なおうちの先生の指摘では新型コロナは「指定感染症」であってまだ2類感染症ではないらしい。いつのかわからないが厚生省の資料もそうなっている)。また現実に即した政策の提言も出てきた。こちらも同じご意見こちらも。こういう意見が増えてくれば潮目も変わるかもしれない。

日本の報道や政策の混乱をみると、来年、再来年もどうなっているか暗澹たる気持ちになる。やはりスウェーデンが最も成功したのかもしれない。失敗と報道されることが多いスウェーデンのやり方だが、報道内容と実際は異なる。また軽症では抗体陽性にならなくても強いT細胞免疫が獲得されているらしい。
 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-07-16 15:23:01 (2781 ヒット)

  今日は東京で新規感染者数が280人を超えるとのことで、東京は諸悪の根元のように言われGOTOキャンペーンも槍玉に挙げられている。マスコミは第二波襲来かとあおりたてる。しかしやはり腑に落ちないことがある。これだけ感染者が増えても死者はほとんど出ていない。もちろん死亡は3,4週間後でないと反映されないのだろうが重症者数も増加がない(追記:と思っていたが最近じりじり増えつつあり楽観はできない)。40代50代も感染しており養護老人施設でもクラスターが見つかったと言われているのだが(追記:その後どういう経過になっているのか知りたい)。
世界の感染状況をみていると、一旦死亡数が落ちた国で再び上昇した国は少ない(イランは2度目も上昇)。アメリカですら感染者はまだ増えているが死亡率(数はその後増加)は減少している。イタリア、スペイン、イギリスなどでも死者数で見る限りかなり落ち着いている。ロックダウンをせずに集団免疫を目指したスウェーデンでは6月末に感染者数は2度目?のピークを迎えているが死亡者数は減り続けている。これはどういうことか?全く素人の考えだがこのウイルスは何度かヒトーヒト間を伝搬すると毒性が低下するのではないか?これは別にコロナウイルス に限ったことではなく多くのパンデミックを起こしたウイルスは感染力が上がっても毒性が低下して人類と共存するようになる。スペインかぜでは一旦強毒化したので第二波でさらに死者が出るとあおられているが今回もそうなるという根拠はない。ともかくこのときのH1N1亜型も低病原性となり持続している。「新型コロナもいずれ季節性のカゼになる」と最初から予想していた方もおられた。ぜひウイルスの遺伝子を調べてもらいたいものだ。3月と今では多くの変異が見つかるだろう(毒性と関係するかは詳しく調べないとわからないが)。
我々に免疫がついてきた可能性もある。抗体検査では1%いかなくても、実際にはかなりのひとが抗体を失っても免疫記憶を持っておりすぐに獲得免疫が発動して軽症で済むようになったのかもしれない。今日見かけた高橋先生は日本人は自然免疫の能力が高く抗体ができる前にウイルスを排除してしまう可能性を指摘されており、「訓練免疫」といって各国でも自然免疫力が高まった可能性もある(教科書的には自然免疫には記憶はないとされるが、最近は自然免疫にも記憶があるとする説も出されており今回がよい証明になるかもしれない)。もちろんインフルエンザだって罹患しないにこしたことはない。気を抜いていいとは思わないが底なしのパニックになる必要はないのではないか。

児玉先生は「ウイルスが変異して感染力が強い「東京型」「埼玉型」が発生している可能性を指摘とか。先生はウイルスの遺伝子を追っておられるので確かに変異は入っているのだろう。ただ「感染力が強い=毒性が強い」ではなくむしろ「毒性は弱まっている」と思うのだが。それがウイルス学では一般的な考え方だと思う(実際、ウイルスや感染症の専門家も以前からそうおっしゃっていたと思う)。実際に弱毒生ワクチンを分離するときは実験動物で何度も継代して得る事が多い。野口英世で有名な黄熱病のワクチンもそうやって確立された。ぜひ感染力だけでなく毒性も議論してもらいたい。

  イタリアの現場を指揮していた方もウイルスが弱毒化した可能性を指摘されているそうだ。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-07-09 18:45:04 (2010 ヒット)

 4ヶ月ぶりに演壇に立って講演を行った。もちろん無観客で聴いているのは座長の先生や大会関係者数名とWeb配信用のスタッフ。配信スタッフの方が多く貴重な拍手源だ。それでも学会は心踊る。翌日のシンポジウムはどの講演もものすごく新鮮でエキサイティングだった。やっぱり音楽の演奏会と同じくライブがいい。

破骨細胞の講演の質疑でつい素朴な疑問を思いついて「骨折では骨は再生するのにリウマチではなぜ骨は再生しないのですか?」と質問してしまった。「骨の先端には骨芽細胞がいません。」。今まで何研究してたの?「ばかな答えはあってもばかな質問はない」と言われるが、さすがに恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だった。

朝一番の講演の先生は大阪からで会場の新宿のホテルに泊まっていたのだそうだ。「勇気ありますね。」『いやあ周りから危ないところ(夜の街?)には行かんようにと言われました」。
その先生は関係ないとは思うが東京の感染者は今日は224人。確実に死亡は減っているのだが自粛要請前の200人と何が違うのだろうか?自粛前は単に検査してなかったから?死者数が増え出した時がヤバイのだと思う。今日は来年の学会の話も出た。本当に昔みたいに賑やかに開催できるのだろうか。

九州では大雨の被害で多くの方が犠牲になり、家を失った人も多い。この暑さの中、片付けだけでも大変だろう。災害でも自粛でも辛酸はいつも弱い人にまず襲いかかる。天は乗り越えられない試練は与えないと言われるがなんとかならないものか。

新宿区は感染が見つかったら見舞金として一率10万円を支給するという。入院に限らず無症状でももらえるらしい。どこをどういじったらこんな政策が出てくるのか。。感染者数が増えているのはこのせいか?
隔離に協力してもらうため、ならわからんでもないが。

だが本当の致死率がシンガポールのレベル(5万人近く感染して26人)なら指定感染症にしている意味がないと思える。最後は意識の持ちようか。でもそのまえに欧米とアジアの死亡率がなぜこんなにも違うのかはっきりさせるべき。なぜ若い人は軽症なのか?また今回の200人超えではなぜ前回よりも感染者が多いにもかかわらず医療は逼迫していないのか?このあたりをはっきりすればよい方法がみつかるかも。

それにしても何かがおかしい。陽性者が多いのはPCR検査を増やしたからだという。最近の陽性率は5%程度だそうだ。もし普段の生活をしているならこの程度は普通に蔓延しているはずでおそらく2月3月もそうだったろう。なのになぜ抗体陽性率が1%を切るほどに少ないのか。抗体検査の感度が悪すぎるのか、抗体は失われやすいのか、PCR陽性でも自然免疫系もしくは免疫記憶で素早くウイルスは排除されるのか。最近の研究では多くの感染者で数ヶ月以内に抗体価が下がると言う(と言って免疫記憶が残ればある程度素早く戻ると思うが)。感染したひとはPCR陰性になるまで何度か検査を受けるはずなので無症状のひとはどれくらいでウイルスが無くなるのか、また抗体価はどうなるのか、ぜひ調べて欲しいものだ。無症状の人を詳しく調査するのは意味がないと思われるかもしれないが、極めて重要なことだと思う。それで合理的な対策が見えてくるのではないだろうか。見えない恐怖に踊らされているというこの方の意見に著しく同意する。



 


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-07-03 16:02:35 (2038 ヒット)

 7/3 昨日に引き続いて東京では感染者100人超えたそうである。感染者数が増えているのが憂鬱なのではない。その数字に慌てふためいてまた「自粛」とか「第二波襲来」とか言い出す人がでてくるのではないかと心配だ。さらに感染した人を非国民の如く過剰に責め立てる風潮にも不快感を覚える。感染者は出ていても若者が中心で症状は無いか軽いので現在のところ医療体制を逼迫させてはいない。死者数はむしろ減り続けている。京都大学の先生が「慌てず冷静な受け止めを」とおしゃっている通り。PCR検査を拡充するのは感染した人を早めに見つけて他にうつさないように注意してもらうためで、それによって感染者数は漸減していくだろうしなにより高齢者の感染や院内感染を防止して重症者を抑えることが可能になる。若いので仕方ない、他にうつさなければいいくらいの寛容な世界にならないものか。

それでも感染者数が再び増加したということは「自粛」「緊急事態宣言」は少しは感染者数を抑える効果があったのだろう。でももし「増えたら自粛や休校をやる」なら永遠(とまではいかないでも)に増加ー減少ー増加ー減少を繰り返すばかりで一向にコロナ禍はなくならないことになる。案外長い目で見たら集団免疫を目指したスウェーデンが最も成功した国になるのかもしれない。素人考えだが感染可能性の高い場所のみに絞った対策などが有効なのでは?都知事に再選された小池さんもそんなことを言ってたな。ピンポイントでと。 

ワクチンはすぐに実用化されるだろうか?そうなればいいが期待のDNAワクチンやRNAワクチンは実はまだ医療用ワクチンとして認可されたものはない。本当に細胞性免疫まで十分に誘導できるのか(抗体よりもT細胞が大事という説もある)。ぶっつけ本番でチャレンジしているわけだが副作用はもっと未知数だ。10万人にひとりしか副作用がないとしても1億人打ては1000人に副作用が出る計算になる。1976年アメリカで新型インフルエンザが流行する気配を見せた。その時100万人が死亡すると煽った専門家もいて(似たのような話を最近聞いたような気がする)当時のフォード大統領は全国民にインフルエンザワクチンの接種計画をぶちあげた。しかし、結局新型インフルエンザの死者は一人でワクチンの副作用で500名以上のギランバレー症候群の患者を出し4000件の損害賠償が残った。そのせいかどうかわからないがフォード大統領はその年の大統領選挙に破れている。

NHKスペシャル「タモリx山中伸弥 人体vsウイルス」をみた。ビジュアルはさすがでHLAも分かりやすく説明されていた。しかし所々面倒なところは端折っている。抗体産生がなぜHLAに規定されるのかなどヘルパーT細胞を入れると説明が厄介だ。ケチをつけるつもりはない。ただファクターXの仮説から交差免疫説を外したのはどういう意図があったのだろうか?HLA説は10倍以上の差を説明するには分が悪そうだ。交差免疫説をとる人も増えているように思うのだが。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-06-18 09:38:43 (3232 ヒット)

 新型コロナウイルス 感染による重篤な肺炎やサイトカインストームに白血病(B細胞腫瘍)治療に用いられる薬剤ーBTK阻害剤が有効であるとの報告がなされた。論文はこちら。BTKはB細胞の発生や維持に必要なチロシンキナーゼで、これを遺伝的に欠損するとB細胞がいない、すなわち無ガンマグロブリン血症になる。B細胞腫瘍でもBTKは増殖生存に必要なのでBTK阻害剤はB細胞リンパ腫の治療に有効だ。今回これがサイトカインストームに効くことがわかった。といってもB細胞がサイトカインストームを起こしているわけではない。
BTKはマクロファージにおいてToll-like receptorとインフラマゾーム(炎症性サイトカインIL-1βの産生に必要な細胞内マシーン)の活性化に必要なのだ。2015年に伊藤さんと森田君がこれを世界で最初に報告し、この論文でもちゃんと引用してくれていた。日本語はこちら。サイトカインストームではIL-6が話題になるがIL-1βはその上流に位置すると考えられる。我々も整形外科の森君や宮本先生(現熊本大学教授)といっしょに関節リウマチで報告している(ちなみに日本の免疫学会が出しているIF=4~5くらいの雑誌だが152回も引用されている)。なのでインフラマゾームーIL1βを抑制するBTK阻害剤はサイトカインストームの根元を断ち切れる可能性がある。わかりやすい模式図(論文のFig.1)はこちら。我々基礎研究をやっているものが患者さんの治療に使える薬や治療法を直接的に開発することは難しい。しかし基礎研究を通じて自分たちの発見がたとえ小さくても「人類の知恵」のひとつに加わって、かつ結果的に人の役に立つことがあれば本当に研究者冥利につきる。私に残された時間は少ないがそんな研究をひとつでも増やせたらいい。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-06-16 22:09:30 (1919 ヒット)

 夜中の10時すぎ。AMEDの審査が尋常でない量があり今ものすごく時間がなく焦っている。ひとりで必死にパソコンの画面とにらめっこしているとパタパタと足音がする。もう随分前に最後の学生が帰ったはず。誰か戻ってきたのかと思って廊下に出るも誰もおらず、全ての部屋も閉まっている。気のせいかと机に戻るもしばらくしてまた足音。やはり誰もいない。これはいかん。もう帰ろうとすると隣の部屋でごそごそ音がする。思わず「誰だ!」と怒鳴ると学生さんが「1階の鍵を返しに来ました」と申し訳なさそうにしている。いや肝が冷えた。
でもその前の足音は間違いなく彼のものではない。この古い校舎は60年以上前に建てられた。それなりにいろいろな歴史を抱えているのだろう。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-06-06 10:06:20 (3281 ヒット)

 CD19-targeted CAR regulatory T cells suppress B cell activities without GvHD

プレプリントはこちら。
https://insight.jci.org/articles/view/136185/pdf

JCI insightというやや臨床よりの雑誌に受理された。CAR-TはT細胞にCARと呼ばれる人工遺伝子を導入して治療につかおうというもの。遺伝子操作と細胞療法を組み合わせた未来の医療のようにみえるが、一部の白血病ではすでに実用化されている。我々は制御性T細胞(Treg)を自己免疫疾患や臓器移植の拒絶反応の抑制に応用しようと長年研究して来た。マウスではかなりのところまで達成していたがヒトTregはマウスとはかなり違って難しかった。これに正面から取り組んでくれたのが某製薬企業から出向してしてくれていたI君。さすがに優秀で短い期間で卓越した成果を出してくれた。アカデミアでも十分すぎるほどやれると思うが悪い誘惑はしていない。

今回の研究ではSLEなどの抗体依存性の自己免疫疾患の治療を想定している。SLEではB細胞からの自己抗体産生が発症もしくは増悪化に関与することが知られている。重篤な場合はB細胞の除去が治療として選択されることもある。そこでB細胞を認識するCARを導入したTregを作成したところ試験管内でも個体レベル(特殊なマウスを用いているが)でも抗体産生を極めて効率よく抑制することができた。
CAR-T療法の問題のひとつは過剰な免疫応答によるサイトカインストームの発生。IL-6阻害等で対応はできるそうだが危険性はつきまとう。Tregはむしろサイトカイン産生を抑える細胞なのでGvHDのような標的以外を攻撃する危険は少ない。だがヒトTregを応用する場合の問題のひとつはマウスと違って安定なヒトTregを高純度で取り出すことが難しいことだった。I君は試行錯誤の末、これを複数のマーカーで純化することで長期間拡大培養してもTregの性質を維持できる分画法を見つけた。この分画はTregと思われる集団のうちのわずか3%しかいない。幸いヒトT細胞は刺激によってものすごく増える。実験に十分な量のTregは確保できるようになった。しかしヒトの治療にはまだ数は足りない。将来的にはiPS由来のTreg利用もあり得るだろう。
もうひとつの成果はヒトTregの表面には大量のTGFβの前駆体が発現しており、これがB細胞機能の抑制機構として重要であることを確認したこと。TGFβには免疫抑制効果の他様々な生理機能があるが、この性質をうまく利用した疾患標的を見つけると応用範囲が広がる気がする。

私的にはこの数年間ヒトT細胞を用いた研究をやりたいと意気込んで来た一つの到達点なので極めて感慨深い。あとはもう少し倫理申請がわかりやすくなるといいのだが。一番の課題はそこか?
abstractの英語が変なのは変に修正したせい。校正時に直します。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-06-03 15:14:58 (1772 ヒット)

ほぼ毎日2コマ収録することでなんと実質10日程度で講義を終えた。満足感に浸っていると、動画を学生が観れるようにupするのでチェックしろいう。観なければよかった。聞き返すと、元来こもった声で滑舌が悪いのに早口なので、なんと言っているのか自分でもわからないではないか。そんな箇所が極めて多い。他の先生は全員zoom収録で良好に聞き取れる。今更zoom形式で再収録もしたくない。最後の講義で学生さんに謝って「聞き取れなかったら電話でもメールでもいいから質問して」と訴えたが、、後の祭り。まあいいたいことはスライドに書いてあるので理解はしてもらえると期待したい。
講義形式のほうがよいと思ったのは途中で板書ができるから。と思ったのだが位置の関係で板書を別に映すことができないことがわかった。モニターは大きなTVなのでこれに透明ビニールシートを貼って水性ペンで書き込むのはどうだろう?もし来年もあるならトライしたい。本当はスライド画面にappleペンで手書きをするつもりでiPadを用意したのだが、メモリが足りないのか止まってばかりで使いものにならなかった。ビニールシートは画期的なアイデアだと思うのだが。
録画なら講師と学生の対話形式にしてはどうだろうか?高校講座などでも生徒役が質問することでわかりにくいところを懇切に教えてくれる。一方的にパワポを見せて喋っているよりずっといいような気がする。これも来年やる機会があればだが。

巨人軍218人が抗体検査をして4名がIgG陽性だったという
。うち2人はPCRで「微陽性」ということだが、これはウイルスの死骸かもしれずIgG陽性なら無視していいと思うが、練習試合は中止になったという。4/218なので2%くらいが過去に感染したことになる。プロ野球界では相当に厳しく感染制御をしていはずで都内ではもっと感染経験者は多いのではないだろうか。児玉先生の検査では都内で500名中3名0.6%が陽性だったがこの差は検査キットの感度か特異性のせいだろうか。いずれにしても無症状の感染者が極めて多いということで、毎日PCRで何人陽性と報告するのもいいが、そのうち何人が軽症で何人が重症かを明確にしたほうがいいのでは。必要なのは軽症無症状な人を縛ることではなく重症になりそうな人を見つけて防護することで、そちらの方が効率的で経済的損失も少ないと思うのだが。

スウェーデンの小児研究では感染拡大におよぼす子供の寄与は大きくなく、学校を再開しても高齢者の死亡数は増えないと報告されている。日本の小児科学会も「学校や保育施設の閉鎖は流行防止効果に乏しく逆に医療従事者などが休まなければいけなくなり死亡率を上げる可能性がある」としている。大阪市は学校でフェースシールドを着けさせる方針を発表して「かえって危ない」と批判されている。あつものに懲りてなますを吹く、とはこのことだろう。どうしてこうもevidenceに基づかない「思いつき」が横行するのだろうか。
京都大学の藤井先生という方も「8割自粛は必要なかった」というようなこと主張されている。このかたも同じ意見のようだ。そもそも感染していない人たちを無理に隔てることに意味があるのか?という疑問はごく自然なことだ。マイカーの中でマスクをしている人は何を恐れているんだろう?もし不安なら生徒や学生には熱を測るだけでなく全員に定期的に簡易抗原検査をすればいい。東京では連日夜の街を中心に20名を超える感染陽性者が出ているそうだが、逆に言えば学校や普通の生活を送っている人たちはかなり感染防御が徹底しているということでは。PCR検査を拡充しようというのは、陽性だった人に「他にうつさないような自粛を徹底してもらう」ためなのではないか。都は夜の街の従業員に定期的に検査を受けてもらうという。これこそ実効性のある施策だろう。

6/16 厚労働省の抗体検査では東京都0.1%、大阪で0.17%だそうだ。どのキットを使ったのか不明。ELISAなのか簡易キットなのかでも感度は相当違うだろうが、やはりそんなものか?しかし巨人軍の4/200より相当少ない。日本、いやアジアでは欧米に比べるとなぜ感染者数自体が少ないのか?謎は謎のままか。


投稿者 : yoshimura1212 投稿日時: 2020-05-26 15:38:47 (2580 ヒット)

本日はじめて学部の講義収録に臨む。これまでパワポの音声録画、Zoomを使った録画はやったが、今回は無観客試合ならぬ無観客授業。パワポを説明するだけでは面白くなかろうと教壇にたって普通に講義を行い録画する方式をお願いした。それでもZoomを使った双方向の講義ではなく単なる録画。聞き手は後日拝聴するらしい。どの方法がいいのか自分が聞く方の立場になることは滅多にないのでわからないが、少なくとも相手がいないと確実に早く終わる。普段90分の講義が60分もかからなかった。目の前に人がいないのにジョークも言う気がしない。機関銃のように喋って終わる。レスポンスもなく疲労感はこちらの方が大きい。やはりzoomを使った対面講義の方が余程いいと思う。浪速大学の仲野先生は「講義は一期一会」とか言って収録配信は断ったそうだ。そのほうが学生にも生活のリズムができていいのだろう。好評だったそうだ。私の講義などそんな大それたものではないので聞いてもらう必要もないとは思う。

緊急事態宣言が解除されて日常が戻ってきた。ラボも正常運転でいきたいがやはり関心はコロナである。本当に第2波は来るのか?自粛や都市封鎖は効果があったのか?薬のようにプラセボと比較することが難しいのでなんともいえない。ただ数十万人の死者が出ると脅していた疫学の人たちは100年ほど前からあるモデルを使っていたようだ。2013年にノーベル化学賞を受賞した分子シミュレーションの専門家のマイケルデビッド博士は真っ向から反対意見を述べている。彼の計算では都市封鎖はむしろ多くの死者を出すという。おそらく今は国民の努力と紫外線や湿度でウイルスの伝染力は落ちている。もし第2波が来るなら小休止の今こそ本当に有効な方法を科学的に議論してもらいたいものだ。

今日めでたくアベノマスクが届いた。これは子孫に残せば50年後プレミアがつくかもしれない。大事にとっておこうと思う。

疫学は素人なのでコロナについては言わないようにしようと思っていたがついつい自分の言いたいことと同じ記事があると引用したくなるし、ほれみろ、と思ってしまう。私の見解は強力な自粛は必要なく、高齢者など重篤になる可能性の高い人を徹底的に防御するようにして健常者は街に出たほうがよい、というもの。マイケル博士と同じくイギリスの研究チームは強力なロックダウンは必要ないという見解を発表しているそうだ。あわせて日本人を含むアジアではすでに近縁のコロナウイルス に感染の経験がある人が多いので重症化しにくいので(まだ検証はされていないが)そうでない人を守れば良いのではないかと疑っている。これも山中先生のファクターXと同じ発想
毎日感染者数が公表されているがこのうち何人が軽症で何人が重症かは報告されていない。クラスターの追跡ではPCR陽性の人の中には必ず軽症や無症状の人がいるはず。毎度のことながら今回のコロナ禍でも立場の弱い人たちが窮地に追いやられている。思い返すとWHOは1月の時点では厳しい渡航制限などは必要ないと言っていた。子供や若い人を中心に軽症や無症状が多かったせいもあるだろう。その時に軽症や無症状となるメカニズムをちゃんと解明しておけば対応の仕方も随分違っていたのではないかと思われる。トランプではないがWHOの無策が今日の混乱を招いたという考えには賛同する。軽症や無症状となる一番考えやすい機構は交差免疫による早期のウイルス排除だろう。

小児科学会は「休校は感染防止効果は少なくデメリットが大きい」として反対声明を出したそうだ。ようやくevidenceに基づいて考えようという機運になってきたか。なぜ子供は感染しにくく症状も軽いのか?これもメカニズムがわかれば大人の対策に活かせるだろう。


  
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