長らく更新しなかった。いろいろなことが怒涛のように押し寄せてきてとても更新する余裕がない。昨日今日はWBCの試合に痺れたので一言だけ。なんだか日本も捨てたもんじゃないと元気をもらった気分。多分多くの人がそうだろう。すっかり春めいて東京はいつの間にか桜が満開だそうだ。こんな時に若い人たちはマスクしていて息苦しくない?マスクの効果は感染をせいぜい20%減らす程度なのに(有意差なしとする論文もある)、人生を面白くなくする効果は80%くらいある(個人の感想です)。若い人たちはマスクを捨てて外に出ようや。生きることがもっと楽しくなると思う。
WBC、アメリカで応援している日本人でマスクしてるのいました?してたら病気かと思われて皆避けるよね。それが世界標準。
先日若い学生さんたちが訪問。大学院はアメリカに行きたいと言う。なんでか?と聞くと日本にいても自分を活かせる可能性がないと言う。
日本の出生数が80万人を切ったので日経が緊急アンケートを行ったそうだ。なぜ子供を持ちたくないのか?一番の理由は「日本には希望がない」せいだと言う。さもありなん。でもそう言う君たちはマスクの実質的な効果を知ろうともせず、周りがしているからと言う理由だけでマスクしているのではないか?マスクをしろと言っている自称専門家たちはマスクの効果が20%しかない事を決して口にしないし、子供の不登校や自殺が最高に増えていることに全く思い至らない(こちらの記事に著しく同意)。自分の頭で考えずに言われるがままにマスクをしていれば「日本に希望がない」のはやっぱり当然の帰結じゃないのか?現代のマスクに象徴される従属意識はかつての「学徒動員」と同じ土壌だとは想像もできないだろう。
と言うことで、日本から脱出したいと言う意識の高い学生さんにはこうアドバイスする。ぜひ行きなさい。欧米では自分を主張することに制約ないし、むしろ型にはまる事を嫌う社会。君らならきっと成功するだろう。でもよく考えたら、向こうでは皆、君らみたいな自己主張の強い人たちばかり。競争も厳しいだろう。向こうで鍛えられたらぜひ日本に帰ってきたらいい。とんがってる君たちなら容易にトップに立てるだろう。チャンスはむしろ日本にある!?
熊本での日本免疫学会学術集会(12/7-9)が終わった。心地よい脱力感に浸りつつも祭りの後の一抹の寂しさを覚える。いやもう一度やれと言われても言下に断りますけど。
ともかくも登録人数は1800を超えたそうで、コロナ前よりも増えた(Web参加が200-300とまだはっきりしない)。議論もポスターも大いに盛り上がり、大きな混乱もなく、無事終了できたことが何より。私的には会場が良かった。外に出るとすぐに飲み屋街、もとい繁華街だった。誤算もあった。ミキサーやwelcome receptionでビールを出したら大量に余り、代
わりにソフトドリンクが極めて不足していた。これは呑んべえには予想できないことだった。若手フォーラムは初めての試みだったが、予想より入りが悪かった。時間帯がまずかったのかもしれない。でも参加者は面白かったと言ってくれたので慰められる。嬉しいことにクマモンも応援に来てくれた!
詳しい報告とくまモンの写真はこちら。『学術集会の報告と御礼』をご覧ください。
welcome receptionでのopening remarks。またいらんことを言ったかもしれない。Jobsの言葉を引用する。でも音響が悪かったのか発音がダメなのか聞き取れなかったという感想が多かったのは残念。
Thank you for your kind introduction. Here, I would like to declare the opening of the 51st JSI Annual Meeting. First of all, I would like to express my deepest gratitude to all of you who are running this conference, program committee members, and chair persons, and especially to companies and organizations supporting us, and to the speakers from overseas. Without your support, we could not make this conference possible. Thank you very much.
We have pursued two slogans in this meeting. The first is recovery and reunion of science community from COVID-19, and the second is discussion about the future of immunology. Especially, I wished to make this meeting a place where young people can make face-to-face interaction and networking. I wish to see young researchers' explosion, not of infection but of science. Science is completely opposite from peer pressure, 同調圧力. As you can imagine, new ideas and paradigm shift are born from questioning the everyone’s believed, established theories. For example, a mask you wear is really good for you, especially for children?
In closing, I would like to send young reserachers a quote from my guru, Steve Jobs,
"Your time is limited, so don't waste it living someone else's life."
Thank you very much.
次は2024年11月の生化学会(横浜)。私の研究人生の主戦場の後半は免疫学会だったかもしれないが前半は生化学会。大学院生の時に初めて参加したのも生化学会だった。こちらはもともと若手主体、ボトムアップなので私がでしゃばることはそれほど無いような気がするが、ひと休みしたら今度はそっちに取り掛かるか。それにしても学会運営についてはだいぶ詳しくなった。定年後は学会支援会社に採用してもらえるかもしれない。
それにしても住本先生の生化学会2023のポスターは今まで見た中で最高に素晴らしいと思う。生化学とフェルメールとは全く意表をつく発想。地理学者の人物は初めて顕微鏡を作ってミクロの世界を観察したレーベンフックとされている。なぜか若冲も入っている。ものすごく印象的でこれを超えるポスターは作れそうにない。
痛ましいこと。若者が苦しんでいる。老人もコロナで死ななくても2022年以降累計20万人近くが超過死亡で亡くなっている。根本的に間違っているのではないか。
自民党の萩生田政調会長が「国際会議でマスクをしているのは日本人だけ。科学的知見に基づいて対処の仕方を考えて行かねばならない」と発言しているそうだ。しかし相変わらず野外でも電車でも99%の人がマスクをしている。私はマスクは窮屈で嫌なので空いているときはしていない。今はそれで睨みつけられることは無くなった。だが小学校でもマスクはなくならず、体育や朝礼でも外したがらない子供もいるそうだ。多くの人が指摘している通り、またテレビをみていればわかる通り、これは日本(もしくはアジア)に特有の現象で、海外(欧米)ではほとんどなく、欧米人から見れば異様だと映る。W杯のドイツ戦で日本のサポーターの女性はマスクに着物でテレビに映っていたが、ほとんどはノーマスク。同じ人物が海外ではマスクをせず国内では普通にしている。なんでだろう?日本でマスクを外せない理由としては日本人の「空気を読む」(つまり周りがしているから)とか同調圧力とか「マインドコントロール」(洗脳教育)とかいろいろ分析されている。NHKで8月の暑い甲子園の応援席での子供や高校生たちのマスク姿と学徒動員の映像を連続して見せられると「さもありなん」と思われる。
しかしもはや科学的でも合理的でもないことは多くの人が知っている。全員マスクの日本が世界で一番感染者数が多いのだから論じるまでもない。もちろん有効だと思っている人はそれを続けらたいい。しかし海外では外すような多くの日本人にとってもはやマスクは宗教もしくは文化ではないか。もうマスクを外そうなんて言うのはやめにしてマスクを日本の伝統文化(衣装)にしてはどうか?世界遺産(無形文化遺産)にしてもいい。海外からの旅行者にもマスク体験をしてもらって「クールジャパン」を体感してもらう。これが日本の伝統文化(もしくは同調圧力という風習)か、と。世界を見渡せばイスラム国では女性はベールを被り肌を露出してはいけないことになっている。伝統文化を守りたいのでしているという女性も多いそうだ。男性ユダヤ教徒はキッパと呼ばれる帽子を外さない。日本も伝統文化なんだからと、したい人は永遠にマスクしていいんじゃないか。重要なことはマスクと行動制限は完全に切り離すこと、しない人を差別しないことだろう。特に子供。この記事を読むと日本の未来は悲惨としか思えない。体育や音楽の時はマスク禁止にすべきだし、運動会や修学旅行や文化祭を「マスクしなければならない状況だから中止」はなし。黙食も即刻中止すべき。また大人も交通機関や店でのマスク強要は合理性も法的根拠もない(推奨レベル)のでやめるべき。感染していないことを自覚していれば会話や応援もマスクしていてもいなくても自由にすべき。ただの「飾り」、いや民族衣装で中東のベールとほぼ同じなのだから。
もう一つの重要な問題は、いまだ日本やアジアの一部では「感染者」=「感染拡大して重症者や死者を増やすけけしからん輩」つまり「感染」=「悪」で捉えられている側面があること。だから店員やCAも中には注意する人がいる。欧米では「オミクロンなら若人は感染して免疫をつけた方がこの騒ぎを早く終わらせる」、そういう意図があったのかどうか不明ながら結果的にそうなった。マスクは感染を少しは下げるかもしれないが、むしろ(集団免疫成立を遅らせて)感染騒動を長引かせる側面もあることを指摘するのは私くらいか。いやKO医学賞の感染症学の権威の先生も全く同じことをおっしゃっていた。実は利害関係のないごく普通の免疫学者や感染症学者は、全てではないが、そう考える人が多い。
もちろん小中学のマスクは利よりも心身の発達を含めて害の方が大きい。画一的に「マスク」=「感染予防」=「善」と考える大人たちには「マスク=害」の概念が無いので「学校のマスク」は無くならない。彼らは登校拒否が25%近く増え、イジメも自殺した小中学生も最多となっていることを「マスクを代表とするコロナ対応」に原因があるかもしれないという想像力は持ち合わせていない。子供にマスク強要という100害あって10利くらいしかない苦痛を与え続けられる、想像力の欠如した大人は一生マスクつけていればいいと思う。ただそういう輩に限って皆が外し出したら当然の如く外すだろう。
現在医療崩壊しているという地域の医師から子供にはマスクを強要すべきとの意見をもらった。「先生はコロナの現状をご存知ない」と手厳しいが、医療崩壊はいつまでも特別扱いしている制度の問題。目の前のことだけではなく子供や若者への長期的影響を慮る想像力を持って制度を変えていって欲しいものだ。
日本の若者は少数でもいいからぜひ同調圧力に屈せずに「とんがって」いる人が出てきて欲しい。周りがマスクしているからしている、というのはあまりに寂しい。自分で調べて納得してするのは構わないが、他人から強要されたことを従順に従うことが「善」だと思わないでほしい。その先には学徒動員が待っているかも。周りから言われるけど自分の信念に反するからやらない、と決めた君たちは誇っていい。いつの時代も世の中を変えるのは君たちのような同調圧力に屈しない若者たちだ。周りがしているから自分もしなきゃ、と思う人が世界を変えられると思うか?Appleの過去の栄光を物語るCM動画「Think Differnt」をぜひ見てほしい。Jobsの名言"Your time is limitted, so do not waste it living someone else's life". 同調圧力に身をまかせて生きることを"living someone else's life"と呼ぶ。まあ旧統一教会並みに熱心なApple教の信者の私のいうことなど信じなくてもいい。
さすがはApple。Apple store ではマスク着用は任意です。
政府は5類にすることを”本格的に”検討することを加速することを検討しているらしいが、もう何回同じことを聞いたことだろう。なぜ5類にできないか?すでに何度も指摘されていることですが。。。それは当然特例措置の方が”ものすごく”いいことがある人たちがいるからでしょう。この記事の以前から多くの方々が指摘していたがマスコミなどは全く取り上げようともしてこなかっただけ。今回も期待薄。専門家会議はやっぱり否定的。これでは若者や子供は永遠に救われない。
W杯。現地サポーターに「マクスしろ、子供に見せられないじゃないか!」とコロナ脳の人たちからクレームが殺到して早速皆マスクかと思ったら全くマスカー(こう呼ぶことにした)はいない。クレームが届かなかったのか、あるいは無視してくれたのか。
文科省も遅まきながら「脱黙食」を通知。しかしこんな抽象的な表現では中国の地方当局の現場と同じく学校現場には届くまい。政府は出生数のさらなる低下で「危機的状況」と慌てふためいている。しかし若者に理不尽なコロナ制限をしておいてこうなることは誰でも予想できたはず。想像力がない者はこれだから。。。
まだなんとかコロナは死の病としたい懲りない奴らがいる。80歳の死亡率が2倍になったところで若者には関係ない。豊田氏の考察の方がマトモ。
ワクチン打って感染したら「ハイブリッド免疫」ができて、そういう人はもうコロナは怖くないことことは免疫学者だけでなく感染症のうるさい人もよくわかっている。岸田首相のようにワクチン打って感染してまたごく短期間にワクチン打つのはどう考えてもリスク/ベネフィットを踏まえれば免疫学的には〇〇の沙汰としか思えない。勧めている医師の知識量を問いたい。またマスクなどで感染を遅らせればそれだけ終息も遅れることもわかっている。結局なるべくこの騒動は長続きさせたい人たちがいる。なぜか。少し考えればわかること。
ヨーロッパでマスクをしていると人々を恐怖に陥れると批判される。日本から来たマスカーは欧米では3年間多くの犠牲を払って得られた自由を脅かすものと顰蹙を買っている。彼の地では自由というなら周囲への代価としての課金や罰金も当然と言うことだろう。日本は真逆でマスクを外すと追い立てられる。空港で航空会社のお姉さんに「マスクは強制ですか?お願いですか?」と聞いても「お願いです、でも、、、」とまともな答えは帰ってこない。「他のお客様が。。」「ではその人を呼んで下さい。説得します」とまでは言わない。私はお姉さんを困らせて嬉しがる趣味はない(ウソだろ?いや紳士ですし)。
学校でのマクスの有効性は感染数の観点では多少はあることが報告されている。岩田先生の解説によると「ざっくり言えばユニバーサルマスキングで感染が半数程度になる」ということらしい。ではそれで成長や学習が阻害されたのか?祖父母の死者が半数になったのか?厳密なコントロールをとっての実証データがないのであとは個々人の感想にすぎない。私はオミクロンの感染力と毒性から推量して、学校のマスクで感染が半数になったところで大した死者減少効果は期待できないと言っても大きな間違いではないように思う。そもそもオミクロンに感染することが子供や若者にとって「悪」ではないと考えているし、現在の死亡のほとんどは感染が直接の原因ではないと言われている。首相や尾身会長ですら感染しても責められていない。それよりも長期的に子供の発達に与える影響や必要な免疫の成立を遅らせる影響、若者の精神的経済的困窮の方が大きいと判断する。少なくとも日本では若者の自殺や不登校やイジメが増加しており、それをマスクとの因果関係はもちろん直接は証明できないが、過去と比べて「いびつな」状況のせいであると想像はできる。医療崩壊はデルタ株の頃から何も変わらない制度の問題であろう。少なくともマスクをしないと医療崩壊するという因果関係の実証はされていない。統計的に議論できる調査がないのに伝聞レベルの少数事例で判断するのは科学的ではない。結局、最後は個人の判断でつける、つけないを決めるべきで、それで不当な差別は法的にも許されないと思う。こちらの方の考えと同じ。宗教の自由、政治信条の自由と全く同じことだろう。
黙食緩和の動きも。少しずつでも誰かが行動を起こせば変わっていく。電車内でマスクをしないファーストペンギンたちは同調圧力に負けずに頑張れ!学校でマクスがなくなるまで。大人が外さないと子供は外せない。
とにかく忙しくて更新もできないので、手短に久々の「予言」を一つ。巷では第8波襲来、7波を超えるとか、インフルとの同時流行で重症者倍増といつものように煽りまくっている。買ってしまった7億回分のワクチンの在庫処分をしたいのか、補助金が無くなるのが怖いのか一部の人の言っていることは科学や論理とはほど遠いと思われる。海外を見ると第8波に相当する波はその前に比べるとはるかに小さい。預言します。第8波のピークは少なくとも7波を超えることはない。もうじきピークを迎える。その次にまた別の波が来るかもしれないがさらに小さいであろう。ワクチン打って感染した人が増えれば変異株でも感染しにくくなる(Nature論文を紹介した記事参照)し、もとより重症化はしない。外れたら削除。
松本先生、宗旨替えかと騒がれている。もう第8波以降はないような予言。コロナ対策は科学ではなく宗教ということだろう。オミクロンになって致死率は0.1%を切るようになった。インフルエンザの方が要注意なくらい(厚生労働省のデータも参照)。しかし政府は検討を加速するどころか最早やめてしまったそうで、第20波くらいにならないと5類にはしてくれそうにない。アメリカの中間選挙では若い世代が共和党やトランプにNoを突きつけたのだそうだ。日本もそうなって欲しいものだ。若い人たちにばかり苦難を押し付ける政策にNoと言えるのは若い人達だけだと思う。
年寄りはともかく20代、30代の若者が4回目のワクチンを打って副作用を上回る、ものすごい効果があったのか?もしそんな報告を知っている人がいたら教えて欲しい。もういい加減「子供や若い人たちは老人のために我慢してワクチン打て」はやめにしてはどうか?
今日は熊本でリウマチ学会の若手研究会。もともと若手の勉強の機会のためだそうで、異分野や新技術の紹介もあり自分にとっても非常に勉強になった。再来週は同じく熊本で免疫学会。感染状況はやはりそこまで増えそうにない。専門家の先生、インフルとダブルじゃなかったんかいな。インフルよりも致死率も重症度も下がったコロナ。いつまで続けるんだろう。緩和を望む意見は黙殺されたのだそうだ。多分日本と中国だけは第20波まで続けるのだろう。
ワクチン接種後の死亡例も増えてきた。アナフィラキシーの例も、脳脊髄炎の例も。もちろん因果関係は不明とされる。しかし同じ抗原で何度も免疫すると1型アレルギー(アナフィラキシーショック)、もしくは3型アレルギー(アルツス反応)の危険性が、接種回数が増えるほど高くなるのは免疫学の教科書に書かれているし、学生実習でもやるし、医師国家試験でも出てくること。「専門家」と言われる人たちが何の躊躇もなく5回も6回も打てと言っているのが私には理解できない。免疫学は学生に最も嫌われている科目の一つだからか。免疫反応の詳細は知らなくても副反応はゼロではないのだから、接種回数が増えれば副反応の件数が増えるのは算数でわかりそうなものだが。。。
以前老人と基礎疾患のある方は免疫応答が弱いので何度打ってもいいみたいな発言をしてしまったが、最近死亡した方々は基礎疾患があったそう。基礎疾患のある方はむしろ危ないのかもしれない。情報がないので訂正します。
免疫学者は口には出せないが「若い人たちはワクチン打ったらさっさと〇〇してこのばか騒ぎを終わりに」と思っているはず。海外はすでにそうなっているのなぜ日本と中国だけ異世界なのか。似たようなことを考えている先生もおられた。臓器移植実験で大変お世話になった。
20日よりハワイで開かれている国際サイトカイン学会(ICIS2022) に参加している。メインの目的はこの学会がくれるというファイザー賞の受賞講演。立派なクリスタルをもらった。しかしひどく重く持って帰るのに一苦労しそうだ。講演は詰め込みすぎでだいぶ反省したがまあスライドがあるのでよく理解できたと思う。2日後、講演よりも恐ろしいものが待っていた。別の賞の受賞者と合わせて4名が壇上に上がって、パネルディスカッションをせよという。お昼を食べながら気楽にという趣向だが、英語ができない身にとってはこれは拷問に近い。サイエンスの話というより「20年前の自分にアドバイスするとしたら何か?」とか「好きなコーヒーは何か?」とか日本語でも(気の利いた)回答が難しいものばかり。「スーパーヒーローのパワーを持てるなら何をしたいか?」と聞かれて「ロシアとウクライナの戦争を止める」と言ったらWarの発音が悪くて「ヲー」とか「ワー」とか言いなおしても伝わらない。全くもってこんな恥ずかしいことはなかった。
会場は広くマスクをしている人は一人もいないかと思ったらさすがというべきかアメリカNIHからの参加者と日本人の一部はマスクをしている。しかしポスター会場はコロナ前と同じかそれよりも狭い。ぎゅうぎゅう詰めで、うるさいので皆口から泡を飛ばす勢いで大声で話している。換気もほぼないしこれではマスクなど何の意味もない。しかしそれが世界標準なのだろう。感染したので飛行機に乗れずにオンライン発表になった人も何人かいたが、それ以外は全く気にしていないようだった。もう肺炎で死ぬ人はいないというのは皆知っているのだろう。ともかくも面と向かって(face to faceで)議論する。まだ論文になっていない情報も耳にできる。どこそこでこんなことをやっているらしい、などといったウワサ話もある。これが学会の面白さなんだろう。また何処かに行きたくなった。
子供とワクチンと感染について小児科医の神園先生のブログが最新のデータを基に、まことに精密で冷静な議論をされています。ぜひご一読を。さしたる根拠もなく来年の春には終わるかもとうそぶくような自称専門家とは違います。小児においてオミクロンに対する重症化抑制効果は現行のワクチンでは低いらしい。半量では十分なT細胞応答が誘導できないのだろうか?まだまだヒトの免疫応答には謎が多い。mRNAワクチンは偉大だと思うが、2回目以降は安全性が確立しているコンポーネントワクチンのほうがよいのではないかというのは全く同感。
もう一点気になったニュース。エーザイのアルツハイマー病新薬「レカネマブ」に有意な進行抑制効果がみられたという。兄貴分の「アデユカヌマブ」は効果が不透明だったのに比べると大きな前進だ。アデユカヌマブが単純なアミロイドβに対する抗体に対し、レカネマブは可溶性のアミロイドβの凝集体に対する抗体なのが大きな違い。ついでに発音もだいぶ楽。凝集体のほうが神経毒性が高いと考えられており、おそらく効率よく毒性の高いアミロイドβを除去できるのだろう。しかし抗体療法は高くつく。mRNA創薬の技術は体内での抗体産生に応用できるはず。これでぜひ価格を下げてもらいたいものだ。mRNAワクチン並なら一回数千円で済むだろう。すでに進行していると思われる私はぜひ治験を受けたい。
前回の大阪大学の食堂を養鶏場と揶揄したブログの反響が大きく、いくつかメールをいただいた。そのなかで通学時はノーマスク運動を進められた中学の校長先生の話を教わった。子供のことを真剣に考えて、また科学的にやり方を検証しようという教育関係者もおられることを知った。子供のマスク強要はやめようというシンポジウムがあることも初めて知った。残念ながらこういう取り組みはニュースやマスコミでは大々的に取り上げられない。ではいつになったらやめられるのか?マスクにもはや感染防止の効果は低い、せめて子供や若者は普通に、といっても感情的に不安は払拭されない。サッカーの応援で声を出してよいか判断する実証実験がなされたことを思い出した。同様にいくつかの学校でマスクをはずす実証実験をしてみてはどうだろうか?もちろんマスクをつけるクラスか、似たような学校の比較対象も必要だろう。感染状況がだいぶ落ち着いてきた今ならできるだろう。それで校内や家庭でどれくらい感染が広がったかを検証する。マスクを外すことが許容できる範囲なのか、やはり続けないととんでもないことになるのか?目で見える形で調べるのが最も説得力がある。といっても「なにかあったらどうすんだ」の校長や教育委員会では到底無理か。ノーマスクの校長先生は定年で辞められたそうだし。
小学生のワクチンも同じ。努力義務だそうだ。打つのはいいが、ならマスクや黙食はやめるべきだろう。ワクチンを接種してさらにマスクを強要するのは他の感染症では聞いたことがない(私の知る範囲だが)。ワクチンは感染しても重症化しないため。海外渡航でも例えば黄熱病のワクチン打ってアフリカに行く人にマスクを義務付けているのか?
予言を外しまくるAIも(自称)専門家も集団免疫のことは頭にないのか?と疑問に思ったが、長崎大学の森内先生は「おそらく1番の影響があったのは日本人のなかでもある程度集団免疫ができてきたからではないかと思います」と発言されている。すこぶる真っ当な考えをお持ちの専門家もいると再認識する。ではもう海外並みに少なくとも、学校ではマスクを外しましょう。
22日から大阪大学で行われる免疫サマースクールに参加している。何年かぶりである。12月の熊本での学術集会の宣伝が第一の目的のつもりだった。しかし阪大の学食に行って気が変わった。これまで不適切なコロナ対応は若者を苦しめ国力を削ぐものだと考えてきた。それを少しでも変えるべく訴えることがへそまがりの老人の役目と思ってきた。しかしこの食堂の養鶏場のようなパーテッションを見て、少し考えを変えた。学生たちは「俺たちはニワトリではない!」となぜ怒らないだろうか?なぜ日本の若者は野外でもマスクを外さずこうも従順なのだろうか?感染防止効果と健全な学生生活や人間的な成長を阻まれる損失を比較したら失うものの方が多いのではないだろうか。苛立ちを覚えた。それで講演ではつい「コロナ対応の不都合な真実」「ワクチンは感染しないと本来の意義がない」という自説(というか皆が知らない事実)を披露した。昔の学生運動のことを思い出した。時代を変えるのはいつも若者の現状に対する「怒り」だった。君らは77兆円のツケを払わされることに何の疑問もないのか。対峙すべき老人が鼓舞しないといけない時点で終わっているとも言えるが。。。
4日間のスクールが終わった。学生さんらと濃密な時間を過ごせた気がする。12月の集会ではフルで若い人たちと交流できるといいが。帰国時のPCR検査はなくなりそうなのでハワイの国際学会には行けるだろうし、海外からの講演者も来やすいかもしれない。
スクールの初日は皆硬くてぎこちなかったが、最終日の「太陽の塔」への遠足ではLINE交換したり写真撮ったりと皆若者らしい交流をやっていた。「今の若者は従順すぎる」と檄を飛ばしたが、古代エジプトから続く「今の若いもんは」という年寄りの繰り言と思って無視してくれたらいい。代表のM先生が帰り際にスクール生たちから便箋10枚の手書きのメッセージ集をもらって感涙に咽せいだそうだ。「なにかあったらどうすんだ症候群」だらけの学校関係者や今更部活中止を命令するトンデモの島根県知事からはひんしゅくを買いそうだが、そんな抵抗勢力にも屈せずに立派にやりきったM先生とスタッフの皆さんに心から祝意を表し感謝したい。これからの主役は君たちだ。老耄抵抗勢力に負けるな!
久しぶりに予言を。9月に入ったら東京都の感染者数は急速に減るだろう。発熱相談の件数から想像できる。海外では6割以上がすでに感染しており集団免疫状態が確立しつつある。いつこの愚かな狂騒劇をやめるのか?日本も抗体検査で一定の割合が感染していることがわかったら終わりにすべき。特に若者が広くユニバーサル抗体を持てば自然と終息し高齢者にもいかなくなるだろう。不思議なことに予言を外しまくるAIも(自称)専門家も「集団免疫の成立による自然衰退」を考慮する頭はないようだ。誰が考えても世界一の感染状況=集団免疫の成立近し、でしょ。そこをあからさまに言うと、いろいろと不都合があるということだろう。しかし政府は第7波では頑なに行動制限を出さなかった。きっと中枢には物事が見えている人物がいるのだと思いたい。
「小中高すべての学校で直ちにマスクも規制もすべてやめよ!ついでに大学も3年前に戻せ!」というのが(自称)専門家(=預言者)の主張。単に子供や若者の成長過程や青春を守る、ということだけではない。これが本当にこの愚かな騒ぎを終わらせる最も効果的で迅速な方法なのだ。その仕組みはこれまで散々述べてきたが、海外を見ればまっとうな方法であることは明らか。理屈のわかっている人も多いと思うが口に出せない。今後感染者数は激減すると思われるがマスク生活から抜け出せるかは若い人達の意思にかかっているのかもしれない。
こういうことを書くと「東京都では感染した10歳未満の女児が死亡した。もっと多くの子供や若者が死亡したり後遺症に悩まされたらどうすんだ」と反論する輩が必ず現れる。感染による若者の死亡はインフルでもあるし、20歳未満ではインフルのほうが実は死亡リスクははるかに高い(奈良県立医大)。子供の交通事故死数は確実にコロナより多いが、それではこの社会から車をなくせとはならないだろう。一人一人の命の尊さは十分理解できるが、社会生活はリスクとベネフィットを測って成り立っているはず。稀な事象を起こさないために、例えば日本のコロナ対応で増えたと試算される8000人の自殺者を容認すべきなのか?子供の海での事故は毎年必ずあるが、では全ての海水浴場は閉鎖すべきなのか?しっかり全体に目配りして考えて判断すべきであろう。
上記奈良県立医大の調査資料は以下のように結ばれている。
「69 歳以下においてはオミクロン株流行期のCOVID-19の年間死亡者数が、COVID-19流行前のインフルエンザの年間死亡者数と比べて多かったとは想定し難いと考えられます。この結果は、高齢者に優先づけた感染対策が重要となることを示唆します。」
預言者が2年前から言っていることが数字で支持された。ようやく時代が預言者に追いついてきたか。
なぜかこのページよく読まれているので念のためにひとこと。このブログに書いていることは私個人の意見で慶應義塾大学や免疫学会とは何の関係もありません。
日経の記者が日本と海外の違いを報告している。題して「日本のコロナ対策のちぐはぐ」この中で目を引いたのは「感染が落ち着いている海外から、世界一感染者数を出している日本に入国する際にPCRによる陰性証明を求めるのに合理的な意味があるのか?」との問いに対して、政府関係者は「国民感情が許容する段階にない」という理由で続けているという。要するに日本の対策に論理性や合理性はなく「感情」で決まっているということだ。ため息しか出ない。
イギリスの日常の報告があった。アメリカももう誰も気にしていない。 少し前になるが日本は「何かあったらどうすんだ症候群」にかかっているという指摘があった。為末大氏の提起。未来は予測つかないことが多いし、「何かあったら」を恐れていたらチャレンジもイノベーションもない。多くのひとが賛同したが学校関係だけは違うようだ。いまだに「感染者数が増えたからリモート授業に」「体育大会文化祭中止」「部活禁止」「多人数での飲食禁止」という。クラスターが発生したらどうするんだ!という危惧は致死率3%だった頃は一理あると思うが、医師会までも5類にしろと言っている現状では単に「なにかあったら非難されるじゃないか。誰が責任取るんだ」と言っていることにならないだろうか。なにかあったら俺が責任とったる、くらい言うのが老人の役目だと思うが。これ以上若い人たちに理不尽を押し付けていいのだろうか。論理的であるはずの科学者が変えなくで誰が変える?
医療や命に関わる「安全」に対する「なにかあったらどうすんだ症候群」への危惧に対する為末氏の反論。素晴らしい。それに加えれば、コロナの若者への規制の重大な欠陥は目的が対象者(若者)本人の安全のためではない点。医療逼迫が起きるのはやり方を変えられないからなのに、やりかたを変えずに高齢者の命のためとか医療逼迫するからと論点をすり替えている。さらに問題なのは肝心の「対象者(若者)の経済、精神、将来」の安全には全く考慮がない点。政府は「第7波が収束したら感染法上の取り扱いの変更を検討する」と言っているが、いつものように「検討することを加速することを検討する」で終わるかも。いや預言者の予言ではどっちつかずの2.5類になる。延々とこの症候群が続く。そして子供たち(NHK)のいう通り「コロナで日本はおしまいだね」。
医療関係者は「大変だ」「もう限界」と言いながら決して5類にしろとは言わない。東京都医師会のように言っても「治療費は公費で」と必ず付け加える。なぜか?
豊田氏の解説は、なぜ日本が世界一の感染者数を出しているのか?という説明は正しいが、なぜ日本も欧米並にならないのか?という説明はしていない。どこかである思惑があるはず。政治家ならそこに切り込んで欲しいが。。
ついでになぜ医療逼迫を招いているのか?も切り込んで欲しい。東京都のデータしかないが大雑把に言って第6波に比べると感染者数は2倍だが重傷者数は6,7割である。これで医療逼迫が起きるのは重症でない患者が救急車や医療機関に押し寄せているからで、その仕組みを変えないことにはこの逼迫はおさまらない。医療機関は単に悲鳴をあげるのではなくどうしたら改善するのかを筋道をたてて政府に要求するべきで、何処に向かって発しているのかわからない声明文では何もかわらない。
この3年でコロナ対応が原因で婚姻が15万件減少(コロナがなかったと仮定した場合の推計値のおおむね10%程度の減少)だという。出会いから結婚までの期間を考えると本当に減るのはこれからだろう。発表者は「政策決定者は危機が確実に進みつつあることを認識して欲しい」という。若者に不自由を押し付けても何の対策もとってこなかった政治家や厚労省はどう返答するだろうか。
世論調査では2類から5類に下げることに賛成は反対の倍くらいになったと言う。しかしここに来て5類にしたらこんな悲惨なことになる、こんなに金がかかるという抵抗勢力のプロパガンダが顕著になってきた。算数や論理性に欠けることが恥ずかしくないのだろうか。例えば2類に維持した場合と5類にした場合、目の前のことだけではなく、10年,20年先の経済、人口、教育、国民の幸福度に及ぼす費用対効果をきちんと検証して話のできる論者はいないのだろうか。彼らにとっては軽症の人が自宅で寝ていられてはまず儲からない。彼らは海外の状況には全く触れない。今の停滞状況がどれほど日本の未来を損なうのかを語らない。彼らは公費で払われているコロナ医療費のツケを誰が払うのか語らない。彼らにとってはごくわずかの老人が重症化することはどんでもない悪なのだが、しかしそれを救うために何ら工夫のないコロナ対応によって子供や女性の貧困が加速されること、人口減少が起きること、罪もない子供や若者が苦しい思いをしていることを知ろうとも考えようともしない。為末氏の言うようにメディアは「コロナ感染関連死」と「コロナ対応による自死」の数を毎日報道すべき。
せめて甲子園のベンチのマスクは不要にすべき。なんのためにPCR検査してんの?応援席の人たちも戸外なんだからいらない。特にチ○○○○○、おっとオヤジの視線ではない。熱中症が心配なのだ。
8/15 終戦記念日。12時に甲子園で球児が黙祷をしていた。太平洋戦争でも国の方針のために多くの若者が犠牲になった。若者たちは国のため、親兄弟のためと信じていた者も多かったことだろう。甲子園のマスクをみているとこの構図は変わっていない気がする。そういう観点から日本人の精神性や同調性を議論する評論家はいないのだろうか。古市氏あたりなんか言って欲しい。
8/21 岸田首相が感染。4回目ワクチン摂取直後とのこと。また微熱と咳で軽症とのこと。言われているように現ワクチンにはBA5やBA2.75には感染防止効果は極めて低いことが一例追加証明された。また65歳以下ならば、3回接種も4回接種も重症化抑制効果(=メモリーT細胞数)は変わらないことは多くの研究が示しているが、そのことも(同程度に軽症であることから)おそらく一例事例が追加されるだろう。ワクチンは逆説的になるが感染しないと効果を発揮しない。ワクチンは感染しないようにするために打つのではない。本来のワクチンの理念はワクチン打って感染して重症化しないこと、さらにそれが多くの人に広まって集団免疫になったときにコントロール可能な感染症に転化すること(例えば最たる例は天然痘)。現在はそのプロセスの最中で、海外の状況をみても過度に恐れることはない(重症化しやすい人は重点的に注意する必要はあるし、医療崩壊を起こさないような手立ては必要)。 同時に、おそらく首相は国民に範を示すために、最大限の注意を払い常にマスクをしていたと思うが、どんなに注意してもオミクロンの感染から逃れることは相当難しいことも証明された。これも既に以前から言われていたように、N95のような高性能マスク以外のマスクはオミクロン感染を予防する効果はそう高くなく、感染した人が飛沫を飛ばさないようにする効果がメイン。だから首相でも誰でも感染の可能性はあり、感染したからといって何も責められることはなく、軽症なら「強い免疫が得られましたね」くらい思っておけばよい。ただ4回目接種直後ということで、免疫学的には抗体がワクチンで作られたスパイクに奪われ効果が減弱する可能性や抗原抗体複合体によるアルツス反応が懸念される。
巷では第7波襲来と大騒ぎになっており「戸外ではマクスを外そう」運動も蹴散らかされそうな状況だ。第7波は6波を超えると脅されているが海外の状況をみるとそこまではならないだろうという冷静な判断もある。数はどうあれ重傷者数は少ないだろう。いずれにしても感染者数だけに一喜一憂している日本と中国は永遠に終わらない。重症化率は着実に減っているのだが日本の対応は変わらない。今年の冬の学会では懇親会を断念したが来年もできない可能性が高いな。
この7波はBA5というさらに変異したオミクロン亜株によるものだそうだが、朗報がある。今週号のNatureに2報もでた。簡単にいうとワクチンを打っていない人がオミクロンに感染するとオミクロンにしか反応しない抗体が少しできるだけだが、ワクチン打ってから感染した人はオミクロンや他の株に対しても強い抗体や免疫ができるという話。つまりワクチンを打ったひと(今はほとんどの人がそうだろう)がオミクロンに感染したら、次に別の新しい株が出て来て感染したとしてもたいしたことはない可能性が高い、という話だ。実は前々から言われていたことの再検証ではある。こうやってコロナはどんどん人類に馴染んでいくのだろう。一通り皆が経験しないと終わらない。なので感染を極端に抑えている中国は決して終わることはない。
BA5が動物では毒性が高いかもしれないという報告があるが、それはワクチンを打っていないマウスやラット、あるいは培養細胞での話。現実にはヒトでは致死率は下がっている(高橋先生のグラフ参照)。
「切り札は4回目の接種」だという。いつから接触制限から宗旨替えされたのかわからないが、高齢者や基礎疾患のある人など免疫がなかなか上がらない人は大いに接種していいと思う。そういう人たちは副作用も低い。一方若い人たちは、上記の研究結果から推論すれば、ワクチンをすでに打った人は何度も打つ必要はなくむしろ軽く感染したほうがよい、ということになる。これで新しい株が現れてもひどくなることはなくコロナは終息する。第7波は20代の若い人たちが多いそうなので、自然の摂理でコロナは勢いを失っていくはずだ。
ワクチンは重症化防止効果は高いが感染予防効果は極めて低いことがすでにわかっている。何度打っても新しい株には対応できず感染はする。しかしPCRで検査していれば数は出る。それなのでいつまでも終わることはない。彼らは次の波でも5回目を打てと言うはずだ。
いつも感染者数を追っていたロイターがついにコロナ感染者数の更新を終了した。もはや世界ではニュースとしての価値もなくなったということだろうか。イギリスでは5/19を最後に政府の公式の感染者数の報告をやめている。アメリカではもうほとんど誰も気にしていないという記事もあった(NIAIDトップのファウチ博士ですら感染したのだ。行動制限など言えるわけがない)。世界は夏までに終息(ただし日本と中国を除く)という予言は当たったか。
丁度学生さんから質問が来た。ワクチンはオミクロン株に対しては感染防止効果は低いが重症化は抑制できるのはどうしてか?という質問。
答え
ワクチンは武漢株で作られており、当然ワクチンでできた抗体は武漢株の感染をほぼ完全に防止できます。しかしその抗体はオミクロンの中和能力は1/10以下です(論文では1/100も)。なので感染を防止できない。
一方でT細胞はスパイクのぺプチドを広く、ゆるく認識するので変異が入っていないところは問題なく認識するし、変異が入っていても同程度に認識できる場合がある。よって武漢とオミクロンと同程度に重症化を抑制できる。
(講義で言ったように抗体は感染の初期段階を防止し、T細胞は重症化を抑制する、という原則を思い出してください)
ワクチン2回接種後にブレークスルー感染した方がワクチン3回接種した時より、オミクロン株に対する感染防御効果が高いのはなぜか?
答え
Natureの論文を引用して説明しました。武漢ワクチンではスパイクに対する抗体ができますが、武漢株には強く結合するがオミクロン株には親和性が低い。オミクロン株に対するメモリーB細胞がないわけではなく親和性が低い。よってオミクロンに感染すると武漢もオミクロンも中和できるより共通性の高いメモリーB細胞が選別されるか親和性成熟を起こすのでしょう。なので同じ武漢に対するワクチンを打ち続けても「どんなコロナ変異株がきても大丈夫」とはならないわけです。一方で重症化を抑制するT細胞は武漢でもオミクロンでも同程度に応答できる(多くの施設で証明済)。さらにメモリーT細胞は1年以上長生きするので(若い人にとっては)そう何度もワクチン打つ必要はなくむしろ副作用の方が怖い、というのが私の見解です。加えて、現在のワクチンには感染防止効果はほとんどないこと、またメモリーによる重症化阻止効果は1年くらいは十分あることを考えれば若い人は3回打てば十分(渡航のために必要)というのが私の見解です。そのうちウイルスの弱毒化が進んでワクチンは不要になるかもしれません。
神奈川県の黒岩知事は「コロナは死ぬ病気じゃなくなった」という。現象的にはもちろんそうだが、科学的にもこういう理由で死ぬことはない、と説明してくれると納得する人も増えて来るのではないか。
現状の重症化率や死亡率、およびなぜ日本だけ「変わらないのか?」という疑問はいつもの高橋先生が答えてくれている。
大阪府の吉村知事は「高齢者に限って行動を制限する 」と言っているらしい。何を今更。私はコロナ禍が始まったことからそう主張している。実に2020年4月のことだ。当時は感染力は低かったが高齢者のみ重症化するのは変わっていない。ようやく時代が預言者に追いついてきた。というか何でこんな当たり前のことが偉い先生たちや為政者には思い浮かばないのだろうか。。そうか高齢者の票が、、、。コロナビジネスもあるそうな。
コロナを5類にすると公費負担がなくなり、皆自費になるよ、と脅されている。ではその公費負担は誰が払うのか?無料の検査キットや大量の賞味期限切れとなったワクチン購入費や重症者のベッド代は誰が払うのか?飲食やらワクチンやら利権団体に払った77兆円のツケは誰が払うのか?結局は、コロナで運動会もなくなり、マクスのせいでクラスメートの素顔を見ないで卒業する高校生やリモート授業でろくな学生生活も送れなかった大学生や働く場所を追われた弱い立場の人たちへツケとして回される。これだけの支出を回収するとなると増税は避けられないだろう。彼らはなぜ自分たちの世代だけがこれほど辛い思いをさせられることに怒らないのだろうか。。重症化リスクのほとんどは高齢者。日本の若者は心優しすぎる。
現在、日本が世界で一番感染者数が多い国だそうだ。世界の多くはBA2くらいまでをすでに感染しておりBA5の山は低い。日本は変にBA2やそれ以前の株を抑えたのでそれよりも感染力の強いBA5にやられているのだろう。ある医師はもう行動制限で抑えられるレベルではないという。ならば医療体制を維持し重症者をより重点的にケアするにはどうすべきか、わかりそうなものだが何もしない政府は今回もただ嵐が過ぎるのを待つだけだろう。世界はBA5の山はBA2よりずっと低いのに日本だけBA5のほうが高い。これは疫学の先生たちはぜひ原因を明らかにして今後に生かしてほしいものだ。。
大阪の65歳以上行動自粛要請に「実効性が疑問」とか「学校とかで検査を頻繁にやれ」とかどんでもなくアホなことをいう人がまだいることに驚く。彼らは「致死率0.1%の高齢者の命を守るためには休校など若者の行動制限が必要」と言っているのと同じ。2年前とかわらない。ではそれで犠牲になる若者を救う手段を言ってみせよ、それによって経済的に困窮する人たちを救済する方法を同時に述べよと言いたい。彼らには77兆円のツケを解消するのか妙案があるのだろうか?それよりなぜ海外でできていることが日本でできないのか、合理的な説明をしてみせよ。
外でのウイルスの濃度は極めて低く感染性はゼロに近い。なので屋外でのマスクの感染関連の効果はゼロだ。むしろ熱中症の危険性を上げる。高校や小学校で熱中症で病院に搬送されたというニュースに必ずと言っていいほど半数以上はマスクを着用していたとある。毎朝新宿付近を歩いているがマスクをしていない人は1%にもならないだろう。私はあえて外してひとりで「外ではマスクをはずそう運動」をやっている。外したいけど周囲の目が気になる人に少しでも後押しができれば。。ついに東京都医師会も外ではマスク外せ、5類に引き下げろ、と言い出したが。
岸田首相は「感染症分類を変えるつもりはない」そうだ。自民党の女性議員が「5 類に引き下げるなどして子供達が当たり前の学校生活を取り戻せるよう決断してほしい」と求めたにもかかわらず。。答弁では子供達のことは完全にスルーしたようだ。若い人たちはもっと怒ってもいいのではないかと思うのだが。コロナ対策に政府がいくら使ったか。その効果がどれほどのものだったのか。そしてそのツケは誰が払うのか。
イギリスでは統計をとるのを止めたのかもしれないが、ついに感染者数も死者数もゼロになった。
また日本の科学技術力の低下を指摘する記事。論文数が過去最低の10位になったそうだ。教授が論文をまともにみる時間がないのでは、と指摘する声もあった。科学技術白書の指摘通り今の大学教員には研究時間が少ない(働き方改革のせいか昔のように遅くまで研究室に残らないという説は置いといて)。特に若手PI(教授や独立准教授など)は雑用が多すぎる。私も経験したが学会や大学などはPIになりたての若手をすぐになんとか委員にして時間を奪う。一番研究に集中すべき時なのに。さらに学生は過剰コロナ対応の影響もあって完全に内向き志向だ。これからの生命科学は職人芸から多くの知恵を統合する時代になると思われる。その一番の担い手の若者らが交流する場が奪われている。年寄りがもっと次世代のことを考えるべき時だと思われる。
本日6/9,10と日本インターフェロン・サイトカイン学会(JSICR)とMMCBの合同集会が東大で開かれている。終日学会に参加した。「終日(英語での)学会に参加」と言うのは実に2年半ぶりだ。JSICRの会長として、9日最後に英語での講演もいつ以来か忘れるくらい久しぶりである。当然緊張して文法無視の単語の羅列となる。でもスライドがあるし私の話は単純なので皆さんよくわかってくれたと信じたい。何にしろオンサイトの学会はいいものだ。
2ヶ月以上もブログを更新していないで「もうやめたのか?」と心配された。コロナが予言通り収まりつつあり話題が少ないのもあるが、とにかく忙しかった。今日も朝6時から学会の奨励賞の賞状を印刷していた。忘れていた自分のせいなのだが、いろいろなことを同時に考えないといけないことが続くと必ずポカをやる。それはもう人間である以上当然なので許されたい。
ともあれ、上原賞、紫綬褒章、国際サイトカイン学会賞と褒められることが続いたのでその内容を話してほしいと言われると悪い気はしない。講演の後の質問で、「SOCS Spred,NR4αと先生は負の制御因子ばかりうまく発見している。何故なんだ?」と聞かれてはたと困った。もちろんpp130のようにエンジンを探そうとして負けたこともある。ただCISもSOCSも意図せずにクローニングしたものだ。サイエンスの神様の思し召しなのか?いやよくよく考えると答えは簡単で生物には「正のエンジンよりも負のブレーキの方がはるかに多い」ということだと思う。例えば正のJAKは4つだが負のSOCSは8個。おそらく正のキナーゼよりも負の脱リン酸化酵素やユビキン化酵素の方が多いと思う。ロボット工学の先生が、負のフィードバックが多いほど生体のような「なめらか」な動きが実現できると言っていた。モーターは一つでもそれを負に制御するシステムが多いからなめらかで無駄のない動きができるのだ。進化の淘汰を受けた生物も全く同じなのだろう。私のように闇雲にクローニングに挑んだら負の遺伝子に当たることが多いのは実は当然とも言える。だから全体を通してみるとうまくつながって負の制御の分子機構を解き明かしたように見えるのだろう。幸に免疫系は正のエンジンと同程度に負のブレーキが重要なシステムである。この分野を選んだことも幸運だったのだろう。
でも「いかに幸運でも3つも4つも続けてクローニングできるはずがない。なんかあるのでは?」といわれる。これも昔から言っている通り何の秘密もない。ヒット数=打率X打席数。私のような凡人の打率は人によってそんなに変わらない。ならばヒット数を増やすには打席になるべく多く立つしかない。つまり人の2倍働くしかない。しかしそれは体力勝負だった昔の話。これからの若い人たちは残業で稼ぐ必要はない。もっと違う「アイデア」で大きな付加価値をつければいいのだ。つまり3塁打やホームランを打てばいい。得点=打率X打席数X塁打。これからは打席に立つときにいかに効率よく得点するかを考える時代になるだろう。いやさらにこれから大事なのは複数で取り組むことや共同研究かな。得点=打率X打席数X塁数Xチームプレーか。
国際サイトカイン学会(ICIS)から今年のICIS-ファイザー賞をあげる、という連絡があった。以前はSeymor&Vivian Milsten Awardと呼ばれていたもので、これまで日本からは1988年に谷口維紹先生、2006年に藤田尚志先生、2007年に審良静男先生らが受賞されている。国際的な賞をもらうのははじめてで大変名誉なことである。ついては今年の9月にハワイで国際学会があるときに来て受賞講演をせよという。ハワイなんて留学時代に一度行ったきりだ。ぜひ行きたいが、相変わらずの日本のゼロコロナ政策を見ていると永久に海外の国際学会には行けないのではないかという暗澹たる気持ちになる。
日本は第7波か?なんて言われているが、世界的に見てもオミクロンの変異型BA2の波は大きくはない。それどころか死亡数はどんどん下がっている(4/16ついに4000人を下まわった)。この死亡者数の図をみると以前にも予言したように終わりが見えている。極めて明るいのは全世界的に感染者も減少傾向なこと。根拠があるわけではないが多くの国ではすでに一通り感染が済んでいてもう何も恐れることはない状況かもしれない。預言通り世界は夏には終息(ただし日本と中国を除く)。
政府は若者への3回目接種を進めると言う。ウイルスの性質は変わるのに変わらないのは政府の方策だけか。全体の感染者数ばかりを気にする。重傷者、死亡者数を問題にしようという話はどこかに行ってしまった。オミクロンやBA2に対してはワクチンは感染そのものはそんなに抑えない。アメリカでは3回目は30%からほとんど増えていないが、それでも下のように収束に向かっている。2回目を済ませた若者は感染しても重症化しないがワクチンの副作用は強く出る。もちろん高齢者や、若くてもこれまで風邪をこじらせやすかった人や基礎疾患のある人は打った方がいいだろう。リスクと利益を秤にかけて個人が判断すべきと思われる。若者に負担を強いずにいかに重傷者を減らすかが政府や分科会の腕の見せ所ではないのか。
NHKの首都圏ニュースで「子供たちの異変」を取り上げていた。コロナ対応によって精神的に不調をきたす子供が増えているという。「コロナで日本はおしまいだね」と子供が不安がるそうだ。政府の初めての調査でも特に20代、30代で孤独感を持つ人が4割を超えている。それでも松野官房長官は「最大限の警戒を保つ」と宣言。医師会の中川会長は頑なに5類にするなという。マスクは終息するまで外すな。海外と日本は違う、とも。一応理系ならどう違うのか、なぜ違うのか根拠を示すべき。インフルエンザと同じで完全ゼロはない。一生つけれてればいい。マスクの子どもの発達への影響が懸念されていることも知らんのだろう。こんな輩がいるからやっぱり海外は無理なのかな。(自称)専門家は「10代、20代の増加が顕著」としているがいつもと言っていることは変わらない。この人たちに「あなたの方策では子供達や若者が辛い目にあっているが、それをどうしたら解決できるが提言してください」と言っても多分「それは私の仕事ではない(知ったことではない)」と言うに違いない。
コロナではなくコロナ対応で日本をおしまいにしている大人が悪いんだ。中国ではコロナによる死亡は今はゼロなのにロックダウンで食糧難で飢える人々や死亡者が出ているというゼロコロナ禍。それでも無謬主義の政府は始めたことを途中で変えられない。日本の政策も似たような無謬主義で、一部の辛酸を舐めている人たちにとっては中国と同様だろう。
それにしても不思議なのはオミクロンの後でさらにBA2(かどうか定かではないが)の別の波がくる国、例えばイギリスやフランス、とそういう兆候のない国、例えばアメリカやインドなど、2つのパターンにわかれるのはどうしてだろうか?やはり一通り感染し終わった国がBA2に相当する波がないのか?あの一日40万人が感染していたインドが今や1000人程度で再上昇の兆しもない。やはり一通り感染し終えないと終わらないのか。何れにしてもBA2と思われるピークはそう大きくはなく、規制を撤廃して死亡者数が格段に増えた国もなさそうである。日本の第7波ももうすぐ減少に転じるだろう。大リーグの大谷の放送を見てもアメリカではマスクをしていない人がほとんど。国民性の違いと言ってしまえばそれまでなのだが。
暴論と言われるかもしれないが、日本では現在5万人前後で横ばいが続いている。これで医療崩壊が起きないのであれば、このまま静かに感染が進行していけばいつかはアメリカやインドのように終わるはず。もちろん重症化を防ぐために危険度の高い人のワクチン接種と抗ウイルス薬の早期投与は必要。上海の全員検査の結果、実に96%が無症状だという。これは驚くべき数字で、ごくごく少数の老人を守るために、こんなウイルスと正攻法で戦う方法は考えられない。日本も今の20倍無症状感染者がいるとするとあと3ヶ月くらいで一通り終わる。
注目すべき論文を見つけた。先月のNew England J. Medicineに出されたもので、ごく少人数ながら3回目追加接種とワクチン後オミクロン自然感染(N=7)での抗体値が出ている。直接の比較の図ではないが、中和活性のある抗体のタイター(抗体価)はワクチン+オミクロンの方が、ワクチン3回目よりもかわらないかむしろ高い。さらにオミクロンBA1,BA2どちらに対しても強い中和活性を有している。ワクチンは武漢型なのでオミクロンに対しては中和活性が低いのは当然とも言えるが、ワクチン+オミクロンの方が有利であるという結果にみえる。もちろん感染による後遺症などのリスクとワクチンの副作用のリスクの比較になりどちらがよいかは個人によってかなり異なると思われるのでこれをもって若い人は感染した方がまし、などというつもりはないが、「感染は悪」「何が何でも減らせ」という考えには疑問を呈する結果と思われる。
岸田首相が5類への見直しを検討を指示したそうな。ガソリン税のトリガー条項と同じで「検討」を指示するだけで実際はやらない「するする」サギなんじゃないか。高橋先生は首相のことを何もしない「検討使」とこき下ろしている。まあそうなんだろう。可能性は限りなくゼロに近い。いやゼロだった。
あれから数週間経ったがやっぱり検討会の検討も始まっていない様だ。高橋先生の解説。
オミクロンでも後遺症があるという。無症状でも後遺症があるなんていう人もいるが、それは無症状ではないだろう。なぜ後遺症が出るのか、解明は遅れている。免疫応答の残存を疑う声は多い。特に感染部位とは異なる脱毛などは交差免疫反応が疑われる。多くの場合はワクチンは重症化を防ぐので後遺症も減らすだろうが、もし抗体やT細胞の交差免疫のせいならば感染後にワクチンを打つと後遺症を増強する可能性もある。ワクチンを7億回分購入するくらいなら(多くは廃棄は確実。。)後遺症のメカニズムと対処法の研究にもっと金を使うべきだろう。
「5類を検討するかどうかの検討を加速します」という発言はやはりガセネタだった模様。首相は「現実的ではない」と答弁。コメントでは多くの失望の声が。特に大学3年生の子をもつ母親の嘆きは至極最も。大学は必須でないという理由でオンラインを続ける。学生に選択させるとしてハイブリッドでやっている大学もある(実質オンライン)。まあ講義なんてオンラインで十分と思うけど、実習とサークルと文系ならゼミはもう普通にやらせるべきだろう。やっぱり「日本はコロナでおしまいだね」。
先日コロナ研究費の報告会で我々の調査結果を発表した。審査員の先生には国のコロナ対策で著名な方もおられる。最後のまとめで「青少年は孤立し経済的にも困窮している。彼らの窮状は誰も関心を持たずメディアでも紹介されない。メモリー細胞の研究が青少年の環境を正常に戻す施作の一助になることを切に願う」と訴えた。が、全く反応がなかった。睨まれただけだったかもしれない。
ところがそのあと慶應の某先生から「面談したい」との連絡をもらった。会って話を聞くと、彼は私と同じく、現在の過剰なコロナ対応が若い人たちや子供に悪影響を及ぼすことを危惧されていた。特に「mRNAワクチンの接種は、特に若い人たちにとって益よりリスクの方が大きい」と様々な論文やデータベースを示して力説された。全くその通りと思う。同じ考えを持つ方を見つけて嬉しくなった。科学的事実に基づいて判断しようというこのような医師や研究者が増えてくれることを願わずにはいられない。
ところで、どうも閲覧数が増えてこのブログが「反ワクチンの意見」として使われている向きもあると聞くので一言。私はワクチン否定派ではありません。むしろ対象を絞った推進派です。私の目標はワクチンをやめさせることではなく、早く青少年を犠牲にしない世の中にするため5類にするような世論形成の一助になることを願っているだけです。
ワクチンは見た目の感染者数(PCR陽性者数)を一時的に減少させる。これは第5波もそうだったし、おそらく第6波でもそうだろう。東京都は一時停滞していたが、今週あたりからまた減少するだろう。子供への接種も始まるという。要するに感染者数ばかりを見ていると3回目も打て、子供にも打て、となる。ところが子供への接種は実質的に何の効果もない。もともと子供は重症化しないからだ。若者もそうだ。またオミクロン株に関してはワクチンが他者への感染を抑制するという報告はない。なのでおじいちゃんおばあちゃんを守るためというお題目は科学的根拠がない。致死率が全体で1-3%くらいあった初期の頃はともかくもう0.2%以下(しかもなくなるのはほとんど高齢者)になっているのに3回目を打てという根拠が全くないように思える。打つなら重症化リスクの高い老人だけでいい(私もだが)。おそらく子供にも打てというのは陽性者やクラスターが出たら休校になったり、またリモートになったり、あるいは濃厚接触者が会社に行けなくなったりと「皆に迷惑がかかる」という理由からだろう。それって完全に制度がおかしいのであって本末転倒なことをしているとしか思えないのだが。。。
これまでのメモリーT細胞とB細胞の研究から、3回目ブースター接種でも、2回接種に自然感染した場合でもメモリーは再活性化されることがわかった。どちらがメリットがあるかは年齢層などごとに検証が必要だろう。私は重症化リスクの高い人はワクチン3回打つのは推奨したいが、ワクチン2回打った若い人はオミクロンの自然感染に任せていいという考え(誤解されないように言うと12歳以上は2回は打ったほうが重症化抑制という意味で良いと思う)。ワクチンが届かないためにそういう選択肢をしている国も多いが結局どこも収束している(例えばインド)。ワクチンによる心筋症や血栓の出る確率は極めて低いものの母数が増えれば当然副作用で苦しむ人の数は増えるはず。オミクロンで重症化率は下がるが感染力が大幅に増加するので重症になる人の総数は増えるのと同じ理屈。どちらが有益なのかよく調べて結論を出した方がいいと思う。
ただ免疫学的には4回も5回も同じ抗原を打つのはやめた方がいい。一般的に抗体依存性過敏症という疾患があって、動物実験では同じ抗原を頻回に投与すると抗体価が下がるばかりかひどい場合には(IgEができてしまうと)アナフィラキシーショックで死ぬことがある。IgGでも抗原抗体複合体ができると血管炎や腎炎になる。
なおイギリスではすでに次の波が来ようとしている。12歳以上の国民の70%が3回を接種しているにも関わらず。ワクチンのブースター接種はオミクロンに対しては感染者数を減らすことに関しては一時的な効果しかないということだろう。おそらくイギリスはもう気にしないと思うが、日本も考え方を変えるべき時だと思われる。
ウクライナ危機でコロナを煽る番組やネットニュースは減ってきた。これまでテレビに引っ張りだこだった自称専門家の方々以外にとっては大変結構なことだ。ここはさらに「今コロナを終わりにしないと日本に未来はない、今こそ若者や子供を守るべき」というキャンペーンが張れないものか。ウクライナのニュースに隠れて出口の話もあまり聞こえなくなったのも怖い。5類にしたらむしろ対策効率が上がるだけでなく世間の意識を変えられる可能性がある。参議院選挙までは動かないなどど悠長なことを言っていていいのだろうか。
2万人規模の大人の東京マラソンは開催していいのに学校の運動会や体育祭は中止ってなんで?とコメントされている方がいた。同感。おかしなことが多すぎる。両方OKなはず。未来のことを全く考えず保身に走る学校関係者の事なかれ主義は目に余る。多分このままではまた入学式も中止。新歓も中止。花見もなし。どういう状況になったら5類になるのか?青少年は何のために我慢を強いられているのか?何を目標に生きているのだろうか?
NHK-BSのヒューマニエンスという番組で「"パンデミックと人類"科学者からのメッセージ」という放送があった。やはり大学の理系の先生たちである。過剰な自粛による学生の孤立を憂い、これから10年、20年先の影響を心配しておられた。 東大小林武彦教授の「人間は社会的動物であり人とのコミニュケーションなくして生きられない」という発言は誠に正鵠を得ている。オミクロン、ワクチン、経口抗ウイルス剤の3者が揃った今こそ、青少年(小学生も大学生も)の環境を全て正常に戻さないと本当に取り返しのつかないことになるのではないか。ネットで検索するとリモートや休校の青少年への影響を調べたレポートはないわけではない。いやいくらでも出てくる。アホではないか?と思えるものもある。例えばこれとかアレとかそれとか。しかし声高に「なんとかしろ」という話はほとんど聞こえてこない。
分化会の大竹教授はすこぶる真っ当な意見を言われている。若者を守れと。しかし無視された模様。
(大阪大学感染症総合教育研究拠点 大竹文雄特任教授)
「どのくらい危険だったら社会全体で規制をすべきかどうかという価値判断なわけで。子どもたちの健康がどうなるか、学力がどうなるか、若者が結婚できるかどうか、彼らが将来所得が増えるのか減るのかということについて、というのは今すぐ表れません。それと比べて感染対策を続けるということの意味というのを、もう一度考える時期に来ているのではないかという風に思います」
なぜ野党もマスコミも「青少年をどうするんだ」と政府に詰め寄らないのだろう?ドイツでも同じらしい。不思議でしょうがないが、政治家やテレビのコメンテーターが「もっと強力な感染対策を、人流抑制を、学校も職場も閉鎖を」というのは実は理由はわからないではない。若者がどんだけ苦しんでも、犠牲になっても彼らは投票にいかないしテレビも見ないからだ。支持率や視聴率に影響がない。一方でNHKの世論調査ではマンボウどころか緊急事態宣言を出せという人が26%もいるそうだ。そのような人たちは(他の人や将来の日本がどうなっても)自分が感染して苦しむのはゴメンだという思いなのだろうか。目の前のことしか考えられないのだろう。政治もメディアもそういう「目の前のことしか考えられない人たち」、つまり「支持率、視聴率に強く影響する人たち」にしか関心がない。典型的なのは全く意味のない鎖国制度。何よりも支持率らしい。「日本沈没」が現実になりそうで暗澹たる気持ちにならざるを得ない。
ところでテニスのジョコピッチは自分は感染したので免疫がある、ワクチンを強要されてまで大会に出ない、と言っているそうだ。自然感染した場合とワクチンで得られる免疫の違いについては実はちゃんとした比較研究は少ない。ワクチン3回目はできるだけ早くとか4回目もとかいう向きもあるが、免疫学的には大量の抗原を頻回に投与するとむしろ抗体ができにくくなったり、T細胞が疲弊してしまって防御効果が得られない可能性がある。フィードバック機構がちゃんと備わっているのだ。動物実験ではそうなる。抗原はたくさん打てばいいというものではないのだ。さらにワクチンに含まれる自然免疫を活性化する成分は頻回に投与することで強く炎症を惹起し副反応を増大させてしまう可能性がある。特に血栓は問題となる。その辺をきちんと解析、検討した論文を見たことがない(私の不勉強かもしれんが)。ジョコピッチは案外正しいのかもしれない。
なお「ヒューマニエンス」の中で「黙食」の代わりに鏡を置いて食べると良い、というような話があったが、流石に出演者もたまげていた。自分の顔を見ながら黙って食べる?余計に不味くなるのではないか?
青少年といえば女子フィギュアのワリエワ。まだ15歳の少女にネットでは総バッシング、総いじめ状態である。けなげにもSPでしっかり演技したものの涙を流したそう。薬を盛った大人と本人は区別すべきなのに。盛った大人はもちろんだが、その区別もできないもう一方の理性のない感情だけの大人たちにもなりたくない。子供を泣かせて嬉しいのか?昨今の痛ましい幼児児童虐待を思わせる。ビットのような擁護派もいるはず。堂々と戦って金メダルを獲って欲しい。
と思っていたがやはりフリーはミスを連発して4位。IOCの思う壺になった。裁判で却下されたのに3位以内に入ったらメダルはあげない表彰式もしない、なんて陰湿なイジメに等しい。でもワリエラは最後まで滑り切ったのはとてつも無く立派だと思う。普通の人間にはできない。まだ15歳なのだ。4年後にリベンジしてほしい。
慶應義塾大学では伊藤塾長が音頭をとって対面授業を9割復活させると言う。学生さんたちが日常を取り戻せることを強く願いたい。高校生、大学生が創造性ある豊かな学生生活を送れてこそ活力ある未来がある。学生時代の横のつながりは若者の成長にとって何よりも貴重なはず。もっともわかりやすいのは婚姻件数で昨年度は前年度の16%減という。
ということで一足先に奈良県の某大学で対面講義を行った。修士課程の特別講義なので人数も少なく濃厚接触はないハズ。2年ぶりくらいの対面授業。奈良県は知事さんが「マンボウなど効果がない」「同調圧力に屈しない」とまことに正しい認識で頼もしい。そのせいかこの大学でも特にオンライン授業にはしていないそうだ。やはり学生さんの表情を見ながら質問もしながらの講義の方がオンデマンドの一方通行よりはるかに有効のように感じられる。政府も奈良県を見習ってほしいものだが高橋先生の話を聞くと全く手遅れのような気もする。医療崩壊は今回はコロナのせいではなく5類にしない政治の無策のせいだという。全くごもっとも。
講義の後に無理やり質問した結果「やっぱり免疫学は(教えることが)難しい」と納得する。いやそれではいかんのだが。
京都大学の宮澤先生と前島根大学学長の小林先生との対談。ごく当たり前で真っ当なお話。ただ飲み薬が出れば5類になるという考えは、今の政策では懐疑的(高橋先生の話はこちら。繰り返しですが。)。そもそも今のままの2類で保健所を介している状況を続ければ必要な人に必要な時期に薬が行き渡らない(感染初期でないと効果がない)。また子供はインフルと比べても軽症で休校は効果なしと言われている点は高く評価できるが、実際にはオンライン、休校が蔓延している。この大人の事なかれ主義はもっと強く批判してもいい。
オミクロンの感染効率と重症化に関する比較的科学的な記事はこちら。
オミクロンではブレークスルー感染が頻発しており、ワクチンはオミクロンに効かないんじゃないか?と疑う向きもある。また抗体価は半年もすると1/10以下になり、私のような年寄りでは検出限界に近くなる。しかしワクチンは感染を止められなくても重症化は確実に抑えている。それはT細胞免疫が効いているのだろうという記事が今週号のNatureのニュースに掲載されている。実はその証明実験を計画しているのだが、論文も投稿されており完全に先を越された。いつもの直訳なので何を言っているのか理解できない方はぜひ原文を見ていただきたい。
マサチューセッツ州ボストンにあるハーバードメディカルスクールのウイルス・ワクチン研究センター長であるダン・バルーシュは言う。「現在明らかになっていることは、(新)亜種は依然としてT細胞反応に非常に敏感であるということです。そして、その中にはオミクロンも含まれています」。
南アフリカのケープタウン大学のバーガース博士は言う。「T細胞は、感染症やワクチン接種後、抗体ほど急速に減少しない傾向があります。また、T細胞は抗体よりもスパイクタンパク質の多くの部位を認識できるため、変異体(オミクロン)を認識する能力も高いのです。多くの変異があるように見えても、T細胞の反応には影響しません」。他の研究でもCOVID-19ワクチンを接種した人、あるいは以前の変異型に感染した人から採取したT細胞を分析し、これらのT細胞がオミクロンに反応することが報告されている。オランダのロッテルダムにあるエラスムス医学センターの臨床ウイルス学者であるコリーヌ・ゲルト・ファン・ケッセルは言う。「T細胞応答は全く無傷であり、これは良いニュースです」。
「次のステップは、実際の生活でどのような効果があるかということです。また、T細胞は、より多くの変異型が出現すればするほど、そして世界が感染症の数から病気の重症度へと焦点を移し始めれば、より注目されるようになるかもしれません。」
「感染症に関心がありますか?それなら、抗体の測定がより重要かもしれません。一方、疾患に関心がある場合T細胞がより重要になります」。
要するにざっくり言うと「抗体は感染そのものを抑制する、一方T細胞は重症化を抑制する」と言うこと。ワクチンは抗体と記憶T細胞を作る。抗体は変異株には効きが悪いので感染はする。しかしT細胞は変異株にも十分対応できるのでワクチン打っておけば重篤化しない、ということ。
T細胞研究が「オミクロンは福音」という意識に一役買ってくれるとよいが。にしても都知事も府知事もマンボウとは芸がなさすぎる。日本の不幸はイギリスのような骨のある政治家がいないこと。5類にならないのは単に老人からの支持が落ちるのが怖いからだそうだ。科学や合理性とは無縁の世界で、やはり日本だけ(ゼロコロナの中国もか)が収束しない未来が予見される。
WHO本部はコロナが終わったら仕事がなくなると思っているのか相変わらず恐怖を煽っているが、欧州の支部長は「終わりに近い」と述べている。3/1までに欧州の人口の6割が感染するだろうと言っている。理論上はワクチンを受けて得たメモリーが感染で再活性化されてさらに強い免疫記憶が得られる。インフルエンザがそこまで強毒でないのはオミクロンの様に主に上気道で増えるのと、誰もが何度も感染していて、感染するたびに免疫記憶が蘇るため。おそらくコロナと同様に無症状の人も結構いるのだろう。
政府はついに若年層は医療機関を受診せず自宅療養も容認するという。これって普通の風邪と認めたということ?若年っていくつまで?検査キットが不足しているのに自分で検査って。。さらに判断は自治体に任せる、ということは、もし政府の提言にしたがって死亡者が増えたら自治体のせいで、もし従わず今のままにして大して重傷者が出ないのに経済や医療が崩壊してもそれも自治体のせいにするということ?だろうね。きっとまた首相に訂正されるのではないか。1/25には6万人を超えたということでさすがに濃厚接触者も10日隔離とは言ってられないだろう。いよいよ救急搬送も困難になりつつある。無症状、軽度の風邪症状のために本当に重篤な命が危機に陥ろうとしている。本当に真剣に「オミクロンにどう対応すべきか」を決断すべき時が来ているように思う。高橋先生の言われる通り。
こんな中、慶應義塾大学では対面授業を9割復活させると言う。さすが伊藤塾長。このコロナ禍で一番犠牲になっているのは若者、学生、非正規などの弱者。彼らは重症化することはほとんどないのに。そんな中で、学生は少しでも日常を取り戻すべきと考えられたのだろう。もしこのまま生徒や学生が息苦しい生活やリモートを続けたら日本の未来は極めて暗い。それを憂うことのできるリーダーがいることを誇りにしたい。
SOCS1はサイトカインシグナルの伝達に必須の酵素JAKの天然の阻害分子である。私のライフワークとも言える分子であるが、抗腫瘍免疫の中心となるインターフェロンγのシグナルを阻害することから、SOCS1阻害剤は強力な抗腫瘍効果を引き出す可能性があることは随分前から指摘されていた。が実際にヒトCAR-T細胞を使ってSOCS1を欠損させた例はなかったと思う。今日紹介する論文は(だんだん西川先生に似てきた)はフランスのグループからScience Immunologyに掲載されたもので、タイトルは「in vivo genome-wide CRISPR screes identify SOCS1 as intrinsic checkpoint of CD4+TH1 cell response」。Science Immunologyなのですごい話かと思ったら、内容は昔から言われてきたことの再現でどうにも不思議な論文である。まず彼らはCD4ヘルパーT細胞の疲弊に関与する分子をCRISPR screeningでサーチした。T細胞は強い抗原刺激を頻回に繰り返すことで疲弊し増殖できなくなる(業界用語でアナジー状態ともいう)。マウスT細胞を用いて遺伝子をCRISPRでノックアウトして個体にもどし、アナジーを誘導しても増殖できるようになったT細胞を集めて、どの遺伝子が潰れたのかをシークエンスで確認するという手法だ。CD8はよくやられているのでCD4でやったのがミソなのかもしれない。ともかくノックアウトして増殖が回復する遺伝子はSOCS1が最も強力だったようだ。それでがんを移植したマウスの系を用いて、CD4とCD8でSOCS1を欠損させたT細胞を移入して治療する実験を行うと、CD4とCD8両方で潰した方がより強い抗腫瘍効果が得られている。最後にヒトCAR-T細胞を使ってヒト白血病細胞を駆逐する実験系(超免疫不全マウスを用いる)で調べている。ところがCD4だけではあまり効果がなく、CD4、CD8両方で潰した方がかなり治癒している。さらにCD8でSOCS1を潰しただけでも十分治療効果が出ている。結局当初の話とはズレて、腫瘍の系ではCD8T細胞でSOCS1を潰すのが一番よさそうなのだが、それだと新規性が少ないと思ったのかCD4をしつこく実験している。
ともかくT細胞でSOCS1を欠損させると疲弊が起こりにくくなり強い抗腫瘍効果が得られることは明確にされた(前から明確だったような気もするが)。SOCS1阻害剤を開発しようという企業が現れてくれることを期待したい。
2022年元旦。新年おめでとうございます。
今年はコロナ騒動も終わり希望に満ちた年であってほしい。それには何を持って終わりとするのか?誰かが明確に示してほしい。しかし(自称)専門家である私の予言は「世界の多くは今年夏までに終息。ただし日本はコロナ脳が解消されず、また感染による免疫が行き渡らないために年末まで終わらない」。本当の問題は感染者数ではなく我々の恐怖心なのだ。テドロスは「2022年で終息可能」と言っているがその方策が「ワクチンの公平な分配」というのは噴飯物。感染者数だけを問題視するとワクチンだけでは終わらないのは先進国で証明済。残念ながら抗体値やメモリーB細胞で見る限りワクチンによる獲得免疫は半年くらいしか持たない。重症化しやすい高齢者のみ追加接種を行いあとは自然感染に任せればよい、というのが(自称)免疫専門家の主張。どうも1年半くらい前と同じことを言っているような気がする。私が一番言いたいことは、コロナ禍で一番苦しんでいるのは重症化しやすい高齢者ではない。若者、学生、女性、非正規などの弱者。なのにメディアも政治も(自称)専門家も決して彼らに目を向けない。だから対極の(自称)免疫学専門家、すなわち競馬の予想屋よりは少しは当たる預言者は言う、「オミクロンは福音なり」。
一般的に感染症が収束(隔離などの大騒ぎをする必要がなくなる状態)するためには2つの要因があり、ひとつは病原体が弱毒化すること。もう一つは人類の側が免疫によって耐性を得ることである。前者はオミクロンであり、後者は実際の感染かワクチンである。この2つが同時進行して収束したのが南アフリカ、現在進行中なのがヨーロッパとアメリカである。欧州はもうすぐ人口の半分が一度はオミクロンに感染したことになると伝えられている。こちらのデンマークの研究者は2ヶ月で日常が戻ると言っている。多くのまっとうな研究者はそう考える。南アフリカの論文から推測するとワクチン接種者が感染すれば軽症でも強い免疫が得られる。問題は一旦オミクロンが蔓延してくれないと、そのような収束状態が得られないことだ。なので重症者の数を見極めながらゆるく感染を広げる必要がある。だからこそ感染者数で騒ぐな、ということだろう。
全く同じことは高橋洋一先生も言っている。文章読むのが面倒な人はそちらを聞いてください。その中で先生は「弱毒化しているのだから制度を変えろとは専門家は言わない」といっておられるがそんなことはない。私だけでなく多くのまともな(自称)専門家は「ワクチンも普及しウイルスが変化しているのだから対応も変えよ」と言っている。少なくとも欧米はそうしている。なぜかそちらの声は無視され、力を持っている(自称)専門家が動かないだけ。沖縄はすでにアメリカのように他の病気で入院したらコロナも感染していた(つまりコロナは気づかれない)例が増えており、この病院では重傷者は出ていないとのこと。もう考え方を変える(はっきり言えば5類に落とす)時期に来ているように思えるが、なぜそうしないのか、政策通の高橋先生にもわからないのだから我々には知る由もない。いやこの動画での説明は岸田首相の背後から鉄砲説を上げられてるが。。
イギリスのオミクロンによる致死率は0.03%、インフルエンザの0.1%より低い(高橋先生は0.2%と言ってるが出所不明。グラフを使って説明されているがよくわからない。私の数字は英国政府の統計資料に準拠。英国はオミクロンを分けて追うのを2021年一杯でやめた)。さらに朗報は医科研の佐藤先生らは動物実験でオミクロンが軽症であることを実証。何度も言っているように無症状、軽症の感染が行き渡らないと終わらない。あるいは5類にすればそれで多くは解消する。重症化リスクの高い人を重点的にワクチンと抗体カクテルと飲み薬で守れば良い。行政はおそらく保健所がパンクしても医療従事者の不足で医療崩壊しても、働き手不足になって経済崩壊しても、老人の支持率が減るのが怖いのか5類にしないだろう。なので無症状で密かに行き渡るしかない。一方でこの新聞社の記事では「インフルエンザ並みの扱いにした方が良い」という世間の声も多い、としている。そのような声が増えることで為政者の意識も変わるかもしれない。ぜひこのページを拡散していただきたい。
世界は隔離やマスクではオミクロンの感染を止めることはできない、しかしワクチン接種をしていれば重症化はまずない、と観念して、もはや全員感染やむなしの方向のように見える。WHOがいかに警告してもオミクロンの勢いは止められない。やはり預言者の予想通り「全員感染して終わりにしよう」という意思がすけて見える。日本は高橋先生の予想通り2類見直しはしないそうなのでいつまでも収束せずかつ経済的にも大きな打撃を受けるだろう。予言は当たりつつある。
オミクロンで重症化したり死亡したりする人はゼロではない。それをもって軽視するなと言うコロナ脳の人がいる。では自動車事故やインフルエンザやフグ料理はどうなのと反論もできるがあまり賢い比較ではない。事故と違って重症化しそうな人がある程度判明していること、すでにワクチンや早期に使用すれば確実に重症化を防げる薬があることは大きな違い。100人感染して一人重症化するとして、その一人のために99人、特に未来を担うべき若者たちに犠牲を強いて経済的も困窮させるのか、危険度の高い一人に集中して守るのか?後者を可能にしているのが科学。どちらが技術的にも楽で幸福度の総和が大きいかは考えるまでもないだろう。テレビでは恐怖を煽った方が視聴率が上がるというのは、日本では科学を信頼しない人が多いと言うことか。いや、経団連の会長さんのように「科学的根拠」に基づいて判断をと言う人は大勢いると思うのだが残念ながら何故かそういう声は上の方に届かない。
コロナはもういい。残された時間を活用してもっと前を向いて集大成となる仕事をして、若い研究者を支援するような仕事をしたい。
ではそれは何か?日本人の3大死因はがん、心脳血管障害、老衰(認知症も含む)である。これらの全てに関係するのが『免疫』である。「がんと免疫」は本庶先生のノーベル賞でかなり認知されるようになった。しかし脳疾患や老化と免疫は未だ十分認知されているとは言い難い。私は残された時間で少しでも「免疫とがん」「免疫と脳疾患」「老化と免疫」との関係を明らかにしたい。そこは免疫学に残された最後のフロンティアのように思える。
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以下もう少し詳細に昨年末に書いた主張の詳細を述べよう。多くは論文や海外のニュースに基づいた事実から論理的に推論されることで煽りはない。
2021年末の予言
さて(自称)専門家はすなわち預言者なので来年の予言をしておこう。もちろん外したら削除。責任は取らない。もう2年になろうとしているのに、ワクチンも打ったのに一向に騒動は止む気配がない。しかし、実際にはあと半年以内にアメリカやヨーロッパは終息する。すでにその気配は出ている。1日44万人とか20万人とか報道されているが、重症者が出なければ大いに結構なことだ。ほぼ自然まかせでいい。感染者数が増えるのは無症状者まで無料のPCRを行うからで、当然数は増える。ほぼ全員が感染する日も近い(イギリスは現在25%)。しかし彼らは多くがワクチンを接種しており、ブレークスルー感染は「デルタにもオミクロンにも強い免疫」を獲得させる。結果的にますますウイルスは弱毒化していき、南アフリカで見らたように、いずれそう遠くない時期にごく一部の人にしか症状を起こさなくなり収束する。欧米はこのようなシナリオを意図してるのかしていないかよくわからないが、日本だと発狂しそうなくらいの感染者数でも動じていない。免疫学的には終息を早める正しい選択をしている。実際にインドではほぼ感染が行き渡って終息しつつあると言われている(最近オミクロン感染が出ているが死者は増えていない)し、全世界でもイギリスでも感染者数は爆発的に増えているが死者数は急速に減少し続けている(図参照)。すなわち最終局面に入ったことは間違いない。世界的には明るいニュースである。このことはマスコミに出てくる(自称)専門家は決して口にしない。
時折、海外の楽観論を報道することもあるが稀。こちらのデンマークの研究者は私より早く2ヶ月でオミクロン株の波は乗り切れると言っている。普通の研究者(専門家)はそう考える。煽る人たちはコロナが終わっては困るので決して触れない。
一方で日本はどうか?昨日は日本全体で500人を超えたとかで、マスコミも(自称)専門家もようやく出番だとばかり煽りまくる。日本でも無料の検査が始まった。ワイドショーでPCRやるべし、と言っていた人も満足そうである。なぜなら数が増えるほどに彼らの視聴率も上がり、呼ばれた専門家は煽りがいがあるとばかり「医療崩壊する」と喚く。「無症状も有無を言わさず入院」なんて愚かなことを進めるから医療崩壊する。医療崩壊を誘導しているのは自分たちであることに気づかない。よその国々は戦争が終わったのに自分らだけが戦いをやめられない。何を持って終わりとするのかが全く見えない。いつまでも老人のために若者にばかりに苦難を押し付け続ける。恐怖心を煽られ続けられる限り閉塞感と抑圧感は遷延する。「明るさ」と程遠い世界。それが(自称)専門家(=預言者)が予測する日本の2022年。
そろそろ東京も100人を超えそうで第6波が現実となりつつある。が、日本のメディアは感染者数は速報で出すがそこに重傷者数や死者数はない。(自称)専門家にも煽りに徹している人と私のように楽観論を振りまく人がいる。メディアはもちろん前者しか呼ばず後者の意見は無視する。実際に自分も取材を受けて無視された経験をしているのでその存在は証明されている。
12/31 南アフリカのオミクロン株による入院者に対する死亡率は従来の株の4分の1という結果が報告されている。入院期間も半減している。論文はこちら。たった1/4かと思われるかもしれないが、もっと注目すべきは感染者に対する入院率なのだが、記事には触れられていない。原著でも比較されていないのでよくわからないのだが、こちらの記事ではデルタ19%に対してオミクロン1.7%としているので実際の死亡率はデルタの1/40程度。検査数がはるかに多いイギリスとは直接比較はできないものの、イギリスでのオミクロンの致死率は0.025%なのでワクチン前を約1%とすると1/40で符合する。ワクチン+デルタで致死率はインフルエンザ程度なのだが、ワクチン+オミクロンであればそれより遥かに軽度(インフルエンザのおよそ1/4)であることは事実。もちろん実際の重症者や死者数でみても日本の現状はほぼゼロに近い。オミクロン即入院がいかに的外れなことか解るかと思う。
1/4 国内で感染者が1000人を突破。メディアは嬉しくてたまらないようだ。このままマンボウとかなんとか宣言が出されて一番苦しい思いをするのは誰か?学生や若者や女性など立場の弱い人たちばかり。メディアや(自称)専門家はこぞって「今日は何人、先週の何倍」とはやし立てる。そのあと続いて「こんなに困窮してる人がいる」とレポするニュース番組。彼らには想像力というものがないのだろう。どちらも視聴率を上げるためであることはわかるが、感染者数をはやし立てる根拠は科学的に全くない。せめて重傷者数、死者数を言ってみろ、と言いたい。
ついにWHOもオミクロンは重症化しにくいことを認めた。しかし正確な数字や、ではどうすることが適切なのかの提言はなし。何のための機関なのか。。こちらの英文の方がもう少し詳しいか。欧米首脳はロックダウンはしないと言っている。当然だろう。もうじき欧米はオミクロンの洗礼が終わりほぼ全国民が免疫を持つ。一方で日本も首相は軽症は自宅療養を認めるようなことを言っているが、全てに中途半端な日本の政策は「日本だけ終息しない状況」を作り出すだろう。
1/5の夕方に東京都も蔓延防止措置を申請かと産経が伝えると、すぐに都知事は「現時点で考えていない」と否定した。ネットの否定的な意見に押されたか。まずは軽症、無症状者は自宅療養、宿泊療養にして医療の逼迫を回避することが先決だろう。現在東京都の病床使用率5.4%、重症者3名、死亡0である。これでいきなり蔓延防止措置は全く根拠がない。都知事もたまにはまともなことを言うんだと見直した。経団連の会長がNHKのインタビューで「コロナは感染するけれども治せる普通の病気になってきている。「科学的根拠」に基づいて徐々に緩和を、と言っているが全くもってまっとうな考えだと思われる。もっと海外の情報を取り入れながら政府に向かって言って欲しいものだ。
日本では怖いのは最早コロナではない。コロナを過剰に怖がる恐怖心だ。それが若者や学生や女性など社会的弱者を必要以上に苦しめていることを理解してほしい。社会学者はこの異常な自粛状況が青少年に与える影響をしっかり調べて警鐘を鳴らしてほしい。時々しかそんな声が聞こえないのは学者の怠慢だろう。
1/6 どなたかこのページをSNSで紹介していただいたようで、閲覧数が伸びている。面識ない先生からも同じ考えです、引用しました、といったメールをいただいた。岸田首相は「聞く力」を強調されている。何でワクチン打ったのに以前と同じことをしようとしているのか?利権や支持率ではなく科学に基づいた判断を、というネットの声をどんどん上げて欲しい。
1/7 WHOがつい先日オミクロンは重症化しにくいと認めたのに、テドロスは「オミクロンは軽い感染症ではない」とちゃぶ台返し。こんな信用できない機関はない。続々と「オミクロンは軽症」との記事が出ている。WHOが終息を宣言しない限り日本は終わらないだろう。日本は3県で蔓延防止法の適応を決めたというが、重症者も死者も増えていない段階で理解しがたい行動で、行動制限=感染減少しか思いつかない思考停止状態。票のためにもっと弱者を痛めつけたいらしい。実際に沖縄では成人式を中止延期する市町村が出て来ている。どこまで老人を守るために若い人たちに煮え湯を飲ませるのだろうか?この重症化率、致死率ならばもっと違ったやりようがあるはず。全世界で見ると感染者(PCR陽性者)はうなぎ登りに増えているが死者は各国で減りつづけている。アフリカCDC所長も封鎖は時代遅れと言っている。日本の為政者はそんな事実にも目を向けない。
沖縄県のコロナ情報のHPと東京都と異なり極めて検索が困難。陽性者数は出ているが、重傷者数、死者数は見つけることができなかった。どこかにあるとは思うが。報道によると1/10現在入院258名、死亡0である。結局、医療逼迫すると騒いでいるのは濃厚接触者まで休ませるような過剰隔離による人災であることは明白なのではないか。これが全国に広まれば医療どころか経済も破綻する。しかし預言者のカンでは、発熱などあった人が真面目に申告して陽性であることがわかると周囲に多大な迷惑がかかることが知れ渡り、早晩沈静化すると予言する。しかし東京都の発熱相談は増えており期待はできないか。。。
1/11急速にピークアウトした南アフリカと比べてイギリスではオミクロンも高止まりで感染者や濃厚接触者の自主隔離などで医療従者が不足して医療逼迫が起こり始めていると言う。WHOの専門家は「コロナ患者だけでなく、他の患者や緊急医療も影響を受けている。オミクロン株は、ただの風邪ではない」と言う。逆ではないか?ただの風邪扱いにしないから逼迫する。毒性に合わせて制度を変えていくべきなのに旧態然としていたらそうなるでしょう。イギリスはもうすぐ感染が行き渡るはず。ピークアウトの兆候が見られている。
1/12 イスラエルではもう封鎖措置ではオミクロンは止められないとして、目標を「高齢者と児童を守ること」と「経済を回して失業者を出さないこと」にしたらしい。まっとうなことだと思われる。
12/25 大阪、京都に続いて東京、福岡でもオミクロンの市中感染が見つかったそうだ。症状が出ない人が多いだけでもはや蔓延しているとみてもいいだろう。すでに第6波は来ている(死者重傷者はほとんど出ていないが)。政府は市中感染が見つかった都市では無料でPCRを行うそうだが、ねずみ算式に濃厚接触者も増えて保健所はまたパンクし、多くの人々が生活に困窮する事態となるだろう。無症状者まであぶり出したらすぐに「感染者」の数は増えるのは欧米で見られた通り。こんな弱っちい風邪のために濃厚接触というだけで軟禁生活は御免こうむりたい。非正規の若者や女性がさらに困窮し、学生はまたオンライン授業に逆戻りか。政治家は票になる高齢層しか見てないと言われる。多くの良識ある専門家が指摘している通り2類のままでは単に医療崩壊を促進するだけになるだろう。いや一旦崩壊しないと学習できないのかもしれない。
南アフリカでは無症状なら隔離や検査は行わないと決めたそうだ。現実的で妥当な対応と思われる。シンガポールでも同じく規制を緩和するという。アメリカは隔離期間を10日から5日に短縮する。これらもデータに基づいた合理的判断といえる。イギリスの27日の発表ではオミクロン感染が累計15万人(疑い35万人)入院407名、死者は39名である。致死率0.025%。SGTFというオミクロンの疑いのあるケースを母数にするとこの半分、0.011%になる。これでロックダウンなどと騒ぐことが全く理解できないが、政府はパニックになっているわけではなく騒ぐにはそれなりに(利害関係の)理由(例えば支持率が上がるとか)があるに違いない。しかし南アフリカではもう収まりそうで、オミクロンでは弱っちくすぎてデルタを完全に駆逐できないかもしれない。あまりに早期に感染が終了するので獲得免疫系を十分刺激できないのかもしれない。そうなると何度でも罹る普通の風邪と同じか。なんにしろクリスマスプレゼントを貰い損ねた日本の対応を見ていると新年が近いのに(自称)専門家、すなわち(自称)預言者である私には暗い未来しか見えない。
なおタイトルの「オミクロンなんか怖くない」は我々の世代の代弁者だった庄司薫のエッセイ「狼なんかこわくない」をもじった。決して石野真子の歌ではない。
フランスでも感染10万人を超えたそうで、こちらも検査を増やしたせいだろうとも言われている。恐怖を煽りたい(自称)専門家は嬉しそうに第6波はすごいのが来ると騒いでいる。打率1割以下の先生も久々出てきて理解できない不思議なことを言っている(オミクロンの致死率が確定したの?)。3回目の接種を急いだほうが良いというのは賛同するが、彼らには無症状も重症も全く同じ「恐怖」なのだろう。感染者数よりも重傷者数で考えよう、とほんの一瞬尾身先生が口走ったがもみ消されたか忘れたのか。またまた(自称)専門家が跋扈できる状況が整いつつある。
12/26日曜日なのに43人。重症者は増えていないが確実にPCR陽性者は増加中。必ずPCR陽性(感染者数)の第6波は来る。本当の問題は重傷者と死者数だがマスコミも政府も自称専門家もそちらは関心がない。
濃厚接触の受験生は試験を受けさせないと言っていた文部科学省が一転、別室での受験を認めることにしたそうだ。幸いこの政権は聞く耳を持っているようなので若者や困窮者や弱い立場の人たちはSNSなどを通じて政府に合理的、科学的な判断を促すように声を上げることが大事なのだろう。本当に弱い立場の人たちを見て欲しい。このコラムはいつもできるだけ客観的な資料を元に、合理的な根拠を与えることで彼らを支援し、代弁しているつもり。
12/28 今日は大掃除。一年のススとコロナ騒動の憂鬱を吐き捨てたい。イギリスの新聞ガーデアンはオミクロンを『殺伐とした新年か、パンデミックの終わりの始まりか?』と題して解説している。いつものようにDeepLで翻訳して要約すると『今年の流行は、昨年の冬とどの程度似ているのだろうか?一見したところ、この2年間は驚くほど似ており、英国ではわずか数週間のうちに患者数が急増した。しかし、Covid-19による入院や死亡は、今年は今のところ非常に少なく、最新の研究では、この新しい変異型は、以前のウイルスよりも重症化するケースが少ないと示唆されている。レスター大学の呼吸器科学教授であるジュリアン・タン博士は、「この変種はウイルスが人間に適応して、より穏やかな症状を作り出すプロセスの最初のステップだと思います」と言う。「ある意味では、ウイルスが人々に感染してもあまり病気にならないようにすることは、ウイルスにとって有利なことなのです。このウイルスはすぐにパンデミック型から脱却し、より穏やかで、より感染力の強いものになり、より脆弱な人々へのワクチン接種を考えるだけでよくなると思います」。
普通の「専門家」はそのように考える。コロナ騒動が終わって欲しくない「(自称)専門家」はいつまでも「感染者数」ばかりを言いつづける。彼らは何のためにワクチンを打ったのか理解できていないばかりか、困窮する人たちへの思いは微塵もなく、自分たちが医療崩壊を誘導していることに気付いてもいない。
誤解を恐れずに言うと免疫学的に最大の防御効果を得るにはワクチン接種後に感染すること。強い抗体やT細胞免疫が得られる。オミクロン感染でもデルタ株に対する免疫が得られるそうだ。原著論文(査読前)はこちら。やはりワクチンを打っていた方が強い抗体が得られている。もしオミクロンがイギリスの報告で示されたように極めて軽症ならオミクロンによるブレークスルー感染が広がった方が早くコロナ騒動は終息する可能性は高い。アメリカやイギリスなどはその方針で進んでいる(望んでそうしたかはわからないが)、強い規制や自粛はむしろ終息を遅らせるという逆説的なことになる。
イギリスは挑戦的実験が好きな国だ。デルタ株の時も7月に制限を撤廃した。そのときの致死率は0.3%くらいだと思う。毎日3−4万人が感染した。12月に入るとオミクロンが優勢となりもはや意味がないと入国制限を解除。昨日は78000人の感染者を数えた(うちオミクロンは10000程度という)。しかし、である。死亡者数は増加していないかむしろ低下ぎみ。昨日は165人で発表ではオミクロンによる死亡はなさそう。イギリス政府のデータベースでもオミクロンの死者は7名。明らかにオミクロンの致死率はデルタ株よりもはるかに低い。私の試算では致死率デルタ0.16%オミクロン 0.03%である(下の計算参照)。「オミクロン弱毒説」を否定したい抵抗勢力は南アフリカでは若い人が多いからとか再感染が多いからとか難癖つけてきたが、オミクロンとデルタが同時進行で拡散しているイギリスでの実験から両者のリスクの比較が明確に出るだろう。香港大学の研究ではオミクロンは増殖速度は速いが、肺では増えにくいという(つまり喉の風邪)。そして致死率がインフルエンザ以下と明らかになった時にこの騒動は終わるはず。。しかし(自称)専門家や製薬会社やマスコミや政治家や補助金が欲しい人たちはそう簡単に認めないだろう。モデルナの幹部は「オミクロンで入院した人の重症化率はデルタと変わらない」などと在庫一掃に必死だが、そもそも入院率が低いのにデータの一部をとらえて人を騙すようなことを言ってはいけない。こちらのニュースも同じ。確かに入院した人の死亡率はデルタ13%、オミクロン 8%と近くなるが、入院率を無視して重症化率は同じなどというのは詐欺のようなもの。医者でも科学者でない人は多いということ。
ロンドン市長は「重大事態」宣言をし、インペリアルカレッジロンドンは「デルタ株よりも重症化リスクが低い兆候はない」としている。ところが政府の12/20のデータを見るとこれまで45145人ほどがオミクロンに感染し入院129人、死者14人である。今週のコロナ感染者数が513574人、入院6056人、死亡787人である。オミクロン致死率 0.03%, 入院率0.3%、オミクロン以外のコロナ(ほとんどはデルタと思われる)では致死率0.16%入院率1.22%である。12/24のデータでは感染者総数114625死者29なので致死率0.025%で安定してインフルエンザ以下。デンマークでは入院率は英国よりやや高めだが死亡者数は報告されていない(ゼロなの?)。またアメリカでは先週だけでも65万人がオミクロン に感染して初めて死者が一人出たという。どう見てもオミクロンは弱っちくインフルエンザ以下のように見えるが?イギリスは検査しまくっているので無症状者も多く、致死率は低めに出やすい。
日本はどうなるだろうか。オミクロンは無症状が多いものの風邪の症状は出る場合もあるらしい。また感染力はばか高いので日本でも第6波は来るだろう。すでに広がっている可能性はある。第6波は来ないんじゃなかった?いやいや(自称)預言者兼(自称)専門家である私は「新しい変異株が来なければ」と条件をつけたはず。オミクロンによる第6波はむしろ予言通りとも言える。やや苦しいが厚顔は(自称)専門家の証。許されたい。しかし、である。重症者、死亡者はほとんど出ないと予想するので重症者の第6波は来ないとも言える。それでは困る人たちは感染者が何千人と騒ぐだろう。そして気の毒なのは無症状や軽症なのにオミクロンというだけで強制入院させられる人たち。その数が膨大になりさすがにオミクロン(コロナ)を特別視するわけにはいかなくなる、というのが私の次の預言。すでに保健所は濃厚接触者のホテル療養はパンクし自宅待機を認めている。オミクロンによる第6波が来てデルタを駆逐してくれないとむしろこの騒動は永遠に続くことになる。
12/16 午後は九大歯学部の学生さん向けの免疫学のオンライン講義。興味を持ってくれると信じて「コロナの免疫学」の話をする。ファクターXで今話題の理研の藤井先生の話はHLAの型と疾患を理解するのに格好の話題と思って随分時間をとって解説した。しかし学生の顔は見えない。質問もない。うーん、これでは理解できたか判断できない。コロナの最大の被害者は若者である。来年はぜひ対面でやりたい。
ビルゲイツ氏も来年にはコロナは収束するという。希望を持ちたい。一番の敵は感染者数ばかりを扇情的にあおるマスコミと専門家会議か。コロナ禍はすでに人災の様相。
政府はオミクロンの濃厚接触者を「疑い」だけで施設に隔離するという。人権無視の天下の愚策とはこのことだろう。もう誰も少し熱があるくらいでPCR検査しなくなる。まさに「苛政は虎(コロナ)よりも猛し」。ブレークスルー感染では「スーパー免疫」ができる可能性があるという。原著はこちら。3回目のワクチンよりもオミクロンそのものによるブースターの方が速くて強力なのかもしれない。うちでもメモリーを調べているのでぜひ検体が欲しい。
オミクロン第6波はすでに来ている可能性も十分ある。多くは無症状、軽症なので病院にもいかず申告しないだけ。首相は無料のPCRをやると言っているが、そんなものに行って何ともないのに2週間も監禁生活を強要されたらたまらない。濃厚接触者も隔離されるとなると周囲にも多大な迷惑をかけることになる。ますます貧困に苦しむ人が増えるのではないか。
イギリスの経済新聞CITY A.M.に出ていた記事。この頃英語を読むのも面倒になってきているのでDeepLで翻訳すると、『WHOとコロナウイルスの専門家は、新型オミクロンは「超軽度」であり、これまでのところ、南部アフリカのどこでもCOVID19による死亡率は上昇していないとの確信を深めています。
WHOは今朝、渡航制限をやめ、集団ヒステリーを終わらせるよう各国に呼びかけていますが、南アフリカからの報告では、新しいオミクロン変異体は以前のデルタ変異体よりも致死率が高くないとの報告が増えているため、慎重に楽観的になる必要があります。実際、オミクロンと診断されたことによる入院や死亡の報告はありません。
南部アフリカの病院や医療関係者によると、ほとんどの患者は、激しい頭痛、吐き気、めまい、高い脈拍を経験するだけだという。
しかし、南アフリカで最初に報告されたこの新しい変異のニュースは、世界中で大規模なヒステリーを引き起こしました。市場は混乱し、イギリス、ドイツ、イタリア、チェコ共和国、イスラエル、オーストラリア、日本など、数十カ国で渡航制限や追加検査が実施されました。
南アフリカ医療協会の会長であるアンジェリーク・コッツィー医師は、この反応は "医学的に見て、正当なものではない "と述べています。30年以上にわたり開業医を務め、南アフリカ医師会の会長でもある彼女は、アフリカの医師として初めて、COVIDが新しい株に変異したことを地元当局に指摘しました。
コッツィー氏は、英国を含む多くのヨーロッパ諸国からの反応を "単なる誇大広告 "と呼んでいます。「我々が目にしている症状の軽さを見ると、現在のところ、重篤な患者を目にしていないので、パニックになる理由はありません。」
南アフリカのジョー・ファハラ保健相も、同国の医師が目にしたオミクロンの症例の大半は「軽度」であったと述べています。オミクロンに感染した人の体調不良についての見解を聞かれたファハラ保健相は次のように答えた。「我々の臨床医は重篤な病気を目撃していない。陽性の人の大半が若者であることも一因かもしれません」。』
パンデミックが終わるには2つの方法がある。ひとつは免疫によって個々人が耐性になること、もうひとつはウイルスが変異して弱毒化すること。まだ高齢者に感染していないので断定はできないが、希望的予言を言うとオミクロンが普通の感冒程度でデルタ株を駆逐してくれたら2年にわたるこの騒動は終わる。むしろ渡航制限はその終焉を遅らせているのかもしれない。いや「陰謀論」の立場からすると実は各国はヒステリーではなく某国の国際的イベントを潰したいがために。。。
同じことを考えている人はいるもので、ドイツの次期保健相の有力候補者のカール・ラウターバッハ教授は「オミクロン株は新型コロナを終息を早める「クリスマスプレゼント」になるかもしれないと語ったそうだ。日本は残念ながらクリスマスプレゼントをもらい損ねそうだ。
Nature誌でも記事にしている。しかし12/1の情報に基づいているので何も新しいことはない。重症度に関しても、これまでの南アフリカの感染では、若い人、すでにCOVIDに感染したことがある人が中心なのでまだわからないとしている。初期に「オミクロンは子供に重篤な症状を引き起こす」という報告もあったが現在それは否定されている、というのが新しい話なくらい(出典不明)。PCRの時にデルタ株とオミクロン株を見分けるなど手間がかかるので、重症度の判定にはまだ時間がかかるだろうという。
もし感染拡大中のヨーロッパでオミクロンがデルタを駆逐して致死率が今以上に下がってくれば(今でも以前に比べると十分低いが)これで騒動は終わる。来年こそはおおっぴらに花見ができるかもしれない。ヨーロッパの置換率と致死率に注目したい。
12/5 Guardian誌の期待を高めるニュースから。コロナが終わってくれたら困るマスコミや(自称)専門家は「時期尚早。まだ断定的なことを言ってはならぬ」と顔をしかめる話だが。普通の人は希望がなくては生きていけない。
『シンガポール在住のナイジェリア人研究者、ジョナサン・オバジェ博士によると、アフリカン・オミクロンの発見以来、世界の診療所のデータでは、COVID-19ウイルスの亜種は初期の亜種よりも致死率が低いことが確認されています。オバジェ氏によると、「アフリカのオミクロン」が発見されて2週間目になりますが、これまでに世界中のクリニックのデータから、COVID-19ウイルスのオミクロン変異体は、デルタ変異体やその他の初期の変異体よりも致死率が低いことが確認されています。
オバジェ氏は、「2002年の重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS-COV)が、人間の生まれつきの免疫力によって、最終的に一般的な風邪にまで弱体化したことを忘れてはならない」と述べた。「オミクロン・バリアントがデルタ・バリアントよりも致死率が低いかどうかを、あと1週間で確認できるだけの科学的な能力を我々は手に入れました。これまでのところ、世界中からの多くの報告がそれを示しています(あと1週間もかかるんかい。。)。
「オミクロン・バリアントがデルタ・バリアントよりも致死率が低いことが確認された場合、科学的に好都合な行動として、全員がゲートを開き、オミクロンが急速に広まって世界的に支配的になるでしょう。そして、オミクロンは新しい無害なCOVID-19ウイルスになります。
「このようにして、人類をCOVID-19の悲劇から救うことができるのです。現在のメディアによる否定的な宣伝、パニック、政治的な対策は非科学的であり、私たちはおそらく「アフリカのオミクロンとのメリークリスマス」を迎えることになるでしょう。』
ファウチ氏も認めつつあるらしい。
ワクチン開発者が警戒を強めよ、と煽っているのは如何なものか。今のうち在庫一掃しないと、と焦っている?
12/7 今日のCITY.AMの新聞記事。「新型コロナウイルスがデルタウイルスの2倍の速さで拡散しているにもかかわらず、オミクロンの死亡者数はまだゼロ。」『南アフリカをはじめとする地域の科学者や政策立案者は、急速に広まっているOmicron変異体が大惨事を引き起こすことはないだろうと慎重に考えています。これまでのところ、この新しいCovid変異体に関連した死者は出ていません。この5日間で4万人以上が陽性と判定されるなど、記録的な数の新規感染者が発生しているにもかかわらず、今朝、南アフリカのメディアが報じた新しい研究結果は、オミクロンが比較的軽度の変異体であることを裏付けるものとなっています。
プレトリアのSteve Biko/Tshwane District Hospitalで行われた研究では、Omicronに感染した患者は軽度の症状しか出ないことが判明し、研究を主導したFareed Abdullah博士は、ほとんどの患者が補助酸素を必要としないとニューヨーク・タイムズを含む複数のメディアに説明しています。』ネットや株式市場ではすでに「オミクロンは普通の風邪」という認識が広まているようだが、頑なに「感染がものすごいスペードで広がっている。悲惨なことになる」と不安を煽っているのは一部の政府と(自称)専門家とマスコミだけか。楽観論を煽ってはいけないとは思うが、悲観ばかりで世の中を暗くするよりは。。悲観論には何かそれなりの理由があるのだろう。
ファウチ氏はオミクロン株の重症度はデルタ株以下と認めながら「確実なことはあと数週間、あるいはそれ以上かかるだろう」と言う。石橋を叩いて渡る。羹に懲りて膾を吹く。オミクロン騒動は年を越すのだろう。オミクロンの毒性はデルタの10分の1だとしても10倍感染者が出るのなら脅威は一緒だという人がいる。それならばもしオミクロンの致死率がインフルエンザ並みの0.1%以下となったらどう判断するか?通常ならばインフルエンザは年間1000万人の感染者を出すと言われている。交通事故での死亡は事故件数の0.8%(2019年)なので、運転を規制すべきか?どこかで誰かが判断しないといけないだろう。そういえば今年はインフルエンザが大流行するのでワクチン打つべし、打つべしと叫んでいた(自称)専門家の先生はどうされているのだろうか。
相変わらずWHOのオミクロン最新情報は11/28から更新されていない。一方イギリスでオミクロンによる最初の死者が出たということでNHKでもニュースで取り上げられていた。ネットでも嬉々として続々報道されている。が、どうなんだろうか?4000人ほどの感染者で1名。致死率は0.025%でデルタ株とは比較にならないほど低いし、インフルエンザ0.1%よりもはるかに低いが。。。さらに実はイギリスでは毎日20万人がオミクロンに感染しているという推計もあるそうだ。20万人に1人って、、、飛行機事故レベル?それで大騒ぎするのってもはや笑うしかないが、うがった見方をすれば、それでも首相が声高に「危険極まりない」と叫ぶのは何か別の意図があるような気がするが。。。
(自称)預言者の無責任な予言。世界的にデルタ株がオミクロン株に完全に置き換わるのが来年春。そこで重症化率がインフルエンザ以下であることが明確になり、このコロナ騒動が終わる。さすがにコロナが終わったら困る抵抗勢力も沈黙せざるを得なくなる、、、といいが。
11/24 東京はPCR陽性者5名ということで「日本だけなぜ急激に減ってさらに低下傾向にあるのか謎」というコメントが多い。いえいえそんなことはありません。欧米の再拡大とくらべるとアジア諸国は多くが収束に向かってリバンドの兆候がない。サウジアラビアだって1日およそ50人以下を2ヶ月にわたって維持し続けている。 むしろ、なぜか韓国だけが拡大しているのが謎。南米はやや増加傾向がみられるものの大票田のブラジルは下がり続けている。こうしてみてくるとワクチンの効果は大きいものの、何らか地域の違いがあるように思えてくるが、それは(自称)専門家の私にもわからない。少なくとも、よく調べもしないで「日本だけ」というのは学者としてはいただけない。
日本だけが減っているのはGDPではないか?欧米はプラスなのに日本はマイナス。収束を維持するために多くを犠牲にしていないか。もう6波の兆候が見えている、もっと自粛せいと根拠もなく煽る(自称)専門家がいる。彼らはその発言のせいで多くの若者が困窮し、生徒が希望を奪われ、自殺者が増加していることを何とも思わないのだろうか?たぶん気にもしてないだろう。科学の分野でも学会は未だオンラインが多く議論は低調である。特にポスターなどの交流によって新しいアイデアや情報を得られる機会がなくなってしまった。若い研究者らにとっては誠に厳しい状況で、ますます世界との格差が広がるのではないか。感染が落ち着いている今こそポストコロナの時代をどうすべきか政治が指針を示してほしいがそれはほとんど見当たらない。困窮学生に給付金の話はあるがそれは必要なことではあるが、一時的なことで長期的、根本的に考え直さないと状況は改善しないのではないか。抗体や経口薬は早期に投与すればかなりの効果がある。ある程度のPCR陽性者が出ることは仕方ないが、重症化しないように早期に投薬するシステムをつくればインフルエンザ以下になる可能性は十分あると思う。
11/26 南アフリカで生まれたN株(オミクロン株と命名)はデルタ株のに比べて感染力が2倍に増し、スパイクにも32個もの変異が入っているそうだ。さっそくマスコミ各社は嬉々として「最凶株出現」と危機感を煽っている。ネットでコロナで検索するとこの話題ばかり。しかし記事には致死率が出ていない。これまでのところ南アフリカでの症例はすべて普通の風邪のような軽症だそうだ。こちらの動画も。極端な言い方だが、もし旧型コロナ程度の軽い症状なら弱毒ワクチン株の出現と歓迎すべきかもしれない。とりあえずは最悪も想定して日本に入れないように入国規制は必要だろうが、科学的な情報なく「最凶」と怖がる必要はないだろう。しかし免疫学的に興味深いのはこの変異株はひとりのHIV感染者の体内で出現した、と書かれていた点(出典不明の都市伝説かも)。HIV患者ではCD4T細胞の活動が鈍い。抗体が存在するがT細胞がいないことで持続感染になり、抗体を回避する変異が蓄積したのだろうか。感染した当人はどうなっかたのか?続報がないが、もし生存しているならウイルスは免疫不全状態でも宿主を殺さずに共存を選んだ可能性がある。私のような老人もある意味免疫老化による免疫不全の状態だから、高齢者でも致死性が落ちる可能性も十分ある(全部可能性の話)。
全くの願望の話だが、もしオミクロン株が致死率が極めて低く、デルタ株を駆逐してくれるのであれば福音ではないか。そうであって欲しい。
WHOまで危機感を煽っている。「可能性」の段階でここまで言うのは自分たちの存在意義を示したいのだろうか。そんな暇があったらウイルスの性質や重症化の有無を早く調べたら?今の所どの記事を見ても明確に「オミクロン感染で死亡」は出ていない。記事にもそう書いてある。南アフリカで急激に増えているのはデルタ株がほぼ消滅するくらい下火になっていたからだろう。置き換わるかどうかは現在デルタ株が再興しているヨーロッパでどうなるか見ないとわからないはず。その時死亡者数がどうなるか注視したい。そのくらいのことは素人でもわかりそうなものだが。本日東京は8人。オミクロンショックで自粛が進んでさらに下がると(自称)預言者は予言する。また泣きを見るのは立場の弱い若者や女性なのに。南アフリカでもじきに感染者1日1万人を超えると警告する(自称)専門家がいる。科学的根拠もなく煽るだけの預言者は世界中何処にでもいるらしい。
いずれは新変異株は入ってくる。第6波は変異株によって起きることは想定内のはず。遅れて始まるよりもまだワクチンの効果が高い今のほうがよいという考えかたもある。しかも未だ死亡の報告はなく(あったらマスコミが嬉々としてとりあげるはず)少なくとも「毒性が高まった」可能性は低い。バイデン大統領の言うようにパニックになる必要はない。
WHO、今度は国境封鎖を批判。危機感を煽って「各国は対応を」と言っておいて、それはないような気がするが。。彼らが「重症者がでておらず、弱毒株である可能性もあることこと、すでに多くの国でウイルスは市中に存在すること」などきちんと説明せず「懸念すべき株」としか言わないからこうなる。WHOのオミクロンのHPは11/28から更新されていない。。
11/2秋の褒章が発表された。紫綬褒章はオリンピック金メダル関係者がこぞって受賞したので90名と過去最多だった。そのなかで思いがけず私も紫綬褒章を頂けることになった。オリンピックに出た記憶はないので学術枠だろう。免疫分野の長年の功績らしいが、もとより自分自身のやったことはほんの最初のひとかけらで、それを発展させて形にしてくれたのは一緒に研究してくれた大学院生、スタッフ、研究補助員らのおかげ。またさらにこの分野を拡充してくれた共同研究者や競争相手たちのおかげである。感謝してもしきれない。上原賞のときと同様にこれまでの30年にわたる地道な努力が認められたことを皆と喜びたい。オリンピックの金メダルくらいの価値があると思えば誇らしくもある。
紹介のビデオはこちら。3分程度。10分の長いversionはこちら。
お祝いのメールもたくさんいただいた。昨日は返事書きに一日費やしたが久しぶりに連絡する人もいてそれはそれで楽しんだ。祝電も多数いただいた。この場を借りて御礼申し上げたい。特にノーベル賞の山中先生からの祝電は皆に見せびらかして自慢した。
ただ非常に残念なことにコロナが怖いという理由で伝達式(授賞式のようなもの)もそのあとの皇居での拝謁も中止。11/29に塾長から手渡していただいた。それだけでも十分感激ものだったが、金メダリストに直接あってサインをもらえることを心の底から楽しみにしていただけにその点は残念きわまりない。都民の努力で感染者数1日30人を切っているというのに。。。これではいつになったら日常が戻ってくるのかわからない。感染者ゼロになってもリバウンドが怖ければ決してもとにもどることはないかもしれない。
というわけでまたまた世界の感染状況をみてみる。遺伝研の先生がコロナウイルス の自壊説を支持する結果を学会発表したそうだが、アジア系は変異を促進する遺伝子APOBECの発現が高いので変異が蓄積やすいという(こちらの記事はやや詳しい)。確かにアジアと欧米を比べてみると日本、インド、インドネシア、イスラエルと落ち方は急激で今の所リバウンドはない。特にインドネシアは島国なのに日本と同じような状況なのが不思議だ(離れた都市でもシンクロして減っているように見える)。一方でイギリスは相変わらず高値安定、ドイツは急激に増加、フランス、イタリアもリバウンドの兆候が見られる。アメリカは下がり続けているが減少スピードが緩まっている。初期に山中先生が唱えられたファクターXはやはり存在するのか。それが急速な減少のみならずリバウンドの抑制に働いてくれたら、こんないいことはない。第6波はないと大ミエを切ったので祈るような気持ちでいつもチャートを見ている。
ロンドンの小野先生は「自壊説は自己矛盾しており有害」と言われる。小野先生は自壊説の矛盾を突き、第5波の急激な収束の主な原因は「ワクチン接種が急速に広まったことと人々の行動自粛」と言われる。もっともだと思う。今週号のNatureにはイギリスの現状について解説があった。イギリスは毎日3−4万人の感染者で増減を繰り返している。そろそろ全国民がワクチンか感染で行き渡りそうなものだが何故か下がらない。「ワクチン+ソフトな公衆衛生対策」が鍵だという。こちらももっともだと思われる。イギリスでも相変わらず人と人との接触回数(人流説?)を重視する学者もいるのは「専門家」に国の違いはないのだと思わせる。私は日本においては小野先生の説をおおむね支持するのだが、「ワクチン+自粛」ではインドネシアは説明できないのではないか。インドネシアの接種率は30%程度。やはりそう単純ではないような気もする。(ただし首都ジャカルタはほぼ100%とのことでインドネシアの統計は首都近辺だけの可能性もあるが。。)
大学院生の安藤君が長年取り組んでくれたフィーダー細胞を使わないCAR-iTscm作成に関する論文が10/19付のCancer Reserch Communicationsに掲載された。タイトルは「Rejuvenating effector/exhausted CAR-T cells to stem cell memory-like CAR-T cells by resting them in the presence of CXCL12 and the NOTCH ligand」プレスリリースはこちら。
腫瘍免疫の効果をあげるために、T細胞疲弊の解除し、若い幹細胞メモリーTscmを誘導する方法の確立は激しい研究開発競争が繰り広げられている。つい最近もIL-2を改変したpartical agonistがTscm誘導に効くという論文がNatureに発表された。おなじみ西川先生の解説はこちら。チロシンキナーゼ阻害剤がよいという論文もScienceに出されている。そんななかで我々は一旦活性化されて疲弊関連遺伝子の発現が上がったT細胞からCXCL12, Notch-L, IL-7, IGF-1という4つの因子でTscmが誘導できることを示した。決してこれらの論文に遅れをとっているとは思えないが実績の少ないラボからトップジャーナルに論文を通すことはやはり難しい。この雑誌はアメリカ癌学会の機関紙のひとつで今月号が記念すべき第一号である。どのくらいのインパクトある雑誌になるかは2年くらい待たないとわからない。それでもできるだけ早く世界に成果を示してさらに発展させたいという思いをこめてこの雑誌に発表することにした。安藤君は固形がんでも効果が出るようにさらに改良を進めており次はもっとインパクトある雑誌を狙いたい。一方でTscm化のメカニズムの解明も重要だろう。T細胞の疲弊はNR4aが重要なのだがTscmのマスター因子は何か、まだ不明な点は多い。
10/17 本当の専門の話。Rasの抑制因子SPREDファミリーは2001年に大学院生だった脇岡君がクローニングした。以来細々と研究を続けてきたが、2007年にSPRED1がヒト神経線維腫症1型に似た疾患(Legius症候群)の原因遺伝子であることがわかり2012年にNF1との結合が報告されて分子機構の解明も進んだ。このような流れでRas病の概念が形成されていった。しかし注目を集めるのはヒト疾患との関連が明らかなSPRED1のみでSPRED2の理解は進んでいなかった。SPRED2もSPRED1と同様にNF1に結合しRasを抑制することは明らかだったが、がんでの変異は多数見つかっているもののヒト遺伝性疾患との関係は報告されていなった。SPRED2はSPRED1よりも発現が広範囲なので私はSPRED2の変異は致死性かもしれないと疑っていたが、ついにヒトでの変異が3つの家系で発見された。Legius症候群と違って心疾患を特徴とするNoonan症候群に近いという。またLegius症候群はSPRED1のヘテロ変異(優性遺伝)に対してSPRED2はホモ変異(劣性遺伝)だ。症状の違いはSPRED1/2の発現部位の違いを反映しているのだろう。それでも全てを説明できるわけではない。ヒト胎児期の発生にも関わる問題のようでなかなか難しい。SPREDをはじめ多くのRas経路の(後天的)変異はガン化に直結している。一方でRas病の話は先天性の変異であり、おそらく胎児期の発生の過程でのRasの過剰活性化によってもたらされるものだ。原因がわかればMAPK阻害剤を投与するなどの方法はあるかもしれないが発生過程なので時期が難しい。我々のSPRED欠損マウスはよいモデル系を提供してくれるに違いない。
10/2 東京の感染者数は200人を下回るようになった。この急激な減少の原因も(自称)専門家にはわからないらしいが、それでも相変わらず「第6波は必ず来る」「リバンウンドを警戒せよ」「インフルエンザとのツインデミック(?昨年のキャッチフレーズと同じ?)と深刻な表情で訴えておられる。一方、ネットニュースのコメント欄では「専門家という人たちは競馬の予想屋と同じ」と手厳しい。いや競馬の予想屋の方がよっぽど当てているのでは?彼らは占い師、預言者、すなわち科学的にはペ○ン氏なので真剣に話を聞くだけ無駄のような。。。ではお前はと言われると私も同類なのだが、なぜ今回の第5波のピークを当てられたのか(予言者なので過去に外したことは無視)?彼らとただ一つ違うのは海外の波をいつもみていたことだろう。今回の波はデルタ株によるもの。図のように 元祖インドはだいたい3ヶ月間の急峻な波で収束し、その次に3ヶ月遅れてデルタ株に見舞われたインドネシアはやはり2ヶ月半で収束している。日本はそれにさらに一月遅れて増加し始め、なんと2ヶ月少々で収束している。一方でワクチン打っても感染爆発とよく槍玉に挙げられるイスラエルやシンガポールであるが、ご安心を。イスラエルはおそらくワクチンによってデルタ株の蔓延が遅れたのであろうがちゃんと2ヶ月後に収束に向かっている。シンガポールはまだピークに達しておらずこれからだが、感染者数は3000人/日いっていない。死者は10名/日以下。ワクチン打っても怖ぞおっかないぞと脅したい輩に騙されないように。こうやって並べてみると見事な規則性があるような気がして来る(原因は不明だが)。
おおむね言えることはデルタ株は(ワクチンや自粛にあまり関係なく)2−3ヶ月で必ず収束する(イギリスはなぜか例外)。ワクチンやロックダウン政策で蔓延を遅らせればそのぶんスタートは遅れる(イスラエルやシンガポールでアルファ株の波(日本の第4波)がないのはワクチンのおかげではないか?)。しかしワクチン接種が進んでいればピークは低いように見える(すべての国に当てはまるわけではない)。なぜ日本の疫学者は海外の動向を取り入れようとしないのか不思議だ。「季節が」とか「報道で」とか情緒的な理由を挙げる「専門家」は海外でも同じというのだろうか?
すでにデルタ株が収束したと思われるインドでは毎日2万人とくすぶり続けているが、次の波は発生していないので日本で第6波が来る可能性はないわけではないが現時点ではその気配はない、と言ってそう間違ってはいないと思う(なんとも微妙な言い回し)。ええい、どうせ予言なので「第6波はない」といいきろう。外れたら削除。でも競馬の予想よりも当たらない他の専門家の言うことよりも少しは説得力あると思いません?
一つだけ競馬の予想屋よりも劣ると言われる「専門家」を擁護するとしたら、これら海外でもなぜ急激に減少したか科学的に納得できる解明はなされていない、ということ。インドで集団免疫が成立したと思われたのになぜか急激なデルタ株の蔓延が起きた、とか、イギリスで制限撤廃で医療崩壊するとした専門家の預言は当たらなかった、とかNatureに記事にされたくらいだ。結局、専門家=預言者があてにならないのは日本だけではないのだ。知事会は政府に「減少の検証を」と訴えているらしいが、ヒトは実験動物と違って可能性は言えても科学的に論理だった検証は難しいもの。預言者はやはり預言者にすぎす、競馬の予想屋よりも当たらないということを再認識していただきたい。
世界的も感染者数は急速に減少しており、日経新聞では120カ国で減少し、欧米を中心に経済活動が再開されつつあることを報じている。8月下旬に「明かりが見え始めている」と言った菅前総理は正しかった。そのときボロクソに言った連中は今何を思うだろうか。当然忘れているか、今もゼロでないと言い張るのだろう。あるいは第6波よ早く来いと祈っているのだろうか。たぶん出番がないと困る連中はそうだろう。
10/9 土曜日東京都82人。10/10 日曜日60人。もはや人流が〜という言葉を口にする預言者(=専門家)はいまい。ただ一体何が起きるいるのか?憶測だけで話をしても解明につながらないのでぜひ世界レベルでの科学的なデータと検証がほしい。(1)やはり一番の要因はワクチンではないか。ワクチンは重症化を抑制することはわかったが、ブレークスルー感染者は他人に移しにくい可能性はある。実際にはどの程度までウイルスの排出量を減らしたのか?シンガポールの陽性者の98%は無症状か軽症。これらの人のウイルス排出量は少ないのか。これはサンプルを集めるのが大変だが検査はできる。ただ、ではインドネシアのようにワクチン接種が進んでいない国はどうなのか?自然感染かもしれない。それなら抗体検査でどの程度蔓延したのかわかるだろう(2)流行時と現時点のウイルスの変異と変異したウイルスの感染性の検証。自壊説の検証。これも感染研なら可能では。(3)イギリスのように収束せず長期間毎日3−4万人陽性者が出続けている国と何が違うのか?逆にインドネシアも急速に減少したが、日本との共通点は何か?やはりアジアと欧米では違い(ファクターX)があるのか?年齢分布の違いか。PCRの検査数もあるかもしれない。血中抗体レベルやインターフェロンレベルも調べてみるとアジアと欧米では違うのかもしれない。
10/11 今日は49人。シドニーが100日間に渡るロックダウンを解除したという。オーストラリアはゼロコロナを目指し、ロックダウンは数十万円の罰金を伴うものだという。それでも現在1日2000人以上が感染し増加中。厳格な制限は結局は感染の増加を先延ばしするだけで、苦痛に見合った効果はない。それなのにオーストラリアの国民はよく耐えたものだ(日本人以上に従順?)。天然痘が撲滅できたのはヒトからヒトへの感染しかなかったからと言われる。コロナが動物を介しても感染するのであればゼロコロナは無理。それにしても東京で100人以下ならほぼゼロと思っていいような気がするが。10/12 77人。
10/12 しかし気になるのがイギリスとロシア。他のヨーロッパ諸国は下がっている。ただアジアと違って減り方が緩やかだったり、くすぶり続けたりしているが。それでもイギリスとロシアは他の国と違っている。イギリスは毎日3−4万人でくすぶり続けている。ロシアは3万人に迫ろうとしている。トルコも3万人くらいで増加中。イギリスの致死率は下がり続けているがロシアは上がっている。ドイツも怪しい動きをしている。もしこれらの国で流行している株がデルタ株でない新株だったら、要注意だろう。世界に広がり第6波になる可能性がある。。。え?!第6波は来ないんじゃないの?予防線、予防線。
10/13 東京72人。これはすごい。来週は平均50人くらいになるかもしれない。しかし海外をみてもここまで下がった例はないのではないか?欧米と比べるとワクチンだけではここまで減らことはなさそうなので、やはりワクチン+マスクの効果が大きいのではないかと思えてくる。
10/14 東京62人。この勢いだとゼロの日も出てくるだろう(ししかし無症状感染者がいるので完全にゼロになることはないだろう)。和歌山県のデータではワクチン接種者は8割は他人にうつさないという。非接種者でも7割なので差は10%なのかもしれないが、それで実効再生産数が1より上か下になるかで結果としては大きく響くだろう(N先生らの出番です)。今回の減少の原因のひとつはワクチンと言ってよいだろう。記事では「もう一段感染者数を落とすことが重要」と感染研の所長が言っているが、これ以上望むのはおかしい。子供がテストで98点を持ってきて「なんで100点でないんだ!」としかる親みたいなもんだ。おそらく人口当たりでみれば東京は中国以外では世界で最も押さえ込んでいる都市だろう(英国の記事参照)。都民も国民も菅前総理ももう少し褒めてもらっていいのではないか。そろそろ下げ止まりという話もあるが、東京で一日100人以下なら十分コントロールされていると考えるべきでこれ以上は医療や政治の方で努力すべき。彼らは子供の自殺が増えていることは全く気にならないのだろうか。
10/20 先月の大分県の小児科の会に続いて埼玉県の衛生試験所の依頼でさいたま市まで出かけてコロナの免疫学の講演を行う。皆さん楽しんで?くれたと思いたい。
10/22 金曜日なのに東京は26人。いずれはセロになりそうな勢いだ。それでも都内の某大学や地方のゼロの県の大学はいまだにリモート。小学生も「黙食」。大学は教員が楽をしたいだけのように思える。オンデマンドは時間に拘束されないので本当に楽なのだ。大学の現状をAREAが報告している。そんな大学や学校の教育環境で育った子供や若者にはどんな未来があるのだろう。例えば「黙食」が今後日本の若い世代にどのような影響があるのか教育系の学者は調べて欲しいものだ。いじめは増えていないのか?自殺は?「ゆとり世代」以上に「コロナ世代」はどんな影響がでるのか。専門家会議の医者は悪い方にしか予言しないし、外れても絶対に弁明しない。それはもう十分わかったはず。これからは10年20年先の日本の未来を見据えた政治的な大局観の問題のような気がする。
10/24 日曜日 東京19人。明日月曜日はヒトケタを伺う勢い。それでも(自称)専門家は全国的にはリバウンドの兆候あり、気を緩めず感染対策を、と言い続けるのだろう。しかしここまでの減少は正直私も予想していなかった。イギリスなどと比べるとやはりワクチン+マスクの効果だと思う。ただイギリスは検査件数は100万人/日。一方の日本は2−5万件/日。この違いは大きく、イギリス無症状陽性者をかなり拾っており、日本は見逃している可能性が高い。でもともかくマスコミはPCR陽性者数絶対主義なのでこの数はすばらしい。もしこの発表がゼロになってもマスコミと自称専門家は「無症状で検査を受けていない人が多数いる」と言い張って「真のゼロ、収束ではない」と言うに決まっている。マスコミは煽りたくても数字がなく、仕方ないので今はイギリス、中国など海外がもっぱら貶している。いやいやこの成果は都民や国民の努力と菅前首相のおかげでしょう。もっと褒めてあげるべき。またもう次の段階「どうやって傷んだ経済や社会、特に子供や若者を救済し、立て直すか」に重点を置くべきだろう。そう言う視点での報道がほとんどないのはどうしてだろうか。ゼロコロナを目指していた人たちがいる。今本当に実質セロコロナになった。このあとどうするのか?彼らは考えがあるのだろうか?それともまだ本当にゼロでないと言い続けるのだろうか。今こそそれが問われている。
緊急事態宣言は9月末で終わるものの、飲食店への時短要求は続くそうだ。ネットでは、なぜ人数制限ではなく一律9時終了なのか?科学的な根拠はあるのか?などと騒がれているが、ニュースは総裁選挙と小室氏のことばかり。なんともつける薬もないとしか言いようがない。小室さん、バッシングに負けず初志貫徹して欲しい。サイレントマジョリティーは祝福か無関心。(読売新聞の調査では53%がよかったと。やっぱりね)。ゼロコロナや東京オリンピックと同じ構図のように思える。マスコミや叩いている人たちももし自分がその立場になったらここまでできるのか?少し冷静に考えてみるといい。
さて感染者数が激減でマスコミの関心もすっかり冷めたコロナ(頃な;;)。相変わらず激減の理屈は不明。児玉先生のコロナが感染を繰り返すことで自壊したという説もあるがどうなのか?イスラエルもアメリカも多くの国で減り出している。ワクチンが行き渡っていない同じアジアのインドネシアも制限を緩めても激減し続けているし、戒厳令に関係なくタイでは上昇し現在下降中。なので児玉先生の説もありのような気がする。しかしイギリスをみると制限撤廃後、増えこそしないが毎日3−4万人の感染者を出し続けており(それでも制限なしはすごい。ジョンソン首相は現代のチャーチルと私は絶賛している)減る気配がない。この国は自壊説では説明できないのではないか。しかし他によい説明があるわけではない。この説を実証するには制限撤廃し人流を増やしても感染者が増えないことを確かめるしかないのでは。確かに制限がほぼないスウェーデンやデンマークでも大きなリバンドはない。スパイク以外にも変異が入っているのだろうか。せめて試験管のなかででも感染性を調べれば確信が持てるだろう。もしこの説が当たっていれば、新たな強毒株がでてこないかぎり第6波はないのではないか。追記)感染研の先生が毒性を変えるような重大な変異はないと言っているようなので自壊説もどうなのか。
さてもうすぐノーベル賞。前哨戦とも言われるラスカー賞はmRNAワクチンのカリコ博士らが受賞した。慶應医学賞もカリコ。この頃ノーベル賞も時流を追うことが多いのでmRNAワクチンは大いにありうると思う。医学生理学賞ではなく化学賞もありだろう。共同受賞者に私は京都大学の藤田尚志先生を挙げたい。藤田先生はRNAウイルスのセンサー、RIG-Iの発見者だ。コロナウイルスももちろんRIG-Iを活性化しインターフェロン応答を引き起こす。RIG-Iの発見はこの分野の画期的な出来事でその後のcGAS-STINGなどのDNAウイルスセンサーの発見にも貢献し、藤田先生はHighly cited researcherに何度も選ばれている。ノーベル委員会は時々、下馬評としては注目されていないけど実はすごい(一番最初に見つけた)ひとに賞を出している。島津製作所の田中氏、GFPの下村氏もその類だろう。もちろんこれは私の預言です。毎年予想し外し続けています。しかし外れてもこれは十分考慮されてよい受賞対象だし多くの人に知ってほしいので削除はしないつもり。
医学生理学賞は「温度と触覚の受容体の発見」に。やはり外した。。。
物理学賞に「地球温暖化の予測」これは予測すらできなかった。真鍋博士はなぜ国籍を日本からアメリカに変更したのかと聞かれて「日本は協調性を重んじる。アメリカでは他人の気持ちを気にする必要がない」と語ったそうだ。「私は同調する能力がない」とも。自分が米国に留学中に、残るか帰るか悩んだ時のことを思い出した。おそらく優秀で研究に専念したい人にとってアメリカは天国なのだろう。しかし主張する時ははっきり言わないと「何も考えていない」と判断されるし成果がでなければすぐに切られる。生活の上でも主張や交渉しないと無視されたり不利益を被る。日本人というかアジア人と違って「察し」や「気遣い」「あうんの呼吸」はあまりなく、私は真鍋先生とは真逆で馴染めなかった。まあ自分は秀でた能力も自信もない、英語もできないことはよくわかっていたので(当時は)終身雇用だった日本を選んだ。もしかしたら日本は本当はアメリカのような個人プレーを重視する体制をお手本にするよりも「チームプレー」を重視したほうがいいのかもしれないが。でも研究は「同調」していたら確かに進まないかな。
Yahooニュースで新型コロナの終息時期に関するニュースがあった。ワシントンポストの記事を転記したものらしい。3年以上かかるという意見もあるが注目したいのは’楽観的’な意見。抜粋して訳すと、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医学教授で、感染症の専門家であるモニカ・ガンジー氏は、「私は本当に、本当に終盤に入ったと思っています」と語る。「9月中旬から下旬にかけて患者数が減少し始め、10月中旬には、医療従事者にとってはウイルスが気になるが、一般市民にとってはあまり気にならないような、管理しやすい状態になるでしょう」。ガンジー氏は、これまでの呼吸器系ウイルスの流行は、ワクチン接種や自然感染による免疫の獲得によって終息してきたという事実に基づいて、楽観的な見方をしている。ウイルスは常に変化し続け、人々の防御力を回避できる可能性があるが、「ウイルスは自分自身を犠牲にして素早く変異し、時間とともに弱体化していく」という。デルタ型が米国で大流行したため、今年の夏がこのウイルスの強さのピークになるだろうと考えている。
これまでの経験から専門家の予言は多くは外れる。そもそもウイルスが弱毒化したという証拠はないし、アメリカはまだ増加傾向なのでガンジー氏の自信がどこから来るのかよくわからない。しかし確かにインドもブラジルも理由はよくわからないが感染者数はピークから比べるとかなり減少している。医療崩壊すると予言されたイギリスも1日4万人以下で推移している。日本もなぜか急速に減って来ている。ウイルス自身というよりは免疫の力(ワクチン)が大きいような気はするが、このスピードはワクチンや自然感染だけでは説明できるような気がしない。最も強力な要因はワクチンだとしてもプラスアルファがあるのではないか?感染を回避する無意識の知恵や何か社会的な要因があるのかもしれないがそういう専門家(社会心理学?)の意見も聞こえてこない。まあ減って悪いことはない。最も楽観的な予言は日本でいう第5波(デルタ株)を最後に感染がフェードアウトすることだろう。ガンジー氏の言うように終わりが見えたら勇気も湧くだろう。スウェーデンもデルタ株により感染者は増加傾向だが死者は1名とかゼロとかで近々すべての規制を解除するという。
(自称)専門家で「(東京では)人流は減っていないから感染者数が減るのはおかしい」と堂々という人がいる。もちろん気を緩めないように警告することは重要だが、科学者なら事実に基づかない憶測で物を言ってはいけない。都の発熱相談は確実に減っており、モニタリングも減少傾向が続いていることを見れば実際に感染者数も減っていることは正しいと推論される。逆にもし感染者数は偽りの報告だとすると発熱相談やモニタリングが減っていることはどう説明するのだろうか?他のデータも捏造された可能性は否定できないが、全国的な他県の傾向まで捏造することは難しいだろう。逆に言えば「人流と感染者数には相関がない」ことは論理学的には間違っていない。よって人流を抑えればすべてよし、とする対策は誤りであると言える。医者でも数学の勉強が足りない人がいるように思う。
stay homeの効果検証については西川先生のNature Med論文の解説がある。結論は微妙で、少なくとも驚くべき効果があるわけではないらしい。
もっともなぜ急激に減りつつあるのか?はまだ誰も合理的に正しく説明できていないように思う(今回に限らずこれまでもできていない)。こちらの先生はちゃんと現状を正確に把握しておられる。全く同感。しかしやはり減少の理由は憶測の域を出ず正確にはわからない。
9/9今日も先週よりも1000人以上減った。コメント欄では「なぜ減ったのか、科学的な説明のできない(自称)専門家は呼ぶな」と手厳しい。おっしゃる通り。正確に答えられる人はいないと思う。
最も典型的なのはインドネシア。デルタ株によって1日5万人以上が感染していたのになぜか急激に収まった。これも規制緩和後増加に転じておらず、外出制限だけでは説明できないほどの減少速度のように思える。
コロナに関しては私も含めて(自称)専門家は皆「占い師」。「占い師」は外したことは一切言及せず、当たったことだけ自慢する。私は第5波は5000人程度でピークアウトすると予言し当てた(と胸をはる)。某N先生のように43万人死亡というのは外しすぎの様な気がするが。というか当たったことあります?
日本もwithコロナをめざす?本当なら希望が持てるが。。。さっそく(自称)専門家は「再拡大する」と懸念を表明しているがイギリスの例を知らないらしい。いや彼らは心の中では永遠にこの状態が続いて欲しいと思っているのだろう。早速コメント欄では「女性と寿司屋でワインを飲むのはいいんだ」と突っ込まれていた。
私の予言。コロナの感染拡大は今回の第5波で終わり。さざ波レベルでくすぶり続けるも終息に向かう。冬の第6波はない(あってもさざ波。死者はごくわずか)。海外も同じ。来年正月開けから世界的にほぼ日常が戻ってくる。予言なので外したらこっそりと削除します。ミュー株?元祖コロンビアもほぼ終息しつつあるので過剰に恐れる必要はないというのも私の予言。
ようやくアメリカも下がり始めた。ガンジー先生の予言は当たるか?ガンジー先生のインタビューはこちら。高橋洋一先生の予言の的中率は8割を超えているそうだ。一方でN先生は打率1−2割という。いやそれは褒めすぎで正確には1割以下と思う。ではなぜN先生はもてはやされ高橋先生(や私)の予言は黙殺されるのか。高橋先生曰く、N先生の恐怖心を煽る予言のほうがマスコミ受けし、また医療界受けするからだという。すこぶる同意する。高橋先生は自分よりもよく当てている人はいないだろうというが、忘れていませんか?ここにいます(といって正確に自分の予言の的中率を調べたわけでなはいが)。私の予言の根拠は多くは海外。海外の動向をよくみていれば日本の波がどうなるかある程度予想がつく。第6波があるかどうかはデルタ株にかわる新変異株の大波があるかどうか。それは多くの場合海外で先行するのですぐにわかる。なお理研では天気予報の手法を加えた予測を行なっているという。天気予報の方がトンデモの(自称)専門家の預言者のご宣託よりもはるかに信頼できそうだ。
(預言者の言い訳の再録)10/9 土曜日 東京都82人。もはや人流という言葉を口にする専門家(=預言者)はいまい。ただ一体何が起きるいるのか?憶測だけで話をしても解明につながらないのでぜひ世界レベルでの科学的なデータと検証がほしい。(1)やはり一番の要因はワクチンではないか。ワクチンは重症化を抑制することはわかったが、どの程度までウイルスの排出量を減らしたのか?これはサンプルを集めるのが大変だが検査はできる。(2)流行時と現時点のウイルスの変異と変異したウイルスの感性性の検証。これも感染研なら可能では。(3)イギリスのように収束せず長期間毎日3−4万人陽性者が出続けている国と何が違うのか?逆にインドネシアも急速に減少したが、日本との共通点は何か?やはりアジアと欧米では違いがあるのか?年齢分布の違いか。PCRの検査数もあるかもしれない。シンガポールの陽性者の98%は無症状か軽症。これらの人のウイルス排出量は少ないのか。血中抗体レベルやインターフェロンレベルも調べてみると違うのかもしれない。