トップ  >  沖縄スタイルの披露宴にて(シリーズ第3弾)

 知念、畠中家の披露宴祝辞



知念君と文香さんの結婚式は驚きの連続であった。知念君のエンターティナーとしての面目躍如というべき演出であった。大変楽しいひとときを過ごさせていただいたが、オープニングからパンダの人形を背負っての入場で度肝を抜かれた。当然祝辞もこのままではいけないと思って急遽変更したが内容的にははかなりすっとんでしまった。以下はあらかじめ用意していた内容。


知念君、文香さん、ご結婚おめでとうございます。ご両家の皆様も本日はまことにおめでとうございます。

私は御紹介あずかりました知念孝敏君の指導教官をしております吉村です。知念君は大学院で4年、その後ポスドクとして2年私どもの教室で研究を行っておりますので、もうかれこれ6年のつきあいになります。教室ではもっとも長い部類です。しかしこれまで私は文香さんの存在も全く知りませんでした。はじめて知ったのはほんの⒉、3ヶ月前にこの結婚式の招待状を持ってきた時です。

のちほどまた詳しく述べますが知念君は非常に繊細でかつ不可思議な男です。時々不登校になることがあります。長い時は1週間来ないこともあります。そんな時に何をしているのかと聞きますと、小学生が体育のときにするようにひざをかかえて部屋のまんなかでジットしていた、とか悪いやつに監禁させられていたとか言います。でも今日私はおそらくそんなときは文香さんと今日の準備をしていたのだろうと合点がいきました。結婚したらもう不登校はなくなるのではないかと思います。

知念君は繊細だけでなく深い人間味があるといってもいいと思います。まだ若い彼に深い人間味というのは適当かどうかわかりませんが、彼にはなんとも言えない暖かみがある。ものすごく几帳面でやさしく、よく気がつくし何よりサービス精神が旺盛です。文香さんもそんなところにひかれたのではないでしょうか?われわれのラボでは3,4ヶ月に一度全員の前でのプログレスレポートがあります。知念君の発表は常にしっかり準備をしもちろん内容は申し分ないものですが、それに加えて聴取を楽しませてくれる様々な工夫が織り込まれている。たとえば彼が学位をとったあとのことですが、留学をすすめる声が日増しに高まってきました。かれはセミナーのときにその当時話題になった外国人レスラーが辞める辞めないの記者会見をやった映像を使ってもうすこしラボにいたいよ、もっとゆっくりしていきなよ、と訴えています。これはちょっと見た者でないとわからないものですが大爆笑ものでした。

しかしこのような茶目っ気たっぷりのいたずらも度が過ぎて困ったこともあります。昨年の正月でしたか、私の家にうちの研究所の所長名で年賀状が来ました。裏はなんと私と女子学生や技官とのツーショットや女性たちにかこまれてでれでれしている写真がちりばめられていました。これを最初に女房が見つけたものだからたまりません。正座させられて、あなた大学でいったいなにしているのよ、とこってり油を搾られました。こういうときの女性には言い訳は全く通じない。もし子供が最初にみたらどうするのとか、はるか昔のことまでこまごま持ち出されて、本当に生きた心地がしなかった。ラボの飲み会なのでよく写真はとられていて、酔ったときに本当にそういうことをしたかもしれないと思い込んでいるので否定するほうにも説得力がない。実はあとでよくよくみると写真はphotpshopで加工したものでツーショットも離れてとったものをくっつけたのだとわかるものでした。これで知念君しかないとわかったのですが、こちらも動揺していてその場ではとてもそこまで気が回らない。本当につらい針のむしろの半日を過ごしたのでした。今度はぜひ高柳先生に出してほしいと真剣に思っています。



これは日頃の私の行いが悪いせいという面はありますが、普通ならまあ打ち首でしょう(知念君のほうがです)。しかし知念君のいつもの行状を知っている者は許してしまう。こういう愛すべき性格をもった知念君ですが仕事はきわめてよく出来ます。6年前に名和田先生が彼を連れてきたときも、今年入局したなかで一番優秀だと言って紹介されました。もっとも名和田先生はどの学生もそういわれるそうですが。しかし本当に私が持ったなかでも一二を争う優秀さです。特にプレゼンテーション能力は群を抜いていますがこれはphotophopを駆使した優れた画像処理能力に関係があるからかもしれません。

彼は消化器内科医として炎症性腸疾患をテーマとしています。茶目っ気はありますが根は本当に真面目で常に患者さんを救える役立つ医学を真剣に考えています。仕事は丁寧で粘り強くとことんやらないと気がすまない。大学院生のときにはGastroenterologyという権威ある雑誌に論文を発表しましたがこれは大変完成度の高い仕事であると思います。また知念君には研究員時代にたくさん申請書を書いてもらい研究費の重要な稼ぎ手でもあります。



消化管というのは不思議な器官で、食べ物に対しては免疫をもってはいけないわけですが、腸内には細菌がたくさんいるので細菌に対する免疫は常に発揮させないといけない。この相反するふたつの機能がうまくバランスがとれない状態がクローン病や潰瘍性大腸炎と言った炎症性腸疾患ではないか考えられます。彼は今この謎に挑んでその機構を明らかにしようと頑張っています。しかしこれは免疫学の最大のなぞのひとつであり、複雑な反応ですからそう簡単には解けない。彼は性格が几帳面ですから決して妥協しない。それで時々不登校になるのかもしれませんが、彼の優秀さと真摯な態度をみていますと知念君ならばいつかは解けるのではないかという気になります。今後も研鑽をつんでぜひ世界をリードする研究者になってもらいたいと思っています。



(実は時間が余ったらこのあと「武士の一分」という映画をみた感想をいれて、静かな透き通るような夫婦愛、それに食事の大切さを話そうと用意はしていたのだが、場にそぐわずと判断し省略した。次回に)



お二人の末永いお幸せをお祈りいたしまして、簡単ではございますが、私のご挨拶とさせて頂きます。本日は、本当におめでとうございました。



本当にまれにみる独創的な演出で感心することしきりでした。ただ踊り、民謡と出ずっぱりの新郎の父と比べると、新婦の父親は若干言葉少なげでそれだけが気がかりでした。でもそのうち孫ができればきっと楽しい思い出として語りあえることでしょう。


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